10 / 49
第9話 冒険者
しおりを挟む
「ふぅ~…やっと町に入れたねぇ~…」
あの後、ルドフさんが呼んだ皆に囲まれて、町に入るのに結局1時間が経っていた。
「まぁ、封印の女神にそれを解いた英雄ですから、仕方ないですよ」
「ちょっと勘弁してほしいですね…」
「そうだね…流石に恥ずかしかった……でも、魔族でも受け入れられてる感じがして嬉しかった…」
「イリーナ………良かったね」
「うん…!」
━━本当に嬉しそうに━━それでいて少し恥ずかしそうに頬を染めるイリーナの笑顔に惹かれてると……
「ん、んー!………お二人さん?仲が良いのは結構なんですが、そろそろ行きません?」
「「あ、はぃ……」」
気づいたら、道のど真ん中でイリーナと見つめあってて、周りから生暖かい目で見られていた……は、恥ずかしい……
「さて、魔物の解体と冒険者登録するんでしたよね?冒険者ギルドに向かいましょうか」
「「はーい」」
それからしばらく中央通りを真っ直ぐ歩くと、町の中心部の大きな広場に出た。中央には噴水があり、広場の周りには屋台も出てかなり賑わっていた。
そして広場に面した3階の大きい建物の一つ、剣と盾の看板が掲げられた建物に入った。
中は広々としていて左側には掲示板がいくつもあり、右側は談笑スペースみたいでイスやソファーが置かれていた。
奥にはカウンターがあり、受付のお姉さんが5人働いていた。その内の一人、栗色の髪を肩まで伸ばした大きな胸の女性にマーカスさんが話しかけた。
「こんにちは、ヘレナさん」
「マーカスさん、こんにちは。こちらに来るのは珍しいですね…依頼ですか?」
「いえ、魔物の解体、買い取りと…こちらの二人の冒険者登録をお願いしに来たんですよ」
「あ、そうなんですね、じゃあ魔物の解体はいつも通り裏でしてますんで行ってもらえますか?」
「はい、ではお二人さん、先に解体の方は進めておくので、登録が終わったらこの建物の裏に来て下さい。そちらの扉から行けますよ」
「分かりました、お願いします。」
「では、お二人はこちらにおいでください。はじめまして、私はヘレナと言います。」
「はじめまして、山本康介です。」
「あ、はじめまして、イリーナと言います。」
「ではこちらの書類に必要事項を記入お願いします。その後、注意事項等を説明しますね」
「分かりました。」
書類に目を通してみると、今まで見たことが無いような文字が並んでいたんだけど…何故か読むことが出来た、これは言語理解のおかげかな?書くことも問題無さそうだ
*****
「はい、二人ともありがとうございます。では冒険者カードが出来上がるまで、注意事項等説明しますね?
冒険者は基本的に危険なことが多いため、もし死んでしまっても自己責任と言う形をとってます。
ランクはF~A・Sとなっており、お二人はFランクからのスタートになります。依頼は一つ上のランクまで受けることが可能ですが…ただ、もし依頼を失敗しますと、違約金が発生しますのでご注意下さい。
各ランクに応じた依頼達成率で1つ上にランクアップします。…ただ、Cランクからは昇格試験がありますので覚えておいてくださいね?」
一区切りついたところで、ちょうどカードが出来たらしく、こちらに渡してきた
「では、こちらが冒険者カードになります。最初は無料ですが、無くされて再発行と成りますと3万クルドかかりますので、無くさないでくださいね?
そしてこのカードですが、ランクが色で分かるようになってましてFから順に、紫・青・緑・黄・赤・銀・金となっています。
…以上で説明は終わりますが、もしなにか分からないことが出来れば聞きに来て下さいね?」
「はい、ありがとうございます。じゃあイリーナ、行こうか?」
「えぇ、行きましょう。…ヘレナさん、ありがとうございました。」
「どういたしまして、またのお越しをお待ちしております。」
こうして俺たちは冒険者となったのだった。
あの後、ルドフさんが呼んだ皆に囲まれて、町に入るのに結局1時間が経っていた。
「まぁ、封印の女神にそれを解いた英雄ですから、仕方ないですよ」
「ちょっと勘弁してほしいですね…」
「そうだね…流石に恥ずかしかった……でも、魔族でも受け入れられてる感じがして嬉しかった…」
「イリーナ………良かったね」
「うん…!」
━━本当に嬉しそうに━━それでいて少し恥ずかしそうに頬を染めるイリーナの笑顔に惹かれてると……
「ん、んー!………お二人さん?仲が良いのは結構なんですが、そろそろ行きません?」
「「あ、はぃ……」」
気づいたら、道のど真ん中でイリーナと見つめあってて、周りから生暖かい目で見られていた……は、恥ずかしい……
「さて、魔物の解体と冒険者登録するんでしたよね?冒険者ギルドに向かいましょうか」
「「はーい」」
それからしばらく中央通りを真っ直ぐ歩くと、町の中心部の大きな広場に出た。中央には噴水があり、広場の周りには屋台も出てかなり賑わっていた。
そして広場に面した3階の大きい建物の一つ、剣と盾の看板が掲げられた建物に入った。
中は広々としていて左側には掲示板がいくつもあり、右側は談笑スペースみたいでイスやソファーが置かれていた。
奥にはカウンターがあり、受付のお姉さんが5人働いていた。その内の一人、栗色の髪を肩まで伸ばした大きな胸の女性にマーカスさんが話しかけた。
「こんにちは、ヘレナさん」
「マーカスさん、こんにちは。こちらに来るのは珍しいですね…依頼ですか?」
「いえ、魔物の解体、買い取りと…こちらの二人の冒険者登録をお願いしに来たんですよ」
「あ、そうなんですね、じゃあ魔物の解体はいつも通り裏でしてますんで行ってもらえますか?」
「はい、ではお二人さん、先に解体の方は進めておくので、登録が終わったらこの建物の裏に来て下さい。そちらの扉から行けますよ」
「分かりました、お願いします。」
「では、お二人はこちらにおいでください。はじめまして、私はヘレナと言います。」
「はじめまして、山本康介です。」
「あ、はじめまして、イリーナと言います。」
「ではこちらの書類に必要事項を記入お願いします。その後、注意事項等を説明しますね」
「分かりました。」
書類に目を通してみると、今まで見たことが無いような文字が並んでいたんだけど…何故か読むことが出来た、これは言語理解のおかげかな?書くことも問題無さそうだ
*****
「はい、二人ともありがとうございます。では冒険者カードが出来上がるまで、注意事項等説明しますね?
冒険者は基本的に危険なことが多いため、もし死んでしまっても自己責任と言う形をとってます。
ランクはF~A・Sとなっており、お二人はFランクからのスタートになります。依頼は一つ上のランクまで受けることが可能ですが…ただ、もし依頼を失敗しますと、違約金が発生しますのでご注意下さい。
各ランクに応じた依頼達成率で1つ上にランクアップします。…ただ、Cランクからは昇格試験がありますので覚えておいてくださいね?」
一区切りついたところで、ちょうどカードが出来たらしく、こちらに渡してきた
「では、こちらが冒険者カードになります。最初は無料ですが、無くされて再発行と成りますと3万クルドかかりますので、無くさないでくださいね?
そしてこのカードですが、ランクが色で分かるようになってましてFから順に、紫・青・緑・黄・赤・銀・金となっています。
…以上で説明は終わりますが、もしなにか分からないことが出来れば聞きに来て下さいね?」
「はい、ありがとうございます。じゃあイリーナ、行こうか?」
「えぇ、行きましょう。…ヘレナさん、ありがとうございました。」
「どういたしまして、またのお越しをお待ちしております。」
こうして俺たちは冒険者となったのだった。
0
お気に入りに追加
230
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生
西洋司
ファンタジー
妙齢の薬学者 聖徳晴子(せいとく・はるこ)は、絶世の美貌の持ち主だ。
彼女は思考の並列化作業を得意とする、いわゆる天才。
精力的にフィールドワークをこなし、ついにエリクサーの開発間際というところで、放火で殺されてしまった。
晴子は、権力者達から、その地位を脅かす存在、「敵」と見做されてしまったのだ。
死後、晴子は天界で女神様からこう提案された。
「あなたは生前7人分の活躍をしましたので、異世界行きのチケットが7枚もあるんですよ。もしよろしければ、一度に使い切ってみては如何ですか?」
晴子はその提案を受け容れ、異世界へと旅立った。
イレンディア・オデッセイ
サイキ ハヤト
ファンタジー
完結しました!
お読みいただきまして、ありがとうございました!
- - -
ハヤ○ワにありそうなタッチで描く古典ファンタジー。
多数の怪物が棲んでいるイレンディア。人々は高い壁に囲われた街を造り、その中での生活を余儀なくされていた。人々は街で生まれ、その中で死んでいく。
そんな街の一つであるレムリスに生まれたジャシードは、元冒険者の父と母を持つ八歳の男の子だ。誰かの役に立ちたいと願うジャシードは、過去の父母と同じく冒険者になりたいと決め、日々特訓をしていた。
そんなある日、レムリスに怪物の襲撃があった。普段より規模が大きい襲撃は、少年に目覚めを与え、幼馴染みのマーシャを生死の縁に立たせた。
幼馴染みのマーシャを救うため、遠方の街へと薬を求め、ジャシードは父母と共に、幼くして冒険者の第一歩を踏み出すのだった。
イレンディア・オデッセイは、ジャシードが憧れの背中を追いかけ、成長していく姿を描いた物語である。
※カクヨム、小説家になろうにも重複投稿しています。
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
クラス転移で神様に?
空見 大
ファンタジー
空想の中で自由を謳歌していた少年、晴人は、ある日突然現実と夢の境界を越えたような事態に巻き込まれる。
目覚めると彼は真っ白な空間にいた。
動揺するクラスメイト達、状況を掴めない彼の前に現れたのは「神」を名乗る怪しげな存在。彼はいままさにこのクラス全員が異世界へと送り込まれていると告げる。
神は異世界で生き抜く力を身に付けるため、自分に合った能力を自らの手で選び取れと告げる。クラスメイトが興奮と恐怖の狭間で動き出す中、自分の能力欄に違和感を覚えた晴人は手が進むままに動かすと他の者にはない力が自分の能力獲得欄にある事に気がついた。
龍神、邪神、魔神、妖精神、鍛治神、盗神。
六つの神の称号を手に入れ有頂天になる晴人だったが、クラスメイト達が続々と異世界に向かう中ただ一人取り残される。
神と二人っきりでなんとも言えない感覚を味わっていると、突如として鳴り響いた警告音と共に異世界に転生するという不穏な言葉を耳にする。
気が付けばクラスメイト達が転移してくる10年前の世界に転生した彼は、名前をエルピスに変え異世界で生きていくことになる──これは、夢見る少年が家族と運命の為に戦う物語。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
英雄王アルフリードの誕生、前。~「なるべく早めに産んでくれ」~
荒瀬ヤヒロ
ファンタジー
その日、すべての国民が同じ夢を見た。今から三年後に魔王が復活し、国に絶望の時代が訪れるという夢を。そして、長い戦いの中で生まれ、魔王を倒し英雄となった少年は夢を見る人々に訴えた。「自分がもっと早く生まれていれば、犠牲は少なくて済んだはず。だからーーーもっと早く産んでくれ」と。
しかし、英雄の父母となる運命の二人は、幼い頃から顔をあわせるたびに「勝負」を繰り返してきた犬猿の仲だった!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる