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2章 遺言状とプリン・ア・ラ・モード
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『甘いものが食べたい』
スマホ画面に表示された己の欲求を端的に表したメッセージに、久志は「潔くていっそ清々しいな」と呟いた。
以前、ひょんなことから知り合いになった北野異人館街に住む名探偵こと、神宮寺薫。さらりとした金糸のような金髪に、薄茶色の澄んだ瞳をもつ彼は、久志がこれまで出会った中でもダントツで一番綺麗な容貌をもつ、麗しい人間だった。それこそ人ならざる者かと見間違えるほどに。
そんな彼に自分の過去について話すと、「うちでお菓子を作ってもらいたい」との申し出を受けた久志。最初はとんでもないと辞退しようとしたのだが、なんやかんやで時間があるときに、彼の自宅で彼のためにお菓子づくりをすることになったのだ。
「……人生って、何が起こるかわからないもんだな」
まさか自分があんな豪邸に住む金持ちと知り合いになるとは。
幸い今日は出かける予定もなく、家でひたすら海外ドラマでも見ようかと思っていたところだ。せっかくの機会なので、久志は「今から行けます」と返信すると、すぐさまにっこりマークの絵文字が返ってきた。
「神宮寺さん、絵文字とか使うんだ……」
見た目はものすごくスマートだが、意外な名探偵の一面に久志は笑みをこぼしつつ、神宮寺邸へ向かうために出かける準備をすることにした。
スマホ画面に表示された己の欲求を端的に表したメッセージに、久志は「潔くていっそ清々しいな」と呟いた。
以前、ひょんなことから知り合いになった北野異人館街に住む名探偵こと、神宮寺薫。さらりとした金糸のような金髪に、薄茶色の澄んだ瞳をもつ彼は、久志がこれまで出会った中でもダントツで一番綺麗な容貌をもつ、麗しい人間だった。それこそ人ならざる者かと見間違えるほどに。
そんな彼に自分の過去について話すと、「うちでお菓子を作ってもらいたい」との申し出を受けた久志。最初はとんでもないと辞退しようとしたのだが、なんやかんやで時間があるときに、彼の自宅で彼のためにお菓子づくりをすることになったのだ。
「……人生って、何が起こるかわからないもんだな」
まさか自分があんな豪邸に住む金持ちと知り合いになるとは。
幸い今日は出かける予定もなく、家でひたすら海外ドラマでも見ようかと思っていたところだ。せっかくの機会なので、久志は「今から行けます」と返信すると、すぐさまにっこりマークの絵文字が返ってきた。
「神宮寺さん、絵文字とか使うんだ……」
見た目はものすごくスマートだが、意外な名探偵の一面に久志は笑みをこぼしつつ、神宮寺邸へ向かうために出かける準備をすることにした。
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