雨と涕

弥の月[みのつき]

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雨と涕

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坂を登る
ポツ ポツ ポツ
雨が降り始める

大粒の雨がサァーっと降る

涕が止まらない

ああ いつだったか
貴女と歩いたこの道で
同じように雨が降り
雨宿りしたね

今は独りだから
私は濡れて歩いている

雨宿りしても悲しいだけだから

雨はあの時と同じように突然止み
雲の間から
澄んだ青い空を覗かせている

その空を眺めながら
私は悲しく坂を登る
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