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調達(暢達)4
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「分かった、分かったから、取り敢えず、頭を上げよう。な?」
此方の表情を伺うように、ゆっくり頭を上げるフェデル。なんか、上目遣いで腹立つな……。
「……付いて行ってもいい、てこと?」
弱弱しい声で、此方をじいっと見つめてくる。再度確認することに執念を感じる、と言うか、取り敢えずさっさと顔を上げろ。
なんかそういう顔されると無性に殴りたくなる。今回の場合は、許すことになるから、余計に、だ。
これで許したら、このあざとい表情に陥落したみたいで、嫌ではないか。こちらは、その表情で、許したくなる所か、腹が立っているというのに。
そう言う訳で、はっきりと降参宣言したくなかった私は、言葉を濁した。
「好きにすりゃいいんじゃね」
言った瞬間、フェデルの表情が明るくなったのを感じた。それに、猶の事腹が立ったので、せめてもの抵抗として、さっさとフェデルを避け、足早に去る。
そんなことをしても、すぐ追いつかれるのだが。いや、寧ろ追いつかれてくれないと、此方が困る。大まかな道は聞いているし、覚えてはいるが、この道は初めて……所か、この世界の道自体が、初めてなのである。先頭を行くのは、少しばかり不安が残る。
「って言うか、あとどれくらいなんだ?」
フェデルがずっと上機嫌で歩いているのも、居心地が悪いので、話を逸らす。
「僕も行ったことはないから、詳しいことは分からないけど、もうすぐ着くと思うよ」
「行ったことないのか……」
「そりゃ、行く機会ないからね」
と言う事は、フェデルは生まれも育ちも、生粋の貴族だと言う事か。それでも執事をやっていると言う事は、次男とか三男なのなんだろう。まあ、城勤めで元の地位も高そうだしな。執事と言ってもピンキリなのかもしれん。
それにしても、市場に『行く機会がないからね』と切り返されると、何故だか、殺意を覚える。こう……どうしても、苦労知らずの坊ちゃん……みたいな。そんなイメージがするのだよな。いや、別に私が苦労を重ねてきた、と言う訳でもないから、人にどうこう言える立場ではないのだが。
「にーちゃんの言い草だと、その市場ってとこ、あんま、貴族様は来ないみたいだけど、多分、そんな治安悪い訳じゃねーよな?って言うと、言い方悪いかな。えーと、もっとヤバい所はあるんでしょ?」
「そうだね。……と言うか、今回行く市場に買いに来る平民は、割と裕福な方だと思う」
なるほど。……って今回でさえ、危険危険騒いでた、馬鹿が居たんだが?
この感じだと、暫くは城下町、ってとこから下は行けなさそうだな。二人の話を思い出すに、今回行くところは、城下町の端っこの方らしいし。流石に、城下町より下はこの国ではありません、なんてオチはないだろうし、恐らくは、普通の民が暮らしてる町が、あるんだろうな……。
ま、暫くは本読んでる予定だし、どうでもいいか。
「そんじゃ、スラム街とかもあるのかな?」
「……ま、まあ、そりゃ、ありますけど……」
渋ーい顔をされる。子供に赤ちゃんの生まれる仕組みを聞かれた、親のようだ。まあ、大都市なら必ずある、って聞くし、ない訳がないんだよなあ。中心部が綺麗であればある程、スラム街は酷くなる、みたいな話も聞いたことあるな……。本当かは知らんけど。
王城内、貴族街の平和さや、ここが中世チックなことを加味すると、中々に、中々な闇が、スラム街には閉じ込められていそうである。
「いや、なんか、目がキラキラ輝いてるんだけど……、ひょっとして、行こうとしてる?それだけは、駄目だからね??」
「いやあ、そんな事ねえって。流石に行かない。ないない」
アピールのために、片手をブンブンと振ってみたが、逆効果だった気がする。「疑っています」と言わんばかりの、冷たい目で見られた。
そんな目をされんでも、流石に、自分に危険がある状態では、行かないって。そこまで馬鹿ではない。その辺の奴を倒せるくらい、強くなったら、行くだろうけども。
「じゃー、この世界って奴隷とかいんの?」
「いるけど……、え、寧ろ、えーと、レオのとこは、いないのかい?」
「あー、俺認知する限りは、いないなあ。ってか法律で禁止されてるし。裏の話とかは知んねーけど」
やっぱ奴隷。いんのか。本読んだ感じ、居そうな気はしてたけども、実際聞いてみないと確証は持てない。文献にないだけで、奴隷制度禁止されてるかもしれないし。
まー、大勢の平民が居て、それらが、数少ない高い身分の者を支えている場合、その大勢に反乱されないために、それよりも下の身分の者を作る。……みたいな話聞いたことあるし。奴隷が居ても可笑しくはない。と言うか、いない方が可笑しい。
「でも、最近は姫様が嫌ってるから、あんまり公の場で、奴隷を見る事はないかもね」
「あー、嫌ってそう」
と言っても、この世界に来た直後に、姿をちらっと見ただけだが。それだけでも正義感が強そうなのは伝わった。本気で思ってるかは知らんが。
「でも姫様とはいえ、嫌ってる、ってだけで、奴隷の数が減る物なのか?」
「いや、姫様はとても聡明な方だから、色々と政策もしてるみたいだね」
政治の方も口出ししてるのか。なんか、世間知らずの箱入り娘、って感じかと思ったけど、そうでもないのだろうか。ん-。姫様が優秀過ぎて、口出ししてる説と、娘好きすぎて、親が口出し許可してる説があるけど……、ってか、現状この国は、どういう政治体制とってるんだ?勝手に王様が、あれこれやってる、イメージだったんだけども。流石に民主主義ではないことは分かるが、それくらいしか分からない、とも言う。
「そう言えば、政治の主導権握ってるのって誰なの?」
「王様だね。……けど、貴族と教会もかなりの権力を持っているらしいよ」
ほーん。そういうのをなんて言うか分からんが、なんか三竦みの関係みたくなってんのかね。絶対王政、って感じではなさそう。絶対王政の正確な意味も分からずに、そんなことを思ってみる。
「てか、この国って王子様いないの?」
「いないね。姫様には、お姉さんがいたけど、現在は嫁がれて、この国にはいない」
まあ、いないよな。召喚の時に居なかったのは、まあ、我々を警戒していた、とか理由が考えられないでもないが、その後も顔が見られないのは違和感だろう。何らかの理由で、国外に行かせていたとしても、国の危機真っ最中に、しかもその危機を解決する為の、生物兵器を呼び出しておいて、王位第一後継者が国にいないって……。流石に、そのあと国を継ぐ気あるんか?と思う。然も、国外に逃げてたら、命が助かるかもしれない、ってならまだしも、今回の危機って恐らく、この世界そのものに、訪れている訳だから、何処にいても死ぬんだよね。なんか隔離されてる空間に居て、王子だけ無事、なんてことがない訳じゃないけど、そこまで行くと、最早、この国を守る為、ってより、自分の子供守るためのエゴなのよね……。
万一、国民が生き残ってて、再興できたとしても、今まで安全なところに閉じ籠ってた、王子の言う事なんて、誰が聞くんだ、と。少なくとも、私が国民なら、今まで自分たちは、苦しい思いしてたのに、安全圏でのうのうと生きてた王子が、急にしゃしゃり出てきたら、反乱起こす自信あるわ。
王子が、赤ちゃんだったら、まあ、許すかもしんないけど。
「……そーなると、後継ぎ居ないんじゃない?」
「いや?今の所は、姫様が次期王位継承者だよ」
なるほど、婚約者が~って訳でもなく、姫様が一番上になるのか。その辺の話も詳しいことはよく分からんけども、少なくとも、そこまで女性の立場が、悪いって訳でもなさそうだ。
「じゃあ、女帝じゃん」
「まあ?」
いや、女帝ではない。女帝ではないが、……女帝じゃん。
……いや、女帝ではなく、王妃ですね、はい。
フェデルが突っ込まねーから、一人ボケ突っ込みになっちまったじゃないか。意味合いとしては、同じようなもんだから、スルーされたのか。悲しい。
「でも、王妃ってやっぱなんか、反発とかあるんじゃないの?」
「そんなことないと思うよ、姫様は国民に人気あるからなあ。教会とは仲が悪いらしいけど」
「そういや、なんか喧嘩してたなあ。来たばっかりの客に見せるって事は、やっぱ相当だったのか」
「教会は、奴隷を推進してるからね」
まー、奴隷ないと、圧政した瞬間、反乱起こりかねないからね。しなきゃいい話なんだけど、そう、綺麗な事言ってらんないこともあるだろうし。
……いや?別に王族に権力がなくなっても、教会は困らないんじゃなかろうか。何なら、国乗っ取りとか出来んじゃね?知らんけど。
なんか、宗教的な理由でもあるんだろうか。
「教会が奴隷推進って珍しい気がする」
「奴隷、と言いましても、人間の奴隷は教会直々に禁止されてますね。表向きは」
「人間じゃねーなら、奴隷じゃねーじゃねーか」
「いや、まあ、その辺は色々あってね……」
何だか渋い顔をしている。色々て。流石に、動物を奴隷とは言わないだろうし。……言わないよな?
他にどんな可能性があるか、と言うと、うーん。犯罪者が奴隷になってる。くらいしか思いつかない。然しそれでは、渋い顔をするほどの物でもないし、色々、とか言って含みを持たせるほどの物でも、ない気がする。
後思いつくのは、人種差別くらいだけども、ここまで髪の色も目の色も様々な人々が、果たして、ちょっと違うくらいで、差別をするのか?と言う。肌の色は、まあ、王族も、多くの使用人たちも、白い肌をしてるから、彼らが差別対象になることはないとして、然し城で見かけた使用人でも普通に、白い肌以外の人もいたんだよなあ。目鼻立ちは皆ハッキリしていたから、奴隷市場に平たい顔族が並んでる可能性は、否定できないけども。出来ないけども、それだけで人間じゃねえ、って言われたら、やってらんないわ……。
……え?どうなんだろうか?なんか不安になってきたんだが……。
此方の表情を伺うように、ゆっくり頭を上げるフェデル。なんか、上目遣いで腹立つな……。
「……付いて行ってもいい、てこと?」
弱弱しい声で、此方をじいっと見つめてくる。再度確認することに執念を感じる、と言うか、取り敢えずさっさと顔を上げろ。
なんかそういう顔されると無性に殴りたくなる。今回の場合は、許すことになるから、余計に、だ。
これで許したら、このあざとい表情に陥落したみたいで、嫌ではないか。こちらは、その表情で、許したくなる所か、腹が立っているというのに。
そう言う訳で、はっきりと降参宣言したくなかった私は、言葉を濁した。
「好きにすりゃいいんじゃね」
言った瞬間、フェデルの表情が明るくなったのを感じた。それに、猶の事腹が立ったので、せめてもの抵抗として、さっさとフェデルを避け、足早に去る。
そんなことをしても、すぐ追いつかれるのだが。いや、寧ろ追いつかれてくれないと、此方が困る。大まかな道は聞いているし、覚えてはいるが、この道は初めて……所か、この世界の道自体が、初めてなのである。先頭を行くのは、少しばかり不安が残る。
「って言うか、あとどれくらいなんだ?」
フェデルがずっと上機嫌で歩いているのも、居心地が悪いので、話を逸らす。
「僕も行ったことはないから、詳しいことは分からないけど、もうすぐ着くと思うよ」
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「そりゃ、行く機会ないからね」
と言う事は、フェデルは生まれも育ちも、生粋の貴族だと言う事か。それでも執事をやっていると言う事は、次男とか三男なのなんだろう。まあ、城勤めで元の地位も高そうだしな。執事と言ってもピンキリなのかもしれん。
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「そうだね。……と言うか、今回行く市場に買いに来る平民は、割と裕福な方だと思う」
なるほど。……って今回でさえ、危険危険騒いでた、馬鹿が居たんだが?
この感じだと、暫くは城下町、ってとこから下は行けなさそうだな。二人の話を思い出すに、今回行くところは、城下町の端っこの方らしいし。流石に、城下町より下はこの国ではありません、なんてオチはないだろうし、恐らくは、普通の民が暮らしてる町が、あるんだろうな……。
ま、暫くは本読んでる予定だし、どうでもいいか。
「そんじゃ、スラム街とかもあるのかな?」
「……ま、まあ、そりゃ、ありますけど……」
渋ーい顔をされる。子供に赤ちゃんの生まれる仕組みを聞かれた、親のようだ。まあ、大都市なら必ずある、って聞くし、ない訳がないんだよなあ。中心部が綺麗であればある程、スラム街は酷くなる、みたいな話も聞いたことあるな……。本当かは知らんけど。
王城内、貴族街の平和さや、ここが中世チックなことを加味すると、中々に、中々な闇が、スラム街には閉じ込められていそうである。
「いや、なんか、目がキラキラ輝いてるんだけど……、ひょっとして、行こうとしてる?それだけは、駄目だからね??」
「いやあ、そんな事ねえって。流石に行かない。ないない」
アピールのために、片手をブンブンと振ってみたが、逆効果だった気がする。「疑っています」と言わんばかりの、冷たい目で見られた。
そんな目をされんでも、流石に、自分に危険がある状態では、行かないって。そこまで馬鹿ではない。その辺の奴を倒せるくらい、強くなったら、行くだろうけども。
「じゃー、この世界って奴隷とかいんの?」
「いるけど……、え、寧ろ、えーと、レオのとこは、いないのかい?」
「あー、俺認知する限りは、いないなあ。ってか法律で禁止されてるし。裏の話とかは知んねーけど」
やっぱ奴隷。いんのか。本読んだ感じ、居そうな気はしてたけども、実際聞いてみないと確証は持てない。文献にないだけで、奴隷制度禁止されてるかもしれないし。
まー、大勢の平民が居て、それらが、数少ない高い身分の者を支えている場合、その大勢に反乱されないために、それよりも下の身分の者を作る。……みたいな話聞いたことあるし。奴隷が居ても可笑しくはない。と言うか、いない方が可笑しい。
「でも、最近は姫様が嫌ってるから、あんまり公の場で、奴隷を見る事はないかもね」
「あー、嫌ってそう」
と言っても、この世界に来た直後に、姿をちらっと見ただけだが。それだけでも正義感が強そうなのは伝わった。本気で思ってるかは知らんが。
「でも姫様とはいえ、嫌ってる、ってだけで、奴隷の数が減る物なのか?」
「いや、姫様はとても聡明な方だから、色々と政策もしてるみたいだね」
政治の方も口出ししてるのか。なんか、世間知らずの箱入り娘、って感じかと思ったけど、そうでもないのだろうか。ん-。姫様が優秀過ぎて、口出ししてる説と、娘好きすぎて、親が口出し許可してる説があるけど……、ってか、現状この国は、どういう政治体制とってるんだ?勝手に王様が、あれこれやってる、イメージだったんだけども。流石に民主主義ではないことは分かるが、それくらいしか分からない、とも言う。
「そう言えば、政治の主導権握ってるのって誰なの?」
「王様だね。……けど、貴族と教会もかなりの権力を持っているらしいよ」
ほーん。そういうのをなんて言うか分からんが、なんか三竦みの関係みたくなってんのかね。絶対王政、って感じではなさそう。絶対王政の正確な意味も分からずに、そんなことを思ってみる。
「てか、この国って王子様いないの?」
「いないね。姫様には、お姉さんがいたけど、現在は嫁がれて、この国にはいない」
まあ、いないよな。召喚の時に居なかったのは、まあ、我々を警戒していた、とか理由が考えられないでもないが、その後も顔が見られないのは違和感だろう。何らかの理由で、国外に行かせていたとしても、国の危機真っ最中に、しかもその危機を解決する為の、生物兵器を呼び出しておいて、王位第一後継者が国にいないって……。流石に、そのあと国を継ぐ気あるんか?と思う。然も、国外に逃げてたら、命が助かるかもしれない、ってならまだしも、今回の危機って恐らく、この世界そのものに、訪れている訳だから、何処にいても死ぬんだよね。なんか隔離されてる空間に居て、王子だけ無事、なんてことがない訳じゃないけど、そこまで行くと、最早、この国を守る為、ってより、自分の子供守るためのエゴなのよね……。
万一、国民が生き残ってて、再興できたとしても、今まで安全なところに閉じ籠ってた、王子の言う事なんて、誰が聞くんだ、と。少なくとも、私が国民なら、今まで自分たちは、苦しい思いしてたのに、安全圏でのうのうと生きてた王子が、急にしゃしゃり出てきたら、反乱起こす自信あるわ。
王子が、赤ちゃんだったら、まあ、許すかもしんないけど。
「……そーなると、後継ぎ居ないんじゃない?」
「いや?今の所は、姫様が次期王位継承者だよ」
なるほど、婚約者が~って訳でもなく、姫様が一番上になるのか。その辺の話も詳しいことはよく分からんけども、少なくとも、そこまで女性の立場が、悪いって訳でもなさそうだ。
「じゃあ、女帝じゃん」
「まあ?」
いや、女帝ではない。女帝ではないが、……女帝じゃん。
……いや、女帝ではなく、王妃ですね、はい。
フェデルが突っ込まねーから、一人ボケ突っ込みになっちまったじゃないか。意味合いとしては、同じようなもんだから、スルーされたのか。悲しい。
「でも、王妃ってやっぱなんか、反発とかあるんじゃないの?」
「そんなことないと思うよ、姫様は国民に人気あるからなあ。教会とは仲が悪いらしいけど」
「そういや、なんか喧嘩してたなあ。来たばっかりの客に見せるって事は、やっぱ相当だったのか」
「教会は、奴隷を推進してるからね」
まー、奴隷ないと、圧政した瞬間、反乱起こりかねないからね。しなきゃいい話なんだけど、そう、綺麗な事言ってらんないこともあるだろうし。
……いや?別に王族に権力がなくなっても、教会は困らないんじゃなかろうか。何なら、国乗っ取りとか出来んじゃね?知らんけど。
なんか、宗教的な理由でもあるんだろうか。
「教会が奴隷推進って珍しい気がする」
「奴隷、と言いましても、人間の奴隷は教会直々に禁止されてますね。表向きは」
「人間じゃねーなら、奴隷じゃねーじゃねーか」
「いや、まあ、その辺は色々あってね……」
何だか渋い顔をしている。色々て。流石に、動物を奴隷とは言わないだろうし。……言わないよな?
他にどんな可能性があるか、と言うと、うーん。犯罪者が奴隷になってる。くらいしか思いつかない。然しそれでは、渋い顔をするほどの物でもないし、色々、とか言って含みを持たせるほどの物でも、ない気がする。
後思いつくのは、人種差別くらいだけども、ここまで髪の色も目の色も様々な人々が、果たして、ちょっと違うくらいで、差別をするのか?と言う。肌の色は、まあ、王族も、多くの使用人たちも、白い肌をしてるから、彼らが差別対象になることはないとして、然し城で見かけた使用人でも普通に、白い肌以外の人もいたんだよなあ。目鼻立ちは皆ハッキリしていたから、奴隷市場に平たい顔族が並んでる可能性は、否定できないけども。出来ないけども、それだけで人間じゃねえ、って言われたら、やってらんないわ……。
……え?どうなんだろうか?なんか不安になってきたんだが……。
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