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5-2 アレクシス・ロルフ・ヒルデグンデ・ヴォルアレスという男
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好きだと言われてまず先に浮かんだのは、なぜ、という疑問だった。一世一代の大告白だっただろうが、オリヴァーにはその言葉はあまり響かない。そもそも先程まで彼の半分だけ血のつながった兄に好意を押し付けられて貞操の危機だったのに、その弟から告白されたところで、お前もか、としか感想は出て来なかった。
ルドルフのように彼を嫌っているわけではない。いい奴だと思っているけれど、恋愛対象になるかと問われれば否だ。
オリヴァーは頭上に居るアレクシスを見る。
「お前は俺をどうしたい」
「ど、どうって、オリー兄様も俺のことを好きになってくれたら嬉しいですけど、ただ俺はあなたのことが好きだからどんな姿を見せられても嫌いになったりしないと伝えたかっただけなんです」
自分とは正反対の純真無垢なアレクシスにオリヴァーは自嘲に近い笑みを浮かべる。ルドルフのように欲望を向けてきたのなら彼もそこまでの人間だと見下げ果てることも出来たのに、彼は真っすぐに下心なくオリヴァーを想っていた。どうしてそこまで好意を抱いているのか分からないが、抱きたいぐらいだったら抱かせてやってもいいなんて思っていた自分が情けなくてたまらなかった。
そう言う点でもオリヴァーとアレクシスは違う。彼に好かれる資格などない。
「お前に手伝われなくても大丈夫だ。もう一度言う。放っておいてくれ」
はっきりと告げるとアレクシスはほのかな笑みを浮かべて、「差し出がましいことをしました。すみません」と謝った。
ルドルフのように彼を嫌っているわけではない。いい奴だと思っているけれど、恋愛対象になるかと問われれば否だ。
オリヴァーは頭上に居るアレクシスを見る。
「お前は俺をどうしたい」
「ど、どうって、オリー兄様も俺のことを好きになってくれたら嬉しいですけど、ただ俺はあなたのことが好きだからどんな姿を見せられても嫌いになったりしないと伝えたかっただけなんです」
自分とは正反対の純真無垢なアレクシスにオリヴァーは自嘲に近い笑みを浮かべる。ルドルフのように欲望を向けてきたのなら彼もそこまでの人間だと見下げ果てることも出来たのに、彼は真っすぐに下心なくオリヴァーを想っていた。どうしてそこまで好意を抱いているのか分からないが、抱きたいぐらいだったら抱かせてやってもいいなんて思っていた自分が情けなくてたまらなかった。
そう言う点でもオリヴァーとアレクシスは違う。彼に好かれる資格などない。
「お前に手伝われなくても大丈夫だ。もう一度言う。放っておいてくれ」
はっきりと告げるとアレクシスはほのかな笑みを浮かべて、「差し出がましいことをしました。すみません」と謝った。
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