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番外編
断罪 7
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「ハハッ、ようやくわかった? 私は初めからこうするつもりだったんだ。ただあの皇子様のおかげで計画が早まっただけだ」
「なっ……!」
私はフッと笑って驚いてるアルファルドに向かって、頬に添えた手をそっと撫でてる。
「カストル陛下は、大公国を容認せざる得ない。何故なら皇太子の廃嫡を帝国側が受け入れることはないからだ。だからこそ、選択肢はすでに決まっている」
「…もし、どちらも却下されたら……どうするんだ?」
「その時はさっき言ったことを実行するまでだ。今度は私も止めることはしないから、帝国内が大いに荒れるだろう。下手すれば皇位転覆するだろうな。それはそれで面白そうだけどな。地位や名声や権力ってのに興味なんてないけど、こういう時には役に立つ。俺の忠告を無視して、高い階級を与えるからこんなことになるんだ」
「………」
驚きに目を見開いてるアルファルドに向かって微笑んだ。
「全ては俺の計画通りだ。……アルファルド、安心しろ。お前の望む世界を実現させてみせる」
「……」
ニコッと笑ったまま半分狂気に染まってる私に恐れをなしたのか……、アルファルドは私を見つめたまま言葉を失ってる。
私はアルファルドの頬に手を添えたまま、ゆっくり唇を重ねた。
「っ、ぅ……」
しっとり重なる薄い唇の感触が心地良い。
アルファルドを落ち着かせるように何度も唇を軽く合わせて、また深く重ね合わせた。
アルファルドも座ったまま、いつもみたいに腰を抱き寄せて舌を入れて貪ってくれる。
「んッ……、は……ぁ」
唇が離れて、熱い吐息が漏れる。
アルファルドの首に腕を回したまま、熱に浮かされたようにじっとりと見つめた。
「…アトリクスッ……」
「私が、怖い?」
ペロッとアルファルドの唇を舐めて、真顔のまま視線を合わせた。
「…ッ、…いや」
「ホントに?」
初めは戸惑うように瞳が揺れてたけど、アルファルドも覚悟を決めたのか瞳に迷いがなくなった。
「…あぁ。…俺は……、お前を信じている。怖気づいた訳じゃない。…ただ、突然の話で……、戸惑っただけだ……」
ぐっと腰を引き寄せて、見惚れるくらい綺麗な顔で私を見つめてる。
「アルファルド」
「…お前の気持ちはわかった。…お前が俺を思ってくれるように、俺もお前の考えを優先する。…だが、本当に大丈夫なのか? あんな途方もない金額を、一体どうやって捻出するつもりだ……」
アルファルドにとって、ある意味天文学的数字を出されたから、そこがずっと引っかかってるみたいだね。
安心させるようにニコッと微笑んだ。
「ハハッ……、俺がなんの確証もないのにあんなこと言う訳ないだろ? 金銭面の心配は全くないから安心しろよ。お前は俺に全てを委ねればいい。別に戦争や内戦しようって訳じゃないんだからさっ」
信じてもらえるように間近で真剣に答えた。
じっと瞳を逸らさないで見つめた私に、アルファルドはわかってくれたのか、ため息をはいた。
「……わかった。…お前に……任せる」
膝の上に乗せた私をしっかり見上げて、アルファルドはやっと微笑みながら答えてくれた。
私は、それが何よりも嬉しくて……
感極まってウルウルと瞳に涙を溜めて、アルファルドに向かって微笑んだ。
「ありがとう、アルファルド。やっぱり私、お前が一番大好きだっ!」
「…俺も、お前が好きだ」
見つめたままアルファルドは角度をズラして顔を近づけてくる。
私もアルファルドの首に腕を回したまま、唇を重ねた。
「ん、ぅ……」
重なり合う唇がものすごく気持ち良くて……、私の腰を抱き寄せたまま、アルファルドは舌を入れて貪るように唇を奪ってる。
大公家に着くまで……、馬車の中で甘い時間を過ごした。
「ハハッ、ようやくわかった? 私は初めからこうするつもりだったんだ。ただあの皇子様のおかげで計画が早まっただけだ」
「なっ……!」
私はフッと笑って驚いてるアルファルドに向かって、頬に添えた手をそっと撫でてる。
「カストル陛下は、大公国を容認せざる得ない。何故なら皇太子の廃嫡を帝国側が受け入れることはないからだ。だからこそ、選択肢はすでに決まっている」
「…もし、どちらも却下されたら……どうするんだ?」
「その時はさっき言ったことを実行するまでだ。今度は私も止めることはしないから、帝国内が大いに荒れるだろう。下手すれば皇位転覆するだろうな。それはそれで面白そうだけどな。地位や名声や権力ってのに興味なんてないけど、こういう時には役に立つ。俺の忠告を無視して、高い階級を与えるからこんなことになるんだ」
「………」
驚きに目を見開いてるアルファルドに向かって微笑んだ。
「全ては俺の計画通りだ。……アルファルド、安心しろ。お前の望む世界を実現させてみせる」
「……」
ニコッと笑ったまま半分狂気に染まってる私に恐れをなしたのか……、アルファルドは私を見つめたまま言葉を失ってる。
私はアルファルドの頬に手を添えたまま、ゆっくり唇を重ねた。
「っ、ぅ……」
しっとり重なる薄い唇の感触が心地良い。
アルファルドを落ち着かせるように何度も唇を軽く合わせて、また深く重ね合わせた。
アルファルドも座ったまま、いつもみたいに腰を抱き寄せて舌を入れて貪ってくれる。
「んッ……、は……ぁ」
唇が離れて、熱い吐息が漏れる。
アルファルドの首に腕を回したまま、熱に浮かされたようにじっとりと見つめた。
「…アトリクスッ……」
「私が、怖い?」
ペロッとアルファルドの唇を舐めて、真顔のまま視線を合わせた。
「…ッ、…いや」
「ホントに?」
初めは戸惑うように瞳が揺れてたけど、アルファルドも覚悟を決めたのか瞳に迷いがなくなった。
「…あぁ。…俺は……、お前を信じている。怖気づいた訳じゃない。…ただ、突然の話で……、戸惑っただけだ……」
ぐっと腰を引き寄せて、見惚れるくらい綺麗な顔で私を見つめてる。
「アルファルド」
「…お前の気持ちはわかった。…お前が俺を思ってくれるように、俺もお前の考えを優先する。…だが、本当に大丈夫なのか? あんな途方もない金額を、一体どうやって捻出するつもりだ……」
アルファルドにとって、ある意味天文学的数字を出されたから、そこがずっと引っかかってるみたいだね。
安心させるようにニコッと微笑んだ。
「ハハッ……、俺がなんの確証もないのにあんなこと言う訳ないだろ? 金銭面の心配は全くないから安心しろよ。お前は俺に全てを委ねればいい。別に戦争や内戦しようって訳じゃないんだからさっ」
信じてもらえるように間近で真剣に答えた。
じっと瞳を逸らさないで見つめた私に、アルファルドはわかってくれたのか、ため息をはいた。
「……わかった。…お前に……任せる」
膝の上に乗せた私をしっかり見上げて、アルファルドはやっと微笑みながら答えてくれた。
私は、それが何よりも嬉しくて……
感極まってウルウルと瞳に涙を溜めて、アルファルドに向かって微笑んだ。
「ありがとう、アルファルド。やっぱり私、お前が一番大好きだっ!」
「…俺も、お前が好きだ」
見つめたままアルファルドは角度をズラして顔を近づけてくる。
私もアルファルドの首に腕を回したまま、唇を重ねた。
「ん、ぅ……」
重なり合う唇がものすごく気持ち良くて……、私の腰を抱き寄せたまま、アルファルドは舌を入れて貪るように唇を奪ってる。
大公家に着くまで……、馬車の中で甘い時間を過ごした。
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