【完結】幻姫と皇太子は身分を隠しお互いに惹かれ合う【全6話】

なつ

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皇太子はお忍びである街に訪れていた。最近治安が悪いと評判の街に…。貴族が関わっている問題かもしれないとのことで皇太子が直々に訪れた。皇太子が来たとバレては黒幕を押さえれない為に皇太子も変装をしている。

皇太子の名はワイアット。

おかしなところがないかと見回っている時に事件はおきた。何か話し声が聞こえるとその方向に進んでみると剣を持った男たちが女性2人を襲っている。

少人数だが連れてきていた騎士と共に助けに入ろうとした瞬間その女性は男たちが振りかざす剣を避けて男を殴る。とても女性とは思えない強力なパンチは皇太子たちを唖然とさせる。

人数は5人。そのうち一人は仮面をつけておりそいつが雇い主ということは誰が見てもわかる。「やれ!!」と指示を出していた。横にいた女性も加勢し、あっという間に剣を持った男たちは倒される。

仮面をつけたやつは焦っていて懐から拳銃を取り出そうとするもそれはカレンも予想している。拳銃を向かせる前にその男のあご付近を回し蹴りしたのであった。とてもきれいな長い髪の毛が円をかいていてアッという間に倒した。その瞬間ワイアットの胸に何かが刺さる。

その瞬間隠れていたワイアットたちを見つけカレンは笑う。「騎士様たちですか?この人達をお願いしても?」

唖然としていた騎士たちもその言葉でハッとし男性たちを捕まえる。しかし仮面の男だけは逃げ足が速くて逃げられた。

仮面の男は恐らく貴族…。服装が貴族そのものだったし男たちを上から指示する様子は雇主。カレンが公女だと知らずに襲ったのだろう。蹴り上げた時に一瞬顔は見えたが誰かかはわからない。貴族だったらまたどこかで会えるだろうし深追いはしなかった。

犯人について考え事をしていると男性が声をかけてくる。「大丈夫ですか」と。声をかけたのは皇太子。顔合わせを昔したことがあるが久しぶりに会った為にお互い誰だかわかってない。

「平気です。お気遣い…感謝いたします。」公女という事は隠したいが為に身分が分からない男性にも敬意を払い挨拶をする。「仮面の男には逃げられましたがまた尻尾を出すでしょう。では、私は失礼します。」

今チャンスを逃すと二度と巡り合えないと思った公女と知らないワイアットは必死に呼び止める。「あの、名前を…被害者として名前の記入が必要で…」

「そう?じゃランお願い。」横に居た女性に名前の記入を頼んだ。名前を知られたくない?と思ったワイアットは彼女の正体を知るために探りを入れる。

「強くてビックリしましたよ。でも慣れた感じでしたがよくあるのですか?何か襲われる理由が?」

カレンもまた男性が気になる。こんな人通りの少ない場所に運よく騎士が居るはずがない。でもワイアットは正体がバレないように中身は王族の騎士団としても見た目はどこにでもいるような騎士。貴族で騎士団を率いている男爵あたり?とは思っていたがまさか皇太子だと思っておらず少し警戒して答える。

「そうなんですよ。恥ずかしながら私お店を経営している身で自分のお店が上手くいかないと私のせいにされてしまうのです。」

「そうでしたか…」

探り探りの会話。出会いたてはお互いを警戒し話す二人だがどんどん緊張がほぐれていく。
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