55 / 56
51:思いは口にして5
しおりを挟む
テリッツに手紙を書くと、すぐに返信が来た。
言い過ぎたことを悔やんで、また、ちゃんと話せる機会をくれたことに感謝するという文が添えてあった。
手紙は、気遣いに溢れている。
(信じてもいいのかしら……)
こうやって、気を使ってくれるほどには、ミズリィは嫌われていないと。
1週間後の学院が休みの日に、また皇家の馬車に乗って輪舞曲へと向かう。
緊張して、ろくに馬車の中では話せなかった。テリッツも無理に話そうとせず、まるで見守ってくれているような気がする。
エスコートされ店に入ると、イワンたちと初めて店に来た時よりお客の姿を見かける。
どうやら、噂を上書きする方法がうまく行ったようだ。
「誠にありがたいことに、例の代理人たちは来なくなりました」
輪舞曲を皇子が利用したという噂が社交界に広まった。
ただ利用しただけではすぐには噂が広まることはないけれど、協力者が夜会などで囁くと早さが変わるそうだ。数日であっという間に輪舞曲というティーサロンは皇子のお気に入りという話はあちこちで聞かれるようになり、敏感な貴族は輪舞曲を利用するようになった。
今回はさらにアピールして、噂を定着させる。
「よかったです。では、今度の皇宮の茶会の菓子をそちらのパティシエがご用意してくださいませんか?」
「な、なんと」
「本当に気に入りましてね。茶葉もどこのものかお聞きしたいですね」
「なんとも光栄なことです……!ありがとうございます!」
テリッツの笑みはいつもの通りで、何を思っているかはやはり分からなかった。けれど、騙したりする人ではないから、次の皇宮の茶会は輪舞曲のパティシエのお菓子が並ぶだろう……とても楽しみだ。
やはりオーナーの茶は香り高くて美味しい。
深々と礼をして、オーナーは退室した。
「前回は、君を不安にさせてしまってすみません」
しばらくお茶を楽しんだあと、ぽつりとテリッツが呟いた。
めずらしく、いつもより沈んだ表情のような。
「言葉を尽くしたつもりが、かえって誤解を招いたような気がするのです」
「……いえ、テリッツ様のお言葉を理解できなかったわたくしのせいですわ。帰ったあと、一生懸命考えたのですけれど……」
お茶会でのことだし、スミレたちは自分たちが相談を受けたことは伏せたほうがいいと言った。
はたして、『あくまでミズリィが一生懸命考えた結論』という嘘は通じるのか分からないけれど。
「もし、わたくしが、殿下の友人でしたら、ずっと仲良くしてくださいましたか?」
「……ええ、もちろん」
「テリッツ様は、わたくしとこの先ずっとパートナーとしていてくださるのですか?」
「それは――」
言い淀んだテリッツに、また臆病なミズリィはどきりとした。
けれど、すぐに、テリッツは話した。
「そのつもりです。そして以前よりも、君のことは好ましく思っています。よりはっきりと、未来の帝国と、君とのことを想像できるほどには」
「未来の帝国……」
それは、嫌な言葉だった。
ミズリィはその未来にたどり着けなかったし、スミレたちの予想では帝国は悪い方向へと向かわせられている。
けれど、テリッツは、未来を信じている。
彼は、少しの間ミズリィを見つめて、
「君は、どうしたいのですか?」
「え?」
「ずいぶん前から、私を避けていましたよね」
「あ……」
「最初は嫌われたのだと思いました。君は、私を恋愛対象としていたことは知っていましたし、それを黙って何もしない私に熱が冷めたのかと思いましたが……どうも違う」
「えっと……」
かなりドキドキし始めたミズリィ。
前世では貴方に裏切られました、とは言えるわけもない。
(スミレ助けて)
……どうしても友人のことを頼りたくなる。
これでは、いけない。また前と一緒になってしまう。
何か言わなければ、と口を開く。
「……わたくしは、テリッツ様が何を考えているかわからないのです」
「はい」
「それで……怖くなってしまって……」
「……君にとって、本当の私は異質な人間だったようですね」
テリッツが苦笑した。
「私は、皇帝となるように育てられた皇子です。何よりも先に帝国のことを優先します。以前の君にはそんな事を言っても無駄だと、最初から口にしはしていませんでした。もちろん、私の気持ちも」
「ええ、……だから、婚約者として大事にされていると思っていたのに、そうではなかったので……」
「君をないがしろにしていた……ということですね。それは謝らなければなりません。申し訳ありませんでした」
頭を下げられ、ミズリィ驚いてしまった。
「テリッツ様!?お顔を上げて」
「いえ、これだけは謝らせてほしい」
数十秒クリーム色の頭を見て、ミズリィは途方に暮れた。さっきとまた違うドキドキに息が詰まりそうになりながら。
「そのうえで、ミズリィ、君はどうしたいのでしょう」
顔を上げたテリッツは真剣な水色の瞳だ。
「この婚約は皇家とペトーキオの約束事です。おいそれと変更はできません。ですが、君がどうしてもというのなら……解消という手段もあるのです」
「……それは、考えたことは、実はあるのですわ」
そして考えても、自分がどうしたいかは分からなかった。
「自分でも、よくわからないのです……」
それはたぶん、自分がテリッツの婚約者をやめた姿が思いつかないからだ。ずっと、彼の隣にいたから。
やっぱり悲しくて、苦しい。
どうして前世の最期は、あんな冷たい目で見られなければならなかったのか。
頭の中がぐるぐるして、答えが出ない。
言葉をなくしたミズリィを見て、テリッツは優しく微笑んだ。
「……分かりました。今は保留ですね」
「え……?」
顔を上げると、テリッツはカップを持ち上げたところだった。
「正式な婚姻はミズリィが学院を卒業したあとです。それまでに、心を決めてくだされば良いかと」
「そう……なのですか?」
「焦っても良いことはないと思います。一国の未来を担うということは、それは大変なことですから、悩まれるのも当然です」
「テリッツ様も……悩まれたのですか」
「今もずっと悩んでいます」
そうなのか。
ミズリィが恋して眺めた彼は、いつも、皇子だった。
それは、悩んでいる姿を見たことがないからだ。
(きっと、努力されていたのね……)
やはり、テリッツは皇子だった。
ようやく、彼の本当の姿が見えてきた。
「……お言葉に甘えて、考えさせていただきます」
「私も、あなたに決めてもらえるよう、精進します」
そう言ってもらえるだけで、ミズリィの心は温かくなる。
やっと見てもらえた。
そう、思えた。
言い過ぎたことを悔やんで、また、ちゃんと話せる機会をくれたことに感謝するという文が添えてあった。
手紙は、気遣いに溢れている。
(信じてもいいのかしら……)
こうやって、気を使ってくれるほどには、ミズリィは嫌われていないと。
1週間後の学院が休みの日に、また皇家の馬車に乗って輪舞曲へと向かう。
緊張して、ろくに馬車の中では話せなかった。テリッツも無理に話そうとせず、まるで見守ってくれているような気がする。
エスコートされ店に入ると、イワンたちと初めて店に来た時よりお客の姿を見かける。
どうやら、噂を上書きする方法がうまく行ったようだ。
「誠にありがたいことに、例の代理人たちは来なくなりました」
輪舞曲を皇子が利用したという噂が社交界に広まった。
ただ利用しただけではすぐには噂が広まることはないけれど、協力者が夜会などで囁くと早さが変わるそうだ。数日であっという間に輪舞曲というティーサロンは皇子のお気に入りという話はあちこちで聞かれるようになり、敏感な貴族は輪舞曲を利用するようになった。
今回はさらにアピールして、噂を定着させる。
「よかったです。では、今度の皇宮の茶会の菓子をそちらのパティシエがご用意してくださいませんか?」
「な、なんと」
「本当に気に入りましてね。茶葉もどこのものかお聞きしたいですね」
「なんとも光栄なことです……!ありがとうございます!」
テリッツの笑みはいつもの通りで、何を思っているかはやはり分からなかった。けれど、騙したりする人ではないから、次の皇宮の茶会は輪舞曲のパティシエのお菓子が並ぶだろう……とても楽しみだ。
やはりオーナーの茶は香り高くて美味しい。
深々と礼をして、オーナーは退室した。
「前回は、君を不安にさせてしまってすみません」
しばらくお茶を楽しんだあと、ぽつりとテリッツが呟いた。
めずらしく、いつもより沈んだ表情のような。
「言葉を尽くしたつもりが、かえって誤解を招いたような気がするのです」
「……いえ、テリッツ様のお言葉を理解できなかったわたくしのせいですわ。帰ったあと、一生懸命考えたのですけれど……」
お茶会でのことだし、スミレたちは自分たちが相談を受けたことは伏せたほうがいいと言った。
はたして、『あくまでミズリィが一生懸命考えた結論』という嘘は通じるのか分からないけれど。
「もし、わたくしが、殿下の友人でしたら、ずっと仲良くしてくださいましたか?」
「……ええ、もちろん」
「テリッツ様は、わたくしとこの先ずっとパートナーとしていてくださるのですか?」
「それは――」
言い淀んだテリッツに、また臆病なミズリィはどきりとした。
けれど、すぐに、テリッツは話した。
「そのつもりです。そして以前よりも、君のことは好ましく思っています。よりはっきりと、未来の帝国と、君とのことを想像できるほどには」
「未来の帝国……」
それは、嫌な言葉だった。
ミズリィはその未来にたどり着けなかったし、スミレたちの予想では帝国は悪い方向へと向かわせられている。
けれど、テリッツは、未来を信じている。
彼は、少しの間ミズリィを見つめて、
「君は、どうしたいのですか?」
「え?」
「ずいぶん前から、私を避けていましたよね」
「あ……」
「最初は嫌われたのだと思いました。君は、私を恋愛対象としていたことは知っていましたし、それを黙って何もしない私に熱が冷めたのかと思いましたが……どうも違う」
「えっと……」
かなりドキドキし始めたミズリィ。
前世では貴方に裏切られました、とは言えるわけもない。
(スミレ助けて)
……どうしても友人のことを頼りたくなる。
これでは、いけない。また前と一緒になってしまう。
何か言わなければ、と口を開く。
「……わたくしは、テリッツ様が何を考えているかわからないのです」
「はい」
「それで……怖くなってしまって……」
「……君にとって、本当の私は異質な人間だったようですね」
テリッツが苦笑した。
「私は、皇帝となるように育てられた皇子です。何よりも先に帝国のことを優先します。以前の君にはそんな事を言っても無駄だと、最初から口にしはしていませんでした。もちろん、私の気持ちも」
「ええ、……だから、婚約者として大事にされていると思っていたのに、そうではなかったので……」
「君をないがしろにしていた……ということですね。それは謝らなければなりません。申し訳ありませんでした」
頭を下げられ、ミズリィ驚いてしまった。
「テリッツ様!?お顔を上げて」
「いえ、これだけは謝らせてほしい」
数十秒クリーム色の頭を見て、ミズリィは途方に暮れた。さっきとまた違うドキドキに息が詰まりそうになりながら。
「そのうえで、ミズリィ、君はどうしたいのでしょう」
顔を上げたテリッツは真剣な水色の瞳だ。
「この婚約は皇家とペトーキオの約束事です。おいそれと変更はできません。ですが、君がどうしてもというのなら……解消という手段もあるのです」
「……それは、考えたことは、実はあるのですわ」
そして考えても、自分がどうしたいかは分からなかった。
「自分でも、よくわからないのです……」
それはたぶん、自分がテリッツの婚約者をやめた姿が思いつかないからだ。ずっと、彼の隣にいたから。
やっぱり悲しくて、苦しい。
どうして前世の最期は、あんな冷たい目で見られなければならなかったのか。
頭の中がぐるぐるして、答えが出ない。
言葉をなくしたミズリィを見て、テリッツは優しく微笑んだ。
「……分かりました。今は保留ですね」
「え……?」
顔を上げると、テリッツはカップを持ち上げたところだった。
「正式な婚姻はミズリィが学院を卒業したあとです。それまでに、心を決めてくだされば良いかと」
「そう……なのですか?」
「焦っても良いことはないと思います。一国の未来を担うということは、それは大変なことですから、悩まれるのも当然です」
「テリッツ様も……悩まれたのですか」
「今もずっと悩んでいます」
そうなのか。
ミズリィが恋して眺めた彼は、いつも、皇子だった。
それは、悩んでいる姿を見たことがないからだ。
(きっと、努力されていたのね……)
やはり、テリッツは皇子だった。
ようやく、彼の本当の姿が見えてきた。
「……お言葉に甘えて、考えさせていただきます」
「私も、あなたに決めてもらえるよう、精進します」
そう言ってもらえるだけで、ミズリィの心は温かくなる。
やっと見てもらえた。
そう、思えた。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
ドアマットヒロインはごめん被るので、元凶を蹴落とすことにした
月白ヤトヒコ
ファンタジー
お母様が亡くなった。
それから程なくして――――
お父様が屋敷に見知らぬ母子を連れて来た。
「はじめまして! あなたが、あたしのおねえちゃんになるの?」
にっこりとわたくしを見やるその瞳と髪は、お父様とそっくりな色をしている。
「わ~、おねえちゃんキレイなブローチしてるのね! いいなぁ」
そう、新しい妹? が、言った瞬間・・・
頭の中を、凄まじい情報が巡った。
これ、なんでも奪って行く異母妹と家族に虐げられるドアマット主人公の話じゃね?
ドアマットヒロイン……物語の主人公としての、奪われる人生の、最初の一手。
だから、わたしは・・・よし、とりあえず馬鹿なことを言い出したこのアホをぶん殴っておこう。
ドアマットヒロインはごめん被るので、これからビシバシ躾けてやるか。
ついでに、「政略に使うための駒として娘を必要とし、そのついでに母親を、娘の世話係としてただで扱き使える女として連れて来たものかと」
そう言って、ヒロインのクズ親父と異母妹の母親との間に亀裂を入れることにする。
フハハハハハハハ! これで、異母妹の母親とこの男が仲良くわたしを虐げることはないだろう。ドアマットフラグを一つ折ってやったわっ!
うん? ドアマットヒロインを拾って溺愛するヒーローはどうなったかって?
そんなの知らん。
設定はふわっと。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
誰も悪くはなかったと奥様は言ったけど
いろはにぐみ
恋愛
「誰も悪くはなかった」と奥様は言う。
そうなのだろう。奥様にとっては誰も悪くはなかったのだろう。
一世代前に起こった間違えが、また私たちの代に繰り返される?
いやいや…今回はそううまくいかせない。
なんせ、奥様と侍女の私がいるのですから。
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる