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第4話 飼い主さんのところに帰りたいにゃ…②
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「どうしたのメル君? もしかしてあの車、飼い主さんなの?」
「にゃー!」
車を見て走り出す僕と南ちゃん。狭い路地を走る車を汗だくで追いかけるが、途中で見失ってしまう。すると電信柱を指差して南ちゃんが叫んだ。
「メル君見て! 迷い猫の張り紙だよ! 飼い主さんもメル君を探してるんだよ!」
即座に張り紙に書かれた番号に、スマホから電話をかける南ちゃん。
「はい、そうですメル君を保護した者です。ご自宅の近くまでは来ていると思うんですが場所が…。目印ですか? 新聞配達所が右手に見えます」
南ちゃんは僕を片手で素早く抱っこすると走りだす。
「行くよメル君!、飼い主さん、すぐ近くにいるんだって!」
前方に見える十字路を右に曲がる南ちゃん、すると懐かしい宗一郎の顔が目に飛び込んできた。
「にゃにゃにゃにゃ! にゃ~ん!」
「メル~!? 戻ってきてくれたんだな! すごく探したんだぞ!」
南ちゃんの腕に抱っこされていた僕は、嬉しくて大声で鳴いて宗一郎のほうへ手を伸ばした。宗一郎も喜びに目を潤ませて、僕のほうへ片手を伸ばす。
「え!? 犬をたくさん抱っこしてる、この人がメル君の飼い主さんなの!?」
だが、南ちゃんの一言で僕は我に返った。よく見ると、宗一郎はその腕に3匹もチワワを抱っこしていた!?。しかも足元にも散歩中のチワワが二匹いる!?。
『僕がいない間に…他の雄に浮気するなんて…!?』
ショック受けた僕は、差し出された宗一郎の手を払いのけ、南ちゃんの胸に抱き着いた。
「なんだ今の!? メルが…俺にプイッとしてペシッとしたんだが! なんで俺よりも貴方に懐いているんだ!? やっとやっと会えたのに!」
宗一郎が涙目になりながら叫び出す。興奮したのか黒ブチ眼鏡が曇っている。
「えーと…、飼い主さんが犬の臭いをプンプンさせているから、嫉妬じゃないですかね?」
「えっ!?」
僕を抱っこした南ちゃんと、犬を抱っこしている宗一郎が互いに向かい合う。その宗一郎の視線が僕から南ちゃんへと移る。
「もしかして、貴方も猫に感情があると考える派か?」
「当然です! 当たり前じゃないですか!」
驚いたように南ちゃんに尋ねる宗一郎。すると南ちゃんは、ドヤ顔のいい笑顔で答えた。その笑顔を見て、頬を赤らめる宗一郎。
僕は宗一郎のその表情を見て、ピンときた。うん、見とれるのわかるよ。南ちゃん可愛いよね。
「見てくださいメル君のこの顔! この世の終わりのような顔してますよ」
腕の中にいる僕の顔が宗一郎に見えるように、南ちゃんは抱っこしている僕の体勢を変えた。ショックと嫉妬でブスくれている僕の顔を見て、オロオロしだす宗一郎。
「誤解だ! ぎっくり腰の近所のお婆さんに頼まれて散歩させてたんだ、俺は猫派でメル一筋だ! 犬! お前たちは自分で家に帰れ!」
そう言うと宗一郎は、犬の手綱を放り投げ、眼鏡をクイッと上げる仕草をする。犬たちはトテトテと速足で歩きだすと、三軒先の家の庭へと自分で帰って行った。
「貴方がメルを保護してくれたんですよね、本当に有難うございました!」
「はい、メルちゃんのお世話ができて、幸せでした」
お礼を言い頭を下げる宗一郎の腕に、僕を手渡す南ちゃん。
「うにゃ~ん!」
「メル~!」
僕と宗一郎は号泣して抱き合い頬ずりし、手を繋いでクルクル回って再会を喜び合った。
「そうだ、まだ名前を聞いていませんでしたね。ぜひお礼をさせ…」
我に返った僕と宗一郎が振り返ると、そこには南ちゃんの姿がなかった!?。
「あれ!? 彼女はどこにいったんだメル?」
ガーンとした顔になる宗一郎。僕は思わず、宗一郎の腕の中から地面へ飛び降り、一目散に走り出した。
◇◇◇
夕方の公園のベンチに座っている南の姿。その傍には大きなスーツケースが置いてある。
「声をかけようかと思ったけど、感動の再会を邪魔しちゃ悪いものね。はぁ…メル君がいないと寂しいなぁ…」
ポツリと呟く南。
「にゃあ~ん!」
僕は公園に走って行き、南ちゃんを視界にとらえると大声で鳴いた。さっき荷物を公園に置いたままだったから、すぐ向かえば会えると思ったのだビンゴ!。
「えっ、メル君どうしたの!? また迷子になっちゃったの?」
「にゃっ! にゃっ!」
僕は南ちゃんの腕の中にダイブした。南ちゃんは僕を見て驚いたが、すぐに嬉しそうな顔になり、僕を抱きしめ頬ずりする。
『迷子は南ちゃんでしょ? 僕のせいで住むとこなくなっちゃってごめんにゃ…、僕を保護してくれてありがとう…』、僕は必死でそう叫ぶ。
すると、息せき切って走る宗一郎がようやく公園にやって来た。宗一郎が追いつけるように、走る速さを調節しながら、公園まで誘導した甲斐があったよ。
荒い息を吐きながら、僕と南ちゃんを交互に見る、宗一郎。
「あの、ご旅行ですか?」
南ちゃんが大荷物にスーツケースを持っているのを見て、不思議そうに呟く宗一郎。
「いえ、その…いろいろあって住むところがなくなってしまって…」
言いにくそうに言葉を濁す南ちゃん。
「申し訳ありません、女性に個人的な事を伺ってしまい、大変失礼致しました!」
90度にお辞儀し謝罪する宗一郎。すると南ちゃんは、笑顔で僕を宗一郎の腕に手渡した。
「いえ、メル君と離れがたくなっちゃうから…私はこれで」
「あっ…」
ぺこりとお辞儀をして、キャリーバックを転がして公園を出ていく南ちゃん。その後ろ姿を引き留めたそうにただ見つめている宗一郎。
「にゃー! にゃー! にゃーん!」
僕は宗一郎の足を、肉球の手でペシッペシッと叩いた。『このままじゃ南ちゃん行っちゃうぞ! ほらお礼にって言って、お茶にでも誘うんだ!』
「あっ、あの…、メルは貴方と離れたくないようです!」
物凄く緊張した様子で、振り絞るように大声を出す宗一郎。その声に振り返る南ちゃん。
「猫を保護してくれたお礼に、一緒に暮らして頂けませんでしょうか?」
そう言って頭を下げると、名刺を差し出す宗一郎。
「はい…?」
一瞬、ぽかーんとした顔になる南ちゃん。
だよね…デートも何もかもすっ飛ばして、その誘い方はどうかと思うぞ宗一郎。
だが、宗一郎の顔が真っ赤なのを見て、南ちゃんは意図を察っしてくれたようだ。みるみる彼女の顔も赤くなる。
「わ、私で…宜しければ喜んで!」
そして、なぜか南ちゃんまで敬語になり、90度でお辞儀を返した。
「この度は提案を快く受け入れてくださり、誠に有難うございます!」
「こちらこそ、ありがとうございます!」
歓喜した宗一郎がペコペコと頭を下げる。南ちゃんも頭を下げ、二人で顔を真っ赤にしてペコペコし合っている。
うん、なんかもどかしいけど、宗一郎にしては120点だにゃ!
「にゃー!」
車を見て走り出す僕と南ちゃん。狭い路地を走る車を汗だくで追いかけるが、途中で見失ってしまう。すると電信柱を指差して南ちゃんが叫んだ。
「メル君見て! 迷い猫の張り紙だよ! 飼い主さんもメル君を探してるんだよ!」
即座に張り紙に書かれた番号に、スマホから電話をかける南ちゃん。
「はい、そうですメル君を保護した者です。ご自宅の近くまでは来ていると思うんですが場所が…。目印ですか? 新聞配達所が右手に見えます」
南ちゃんは僕を片手で素早く抱っこすると走りだす。
「行くよメル君!、飼い主さん、すぐ近くにいるんだって!」
前方に見える十字路を右に曲がる南ちゃん、すると懐かしい宗一郎の顔が目に飛び込んできた。
「にゃにゃにゃにゃ! にゃ~ん!」
「メル~!? 戻ってきてくれたんだな! すごく探したんだぞ!」
南ちゃんの腕に抱っこされていた僕は、嬉しくて大声で鳴いて宗一郎のほうへ手を伸ばした。宗一郎も喜びに目を潤ませて、僕のほうへ片手を伸ばす。
「え!? 犬をたくさん抱っこしてる、この人がメル君の飼い主さんなの!?」
だが、南ちゃんの一言で僕は我に返った。よく見ると、宗一郎はその腕に3匹もチワワを抱っこしていた!?。しかも足元にも散歩中のチワワが二匹いる!?。
『僕がいない間に…他の雄に浮気するなんて…!?』
ショック受けた僕は、差し出された宗一郎の手を払いのけ、南ちゃんの胸に抱き着いた。
「なんだ今の!? メルが…俺にプイッとしてペシッとしたんだが! なんで俺よりも貴方に懐いているんだ!? やっとやっと会えたのに!」
宗一郎が涙目になりながら叫び出す。興奮したのか黒ブチ眼鏡が曇っている。
「えーと…、飼い主さんが犬の臭いをプンプンさせているから、嫉妬じゃないですかね?」
「えっ!?」
僕を抱っこした南ちゃんと、犬を抱っこしている宗一郎が互いに向かい合う。その宗一郎の視線が僕から南ちゃんへと移る。
「もしかして、貴方も猫に感情があると考える派か?」
「当然です! 当たり前じゃないですか!」
驚いたように南ちゃんに尋ねる宗一郎。すると南ちゃんは、ドヤ顔のいい笑顔で答えた。その笑顔を見て、頬を赤らめる宗一郎。
僕は宗一郎のその表情を見て、ピンときた。うん、見とれるのわかるよ。南ちゃん可愛いよね。
「見てくださいメル君のこの顔! この世の終わりのような顔してますよ」
腕の中にいる僕の顔が宗一郎に見えるように、南ちゃんは抱っこしている僕の体勢を変えた。ショックと嫉妬でブスくれている僕の顔を見て、オロオロしだす宗一郎。
「誤解だ! ぎっくり腰の近所のお婆さんに頼まれて散歩させてたんだ、俺は猫派でメル一筋だ! 犬! お前たちは自分で家に帰れ!」
そう言うと宗一郎は、犬の手綱を放り投げ、眼鏡をクイッと上げる仕草をする。犬たちはトテトテと速足で歩きだすと、三軒先の家の庭へと自分で帰って行った。
「貴方がメルを保護してくれたんですよね、本当に有難うございました!」
「はい、メルちゃんのお世話ができて、幸せでした」
お礼を言い頭を下げる宗一郎の腕に、僕を手渡す南ちゃん。
「うにゃ~ん!」
「メル~!」
僕と宗一郎は号泣して抱き合い頬ずりし、手を繋いでクルクル回って再会を喜び合った。
「そうだ、まだ名前を聞いていませんでしたね。ぜひお礼をさせ…」
我に返った僕と宗一郎が振り返ると、そこには南ちゃんの姿がなかった!?。
「あれ!? 彼女はどこにいったんだメル?」
ガーンとした顔になる宗一郎。僕は思わず、宗一郎の腕の中から地面へ飛び降り、一目散に走り出した。
◇◇◇
夕方の公園のベンチに座っている南の姿。その傍には大きなスーツケースが置いてある。
「声をかけようかと思ったけど、感動の再会を邪魔しちゃ悪いものね。はぁ…メル君がいないと寂しいなぁ…」
ポツリと呟く南。
「にゃあ~ん!」
僕は公園に走って行き、南ちゃんを視界にとらえると大声で鳴いた。さっき荷物を公園に置いたままだったから、すぐ向かえば会えると思ったのだビンゴ!。
「えっ、メル君どうしたの!? また迷子になっちゃったの?」
「にゃっ! にゃっ!」
僕は南ちゃんの腕の中にダイブした。南ちゃんは僕を見て驚いたが、すぐに嬉しそうな顔になり、僕を抱きしめ頬ずりする。
『迷子は南ちゃんでしょ? 僕のせいで住むとこなくなっちゃってごめんにゃ…、僕を保護してくれてありがとう…』、僕は必死でそう叫ぶ。
すると、息せき切って走る宗一郎がようやく公園にやって来た。宗一郎が追いつけるように、走る速さを調節しながら、公園まで誘導した甲斐があったよ。
荒い息を吐きながら、僕と南ちゃんを交互に見る、宗一郎。
「あの、ご旅行ですか?」
南ちゃんが大荷物にスーツケースを持っているのを見て、不思議そうに呟く宗一郎。
「いえ、その…いろいろあって住むところがなくなってしまって…」
言いにくそうに言葉を濁す南ちゃん。
「申し訳ありません、女性に個人的な事を伺ってしまい、大変失礼致しました!」
90度にお辞儀し謝罪する宗一郎。すると南ちゃんは、笑顔で僕を宗一郎の腕に手渡した。
「いえ、メル君と離れがたくなっちゃうから…私はこれで」
「あっ…」
ぺこりとお辞儀をして、キャリーバックを転がして公園を出ていく南ちゃん。その後ろ姿を引き留めたそうにただ見つめている宗一郎。
「にゃー! にゃー! にゃーん!」
僕は宗一郎の足を、肉球の手でペシッペシッと叩いた。『このままじゃ南ちゃん行っちゃうぞ! ほらお礼にって言って、お茶にでも誘うんだ!』
「あっ、あの…、メルは貴方と離れたくないようです!」
物凄く緊張した様子で、振り絞るように大声を出す宗一郎。その声に振り返る南ちゃん。
「猫を保護してくれたお礼に、一緒に暮らして頂けませんでしょうか?」
そう言って頭を下げると、名刺を差し出す宗一郎。
「はい…?」
一瞬、ぽかーんとした顔になる南ちゃん。
だよね…デートも何もかもすっ飛ばして、その誘い方はどうかと思うぞ宗一郎。
だが、宗一郎の顔が真っ赤なのを見て、南ちゃんは意図を察っしてくれたようだ。みるみる彼女の顔も赤くなる。
「わ、私で…宜しければ喜んで!」
そして、なぜか南ちゃんまで敬語になり、90度でお辞儀を返した。
「この度は提案を快く受け入れてくださり、誠に有難うございます!」
「こちらこそ、ありがとうございます!」
歓喜した宗一郎がペコペコと頭を下げる。南ちゃんも頭を下げ、二人で顔を真っ赤にしてペコペコし合っている。
うん、なんかもどかしいけど、宗一郎にしては120点だにゃ!
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