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番外編
新学園生活 6
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次の日から私とアルファルドはアカデミアを休んでた。
一週間くらいしてようやくアルファルドと二人でアカデミアへ向かった。
私達が正門抜けて歩いてる時から、周りの生徒達がものすごく注目してて、ヒソヒソ噂話とかしてるみたいだね。
講堂に入ってもそれは変わらなくて、本当みんなこういう醜聞ネタとか好きだよね~。
こっちはずっとさ、入学した時からこんな風に注目されたり責められたりしてるから、ホントに全く何も感じない。むしろ冷めた眼で周りを見てる感じだよ。
アルファルドも慣れてるから何でもないみたいに涼しい顔してて、なぜかいつもの席に座って私を膝の上に乗せてる。
「え…っと…、アルファルド?どうしたの??」
「…いや」
講堂の椅子に座りながら膝に乗せた腰を引き寄せて、若干戸惑ってる私の亜麻色の髪を一房掬って自分の唇に押し当ててる。
あの事件以降、なぜかアルファルドの執着がさらに増した気がするんだけど。
男時代でもたまに行き過ぎた行動はあったけど、夫婦になって一緒に暮らすようになってから落ち着いたと思ったのに、そうでもないみたい。
「…アトリクス」
「なに?」
「…いや」
え…?ホントにどーしちゃったの?アルファルド??
久々にアルファルドの謎行動が再発してる。
思い当たる点としては、最近私が大公家を不在にしてる事が多いからなのかなって思う。
ちょっとまた今後の為に色々活動してて…、どうしても一人で行動する事が増えてるから、アルファルドも不安なのかも。
アルファルドにはこれからの事で出掛けてるって説明してるんだけど…。
なるべく夜までには帰るようにしてるし、一緒に寝てるのに…やっぱり足りないのかな?
「アルファルド?」
「…なんだ」
紫と黄金色の金銀妖瞳が切なそうに膝に乗せた私を見上げてる。
何も話してくれないのに、何か言いたそうに神秘的な瞳が揺れてる。
うっ…、どうしたもんかな。
さすがに人目が多すぎてイチャイチャしてられないしなぁ…。
「ごきげんよう。アトリクス、大公様」
「お、リリー。おはよー」
「……」
私がリリーの方に視線を逸らしたせいか、アルファルドがむっとした顔してる。
「相変わらず、お二人は仲睦まじいですわね」
リリーは私とアルファルドが座ってる席の真ん前まで来て、立ったままニッコリと優雅に笑ってる。
「そう言えばお前に話があるんだ」
「わたくしに?」
「あぁ。ここじゃ詳しく話せないけど、王国関連の話でな……。明日は休みだろ?講義終わったら一緒に王国へ出向いていいか?」
私の言った言葉に、リリーは驚いた顔してこっちを見てる。
「王国へ…出向くとは?わたくしと共に王国へ行くという解釈で宜しいんですの?」
「あぁ、そうだけど?」
「コバットまで何日かかるとお思いなの?!馬車でも五日はかかる道のりですのよ!?」
まぁ普通に考えればリリーの言う通りなんだけど、その辺の常識は私には通用しないからね。
「何の問題もないぞ。俺が走って行けば1日もかからずに着く」
笑いながら何でもない風に話してたら、リリーが私を見たまま止まってて…。
しばらく考えて自分の頬に片手を添えてる。
「───…、そうですわね、そういえば貴女は普通ではなかったわ。でも…、お待ちになって。わたくしはどうすればいいのかしら?」
「もちろん、俺がお前を背負って行くから安心しろっ」
パチッとウインク決めて言ったら、またリリーが驚いた顔してる。
「えぇっ!せ、背負うとは…」
「おぶって移動してやるよ。嫌なら抱えてもいいぞ!」
にっと笑った私とは反対に、リリーは顔面蒼白にしてて、とっても嫌そう。
リリーは風と水の2つの属性があるから、私の移動術を実践しても大丈夫なんだよね。
「落としたりしないから安心しろよ!」
「違いますわ…。そちらの心配ではなく、わたくし…、た、高い所が苦手ですの……」
「え?そうなのか?なんか意外だな」
ここで話してた私とリリーの会話を割るように、アルファルドが私の腰をぐっと引き寄せてポソっと声を上げた。
「…俺も行く」
「「え…?」」
間近で聞いてた私も、近くにいたリリーにも聞こえてたみたいで二人同時に声を出した。
次の日から私とアルファルドはアカデミアを休んでた。
一週間くらいしてようやくアルファルドと二人でアカデミアへ向かった。
私達が正門抜けて歩いてる時から、周りの生徒達がものすごく注目してて、ヒソヒソ噂話とかしてるみたいだね。
講堂に入ってもそれは変わらなくて、本当みんなこういう醜聞ネタとか好きだよね~。
こっちはずっとさ、入学した時からこんな風に注目されたり責められたりしてるから、ホントに全く何も感じない。むしろ冷めた眼で周りを見てる感じだよ。
アルファルドも慣れてるから何でもないみたいに涼しい顔してて、なぜかいつもの席に座って私を膝の上に乗せてる。
「え…っと…、アルファルド?どうしたの??」
「…いや」
講堂の椅子に座りながら膝に乗せた腰を引き寄せて、若干戸惑ってる私の亜麻色の髪を一房掬って自分の唇に押し当ててる。
あの事件以降、なぜかアルファルドの執着がさらに増した気がするんだけど。
男時代でもたまに行き過ぎた行動はあったけど、夫婦になって一緒に暮らすようになってから落ち着いたと思ったのに、そうでもないみたい。
「…アトリクス」
「なに?」
「…いや」
え…?ホントにどーしちゃったの?アルファルド??
久々にアルファルドの謎行動が再発してる。
思い当たる点としては、最近私が大公家を不在にしてる事が多いからなのかなって思う。
ちょっとまた今後の為に色々活動してて…、どうしても一人で行動する事が増えてるから、アルファルドも不安なのかも。
アルファルドにはこれからの事で出掛けてるって説明してるんだけど…。
なるべく夜までには帰るようにしてるし、一緒に寝てるのに…やっぱり足りないのかな?
「アルファルド?」
「…なんだ」
紫と黄金色の金銀妖瞳が切なそうに膝に乗せた私を見上げてる。
何も話してくれないのに、何か言いたそうに神秘的な瞳が揺れてる。
うっ…、どうしたもんかな。
さすがに人目が多すぎてイチャイチャしてられないしなぁ…。
「ごきげんよう。アトリクス、大公様」
「お、リリー。おはよー」
「……」
私がリリーの方に視線を逸らしたせいか、アルファルドがむっとした顔してる。
「相変わらず、お二人は仲睦まじいですわね」
リリーは私とアルファルドが座ってる席の真ん前まで来て、立ったままニッコリと優雅に笑ってる。
「そう言えばお前に話があるんだ」
「わたくしに?」
「あぁ。ここじゃ詳しく話せないけど、王国関連の話でな……。明日は休みだろ?講義終わったら一緒に王国へ出向いていいか?」
私の言った言葉に、リリーは驚いた顔してこっちを見てる。
「王国へ…出向くとは?わたくしと共に王国へ行くという解釈で宜しいんですの?」
「あぁ、そうだけど?」
「コバットまで何日かかるとお思いなの?!馬車でも五日はかかる道のりですのよ!?」
まぁ普通に考えればリリーの言う通りなんだけど、その辺の常識は私には通用しないからね。
「何の問題もないぞ。俺が走って行けば1日もかからずに着く」
笑いながら何でもない風に話してたら、リリーが私を見たまま止まってて…。
しばらく考えて自分の頬に片手を添えてる。
「───…、そうですわね、そういえば貴女は普通ではなかったわ。でも…、お待ちになって。わたくしはどうすればいいのかしら?」
「もちろん、俺がお前を背負って行くから安心しろっ」
パチッとウインク決めて言ったら、またリリーが驚いた顔してる。
「えぇっ!せ、背負うとは…」
「おぶって移動してやるよ。嫌なら抱えてもいいぞ!」
にっと笑った私とは反対に、リリーは顔面蒼白にしてて、とっても嫌そう。
リリーは風と水の2つの属性があるから、私の移動術を実践しても大丈夫なんだよね。
「落としたりしないから安心しろよ!」
「違いますわ…。そちらの心配ではなく、わたくし…、た、高い所が苦手ですの……」
「え?そうなのか?なんか意外だな」
ここで話してた私とリリーの会話を割るように、アルファルドが私の腰をぐっと引き寄せてポソっと声を上げた。
「…俺も行く」
「「え…?」」
間近で聞いてた私も、近くにいたリリーにも聞こえてたみたいで二人同時に声を出した。
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