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第30話 誓いの借用書
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こっちには封印魔法に無詠唱もあるが……流石にこんな近くで囲まれると全員は無理だ…!逃げるにしても、唯一の出入り口はガラの悪い連中で塞がれてて、ここは3階だから飛び降りるわけにもいかない………
この状況を打破しようと考えてる中、隙を作るため比較的冷静だったバンがジコルに話しかけた。
「ジコル、俺たちが此処に来ることをリンは知っている。もし俺たちが帰ってこなければ、ギルドや兵士に訴え出るぞ?そうなればお尋ね者だ……そこまでするリスクが本当にあるのか?」
「フッフッ、いい質問ですね~。別に私は殺すつもりは無いんですよ?ただ……喋れなくなればそれでいいのです。後はあの娘を送り届けて、そこで新しい拠点を作る予定ですので、あなた達が"生きてさえ"いてくれれば、どれだけでも誤魔化せれるんですよ」
「じ、じゃあ!俺がその依頼人の倍払う!」
「お、おい、コウスケ!?」
「今は手持ちは無いが…必ず稼いで見せる!だから……」
「プッ、アッハッハッハハハハ!!!稼ぐだと!?笑わせてくれる!!フッフッ、ひとつ教えといてやろう……」
ジコルはそう言うと懐から1枚の大きな金貨を取り出した。
「………なんだ…?その金貨は……?白金貨でもないな………」
「フッフッ、知らないだろうさ………これは一般には出回ることがない特別な物で、その名も"王金貨"といって、その価値は白金貨100枚分の代物さ」
「なっ…!!!!?白金貨100枚分だと!!!?」
え…えっと……?金貨が10万クルドで…白金貨がその10倍で100万クルドだから………1億クルド!!!!?
「素晴らしいだろ?これを持っているのは王侯貴族や大手の商会、下賜された者しかいない特別な金貨だ。今回の依頼で前金として頂いたものでね?成功報酬でさらにもう1枚頂けることになっているのさ!これでワシにも箔がつくというものだ!フッハッハッハ!!」
くっ…!合計2億…!いや、そもそもそれだけ特別な金貨なら、例え4億積もうが断るのが目に見えてる……しかも最悪なことに、依頼人が恐らく"貴族"だという事…!
「……もう分かっただろ?大人しく借用書を渡すんだ。今なら無傷で帰ることが出来るぞ?それとも……あの娘の為に死ぬような目にあいたいか?」
「くっ…!」
「コウスケ…残念だがこれ以上は無理だ……大人しく借用書を渡そう……」
「で、でもそうしたら彼女は…!」
「わかっている!!……わかってはいる、が……バックに貴族が付いているとなると、どう足掻いても勝てない……例え、今助けられたとしても…同じ事の繰り返しになるのが目に見えてる………」
「そ、それは………」
確かにその通りだ……それに、もしそうなった場合ジョー達にも迷惑がかかってしまう……
「さ、早く渡したまえ、この後あの娘に奴隷としての調教が控えているのでね?ゆっくりもしていられないのだよ」
「お前っ…!」
「コウスケっ!!!」
ジコルの台詞に声を荒げたが、それ以上の語気をジョーから浴びせられて、噤んでしまった。その際改めてジョーの顔を見ると、明らかに悔しそうにしていて……あぁ、悔しいのは俺だけじゃないんだと…少し冷静になれた。
「………わかった……これが借用書だ」
悔しい……どうすることも出来ない自分に腹がたつ………俺は、なんて無力なんだ………
諦め……借用書を取り出し、先程出した金貨の入った袋の隣に並べるように置いたところ━━━
突如として、借用書が眩い光を放ち出した!
「うおっ!!?」
「な、なんだっ!!?」
「目が~目が~!!!」
しばらくして光が弱まり、僅かに発光した状態で落ち着くと、ひとりでに浮かび上がった!!!
『金貨10枚ヲ確認シマシタ。返済シマスカ?』
「こ、これは……?」
『繰リ返シマス。━━金貨10枚ヲ確認シマシタ。返済シマスカ?』
そうだ…!『鑑定』!………っ!!!
「ジコルに金貨10枚"返済する"っ!!!」
『━━期限内ノ返済ヲ確認シマシタ。"ジコル" ハ、金貨ヲ受ケ取ッテクダサイ。』
「「「…………は?」」」
全員が訳の分からない事態に唖然としていた。……俺だけは『鑑定』によって、この状況をひっくり返せると興奮していた…!
『誓いの借用書』
:借用書に魔力が宿ったとても珍しい逸品。
:書かれてる内容を守らせる力がある。
:守られなかった場合は罰が下る。
:効果は永続する。
これが、俺が『鑑定』で知り得た情報だ!……もしかしたら……ルートニスさんはこうなる可能性に賭けたのかな……?それとも……彼の想いが届いたんだろうか………どっちにしても、これで彼女が助けられる…!
「ふざけるなっ!!!貴様っ!!!余程痛い目を見たいらしいな!!?オイッ、お前らやってしまえ!!!」
『ブ━━、契約ニ違反シマシタ。コレヨリ刑ヲ執行シマス。』
借用書がまた強く輝き出すと、俺たちを除くジコルとガラの悪い連中に雷が降り注いだ!
「お、おぃ…コウスケ……これはいったい……?」
「あの借用書も宝箱から出てきたんだけど……他のと同様、魔力が宿ったみたいで『誓いの借用書』という物に変わってる。効果は見た通り、書かれた内容を守らせる力があるみたいです」
「ま、マジかよ…そんな『マジックアイテム』初めて聞いたぞ…というか何で解ったんだ?」
「あ、『鑑定』スキル持ってたんで、ついさっき調べたんだ」
「なるほど……」
しばらくすると、悪態をつきながらもジコルが体を起こした。……他の連中は生きてはいるみたいだが、起き上がる気配はなかった………どうやらジコルだけ加減されたみたいだ。
「し、借用書が『マジックアイテム』だとっ…!?そんなバカみたいな話があるかっ!!」
『━━"ジコル" ハ、金貨ヲ受ケ取ッテクダサイ。』
「誰が受け取るものか!!!このチャンスをみすみす逃すはずがないだろ!!?」
『ブ━━、刑ヲ執行シマス。』
「があぁぁぁぁぁ!!!!!!?」
………その後もしばらく同じようなやり取りが続き…ジコルがプスプスと煙を上げて、若干黒くなったところで泣きながら懇願してきた。
「すみません…無理なんです……も、もう…あの娘は、奴隷にしてしまったんです……だから……もう、やめて下さい………」
『ブ━━、不正ヲ確認。今スグ解放サレタシ。』
「ひぃぃぃぃっっ!!!!む、む、む、無理なんだ…!!犯罪奴隷用の首輪を着けさせたから、もう外せないんだぁぁぁあ!!!」
「なっ、テメェ!!?ドンだけ最低なんだ!!?」
「許して下さい許して下さい許して下さい許して下さい許して下さい…………」
『ピ━━。契約内容ヲ履行出来マセン。代替案模索中━━。ルートニス氏ノ死亡ヲ確認。代理人 "山本 康介" ニ、ルートニス氏ノ妹ヲ譲渡サレタシ。』
「そ、それは…………」
『ブ━━、刑ヲ執行シマス。』
「うぎゃあああぁぁぁぁぁ!!!!わ、わかった!!!わかったから、もうやめてくれぇぇぇええ!!!」
…………………え?
この状況を打破しようと考えてる中、隙を作るため比較的冷静だったバンがジコルに話しかけた。
「ジコル、俺たちが此処に来ることをリンは知っている。もし俺たちが帰ってこなければ、ギルドや兵士に訴え出るぞ?そうなればお尋ね者だ……そこまでするリスクが本当にあるのか?」
「フッフッ、いい質問ですね~。別に私は殺すつもりは無いんですよ?ただ……喋れなくなればそれでいいのです。後はあの娘を送り届けて、そこで新しい拠点を作る予定ですので、あなた達が"生きてさえ"いてくれれば、どれだけでも誤魔化せれるんですよ」
「じ、じゃあ!俺がその依頼人の倍払う!」
「お、おい、コウスケ!?」
「今は手持ちは無いが…必ず稼いで見せる!だから……」
「プッ、アッハッハッハハハハ!!!稼ぐだと!?笑わせてくれる!!フッフッ、ひとつ教えといてやろう……」
ジコルはそう言うと懐から1枚の大きな金貨を取り出した。
「………なんだ…?その金貨は……?白金貨でもないな………」
「フッフッ、知らないだろうさ………これは一般には出回ることがない特別な物で、その名も"王金貨"といって、その価値は白金貨100枚分の代物さ」
「なっ…!!!!?白金貨100枚分だと!!!?」
え…えっと……?金貨が10万クルドで…白金貨がその10倍で100万クルドだから………1億クルド!!!!?
「素晴らしいだろ?これを持っているのは王侯貴族や大手の商会、下賜された者しかいない特別な金貨だ。今回の依頼で前金として頂いたものでね?成功報酬でさらにもう1枚頂けることになっているのさ!これでワシにも箔がつくというものだ!フッハッハッハ!!」
くっ…!合計2億…!いや、そもそもそれだけ特別な金貨なら、例え4億積もうが断るのが目に見えてる……しかも最悪なことに、依頼人が恐らく"貴族"だという事…!
「……もう分かっただろ?大人しく借用書を渡すんだ。今なら無傷で帰ることが出来るぞ?それとも……あの娘の為に死ぬような目にあいたいか?」
「くっ…!」
「コウスケ…残念だがこれ以上は無理だ……大人しく借用書を渡そう……」
「で、でもそうしたら彼女は…!」
「わかっている!!……わかってはいる、が……バックに貴族が付いているとなると、どう足掻いても勝てない……例え、今助けられたとしても…同じ事の繰り返しになるのが目に見えてる………」
「そ、それは………」
確かにその通りだ……それに、もしそうなった場合ジョー達にも迷惑がかかってしまう……
「さ、早く渡したまえ、この後あの娘に奴隷としての調教が控えているのでね?ゆっくりもしていられないのだよ」
「お前っ…!」
「コウスケっ!!!」
ジコルの台詞に声を荒げたが、それ以上の語気をジョーから浴びせられて、噤んでしまった。その際改めてジョーの顔を見ると、明らかに悔しそうにしていて……あぁ、悔しいのは俺だけじゃないんだと…少し冷静になれた。
「………わかった……これが借用書だ」
悔しい……どうすることも出来ない自分に腹がたつ………俺は、なんて無力なんだ………
諦め……借用書を取り出し、先程出した金貨の入った袋の隣に並べるように置いたところ━━━
突如として、借用書が眩い光を放ち出した!
「うおっ!!?」
「な、なんだっ!!?」
「目が~目が~!!!」
しばらくして光が弱まり、僅かに発光した状態で落ち着くと、ひとりでに浮かび上がった!!!
『金貨10枚ヲ確認シマシタ。返済シマスカ?』
「こ、これは……?」
『繰リ返シマス。━━金貨10枚ヲ確認シマシタ。返済シマスカ?』
そうだ…!『鑑定』!………っ!!!
「ジコルに金貨10枚"返済する"っ!!!」
『━━期限内ノ返済ヲ確認シマシタ。"ジコル" ハ、金貨ヲ受ケ取ッテクダサイ。』
「「「…………は?」」」
全員が訳の分からない事態に唖然としていた。……俺だけは『鑑定』によって、この状況をひっくり返せると興奮していた…!
『誓いの借用書』
:借用書に魔力が宿ったとても珍しい逸品。
:書かれてる内容を守らせる力がある。
:守られなかった場合は罰が下る。
:効果は永続する。
これが、俺が『鑑定』で知り得た情報だ!……もしかしたら……ルートニスさんはこうなる可能性に賭けたのかな……?それとも……彼の想いが届いたんだろうか………どっちにしても、これで彼女が助けられる…!
「ふざけるなっ!!!貴様っ!!!余程痛い目を見たいらしいな!!?オイッ、お前らやってしまえ!!!」
『ブ━━、契約ニ違反シマシタ。コレヨリ刑ヲ執行シマス。』
借用書がまた強く輝き出すと、俺たちを除くジコルとガラの悪い連中に雷が降り注いだ!
「お、おぃ…コウスケ……これはいったい……?」
「あの借用書も宝箱から出てきたんだけど……他のと同様、魔力が宿ったみたいで『誓いの借用書』という物に変わってる。効果は見た通り、書かれた内容を守らせる力があるみたいです」
「ま、マジかよ…そんな『マジックアイテム』初めて聞いたぞ…というか何で解ったんだ?」
「あ、『鑑定』スキル持ってたんで、ついさっき調べたんだ」
「なるほど……」
しばらくすると、悪態をつきながらもジコルが体を起こした。……他の連中は生きてはいるみたいだが、起き上がる気配はなかった………どうやらジコルだけ加減されたみたいだ。
「し、借用書が『マジックアイテム』だとっ…!?そんなバカみたいな話があるかっ!!」
『━━"ジコル" ハ、金貨ヲ受ケ取ッテクダサイ。』
「誰が受け取るものか!!!このチャンスをみすみす逃すはずがないだろ!!?」
『ブ━━、刑ヲ執行シマス。』
「があぁぁぁぁぁ!!!!!!?」
………その後もしばらく同じようなやり取りが続き…ジコルがプスプスと煙を上げて、若干黒くなったところで泣きながら懇願してきた。
「すみません…無理なんです……も、もう…あの娘は、奴隷にしてしまったんです……だから……もう、やめて下さい………」
『ブ━━、不正ヲ確認。今スグ解放サレタシ。』
「ひぃぃぃぃっっ!!!!む、む、む、無理なんだ…!!犯罪奴隷用の首輪を着けさせたから、もう外せないんだぁぁぁあ!!!」
「なっ、テメェ!!?ドンだけ最低なんだ!!?」
「許して下さい許して下さい許して下さい許して下さい許して下さい…………」
『ピ━━。契約内容ヲ履行出来マセン。代替案模索中━━。ルートニス氏ノ死亡ヲ確認。代理人 "山本 康介" ニ、ルートニス氏ノ妹ヲ譲渡サレタシ。』
「そ、それは…………」
『ブ━━、刑ヲ執行シマス。』
「うぎゃあああぁぁぁぁぁ!!!!わ、わかった!!!わかったから、もうやめてくれぇぇぇええ!!!」
…………………え?
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