未来のアナタへ・・・。

にゃんこ

文字の大きさ
上 下
1 / 2

アナタへ

しおりを挟む
 アナタへ



アナタの笑った顔をただ横で眺めているのも、笑うと目尻にシワが寄るのも、朝は無精髭が生えてチクチクするキスも、横から見ると後ろ髪が跳ねる癖毛も、頭の上にある眼鏡を探すアナタ、左耳の後ろと耳たぶの裏にホクロがあるのを教えたのは私、何かに集中し出すと左手人差し指でリズムをとる癖、太い腕に固い胸……。



上げるとキリがない、アナタの仕草………。

 アナタの全てが私の宝物……。

  好き? 愛してる?

  言葉でなんて言い表せません。

  アナタは私の全てなの……。

 こんなにも、重い私の気持ちにアナタは気が付いて無いのでしょう?



  だからね、教えて上げる。

 私のアナタへの想いを、アナタが私をいつでも思い出せる様に…。

  アナタは好きを1回しかくれなかったわ…。

 だからね、私はアナタに沢山の『好き』と『愛してる』を贈ってきたの。

 



 ふふふふふ、私は優しいでしょう?

  だって、アナタに私の事を忘れさせたく無いもの。

 綺麗な言葉のはずの、『好き』と『愛してる』でアナタの心の中に、永遠に小さな私を住ませるの。

  アナタから、私を追い出さないね。

  追い出されたら、私はどうするのかしら…?

  泣く?

 そうね、きっと一生分の涙を流して居ないアナタに縋るのね。

 悲しいわ…。その時に、抱きしめてくれるアナタは私の側には居ないのだもの。

  あぁ、アナタの横に私は居ないのね…。

  想像もしたくないわ。

 考えるだけで頭が可笑しくなるわよ。

 アナタは、ずっと ずっと私のアナタ。

 私から、アナタが居なくなるなんて、生まれ変わってもないのよ!

 生まれ変わり?来世?の話しだなんて笑わないで。



  アナタは、こんな言葉を残されてどう感じるのかしらね。

 そんなアナタの顔を想像すると、心がフワフワするわ。

  少し困った様に、眉を下げてバカにした様に笑ってるんでしょう?

 

  笑って下さいね。

  笑っていて下さい。



  私の『好き』と『愛してる』は呪いなの……。

 この呪いは、死ぬまで解けないのよ。

 もしかしたら、死んでも解けないかもしれないわ。

  だって私は、アナタに沢山の『好き』と『愛してる』を贈ったもの、この呪いは長い時間をかけてゆっくりと蔦の様に絡まって行くのよ。

 解かせてなんて上げないわ。

  私は少しだけ、アナタに意地悪をさせて貰うわね。

  ごめんなさい。



  私の全て。

  笑っていて、アナタの笑う顔がとても好きだから。

  愛してる。ずっと……。

  永遠に変わらない、好きと愛してるを私のアナタへ。



アナタに逢える"その日"を楽しみにしてるわね。



















しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

私よりも姉を好きになった婚約者

神々廻
恋愛
「エミリー!お前とは婚約破棄し、お前の姉のティアと婚約する事にした!」 「ごめんなさい、エミリー.......私が悪いの、私は昔から家督を継ぐ様に言われて貴方が羨ましかったの。それでっ、私たら貴方の婚約者のアルに恋をしてしまったの.......」 「ティア、君は悪くないよ。今まで辛かったよな。だけど僕が居るからね。エミリーには僕の従兄弟でティアの元婚約者をあげるよ。それで、エミリーがティアの代わりに家督を継いで、僕の従兄と結婚する。なんて素敵なんだろう。ティアは僕のお嫁さんになって、2人で幸せな家庭を築くんだ!」 「まぁ、アルったら。家庭なんてまだ早いわよ!」 このバカップルは何を言っているの?

あなたが「消えてくれたらいいのに」と言ったから

ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
「消えてくれたらいいのに」 結婚式を終えたばかりの新郎の呟きに妻となった王女は…… 短いお話です。 新郎→のち王女に視点を変えての数話予定。 4/16 一話目訂正しました。『一人娘』→『第一王女』

愛する貴方の心から消えた私は…

矢野りと
恋愛
愛する夫が事故に巻き込まれ隣国で行方不明となったのは一年以上前のこと。 周りが諦めの言葉を口にしても、私は決して諦めなかった。  …彼は絶対に生きている。 そう信じて待ち続けていると、願いが天に通じたのか奇跡的に彼は戻って来た。 だが彼は妻である私のことを忘れてしまっていた。 「すまない、君を愛せない」 そう言った彼の目からは私に対する愛情はなくなっていて…。 *設定はゆるいです。

大好きだけどお別れしましょう〈完結〉

ヘルベ
恋愛
釣った魚に餌をやらない人が居るけど、あたしの恋人はまさにそれ。 いや、相手からしてみたら釣り糸を垂らしてもいないのに食らいついて来た魚なのだから、対して思い入れもないのも当たり前なのか。 騎士カイルのファンの一人でしかなかったあたしが、ライバルを蹴散らし晴れて恋人になれたものの、会話は盛り上がらず、記念日を祝ってくれる気配もない。デートもあたしから誘わないとできない。しかも三回に一回は断られる始末。 全部が全部こっち主導の一方通行の関係。 恋人の甘い雰囲気どころか友達以下のような関係に疲れたあたしは、思わず「別れましょう」と口に出してしまい……。

【完結】亡くなった人を愛する貴方を、愛し続ける事はできませんでした

凛蓮月
恋愛
【おかげさまで完全完結致しました。閲覧頂きありがとうございます】 いつか見た、貴方と婚約者の仲睦まじい姿。 婚約者を失い悲しみにくれている貴方と新たに婚約をした私。 貴方は私を愛する事は無いと言ったけれど、私は貴方をお慕いしておりました。 例え貴方が今でも、亡くなった婚約者の女性を愛していても。 私は貴方が生きてさえいれば それで良いと思っていたのです──。 【早速のホトラン入りありがとうございます!】 ※作者の脳内異世界のお話です。 ※小説家になろうにも同時掲載しています。 ※諸事情により感想欄は閉じています。詳しくは近況ボードをご覧下さい。(追記12/31〜1/2迄受付る事に致しました)

お飾り王妃の死後~王の後悔~

ましゅぺちーの
恋愛
ウィルベルト王国の王レオンと王妃フランチェスカは白い結婚である。 王が愛するのは愛妾であるフレイアただ一人。 ウィルベルト王国では周知の事実だった。 しかしある日王妃フランチェスカが自ら命を絶ってしまう。 最後に王宛てに残された手紙を読み王は後悔に苛まれる。 小説家になろう様にも投稿しています。

【完結】側妃は愛されるのをやめました

なか
恋愛
「君ではなく、彼女を正妃とする」  私は、貴方のためにこの国へと貢献してきた自負がある。  なのに……彼は。 「だが僕は、ラテシアを見捨てはしない。これから君には側妃になってもらうよ」  私のため。  そんな建前で……側妃へと下げる宣言をするのだ。    このような侮辱、恥を受けてなお……正妃を求めて抗議するか?  否。  そのような恥を晒す気は無い。 「承知いたしました。セリム陛下……私は側妃を受け入れます」  側妃を受けいれた私は、呼吸を挟まずに言葉を続ける。  今しがた決めた、たった一つの決意を込めて。 「ですが陛下。私はもう貴方を支える気はありません」  これから私は、『捨てられた妃』という汚名でなく、彼を『捨てた妃』となるために。  華々しく、私の人生を謳歌しよう。  全ては、廃妃となるために。    ◇◇◇  設定はゆるめです。  読んでくださると嬉しいです!

処理中です...