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9.嫌な予感
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どうしてマリア様が疑われるの。どうして必死に距離を取っているのに殿下はしがない男爵家の私にずっとくっついてきてるの?主人公だからっていう理由だけじゃ足りない。最近の殿下はなんだか必死さを感じられるから怖いと感じてしまうのだろうか。
この世界は乙女ゲームだとしてもほかの攻略者とは全くと言っていいほど接点がなくマリアも原作ほど殿下に依存していない。イチャイチャを見せつけられてはいないものの殿下が私に執着しているのは察しているはず。殿下だけがしつこく話してくる。
この世界では下の者は上の者に対して認められる以外は絶対に敬称を付けなければならない。婚約者であるマリアも皇太子の事は殿下呼びなのにも関わらずミレイには唐突に呼び捨てしてほしい敬称はなくしてほしいと言ってきた。
この世界で異性に敬称無しや愛称で呼んでほしいと頼むことはあなたが好きだと言っているも同然。周りはざわつき皇太子殿下は男爵令嬢にぞっこんらしいという噂まで流れた。実家には公爵家をつぶしたい連中が家に押しかけミレイを婚約者に仕立て上げた後、乗っ取るつもりなのが嫌でもわかる。
それがつい1ヶ月前の話。ミレイは頭を悩ませていた。マリアに会うことも禁じられミレイは何もできなかった。物証はもちろんの事マリアとミレイは仲がいいという噂もあるためマリアが無罪だとすぐに考えたらわかることなのに殿下はわざわざ当事者を学園から遠ざけた気がしてならない。なんだか嫌な予感がする。かといって行動は起こせなかった。だってこの世界は反逆罪とされれば簡単に死ぬ世界。貴族だとしても男爵家の少女に成す術はなかった。
休み明け。ミレイはまず自分の部屋がある寮へと向かった。その途中に様々な声が聞こえる。
「公爵令嬢たるものがあんな男爵令嬢を意識するなんてマリア公爵令嬢は心の小さいお方なのね。」
「男爵令嬢が婚約者になるのは気に入らないけれど殿下は公爵令嬢様より寵愛なさっているようだから仕方がありませんね…。」
「どうせなら罰を受けて爵位を剥奪されることを願いますわ。」
ミレイは反応しなかったもののマリアへの評価がこんなに下がっていることに違和感しか感じない。部屋で準備をしていると放送がかかる。
『1時間目は本校生徒全員体育館へ集まってください。』
学校が始まり物語も始まった世界で集会のようなことはゲームの中でも行われたことがなかった。
「嫌な予感がする」そう思ってミレイは体育館に走った。そこにはみんなから距離を取られ睨むような目線を向けられているマリアがいた。
この世界は乙女ゲームだとしてもほかの攻略者とは全くと言っていいほど接点がなくマリアも原作ほど殿下に依存していない。イチャイチャを見せつけられてはいないものの殿下が私に執着しているのは察しているはず。殿下だけがしつこく話してくる。
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「どうせなら罰を受けて爵位を剥奪されることを願いますわ。」
ミレイは反応しなかったもののマリアへの評価がこんなに下がっていることに違和感しか感じない。部屋で準備をしていると放送がかかる。
『1時間目は本校生徒全員体育館へ集まってください。』
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「嫌な予感がする」そう思ってミレイは体育館に走った。そこにはみんなから距離を取られ睨むような目線を向けられているマリアがいた。
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