失われた王国の王女と絶対忠誠騎士、運命に導かれる2人

疾風

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第13話 森へ

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 リアナの決意が固まり、静かな夜が続く中、祖母はさらに語り始めた。

「エルドラシアの真実を知るためには、この村の近くにある『忘れられた森』へ向かうといいわ。その奥に、エルドラシアの歴史を記した古い遺跡が隠されているはず」

 リアナは少し驚いた表情を見せた。

 「忘れられた森って、昔から危険な場所だって聞いていたけど……そこに行けば、エルドラシアのことが分かるの?」

「そうよ。今まで話していなくてごめんなさいね。今のあなたならきっと乗り越えられると信じているわ」

 エリオットが鋭い表情で口を開く。

 「忘れられた森か……確かにあそこには危険が多いが、俺がいれば大丈夫だ。安心しろ」

 リアナはエリオットの言葉に力強く頷いた。

 「ありがとう、エリオット。おばあちゃんも、私を信じてくれてありがとう。必ず遺跡で真実を見つけて、エルドラシアの秘密を解き明かしてみせるわ」

 祖母はリアナを見つめ、優しく微笑んだ。
 その後、二人は一度休息を取り、夜明け前に出発する準備を整えた。祖母は見送りの準備をしながら、リアナにそっと一つの小さなペンダントを手渡した。

「これを持っていきなさい。エルドラシアの王家に伝わるお守りよ。あなたが道に迷った時、この光が進むべき方向を示してくれるかもしれないわ」

 リアナはそのペンダントを見つめ、手の中で大切に握りしめた。

 「ありがとう、おばあちゃん。きっと無事に帰ってくるから」
 エリオットもまた、祖母に深く礼を述べた。

 「リアナは必ず守ります。どうかご安心を」

 祖母は二人に最後の微笑みを向け、家の前で見送った。

 「気をつけてね。リアナ、エリオット。あなたたちの旅が無事でありますように」

 そして、夜が明ける直前の薄明かりの中、リアナとエリオットは『忘れられた森』を目指して家を後にした。
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