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5章 トワとアース
16.別れ
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「嘘だろ…なんでだ。」
見たこともない表情で驚いているアース様。思わず僕も焦ってしまった。
「どうされたんですか?!」
「トワが…トワがまた自殺した。なぜだ。あいつは確かに自分の意思で転生したはずだ。なのにどうして…」
「とにかく落ち着いてください。早く呼ばないと次の転生に行ってしまうのでは?!」
「あぁ。その通りだ。でも…」
「何を迷ってらっしゃるですか!!」
「この場所に呼べるのは一人だけなんだ…。トワを呼んだらお前は転生してしまう。」
「あぁ、そんなことで躊躇っていたんですか…そろそろ転生する時かなって思ってたんで僕は喜んでこの場所をトワさんに譲りますよ。まぁ急に転生とは少しびっくりですけどタイミングって大事ですから…。では僕は行きます!今までお世話になりました!トワさんと絶対幸せになってくださいね!ありがとうございました!!」
嫌だっていう感情がバレないように思ってもないことをペラペラ泣きそうな顔で…そしてリクは飛び降りた。
トワさんに会ってみたかったな。トワさんとアース様は再会して何を話すんだろう。どうしてまた自殺してしまったんだろう。どれだけ考えても結論はでない。分かってる。でももっとあの場所に居たかったな…。
未練しかないけどまた呼んでくれますように。次は2人で僕を呼んでくださいね。
そしてリクは転生していった。
話が色々急すぎてよく分かってない状況。
それでもアースは呟いた。泣きそうな様子で…
「俺、心読めるって言ったじゃねぇか。離れてても聞こえるんだって…もしこの世界に涙があったら俺も泣けてたかもな」
ここは神様が済む世界。涙はもちろん衣食住もない。何もない空間。だから泣くこともできない世界。それでも切り替えなければならない。もうリクは行ってしまったのだから、
「とにかくリクが未練たらたらで転生していったんだ。早くトワを呼ばねぇと!!」
「あいつをこの場所に…」
会いたくて会いたくて仕方がなかったトワが目の前にいる。でも今の俺は疑問の感情しかなかった。そして問い詰めた。
「トワ!なんでおまえ自殺したんだ!!」
やべぇ、つい感情的に叫んじまった。今はトワって名前じゃないのに…また「誰ですか」って言われてしまう。
「すまない。いきなり怒鳴ってしまった。俺は…」
「頑張ってくれてたのにごめんなさい。」
誰だと言われると思われていたのにまさかの謝罪で俺がずっと見たかった優しい瞳で俺を見てくれている。
「お前っ。もしかして…」
「はい。全て覚えています。忘れていた事全て思い出しました。」
「本当なのか…お前は本当にトワなのか…だったらなんでそんなに悲しそうなんだよ!なんで笑ってくれねぇんだ。」
「アース様にやっと会えてとっても嬉しいです。でも私は与えてくれた命を無駄にしてしまいました。笑う気分になれなくて…」
「長年記憶を思い出さなかったお前がなんで今更記憶が戻ったんだよ…」
「すいません。よくわかりません。でも唐突に思い出したんです。あれは3年前の事です。」
話は3年前に遡る…
見たこともない表情で驚いているアース様。思わず僕も焦ってしまった。
「どうされたんですか?!」
「トワが…トワがまた自殺した。なぜだ。あいつは確かに自分の意思で転生したはずだ。なのにどうして…」
「とにかく落ち着いてください。早く呼ばないと次の転生に行ってしまうのでは?!」
「あぁ。その通りだ。でも…」
「何を迷ってらっしゃるですか!!」
「この場所に呼べるのは一人だけなんだ…。トワを呼んだらお前は転生してしまう。」
「あぁ、そんなことで躊躇っていたんですか…そろそろ転生する時かなって思ってたんで僕は喜んでこの場所をトワさんに譲りますよ。まぁ急に転生とは少しびっくりですけどタイミングって大事ですから…。では僕は行きます!今までお世話になりました!トワさんと絶対幸せになってくださいね!ありがとうございました!!」
嫌だっていう感情がバレないように思ってもないことをペラペラ泣きそうな顔で…そしてリクは飛び降りた。
トワさんに会ってみたかったな。トワさんとアース様は再会して何を話すんだろう。どうしてまた自殺してしまったんだろう。どれだけ考えても結論はでない。分かってる。でももっとあの場所に居たかったな…。
未練しかないけどまた呼んでくれますように。次は2人で僕を呼んでくださいね。
そしてリクは転生していった。
話が色々急すぎてよく分かってない状況。
それでもアースは呟いた。泣きそうな様子で…
「俺、心読めるって言ったじゃねぇか。離れてても聞こえるんだって…もしこの世界に涙があったら俺も泣けてたかもな」
ここは神様が済む世界。涙はもちろん衣食住もない。何もない空間。だから泣くこともできない世界。それでも切り替えなければならない。もうリクは行ってしまったのだから、
「とにかくリクが未練たらたらで転生していったんだ。早くトワを呼ばねぇと!!」
「あいつをこの場所に…」
会いたくて会いたくて仕方がなかったトワが目の前にいる。でも今の俺は疑問の感情しかなかった。そして問い詰めた。
「トワ!なんでおまえ自殺したんだ!!」
やべぇ、つい感情的に叫んじまった。今はトワって名前じゃないのに…また「誰ですか」って言われてしまう。
「すまない。いきなり怒鳴ってしまった。俺は…」
「頑張ってくれてたのにごめんなさい。」
誰だと言われると思われていたのにまさかの謝罪で俺がずっと見たかった優しい瞳で俺を見てくれている。
「お前っ。もしかして…」
「はい。全て覚えています。忘れていた事全て思い出しました。」
「本当なのか…お前は本当にトワなのか…だったらなんでそんなに悲しそうなんだよ!なんで笑ってくれねぇんだ。」
「アース様にやっと会えてとっても嬉しいです。でも私は与えてくれた命を無駄にしてしまいました。笑う気分になれなくて…」
「長年記憶を思い出さなかったお前がなんで今更記憶が戻ったんだよ…」
「すいません。よくわかりません。でも唐突に思い出したんです。あれは3年前の事です。」
話は3年前に遡る…
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