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第四話 聖女の行く末

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「彼女には悪いことをしたかもしれない」
「ベアフレート様はお優しいですね。カロリーナを騙したとお思いですか」
「結果的に、ね」

カロリーナには嘘はついていないのだ。
聖女としての務めを立派に果たせるなら、もちろん二人目の聖女として国に迎え入れるつもりだった。
イシスも、真の聖女とはいえ人間だ、いつ病気や怪我で務めができなくなってもおかしくはないし、代理がいるのなら安心もできる。
また、これは俗な話だけれど、聖女を通して教会への貢献という点も、大幅に期待できるようになる。

「……カロリーナがもし聖女を目指すなら、ここでの経験は無駄になることはないでしょう」

聖女の修練は、つらいものだ。
イシスはそれでも真の聖女であるため、祈りが単純明快に身について少しはマシだった。
魔力のコントロールから始まり、その増量の修業、細かな規範を叩き込み、それと同時に3000程度の祈りは即座にできるよう記憶と身に刻む。
ほとんど寝る間もなく、日が昇り1日の最後の鐘が鳴るまで延々と肉体と頭を酷使する修業。

さほど訓練は受けていないらしいカロリーナが、それでもこの王宮で、真の聖女であるイシスと比べられながらも必死に務めていたのは、案外すごいことだった。

「素質があるわ、あの子」
「こわいなあ、真の聖女は」
「可愛げがなくて悪かったわね」
「根に持ってるのかい?君はそういうのは気が向いたらでいいよ、それだけでありがたいもの」
「そんなことを言うのね、しばらくデレてやらない」
「ええ?」

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