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話し声は聞こえていたはずなのに当たり前のように入ってきたフレデリックとティナ。入ってきて早々にティナはフレデリックに訴える。
「フレデリック様っ!ほら言いました通りでしょ?!仕事が遅くなったとお伺いしたときオリビア様に限ってそんなことはないと調べてみたのです。するとオリビア様が侍女に嫌がらせを受けその影響で仕事が進まなくなっていたと知り私居ても立っても居られなくて…。ほら!私が書いた推薦状に濡れた後が…仕事を邪魔されている証拠です!」
ティナはオリビアの机にあったお茶で濡れてしわくちゃになった推薦状をフレデリックに見せた。
「確かにこれは何かかかったみたいだな。どういうことか説明しろ。」
冷たい目つきで侍女を睨みつける。
「皇太子殿下っ!違うのです!それは誤ってこぼしてしまっただけなのです。どうかお許しを…。御慈悲を…。」
「そうか。伯爵家はこんな些細なことができない人物を皇宮に送ったのだな。」
「いえっそれは!」と言葉がつっかえる。ティナに命令されたといった所でフレデリックは聞く耳を持たない。ティナの名前を出せば命の危機があると咄嗟に言葉を濁らしたのだ。
「オリビアが何をされようと興味がない。問題は皇族の扱う書類を傷つけたり邪魔をするのが問題だといっているのだ。結果は目に見えている。いつになったら罪を認めるんだ。許しを請うのはその後だろ。何が目的だ?それを答えろ。」
「申し訳ありません。実はオリビア様を主と思えなくティナ様が皇后になれるよう後押ししたかったのです。そのために邪魔をしたり後先考えずに行動してしまって…」
「メイド如きが調子に乗りやがって。やるなら仕事に影響がないようにしろ。書類をダメにするなど論外だ。今日までご苦労だった。命があるだけありがたく思え。」
フレデリックはその言葉を投げ捨てすぐさま部屋を出た。まるでオリビアの部屋に長居したくないように…。ティナもそのあとをついていこうとするがクビを言い渡された侍女がティナに訴える。
「ティナ様っ!どうか…」と訴える侍女の耳元でティナは囁く。
「ティナァそんなこと頼んでないしぃ~余計なお世話だよ?今日までお疲れ様っ!」
とびきりの笑顔で告げられた言葉のショックでその侍女は地面に座り込み努力して手に入れた皇宮侍女の地位をあっけなく失ってしまった。
ティナ・フィータムはさっさと侍女を切りあたかもオリビアを助けたようにふるまう。思っていたシナリオではなかったがフレデリックに優しさをアピールできたことは良い誤算だった。
「ティナはやっぱり優しいな。あの女の事なんてほっといていいのに。」
「最初はフレデリック様との時間が減るのが嫌で何があったのかと調べただけなのです。でも結果的によかったですわ。使えない侍女は早めに切ってしまわないといつか困りますのもね。しかし…オリビア様少し変わったような気がするのですが私の気のせいでしょうか?」
「いや、俺もそれを考えていた。離縁宣言されたのがショックだったのかあの鬱陶しかった前髪を切ってから見えるあの地味な瞳が本当に哀れだ。髪色とあんなに会わない瞳ってあるんだなって。しかしまぁ、ティナの言う通りレオナード公爵家と勝手に茶会するレベルで何か変わったと思う。だから余計なことをさせないために部屋に閉じ込めたんだ。あいつがどうなろうと興味がないが仕事の邪魔だけはしてほしくないね。君との時間が減ってしまうからさ。」
「フレデリック様…。私嬉しいですわ!オリビア様の事…本当にお嫌いなのですね…。オリビア様には申し訳ないですけどフレデリック様がティナを選んでくれてとてもうれしいです!!」
そんな会話を交わしながら皇宮に帰る2人。
ティナはあまりつわりなどの症状が出る様子はなく歩けるほどは元気だった。今回はティナもオリビアの部屋に行くとごねてしまったためティナも同行したが基本は絶対安静。産まれるまでの間は寝床で過ごすというのを条件に付き添った。もうじき産まれる。そうすればやっとあいつから解放されると喜んでいたフレデリックだったがハロルドの耳に離縁宣言の情報が入ろうとしていた。そして次の皇后だと発表されたティナ・フィータムの身体に子が宿っていることも…。
「フレデリック様っ!ほら言いました通りでしょ?!仕事が遅くなったとお伺いしたときオリビア様に限ってそんなことはないと調べてみたのです。するとオリビア様が侍女に嫌がらせを受けその影響で仕事が進まなくなっていたと知り私居ても立っても居られなくて…。ほら!私が書いた推薦状に濡れた後が…仕事を邪魔されている証拠です!」
ティナはオリビアの机にあったお茶で濡れてしわくちゃになった推薦状をフレデリックに見せた。
「確かにこれは何かかかったみたいだな。どういうことか説明しろ。」
冷たい目つきで侍女を睨みつける。
「皇太子殿下っ!違うのです!それは誤ってこぼしてしまっただけなのです。どうかお許しを…。御慈悲を…。」
「そうか。伯爵家はこんな些細なことができない人物を皇宮に送ったのだな。」
「いえっそれは!」と言葉がつっかえる。ティナに命令されたといった所でフレデリックは聞く耳を持たない。ティナの名前を出せば命の危機があると咄嗟に言葉を濁らしたのだ。
「オリビアが何をされようと興味がない。問題は皇族の扱う書類を傷つけたり邪魔をするのが問題だといっているのだ。結果は目に見えている。いつになったら罪を認めるんだ。許しを請うのはその後だろ。何が目的だ?それを答えろ。」
「申し訳ありません。実はオリビア様を主と思えなくティナ様が皇后になれるよう後押ししたかったのです。そのために邪魔をしたり後先考えずに行動してしまって…」
「メイド如きが調子に乗りやがって。やるなら仕事に影響がないようにしろ。書類をダメにするなど論外だ。今日までご苦労だった。命があるだけありがたく思え。」
フレデリックはその言葉を投げ捨てすぐさま部屋を出た。まるでオリビアの部屋に長居したくないように…。ティナもそのあとをついていこうとするがクビを言い渡された侍女がティナに訴える。
「ティナ様っ!どうか…」と訴える侍女の耳元でティナは囁く。
「ティナァそんなこと頼んでないしぃ~余計なお世話だよ?今日までお疲れ様っ!」
とびきりの笑顔で告げられた言葉のショックでその侍女は地面に座り込み努力して手に入れた皇宮侍女の地位をあっけなく失ってしまった。
ティナ・フィータムはさっさと侍女を切りあたかもオリビアを助けたようにふるまう。思っていたシナリオではなかったがフレデリックに優しさをアピールできたことは良い誤算だった。
「ティナはやっぱり優しいな。あの女の事なんてほっといていいのに。」
「最初はフレデリック様との時間が減るのが嫌で何があったのかと調べただけなのです。でも結果的によかったですわ。使えない侍女は早めに切ってしまわないといつか困りますのもね。しかし…オリビア様少し変わったような気がするのですが私の気のせいでしょうか?」
「いや、俺もそれを考えていた。離縁宣言されたのがショックだったのかあの鬱陶しかった前髪を切ってから見えるあの地味な瞳が本当に哀れだ。髪色とあんなに会わない瞳ってあるんだなって。しかしまぁ、ティナの言う通りレオナード公爵家と勝手に茶会するレベルで何か変わったと思う。だから余計なことをさせないために部屋に閉じ込めたんだ。あいつがどうなろうと興味がないが仕事の邪魔だけはしてほしくないね。君との時間が減ってしまうからさ。」
「フレデリック様…。私嬉しいですわ!オリビア様の事…本当にお嫌いなのですね…。オリビア様には申し訳ないですけどフレデリック様がティナを選んでくれてとてもうれしいです!!」
そんな会話を交わしながら皇宮に帰る2人。
ティナはあまりつわりなどの症状が出る様子はなく歩けるほどは元気だった。今回はティナもオリビアの部屋に行くとごねてしまったためティナも同行したが基本は絶対安静。産まれるまでの間は寝床で過ごすというのを条件に付き添った。もうじき産まれる。そうすればやっとあいつから解放されると喜んでいたフレデリックだったがハロルドの耳に離縁宣言の情報が入ろうとしていた。そして次の皇后だと発表されたティナ・フィータムの身体に子が宿っていることも…。
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