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言葉と態度の裏のウラ3
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洸たちがそんな会話をしている頃、清流はフロアの給湯室の側から動けずにいた。
原因は、ランチから戻りお手洗いへ行く未知夏と別れて、給湯室の前を通ったときに聞こえた女性社員たちの会話だ。
「経営企画の加賀城部長、婚約したらしいって聞いたんだけど何か知ってる?」
来客用の湯呑みを出しお茶を淹れる用意をしながら話す様子から、秘書課の社員のようだった。
さっさと前を通り過ぎればいいのだけれど、清流は会話の行方が気になって、つい立ち止まってしまった。
「えー嘘!?それ本当なの?やっぱりどこかのご令嬢?」
「前にも銀行の重役の娘とか噂はあったわよね」
「さぁ、婚約したって話だけで相手は分からないみたいで。むしろ私の方が何か知らないかって聞かれたくらいだもの」
彼女たちは役員クラスの秘書だ。
もしかしたら社長経由で、他の役員に話が漏れ伝わっているのかもしれない。
洸との取り決めで、婚約者の存在だけは公にすることは了解していたのだから問題はない。
自分の名前が上がらなかったことにひとまずほっとしつつ、実際に話を間近で聞くのは何とも言えない妙な気分だった。
「槙野さんにこっそり聞いてみたら?」
「無理ですよ!槙野さん口固いし、そもそもほとんどオフィスにいないじゃないですか」
そんな話をしながら三人が給湯室を出てくる気配がして、清流はその場から足早に立ち去った。
半年後に自分との関係が終わったら、洸はどうするのだろう。
婚約破棄したことにするのか、噂はそのままに、他の別の女性を見つけるのだろうか。
そんな取り留めのないことを考えていると、曲がり角で誰かとぶつかりそうになった。
「す、すみません!」
「いや、こちらこそすまない」
相手も少し急いでいたようで、申し訳なさそうに謝られる。
お互いに顔を見合わせると、相手の男性は何かに気がついたような顔をした。
「君もしかして、最近入った経営企画課の子?」
「はい、工藤といいます」
思いがけず話しかけられて、清流は頭の中で相手が誰だったか思い出そうとする。
配属されてすぐに、仕事上関わりのある社員を覚えるために社員台帳を見たのだが、咄嗟に思い出せなかった。
「事業推進部の倉科だ。ちょうどよかった、少し前に経営企画に内線をかけたんだが誰も出なくて」
「あ、ちょうど打ち合わせや外に出ていたメンバーもいて、誰もいなかったのかもしれません」
「そうだったか。急ぎで悪いんだが経営企画課が出した資料で聞きたいことがある。今、時間は取れる?」
「は、はい、私でよければ」
倉科に促されて、そのまま事業推進部の島へと向かった。
自分のような見慣れない人間がいるからか、通りすがりの社員たちが物珍しげにチラチラと見る視線を感じる。
倉科は近くの四人掛けのオープンスペースに清流を誘い、席に着いた。
開いたパソコンの画面には見覚えのある資料が映っている。
「この販促費の投資利益率の見方で聞きたいんだが…」
これは今週の初め、勉強がてら未知夏の仕事を手伝ったものだ。
メンバーの協力で洸にダメ出しされた資料の修正に目処がついて、少しゆとりができたときに未知夏に計算方法を教わっていた。
倉科の話を聞くと、どうやら見たいターゲットが上手く表示できないらしい。
そこで元の資料をローカル環境にコピーし、ピンポイントでデータを何パターンか絞って調整したあと、パレート図も追加した。
「なるほどな、これで見やすくなった。ありがとう」
「いえ、お役に立ててよかったです」
実際に資料を見る現場の人の声は貴重だ。
今度から需要のありそうなパターン別も追加してもいいかもしれない。
戻ったらメンバーに相談しようと考えていると、倉科課長を呼ぶ一人の男性社員が小走りでやってきた。
「あの、今箕輪化学の方がお見えになっていて、部長が倉科課長にも応接室に来てほしいと」
「?今日はそんな予定は入ってないが」
「アポなしらしいんです。あと秘書課に今誰もいないんですけど、お茶出しどうしましょう?」
そう言って困ったように眉を下げる。
見た目と、倉科課長を前にしたときの雰囲気から清流と同じくらい、1、2年目の若手社員のように見えた。
「あの、来られたのって専務の田嶋さんですか?」
清流の問いかけに、そうですと男性社員が大きく頷く。
「お茶出し、よければ私がやりましょうか?」
応接室の場所を確認してから、さっきまで立ち聞きしていた給湯室へと走った。
電気ポットにお湯を入れようとして、この前未知夏が言っていたことを思い出す。
『もしかして専務の田嶋さん?あの人無類のコーヒー好きで甘党だから、コーヒーに合うお菓子がいいんじゃない?』
(無類のコーヒー好きで、甘党…)
清流はシンク横のコーヒーメーカーのコンセントを挿して電源を入れる。
マンションのキッチンにあるコーヒーメーカーと違いはあるものの、あの家で使い慣れているせいか使い方は分かりそうだ。
(ここにお水をセットして、コーヒーの粉は…)
戸棚にあったコーヒーの瓶を取る。
蓋を捻るがきっちり閉められた蓋はまったく開かない。深呼吸しては力む作業を何度か繰り返すと、だんだんと手が痛くなってきた。
赤くなり熱を持った手のひらをぶんぶんと振っていると、後ろから伸びた手に瓶がさらわれる。
驚いて振り返ると、背後に洸が立っていた。
「…えっ!?加賀城さん、何でここに」
「それはこっちの台詞だ」
洸は不機嫌な顔のまま、瓶の蓋を簡単に緩ませて開けると清流に差し出す。
「ありがとうございます…」
コーヒーの瓶を受け取り粉を入れてコーヒーメーカーのスイッチを押すと、コポコポと音を立て始めた。
「で?ここで何やってんだ」
「えっと、説明すると長くなるんですけど…」
立ち聞きの部分は伏せて、フロアに戻る途中で倉科課長に相談を受けてからのことをかいつまんで話す。
清流としてはフラフラとサボっていたわけではなく、仕事の一環なのだと納得してもらえる説明をしたつもりが、洸の眉間にはますます皺が刻まれ、雲行きが怪しくなっていった。
「はぁ、何で他所の部署にまで首突っ込んでるんだか」
少し前まで清流のコミュニケーション能力を評価していたことも忘れて、洸は顔をしかめる。
「すみません、でも困ってたみたいなので」
「それはいいとして、何か忘れてるだろ?」
(…忘れている?)
「ヒント1、今日は金曜日。ヒント2、昼休み明けの13時半」
頭の中で清流も復唱して、あっ、と思い出した。
「週次ミーティング…!!い、今って、」
腕時計を見ると13時45分。開始時刻から15分も過ぎている。
「ご、ごめんなさい!あの、忘れてたわけではなくて、いや忘れてたんですけど…」
どうして今の今まで忘れていたのだろう。
未知夏とのランチでは今日のミーティングのことも話題に出ていたし、共有したいこともまとめてあったのに。
戻ったら課のメンバーにも謝らなければ。
弁解のしようもなく沈んでいると、ちょうどコーヒーが出来上がった音がした。
「本当にすみません、もしかして戻ってこないから探しにきてくれたんですか?」
「まぁそんなところ。とりあえずコーヒー出してきたら?終わったらここに戻ってくること、いいな?」
「はいっ」
清流は人数分のカップにコーヒーを注ぐと、スティックシュガーの入れ物とともにトレイに乗せて応接室へと向かった。
コーヒーを出し終えて給湯室へ急いで戻ると、洸が壁に寄りかかったまま清流へと顔を向けた。
「ご苦労様」
「はい…あの、ミーティングの方は?」
「俺もこの後は会議だから、16時半からに変更」
給湯室の中で片付けをしていると肩をぽんと叩かれる。振り返ると、打ち合わせを抜けてきたらしい倉科だった。
「工藤さん、色々とありがとう。迷惑をかけたな」
「あ、いえ」
「本当ですよ、許可なく人んとこの部下を勝手に使わないでくれます?」
洸の棘のある言い方に、清流はヒヤッとして思わず顔を見上げる。
「あぁ、悪かったね。でもあの人がコーヒー好きだとよく知っていたな、お陰で助かったよ」
「あ、それはたまたまですしっ、気にしないでください」
わざわざお礼を言いにきてくれたのだろうか。軽く手を上げてまた応接室へと戻っていく倉科を見送る。隣に立つ洸は、まだ不機嫌なままだ。
「あの、勝手なことしてすみませんでした」
「工藤は頼まれただけだしそれはいいって…いや、よくないな」
聞こえてきた不穏な言葉におそるおそる様子を伺うと、思っていたほど洸の表情は険しくなかった。
が、次の言葉に目を丸くすることになる。
「明日の土曜日、休日出勤申請しておけ」
「………はい?」
洸は一転して悪戯を思いついた子どものような、楽しげな笑みを浮かべていた。
原因は、ランチから戻りお手洗いへ行く未知夏と別れて、給湯室の前を通ったときに聞こえた女性社員たちの会話だ。
「経営企画の加賀城部長、婚約したらしいって聞いたんだけど何か知ってる?」
来客用の湯呑みを出しお茶を淹れる用意をしながら話す様子から、秘書課の社員のようだった。
さっさと前を通り過ぎればいいのだけれど、清流は会話の行方が気になって、つい立ち止まってしまった。
「えー嘘!?それ本当なの?やっぱりどこかのご令嬢?」
「前にも銀行の重役の娘とか噂はあったわよね」
「さぁ、婚約したって話だけで相手は分からないみたいで。むしろ私の方が何か知らないかって聞かれたくらいだもの」
彼女たちは役員クラスの秘書だ。
もしかしたら社長経由で、他の役員に話が漏れ伝わっているのかもしれない。
洸との取り決めで、婚約者の存在だけは公にすることは了解していたのだから問題はない。
自分の名前が上がらなかったことにひとまずほっとしつつ、実際に話を間近で聞くのは何とも言えない妙な気分だった。
「槙野さんにこっそり聞いてみたら?」
「無理ですよ!槙野さん口固いし、そもそもほとんどオフィスにいないじゃないですか」
そんな話をしながら三人が給湯室を出てくる気配がして、清流はその場から足早に立ち去った。
半年後に自分との関係が終わったら、洸はどうするのだろう。
婚約破棄したことにするのか、噂はそのままに、他の別の女性を見つけるのだろうか。
そんな取り留めのないことを考えていると、曲がり角で誰かとぶつかりそうになった。
「す、すみません!」
「いや、こちらこそすまない」
相手も少し急いでいたようで、申し訳なさそうに謝られる。
お互いに顔を見合わせると、相手の男性は何かに気がついたような顔をした。
「君もしかして、最近入った経営企画課の子?」
「はい、工藤といいます」
思いがけず話しかけられて、清流は頭の中で相手が誰だったか思い出そうとする。
配属されてすぐに、仕事上関わりのある社員を覚えるために社員台帳を見たのだが、咄嗟に思い出せなかった。
「事業推進部の倉科だ。ちょうどよかった、少し前に経営企画に内線をかけたんだが誰も出なくて」
「あ、ちょうど打ち合わせや外に出ていたメンバーもいて、誰もいなかったのかもしれません」
「そうだったか。急ぎで悪いんだが経営企画課が出した資料で聞きたいことがある。今、時間は取れる?」
「は、はい、私でよければ」
倉科に促されて、そのまま事業推進部の島へと向かった。
自分のような見慣れない人間がいるからか、通りすがりの社員たちが物珍しげにチラチラと見る視線を感じる。
倉科は近くの四人掛けのオープンスペースに清流を誘い、席に着いた。
開いたパソコンの画面には見覚えのある資料が映っている。
「この販促費の投資利益率の見方で聞きたいんだが…」
これは今週の初め、勉強がてら未知夏の仕事を手伝ったものだ。
メンバーの協力で洸にダメ出しされた資料の修正に目処がついて、少しゆとりができたときに未知夏に計算方法を教わっていた。
倉科の話を聞くと、どうやら見たいターゲットが上手く表示できないらしい。
そこで元の資料をローカル環境にコピーし、ピンポイントでデータを何パターンか絞って調整したあと、パレート図も追加した。
「なるほどな、これで見やすくなった。ありがとう」
「いえ、お役に立ててよかったです」
実際に資料を見る現場の人の声は貴重だ。
今度から需要のありそうなパターン別も追加してもいいかもしれない。
戻ったらメンバーに相談しようと考えていると、倉科課長を呼ぶ一人の男性社員が小走りでやってきた。
「あの、今箕輪化学の方がお見えになっていて、部長が倉科課長にも応接室に来てほしいと」
「?今日はそんな予定は入ってないが」
「アポなしらしいんです。あと秘書課に今誰もいないんですけど、お茶出しどうしましょう?」
そう言って困ったように眉を下げる。
見た目と、倉科課長を前にしたときの雰囲気から清流と同じくらい、1、2年目の若手社員のように見えた。
「あの、来られたのって専務の田嶋さんですか?」
清流の問いかけに、そうですと男性社員が大きく頷く。
「お茶出し、よければ私がやりましょうか?」
応接室の場所を確認してから、さっきまで立ち聞きしていた給湯室へと走った。
電気ポットにお湯を入れようとして、この前未知夏が言っていたことを思い出す。
『もしかして専務の田嶋さん?あの人無類のコーヒー好きで甘党だから、コーヒーに合うお菓子がいいんじゃない?』
(無類のコーヒー好きで、甘党…)
清流はシンク横のコーヒーメーカーのコンセントを挿して電源を入れる。
マンションのキッチンにあるコーヒーメーカーと違いはあるものの、あの家で使い慣れているせいか使い方は分かりそうだ。
(ここにお水をセットして、コーヒーの粉は…)
戸棚にあったコーヒーの瓶を取る。
蓋を捻るがきっちり閉められた蓋はまったく開かない。深呼吸しては力む作業を何度か繰り返すと、だんだんと手が痛くなってきた。
赤くなり熱を持った手のひらをぶんぶんと振っていると、後ろから伸びた手に瓶がさらわれる。
驚いて振り返ると、背後に洸が立っていた。
「…えっ!?加賀城さん、何でここに」
「それはこっちの台詞だ」
洸は不機嫌な顔のまま、瓶の蓋を簡単に緩ませて開けると清流に差し出す。
「ありがとうございます…」
コーヒーの瓶を受け取り粉を入れてコーヒーメーカーのスイッチを押すと、コポコポと音を立て始めた。
「で?ここで何やってんだ」
「えっと、説明すると長くなるんですけど…」
立ち聞きの部分は伏せて、フロアに戻る途中で倉科課長に相談を受けてからのことをかいつまんで話す。
清流としてはフラフラとサボっていたわけではなく、仕事の一環なのだと納得してもらえる説明をしたつもりが、洸の眉間にはますます皺が刻まれ、雲行きが怪しくなっていった。
「はぁ、何で他所の部署にまで首突っ込んでるんだか」
少し前まで清流のコミュニケーション能力を評価していたことも忘れて、洸は顔をしかめる。
「すみません、でも困ってたみたいなので」
「それはいいとして、何か忘れてるだろ?」
(…忘れている?)
「ヒント1、今日は金曜日。ヒント2、昼休み明けの13時半」
頭の中で清流も復唱して、あっ、と思い出した。
「週次ミーティング…!!い、今って、」
腕時計を見ると13時45分。開始時刻から15分も過ぎている。
「ご、ごめんなさい!あの、忘れてたわけではなくて、いや忘れてたんですけど…」
どうして今の今まで忘れていたのだろう。
未知夏とのランチでは今日のミーティングのことも話題に出ていたし、共有したいこともまとめてあったのに。
戻ったら課のメンバーにも謝らなければ。
弁解のしようもなく沈んでいると、ちょうどコーヒーが出来上がった音がした。
「本当にすみません、もしかして戻ってこないから探しにきてくれたんですか?」
「まぁそんなところ。とりあえずコーヒー出してきたら?終わったらここに戻ってくること、いいな?」
「はいっ」
清流は人数分のカップにコーヒーを注ぐと、スティックシュガーの入れ物とともにトレイに乗せて応接室へと向かった。
コーヒーを出し終えて給湯室へ急いで戻ると、洸が壁に寄りかかったまま清流へと顔を向けた。
「ご苦労様」
「はい…あの、ミーティングの方は?」
「俺もこの後は会議だから、16時半からに変更」
給湯室の中で片付けをしていると肩をぽんと叩かれる。振り返ると、打ち合わせを抜けてきたらしい倉科だった。
「工藤さん、色々とありがとう。迷惑をかけたな」
「あ、いえ」
「本当ですよ、許可なく人んとこの部下を勝手に使わないでくれます?」
洸の棘のある言い方に、清流はヒヤッとして思わず顔を見上げる。
「あぁ、悪かったね。でもあの人がコーヒー好きだとよく知っていたな、お陰で助かったよ」
「あ、それはたまたまですしっ、気にしないでください」
わざわざお礼を言いにきてくれたのだろうか。軽く手を上げてまた応接室へと戻っていく倉科を見送る。隣に立つ洸は、まだ不機嫌なままだ。
「あの、勝手なことしてすみませんでした」
「工藤は頼まれただけだしそれはいいって…いや、よくないな」
聞こえてきた不穏な言葉におそるおそる様子を伺うと、思っていたほど洸の表情は険しくなかった。
が、次の言葉に目を丸くすることになる。
「明日の土曜日、休日出勤申請しておけ」
「………はい?」
洸は一転して悪戯を思いついた子どものような、楽しげな笑みを浮かべていた。
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