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救いの手
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「これからどうしよう……」
異国の空の下で、工藤清流は途方に暮れていた。
ここまでの道のりは比較的順調だった。
心配していた初めての長距離フライトも思ったより快適で、空港からローマ市内までの移動も迷わず、ホテルまでの道を間違って人に尋ねたときは、とても親切に教えてもらった。
ただその幸運も、ホテルに到着するまでのこと。
「Seiru Kudoh様からの予約は、キャンセルのご連絡をいただいております」
たどたどしい英語のやりとりで、自分の宿泊予約がキャンセル扱いになっていることが分かった。
そんなはずはないと、キャンセルしていないことを予約サイトの画面を見せたりして説明したけれど「こちらのシステムではキャンセル扱いになっている」と繰り返されるだけ。
それならば別の部屋を取らせてほしいと言っても、今日明日は満室だという。正確には満室ではないのだが、1泊数十万円する部屋に泊まることはできない。
どうにかいろいろ交渉してみるものの、きっとこのような客の対応には慣れているのだろう。最初は丁寧だったレセプションの男性も、次第に答えは「Non」のみになっていく。
その態度に加えて、自分の後ろにはチェックインを待つ人が列を作り始めていて、これ以上時間をかけても迷惑になるのではないかという気持ちがさらに清流を萎縮させた。
(ほんと、私って小心者…)
いつもこうだ、と清流は思う。
今度こそはと思って期待をすると、思った先からその期待は挫かれる。
肩を落とす様子に同情したのか、周辺で同ランクのホテルの場所を地図付きで教えてもらうことができた。
「Grazie,」
清流はお礼を言って、一人ホテルを後にする。
―――まずは他をあたってみよう。
それから教えてもらったホテルを訪ねたものの、結果はどこも同じだった。
今は旅行シーズンで、どこも混み合っているのだという。
駅前近くに戻ってきた清流は、さすがにため息を吐かずにはいられなかった。
こういうトラブルに直面すると、やっぱりツアー旅行にするべきだったと思ってしまうが、そんなことを考えても仕方がない。時間はもうすぐ午後5時になろうとしている。
(とりあえず、今日泊まれるところを探さないと…)
スマートフォンとガイドブックを交互に見比べるも、もうこの周辺にはこれまで断られたホテル以外は無さそうだった。
さらに悪いことは重なるもので、今日1日は持つと思っていた天気が急激に怪しくなったかと思うと、冷たい雫が頬を伝った。雨だ。
ポツポツと、ガイドブックにも次々雨粒が落ちて染みを作っていく。
「はぁ…もう最悪だ、」
折りたたみ傘は持っているものの、嵩張るからとスーツケースに入れたままだった。こんな屋外で全開にして探すわけにもいかない。
周囲の人々は、突然降り出した雨を避けようと駆け出している。
清流も一瞬雨宿りをしようかと考えるも、すでに全身が濡れてしまっていた。今さら慌ててもどうしようもなさそうだと諦めて、空を仰ぎ見る。
(困ったな……)
これからどうするべきだろうかと辺りを見回すと、目の前の大通りを渡った先に細い路地が見えた。
そこは活気がある表通りとは対象的に人通りは少なく、ひっそりと薄暗かった。
路地の向こうには傘を差した男女のカップルのような二人と、ネオンで光る小さい看板が見える。
(カフェやレストランって感じでもなさそうだけど…もしかしたら、ガイドブックには載っていないような小さい宿泊施設かも?)
普段だったら、警戒して近づかないような薄暗い路地。
けれど、雨は止む気配はなく、灰色の空はどんどんと暗くなっている。あっという間に本降りになった雨は容赦がなく、全身もずぶ濡れだ。
ここでじっとしていても仕方ない。
清流はガイドブックをリュックにしまうと、スーツケースを持って歩き出した。
駅前近くは人も多く、傘がなく走っている人も多い。
清流は行き交う人の中をすり抜けるようにして、大通りを走りながら横切って、路地に入ろうとしたとき――その途中で、すれ違いざまに勢いよく人とぶつかった。
「ごっ、ごめんなさい!じゃなくて、sorry,じゃなくてっ、」
(イタリア語ですみませんって何だっけっ?)
ガイドブックで見た『イタリア語の簡単なあいさつ集』を記憶から引っ張り出そうとするも、とっさのことでまったく出てこない。
とにかく謝ろうと顔を上げると、黒い傘を差した男性が清流を見下ろしていた。
「……旅行者?」
思いがけず日本語で話しかけられた驚きで、清流は反応が遅れた。
「え?……あ、はい…そう、です」
想像よりも高いところにあった顔を、清流は呆けたように見つめてしまう。
長身で均整のとれた体躯に、どこか日本人離れしたエキゾチックな顔立ち。切れ長の双眸は、眉間に皴が寄っていることで少し細められている。
(……綺麗な人、)
単にイケメンという粗野な表現で括るのも憚られるような――とにかく、綺麗な人だと思った。
「こんな路地に何の用?ここは観光客が行くような場所じゃないけど」
「あの、今日泊まるところを探していて…」
「今から?バッグパッカー…ってわけでもないのか」
「ホテルは予約していたんですけど無かったことになっていて…他もあたったんですけど、泊まれそうなところはどこもいっぱいで」
――こんな話、信じてもらえないだろうな。
不審そうな視線に耐えきれなくなって、清流は下を向く。
雨はさらに強まって石畳に叩きつけられ、雨粒が跳ねて靴を濡らした。
「ちょっと、待ってろ」
小さな舌打ちの後、目の前の男性はスマートフォンでどこかへ電話を始めた。
スマートフォンを耳に当てながら、反対の手で持っていた黒い傘を清流の方に差し出す。そのおかげで、体を濡らす雨が止んだ。
(電話…?あ、もしかして警察とかに連絡されてる?)
何事かを相手に短く伝えて電話を切ると、色素の薄い涼しげな瞳が再び清流を捉えた。
「後ろ、二人組の男がつけてる」
………え?
思わず確認しようとして、振り向くなと早口で制止される。
「ここはスリと強盗被害で有名な通りだ。
さっきからずっと路地の奥にいる男女、あれもグル。進路を妨害する役で、後ろから来た二人組と挟み撃ちにして金品を盗るっていう典型的な手口。ここはそういう場所だ」
淡々とした口調で話される内容に、清流の顔はさぁっと青ざめる。
ターミナル駅の近くだから比較的安全なのかと思っていたけれど、ターゲットになる観光客が多いから逆に治安は良くないのだと教わって、清流は自分の考えが甘かったことを知った。
「特に夕暮れ時から夜にかけてが一番危ない。あ、来たな」
たった今横断してきた大通りを、シルバーメタリックのセダンが走ってくる。
車が2人の側に横付けされて止まると、目の前の男性が後部座席のドアを開けた。
「ぼーっとしてないで、早く乗れ」
「え?の、乗る?私もですか…?」
「泊まるところないんだろ?とりあえず俺が泊まっているホテルまで行く」
―――この人、今なんて?
「あの、そこまでしていただくのはっ、というか、今から泊まるところ探さないといけないですし、」
「あのな、まずその服をどうにかしないと風邪引くぞ。旅行先で体調崩したら1人で病院にかかれるのか?」
確かに頭から足の先まで濡れてひどい格好だ。気温も下がってきたのか少し寒い。
でもどうしよう、と頭の中でぐるぐると考えている間に、しびれを切らした男性が運転席に向かって何やらアクションをすると、眼鏡をかけたもう1人の男性が降りてきた。
運転手と思しきその人は、失礼いたしますと清流のスーツケースを掴んでトランクに運び入れると、また運転席へと戻っていく。あまりの無駄のない動きに、清流は口を挟む隙もなかった。
「ここ駐車禁止エリアなんだ、目付けられる前に早く乗れ」
「………は、はい」
有無を言わさない態度に、清流は頭を下げて後部座席に乗り込んだ。
「槙野、出していい」
「かしこまりました」
車が走り出して、窓ガラスを雨粒が次々に流れていく。
その様子を見るともなく見ていると、不意にぶるりと寒気が走った。
くしゅん。
「あっ、すみません……」
慌てて口元を抑えると、頭の上からスーツの上着をバサリと被せられた。
「着とけ」
「……ありがとうございます」
「これ以上車が濡れても困るから」
お礼を言う清流を一瞥すると、ドアの窓枠に片肘をついたまま窓の外へと目を向けた。
綺麗な顔から発せられる言葉は粗野そのものなのに、所作のすべてが絵になって、そのアンバランスさが清流の心に強く残った。
異国の空の下で、工藤清流は途方に暮れていた。
ここまでの道のりは比較的順調だった。
心配していた初めての長距離フライトも思ったより快適で、空港からローマ市内までの移動も迷わず、ホテルまでの道を間違って人に尋ねたときは、とても親切に教えてもらった。
ただその幸運も、ホテルに到着するまでのこと。
「Seiru Kudoh様からの予約は、キャンセルのご連絡をいただいております」
たどたどしい英語のやりとりで、自分の宿泊予約がキャンセル扱いになっていることが分かった。
そんなはずはないと、キャンセルしていないことを予約サイトの画面を見せたりして説明したけれど「こちらのシステムではキャンセル扱いになっている」と繰り返されるだけ。
それならば別の部屋を取らせてほしいと言っても、今日明日は満室だという。正確には満室ではないのだが、1泊数十万円する部屋に泊まることはできない。
どうにかいろいろ交渉してみるものの、きっとこのような客の対応には慣れているのだろう。最初は丁寧だったレセプションの男性も、次第に答えは「Non」のみになっていく。
その態度に加えて、自分の後ろにはチェックインを待つ人が列を作り始めていて、これ以上時間をかけても迷惑になるのではないかという気持ちがさらに清流を萎縮させた。
(ほんと、私って小心者…)
いつもこうだ、と清流は思う。
今度こそはと思って期待をすると、思った先からその期待は挫かれる。
肩を落とす様子に同情したのか、周辺で同ランクのホテルの場所を地図付きで教えてもらうことができた。
「Grazie,」
清流はお礼を言って、一人ホテルを後にする。
―――まずは他をあたってみよう。
それから教えてもらったホテルを訪ねたものの、結果はどこも同じだった。
今は旅行シーズンで、どこも混み合っているのだという。
駅前近くに戻ってきた清流は、さすがにため息を吐かずにはいられなかった。
こういうトラブルに直面すると、やっぱりツアー旅行にするべきだったと思ってしまうが、そんなことを考えても仕方がない。時間はもうすぐ午後5時になろうとしている。
(とりあえず、今日泊まれるところを探さないと…)
スマートフォンとガイドブックを交互に見比べるも、もうこの周辺にはこれまで断られたホテル以外は無さそうだった。
さらに悪いことは重なるもので、今日1日は持つと思っていた天気が急激に怪しくなったかと思うと、冷たい雫が頬を伝った。雨だ。
ポツポツと、ガイドブックにも次々雨粒が落ちて染みを作っていく。
「はぁ…もう最悪だ、」
折りたたみ傘は持っているものの、嵩張るからとスーツケースに入れたままだった。こんな屋外で全開にして探すわけにもいかない。
周囲の人々は、突然降り出した雨を避けようと駆け出している。
清流も一瞬雨宿りをしようかと考えるも、すでに全身が濡れてしまっていた。今さら慌ててもどうしようもなさそうだと諦めて、空を仰ぎ見る。
(困ったな……)
これからどうするべきだろうかと辺りを見回すと、目の前の大通りを渡った先に細い路地が見えた。
そこは活気がある表通りとは対象的に人通りは少なく、ひっそりと薄暗かった。
路地の向こうには傘を差した男女のカップルのような二人と、ネオンで光る小さい看板が見える。
(カフェやレストランって感じでもなさそうだけど…もしかしたら、ガイドブックには載っていないような小さい宿泊施設かも?)
普段だったら、警戒して近づかないような薄暗い路地。
けれど、雨は止む気配はなく、灰色の空はどんどんと暗くなっている。あっという間に本降りになった雨は容赦がなく、全身もずぶ濡れだ。
ここでじっとしていても仕方ない。
清流はガイドブックをリュックにしまうと、スーツケースを持って歩き出した。
駅前近くは人も多く、傘がなく走っている人も多い。
清流は行き交う人の中をすり抜けるようにして、大通りを走りながら横切って、路地に入ろうとしたとき――その途中で、すれ違いざまに勢いよく人とぶつかった。
「ごっ、ごめんなさい!じゃなくて、sorry,じゃなくてっ、」
(イタリア語ですみませんって何だっけっ?)
ガイドブックで見た『イタリア語の簡単なあいさつ集』を記憶から引っ張り出そうとするも、とっさのことでまったく出てこない。
とにかく謝ろうと顔を上げると、黒い傘を差した男性が清流を見下ろしていた。
「……旅行者?」
思いがけず日本語で話しかけられた驚きで、清流は反応が遅れた。
「え?……あ、はい…そう、です」
想像よりも高いところにあった顔を、清流は呆けたように見つめてしまう。
長身で均整のとれた体躯に、どこか日本人離れしたエキゾチックな顔立ち。切れ長の双眸は、眉間に皴が寄っていることで少し細められている。
(……綺麗な人、)
単にイケメンという粗野な表現で括るのも憚られるような――とにかく、綺麗な人だと思った。
「こんな路地に何の用?ここは観光客が行くような場所じゃないけど」
「あの、今日泊まるところを探していて…」
「今から?バッグパッカー…ってわけでもないのか」
「ホテルは予約していたんですけど無かったことになっていて…他もあたったんですけど、泊まれそうなところはどこもいっぱいで」
――こんな話、信じてもらえないだろうな。
不審そうな視線に耐えきれなくなって、清流は下を向く。
雨はさらに強まって石畳に叩きつけられ、雨粒が跳ねて靴を濡らした。
「ちょっと、待ってろ」
小さな舌打ちの後、目の前の男性はスマートフォンでどこかへ電話を始めた。
スマートフォンを耳に当てながら、反対の手で持っていた黒い傘を清流の方に差し出す。そのおかげで、体を濡らす雨が止んだ。
(電話…?あ、もしかして警察とかに連絡されてる?)
何事かを相手に短く伝えて電話を切ると、色素の薄い涼しげな瞳が再び清流を捉えた。
「後ろ、二人組の男がつけてる」
………え?
思わず確認しようとして、振り向くなと早口で制止される。
「ここはスリと強盗被害で有名な通りだ。
さっきからずっと路地の奥にいる男女、あれもグル。進路を妨害する役で、後ろから来た二人組と挟み撃ちにして金品を盗るっていう典型的な手口。ここはそういう場所だ」
淡々とした口調で話される内容に、清流の顔はさぁっと青ざめる。
ターミナル駅の近くだから比較的安全なのかと思っていたけれど、ターゲットになる観光客が多いから逆に治安は良くないのだと教わって、清流は自分の考えが甘かったことを知った。
「特に夕暮れ時から夜にかけてが一番危ない。あ、来たな」
たった今横断してきた大通りを、シルバーメタリックのセダンが走ってくる。
車が2人の側に横付けされて止まると、目の前の男性が後部座席のドアを開けた。
「ぼーっとしてないで、早く乗れ」
「え?の、乗る?私もですか…?」
「泊まるところないんだろ?とりあえず俺が泊まっているホテルまで行く」
―――この人、今なんて?
「あの、そこまでしていただくのはっ、というか、今から泊まるところ探さないといけないですし、」
「あのな、まずその服をどうにかしないと風邪引くぞ。旅行先で体調崩したら1人で病院にかかれるのか?」
確かに頭から足の先まで濡れてひどい格好だ。気温も下がってきたのか少し寒い。
でもどうしよう、と頭の中でぐるぐると考えている間に、しびれを切らした男性が運転席に向かって何やらアクションをすると、眼鏡をかけたもう1人の男性が降りてきた。
運転手と思しきその人は、失礼いたしますと清流のスーツケースを掴んでトランクに運び入れると、また運転席へと戻っていく。あまりの無駄のない動きに、清流は口を挟む隙もなかった。
「ここ駐車禁止エリアなんだ、目付けられる前に早く乗れ」
「………は、はい」
有無を言わさない態度に、清流は頭を下げて後部座席に乗り込んだ。
「槙野、出していい」
「かしこまりました」
車が走り出して、窓ガラスを雨粒が次々に流れていく。
その様子を見るともなく見ていると、不意にぶるりと寒気が走った。
くしゅん。
「あっ、すみません……」
慌てて口元を抑えると、頭の上からスーツの上着をバサリと被せられた。
「着とけ」
「……ありがとうございます」
「これ以上車が濡れても困るから」
お礼を言う清流を一瞥すると、ドアの窓枠に片肘をついたまま窓の外へと目を向けた。
綺麗な顔から発せられる言葉は粗野そのものなのに、所作のすべてが絵になって、そのアンバランスさが清流の心に強く残った。
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