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美形家族っぽいです
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意識が薄れて……
「元気な男の子ですよー!」
(…………、うん?)
瞼の奥が眩しい。何やら人の気配も感じる。
恐る恐る目を開けてみる。
美形が、そこにあった。
(うぎゃあ!?)
「あぁ…、何て可愛いんでしょう…。私達の可愛い子よ…あなた…」
その美形は何故かうっとりとこちらを見つめて隣の人物に声をかける。
つられて俺もそちらに目をやる。
「うぅっぐぅっ、ふぅぅっ…!」
滂沱の涙を流す、これまた美形な男が居た。
「よ゛っ…よ゛がっだな゛ぁ!!よ゛がっだな゛ぁ!!何て可愛いんだろう!!」
美形男は号泣しながらこちらに手を伸ばしてくる。
(うわっ…!)
その手を払い除けようとして振り上げた俺の手は。
(何っだこの手!?)
まるで赤ん坊のように柔らかく小さかった。
「おお!動いたぞ!動いた姿も愛らしい!」
「あなた…少しお黙りなさい…」
何やら美形共が言葉を交わしているが、今の俺には知ったこっちゃない。
(俺は死んだんだよ…な…?)
確かに死ぬ間際見たトラックのことは覚えている。俺は轢かれて死んでしまったのだ。
なのに、なのに。
(もしかして、もしかして…)
俺は「転生」というやつをしてしまったのか!?
そうなったらこの事態にも説明がつく。
しかしそんなことが現実にあるなんて…
にわかには受け入れられない。顔を動かしてみる。
うん、確かにこれ——赤ん坊は俺なのだ。
視界が動く。まだ泣いている美形と目が合った。
「おお!こっちを!こっちを見てるぞ!」
(ひいっ!?)
男は感極まったように、それでも慎重に俺をそっと抱き上げた。
「よーしよし。俺がお父様だぞー!」
(やっぱり、やっぱりそうなのか…)
まぁそりゃそうだよな。他人の子が産まれてこんなに泣くやついないだろう。
(と、いうことは…)
後ろを振り向こうとする、とその途端に首ががくんとなった。
(うぉわっ!?)
そうだった、赤ん坊の首はまだ据わっていない。無理に動かそうとすると危ない。
この父親も慌てて俺の頭を抱えた。
「うわっと!?…おーよしよし危なかったなぁ。お前はまだ赤ん坊だからな。私が支えてやらないといけないとだよな…グスッ」
また涙ぐむ。涙腺の弱い父親だなぁ。
ってそうじゃなくて俺は母親を見たいんだ!
その意思を伝えようと体を揺らしてみる。
「んんっ?……あぁ、もしかして母様を見たいのか?ほら母様だぞー」
意思を汲んでくれた父親が母親の方に体を向けてくれる。
「ふふっ…。母様ですよ」
淑やかに微笑む母親はそれはそれは美しかった。思わず息を呑む。
「ふふん、お前の母様は美人だろう?」
父親が自慢げに言う。
前世成人済みの男としては非常に腹立たしいが、しかしこれは自慢するのも仕方ないくらいの美貌だった。
(ここってもしかして美形家族…?)
俺の心の中で一筋冷たい汗が流れた。
*****************************************
かえでです!
しばらくは幼いままで物語を進めたいと思っています。そして両親のビジュアル等は次の話に入れたいと思っています。
早速お気に入りに入れて頂けてとても感動しています!
語彙力はありませんが皆様に少しでもお楽しみ頂けるように努めますので宜しくお願いいたします!
「元気な男の子ですよー!」
(…………、うん?)
瞼の奥が眩しい。何やら人の気配も感じる。
恐る恐る目を開けてみる。
美形が、そこにあった。
(うぎゃあ!?)
「あぁ…、何て可愛いんでしょう…。私達の可愛い子よ…あなた…」
その美形は何故かうっとりとこちらを見つめて隣の人物に声をかける。
つられて俺もそちらに目をやる。
「うぅっぐぅっ、ふぅぅっ…!」
滂沱の涙を流す、これまた美形な男が居た。
「よ゛っ…よ゛がっだな゛ぁ!!よ゛がっだな゛ぁ!!何て可愛いんだろう!!」
美形男は号泣しながらこちらに手を伸ばしてくる。
(うわっ…!)
その手を払い除けようとして振り上げた俺の手は。
(何っだこの手!?)
まるで赤ん坊のように柔らかく小さかった。
「おお!動いたぞ!動いた姿も愛らしい!」
「あなた…少しお黙りなさい…」
何やら美形共が言葉を交わしているが、今の俺には知ったこっちゃない。
(俺は死んだんだよ…な…?)
確かに死ぬ間際見たトラックのことは覚えている。俺は轢かれて死んでしまったのだ。
なのに、なのに。
(もしかして、もしかして…)
俺は「転生」というやつをしてしまったのか!?
そうなったらこの事態にも説明がつく。
しかしそんなことが現実にあるなんて…
にわかには受け入れられない。顔を動かしてみる。
うん、確かにこれ——赤ん坊は俺なのだ。
視界が動く。まだ泣いている美形と目が合った。
「おお!こっちを!こっちを見てるぞ!」
(ひいっ!?)
男は感極まったように、それでも慎重に俺をそっと抱き上げた。
「よーしよし。俺がお父様だぞー!」
(やっぱり、やっぱりそうなのか…)
まぁそりゃそうだよな。他人の子が産まれてこんなに泣くやついないだろう。
(と、いうことは…)
後ろを振り向こうとする、とその途端に首ががくんとなった。
(うぉわっ!?)
そうだった、赤ん坊の首はまだ据わっていない。無理に動かそうとすると危ない。
この父親も慌てて俺の頭を抱えた。
「うわっと!?…おーよしよし危なかったなぁ。お前はまだ赤ん坊だからな。私が支えてやらないといけないとだよな…グスッ」
また涙ぐむ。涙腺の弱い父親だなぁ。
ってそうじゃなくて俺は母親を見たいんだ!
その意思を伝えようと体を揺らしてみる。
「んんっ?……あぁ、もしかして母様を見たいのか?ほら母様だぞー」
意思を汲んでくれた父親が母親の方に体を向けてくれる。
「ふふっ…。母様ですよ」
淑やかに微笑む母親はそれはそれは美しかった。思わず息を呑む。
「ふふん、お前の母様は美人だろう?」
父親が自慢げに言う。
前世成人済みの男としては非常に腹立たしいが、しかしこれは自慢するのも仕方ないくらいの美貌だった。
(ここってもしかして美形家族…?)
俺の心の中で一筋冷たい汗が流れた。
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かえでです!
しばらくは幼いままで物語を進めたいと思っています。そして両親のビジュアル等は次の話に入れたいと思っています。
早速お気に入りに入れて頂けてとても感動しています!
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