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第一章
第九話 茉白
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「早速だけど、二人にはチェックインのサポートに着いてもらうわ」
ホテルの案内を一通り終えると、今日の仕事についての説明が始まった。
「経験者の青柳くんは、先輩スタッフの後ろでチェックインの流れを見て学んでね。赤井くんは空五倍子くんが適宜教えながらチェックイン業務について学んでもらうわね」
御橙さんの話によると、チェックインは日が暮れてから始まるらしい。幽霊相手なのだから当然と言えば当然か。
丑三つ時を過ぎる頃にはチェックイン業務は終わり、その後はお客様対応の時間が始まる。入社初日からハードなスケジュールだ。
恐らく、明日からは昼夜逆転の生活になるのだろう。最近まで夜勤をしていたおかげで、あまり苦ではないことだけが救いだ。
「日が暮れるまでは各自用意された部屋で休息を取ってもらっていいわ。さっき渡した就業規約だけはちゃんと読んでおいてね」
腕時計で時間を確認すると、昼の十二時を少し回ったところだった。数時間は仮眠を取れるだろうか。
いつの間にか姿を消していた赤井に倣い、俺もハウスユース用のフロアに移動しようとした矢先、御橙さんに呼び止められた。
「青柳くんには先に紹介しておくわね」
「紹介?」
疑問符を浮かべた俺が連れられた先は社員食堂。数名のスタッフが食事を摂っている。そういえば朝から何も食べていない。話が終わったら俺も昼食にしようか。
キョロキョロと周囲を確認し、目的の人物を見つけた御橙さんは、パタパタと軽快な足音を立ててその人物に駆け寄った。
「茉白ちゃん!」
かと思えば、突然のハグ。先程までの大人のお姉さんな雰囲気はどこへやら。
困惑する俺とは対照的に、御橙さんに突然抱きしめられた少女は平然とした顔だ。
「やめてください。暑いです」
「いいじゃない。挨拶よ挨拶」
「ここ日本です」
むしろうんざりしたように目を細めている。きっと彼女にとっては日常的なことなのだろう。見ているこちらには刺激が強い。御橙さんはそっち系なのだろうか。
「それで、何の用ですか?」
少女はパックの牛乳をストローで吸い上げると、御橙さんを引き剥がした。
「あ、そうそう。今日入社した子の教育係をお願いしたいの」
御橙さんがニコリと微笑む。自己紹介をしろということだろう。
「本日付で入社しました、青柳聖也です。よろしくお願いします」
俺は礼儀正しく頭を下げた。第一印象は大事だ。あのちゃらんぽらんと同じにされては困る。さっきまで入社を渋っていたこともあるし、ここで一つ印象アップをしておこうと思う。
ゆっくりと顔を上げると、少女は俺を上から下まで品定めするようにじっくりと見つめ、呟く。
「冴えない人ですね」
喧嘩売ってるのか。いや、これは間違いなく売っている。初対面の相手になんてことを言うんだこいつは。
少女、と形容しているように、彼女は小柄で幼い顔立ちをした女性だった。立ち上がって御橙さんの隣に立つとその小ささがさらに際立つ。
真っ白な肌に真っ白なワンピース。上から下までストンと落ちる華奢な体。まん丸とした目に人形のように長いまつ毛。目と薄い唇を繋ぐ鼻も綺麗に筋が通っている。顔は可愛らしいが、それらを全て台無しにするほど態度が悪い。
「あの、どう見ても高校生くらいにしか見えないんですけど」
つい思ったことを口走ってしまった。
その瞬間、少女が俺に詰め寄る。
「年齢とか関係あるんですか? 冴えないだけじゃなくて礼儀も知らないんですか?」
このちびっ子……言わせておけば好き放題言ってくれる。
「先輩なのに初対面の相手に冴えないとか言うんですね。礼儀を知らないのは君の方では?」
「君って言うな。子供っぽく聞こえるでしょ」
「ムッとして口が悪くなるあたり、お似合いだと思いますけどね」
「その不快な口を閉じていただけますか? そしてそのまま一生開かないでください。ついでに鼻も」
「殺す気か」
「まあまあ、二人とも落ち着いて」
バチバチと火花が散りそうなほど睨み合っていると、御橙さんが仲裁に入った。
赤井といい、このちびっ子といい、どうして礼儀知らずなやつがホテル業をしているのだろう。これからこんな生意気な子供に指導を受けるのかと思うと嫌気がさす。
「俺、彼女に指導を受けるのは嫌です」
「私もデリカシーの無い男はごめんですね」
御橙さんは困ったように笑う。
「二人とも、きっと仲良くなると思うんだけどね」
「無理ですね」
「嫌です」
「嫌ってなんだ」
「嫌なものは嫌」
再び火花を散らす俺たちを交互に見て、御橙さんは茉白の手を握る。
茉白はぱちぱちと目を瞬かせ、御橙さんの顔をまじまじと見ている。
「茉白ちゃんは先輩でしょ?」
「え、はい。そうですけど……」
「だったら、後輩には優しくしなきゃダメ。私にしてくれたみたいに、青柳くんにも優しくしてあげて」
「いや、でも……」
「返事ははいだけでいいの」
「はい」
しゅんと俯いて大人しくなる茉白。なんだか様子が変だ。さっきまでの威勢はどこへ行ってしまったのだろう。
というか、あの口ぶりからして、御橙さんよりも茉白の方が先輩だったのか?
御橙さんは身を翻してこちらに顔を向ける。
「青柳くんも」
「はい?」
「茉白ちゃんが歳下でも歳上でも、先輩に対してはそれ相応の接し方があるでしょう?」
「まあ、そうですけど……」
何故だろう。笑顔なのにやけに威圧感がある。
「青柳くんは既に社会人としての経験があるわよね。社会人として、最低限のマナーや礼儀は学んでいるはずよね」
「……はい」
「その中で先輩への敬意は学ばなかったのかしら?」
「いえ、学びました」
「だったらわかるわよね?」
「すみませんでした」
俺と茉白はどちらからともなく、御橙さんから逃げるように身を寄せ合った。
御橙さんは間違いなく笑顔だ。言い方も優しい。振る舞いも変わらず穏やかだ。
それなのに、無性に俺の恐怖心を駆り立てた。それは茉白も同じだったらしい。
御橙さんに聞こえないようにボリュームを下げて茉白に話しかける。
「御橙さんって怖いな」
「絶対に怒らせちゃダメな人です。あれはまだ忠告だから」
「怒ったらどうなるんだ……」
「……聞きたい?」
「いや、やめとく」
聞いたらこの先御橙さんの顔をまともに見られなくなる気がした。
その当人は腕時計を確認すると、ハッと表情を変えた。
「もうこんな時間だわ。私、することが残ってるから戻るわね。二人とも仲良くしなきゃダメよ」
「わかりました」
俺たちは声を揃えて御橙さん……いや、御橙曹長に敬礼した。
踵を返して食堂を出て行く御橙大尉の背中を見送り、ほっと胸を撫で下ろす。恐怖と緊張から開放された気分だ。
ちらりと隣に目をやると、茉白もふうっと小さく息を吐いた。
「青柳さん……でしたっけ。あなたは部屋に戻って休憩していいですよ。仕事は夜からなので、日が暮れる前に戻って来ていただければ」
「茉白……さんはどうするんだ……ですか?」
「無理して敬語使わなくていいから」
茉白からじとーっとした目線を向けられる。悪かったな。アモールの時は先輩と言えば歳上しか居なかったし、歳下の先輩との接し方がわからないんだ。
「私はこのまま食堂で時間を潰してます」
「他の先輩たちもそうだけど、仕事は夜からなのにこんな時間から働いてるんだな」
日が暮れてから働くのであれば、この時期なら十八時頃から働き始めれば充分間に合うだろうに。
「ここがどんなホテルなのかは聞いてますよね?」
「まあ、だいたい」
「このホテルは特殊なんですよ。お客様が成仏したらチェックアウト。その後には従業員に取り憑いてしまったお客様が居ないか確認して、必要に応じてお祓い。他にも成仏された方への形式的な"式"が行われたり、使用した部屋の除霊を行ったりするんです」
「なるほど……」
思っていたよりも幽霊相手の仕事というのは大変らしい。
この世界を彷徨い続ける幽霊が悪霊になったり、人に取り憑いたりするなんて話はよく耳にする。スタッフに対して万が一にもそんなことが無いように、或いはお客様が悪霊になることが無いようにするための仕事なのだろう。
恐らく休眠は中抜けの形式になるのだろうな。ホテル業は体力勝負、とはよく言ったものだ。
「そういうことなら今のうちに休ませてもらうよ」
「就業規約は読んでおいてくださいね」
「ああ、わかった」
「絶対ですよ」
「わかったよ」
やけに念押ししてくる茉白を軽くあしらい、俺はハウスユース用に与えられた部屋に向かった。
ホテルの案内を一通り終えると、今日の仕事についての説明が始まった。
「経験者の青柳くんは、先輩スタッフの後ろでチェックインの流れを見て学んでね。赤井くんは空五倍子くんが適宜教えながらチェックイン業務について学んでもらうわね」
御橙さんの話によると、チェックインは日が暮れてから始まるらしい。幽霊相手なのだから当然と言えば当然か。
丑三つ時を過ぎる頃にはチェックイン業務は終わり、その後はお客様対応の時間が始まる。入社初日からハードなスケジュールだ。
恐らく、明日からは昼夜逆転の生活になるのだろう。最近まで夜勤をしていたおかげで、あまり苦ではないことだけが救いだ。
「日が暮れるまでは各自用意された部屋で休息を取ってもらっていいわ。さっき渡した就業規約だけはちゃんと読んでおいてね」
腕時計で時間を確認すると、昼の十二時を少し回ったところだった。数時間は仮眠を取れるだろうか。
いつの間にか姿を消していた赤井に倣い、俺もハウスユース用のフロアに移動しようとした矢先、御橙さんに呼び止められた。
「青柳くんには先に紹介しておくわね」
「紹介?」
疑問符を浮かべた俺が連れられた先は社員食堂。数名のスタッフが食事を摂っている。そういえば朝から何も食べていない。話が終わったら俺も昼食にしようか。
キョロキョロと周囲を確認し、目的の人物を見つけた御橙さんは、パタパタと軽快な足音を立ててその人物に駆け寄った。
「茉白ちゃん!」
かと思えば、突然のハグ。先程までの大人のお姉さんな雰囲気はどこへやら。
困惑する俺とは対照的に、御橙さんに突然抱きしめられた少女は平然とした顔だ。
「やめてください。暑いです」
「いいじゃない。挨拶よ挨拶」
「ここ日本です」
むしろうんざりしたように目を細めている。きっと彼女にとっては日常的なことなのだろう。見ているこちらには刺激が強い。御橙さんはそっち系なのだろうか。
「それで、何の用ですか?」
少女はパックの牛乳をストローで吸い上げると、御橙さんを引き剥がした。
「あ、そうそう。今日入社した子の教育係をお願いしたいの」
御橙さんがニコリと微笑む。自己紹介をしろということだろう。
「本日付で入社しました、青柳聖也です。よろしくお願いします」
俺は礼儀正しく頭を下げた。第一印象は大事だ。あのちゃらんぽらんと同じにされては困る。さっきまで入社を渋っていたこともあるし、ここで一つ印象アップをしておこうと思う。
ゆっくりと顔を上げると、少女は俺を上から下まで品定めするようにじっくりと見つめ、呟く。
「冴えない人ですね」
喧嘩売ってるのか。いや、これは間違いなく売っている。初対面の相手になんてことを言うんだこいつは。
少女、と形容しているように、彼女は小柄で幼い顔立ちをした女性だった。立ち上がって御橙さんの隣に立つとその小ささがさらに際立つ。
真っ白な肌に真っ白なワンピース。上から下までストンと落ちる華奢な体。まん丸とした目に人形のように長いまつ毛。目と薄い唇を繋ぐ鼻も綺麗に筋が通っている。顔は可愛らしいが、それらを全て台無しにするほど態度が悪い。
「あの、どう見ても高校生くらいにしか見えないんですけど」
つい思ったことを口走ってしまった。
その瞬間、少女が俺に詰め寄る。
「年齢とか関係あるんですか? 冴えないだけじゃなくて礼儀も知らないんですか?」
このちびっ子……言わせておけば好き放題言ってくれる。
「先輩なのに初対面の相手に冴えないとか言うんですね。礼儀を知らないのは君の方では?」
「君って言うな。子供っぽく聞こえるでしょ」
「ムッとして口が悪くなるあたり、お似合いだと思いますけどね」
「その不快な口を閉じていただけますか? そしてそのまま一生開かないでください。ついでに鼻も」
「殺す気か」
「まあまあ、二人とも落ち着いて」
バチバチと火花が散りそうなほど睨み合っていると、御橙さんが仲裁に入った。
赤井といい、このちびっ子といい、どうして礼儀知らずなやつがホテル業をしているのだろう。これからこんな生意気な子供に指導を受けるのかと思うと嫌気がさす。
「俺、彼女に指導を受けるのは嫌です」
「私もデリカシーの無い男はごめんですね」
御橙さんは困ったように笑う。
「二人とも、きっと仲良くなると思うんだけどね」
「無理ですね」
「嫌です」
「嫌ってなんだ」
「嫌なものは嫌」
再び火花を散らす俺たちを交互に見て、御橙さんは茉白の手を握る。
茉白はぱちぱちと目を瞬かせ、御橙さんの顔をまじまじと見ている。
「茉白ちゃんは先輩でしょ?」
「え、はい。そうですけど……」
「だったら、後輩には優しくしなきゃダメ。私にしてくれたみたいに、青柳くんにも優しくしてあげて」
「いや、でも……」
「返事ははいだけでいいの」
「はい」
しゅんと俯いて大人しくなる茉白。なんだか様子が変だ。さっきまでの威勢はどこへ行ってしまったのだろう。
というか、あの口ぶりからして、御橙さんよりも茉白の方が先輩だったのか?
御橙さんは身を翻してこちらに顔を向ける。
「青柳くんも」
「はい?」
「茉白ちゃんが歳下でも歳上でも、先輩に対してはそれ相応の接し方があるでしょう?」
「まあ、そうですけど……」
何故だろう。笑顔なのにやけに威圧感がある。
「青柳くんは既に社会人としての経験があるわよね。社会人として、最低限のマナーや礼儀は学んでいるはずよね」
「……はい」
「その中で先輩への敬意は学ばなかったのかしら?」
「いえ、学びました」
「だったらわかるわよね?」
「すみませんでした」
俺と茉白はどちらからともなく、御橙さんから逃げるように身を寄せ合った。
御橙さんは間違いなく笑顔だ。言い方も優しい。振る舞いも変わらず穏やかだ。
それなのに、無性に俺の恐怖心を駆り立てた。それは茉白も同じだったらしい。
御橙さんに聞こえないようにボリュームを下げて茉白に話しかける。
「御橙さんって怖いな」
「絶対に怒らせちゃダメな人です。あれはまだ忠告だから」
「怒ったらどうなるんだ……」
「……聞きたい?」
「いや、やめとく」
聞いたらこの先御橙さんの顔をまともに見られなくなる気がした。
その当人は腕時計を確認すると、ハッと表情を変えた。
「もうこんな時間だわ。私、することが残ってるから戻るわね。二人とも仲良くしなきゃダメよ」
「わかりました」
俺たちは声を揃えて御橙さん……いや、御橙曹長に敬礼した。
踵を返して食堂を出て行く御橙大尉の背中を見送り、ほっと胸を撫で下ろす。恐怖と緊張から開放された気分だ。
ちらりと隣に目をやると、茉白もふうっと小さく息を吐いた。
「青柳さん……でしたっけ。あなたは部屋に戻って休憩していいですよ。仕事は夜からなので、日が暮れる前に戻って来ていただければ」
「茉白……さんはどうするんだ……ですか?」
「無理して敬語使わなくていいから」
茉白からじとーっとした目線を向けられる。悪かったな。アモールの時は先輩と言えば歳上しか居なかったし、歳下の先輩との接し方がわからないんだ。
「私はこのまま食堂で時間を潰してます」
「他の先輩たちもそうだけど、仕事は夜からなのにこんな時間から働いてるんだな」
日が暮れてから働くのであれば、この時期なら十八時頃から働き始めれば充分間に合うだろうに。
「ここがどんなホテルなのかは聞いてますよね?」
「まあ、だいたい」
「このホテルは特殊なんですよ。お客様が成仏したらチェックアウト。その後には従業員に取り憑いてしまったお客様が居ないか確認して、必要に応じてお祓い。他にも成仏された方への形式的な"式"が行われたり、使用した部屋の除霊を行ったりするんです」
「なるほど……」
思っていたよりも幽霊相手の仕事というのは大変らしい。
この世界を彷徨い続ける幽霊が悪霊になったり、人に取り憑いたりするなんて話はよく耳にする。スタッフに対して万が一にもそんなことが無いように、或いはお客様が悪霊になることが無いようにするための仕事なのだろう。
恐らく休眠は中抜けの形式になるのだろうな。ホテル業は体力勝負、とはよく言ったものだ。
「そういうことなら今のうちに休ませてもらうよ」
「就業規約は読んでおいてくださいね」
「ああ、わかった」
「絶対ですよ」
「わかったよ」
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