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番外編
断罪 2
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「ハァ……、今の発言……お前こそ責任持てよッ! アルファルドを謀り、俺を怒らせた罪はお前が思う以上に重いぞッ!!」
アルファルドから離れて、レグルス様と対峙しながら、殺気を解き放って威嚇してる。
私もいい加減怒ったから! もう容赦しないよっ!!
「――ッ! 私に、脅しは通用しない……。たとえアカデミアであろうとも関係ない。私の婚約者を勝手に呼び出し、泣かせた罪は皇太子である私自身に危害を加える事と同義。そちらこそ責任を取ってもらおうッ」
レグルス様も結構めちゃくちゃ言って来るね。この人って腹黒だと思ってたけど、ここまで馬鹿だとは思わなかったよ。
ゲームだと正義感が強くて理性的で慎重派だったのに。どうしてこんな風に変わっちゃったかなぁ。
「今の言葉、後悔するなよ……」
腕くんだままレグルス様に向かって目を見据えた。
レグルス様は少し怯んだけど、そこはやっぱり皇族なのか冷静に受け止めてた。
「後悔などしない。君こそ自分の発言に気をつけるべきだ!」
結構強気で言ってるね。
その余裕がいつまで持つか見ものだね。
私は振り返ってアルファルドの胸元に付けてあったタイピンに手を伸ばした。
「…アトリクス?」
「ん、ちょっとじっとしてて」
「…本当に、大丈夫なのか…?」
「うんっ」
アルファルドがまだ心配そうにしてたから、笑いながら元気良く返事しといた。
結構小さいやつで、普通に付けてたら装飾品にしか見えないよね。
そのタイピンをアルファルドの胸元から外して、レグルス様の前に見せつけた。
「これが何よりの証拠だ」
「それは……ただの装飾品じゃないかっ」
「いや? これは映像石だ。高純度の宝石に魔力を込めて造り上げた最新鋭の魔道具」
摘んだタイピンには高純度のペリドットが埋め込まれてる。
私の言葉に、レグルス様は驚きを隠せないみたい焦ってる。
「映像石……? まさかッ、そんなもの造れる筈はないっ! 失われた魔道具でも、そのような形の物は存在しないんだ」
「ハハッ、当たり前だろ? これは俺が造ったマジックアイテムだ」
そもそも失われた魔道具の映像石って、占いで使う水晶くらいの大きさでめちゃくちゃデカいから。
「……アトリクス。そんなはったりが信じられるとでも思っているのか?」
「こんなにコンパクトで、しかも身に付けられる映像石なんてある訳ないだろ?」
「いくら窮地に立たされたからと、そのような嘘をつくとは!」
「まぁ、黙れよ皇子様。この映像石は通常の魔力ならば半日分の過去の映像を記録できる。もちろん魔力がなければ使えないが、俺がたっぷり魔力込めといたから丸一日は映像がとれるぜ」
アルファルドが付けてたタイピンが映像石になってるなんて、誰もわからないよね。
これってさ、皇室の諜報機関か有名な情報ギルドくらいしか持ってないから。そのくらい希少で数が少ないんだ。
その超レアなアイテムを私が造ってアルファルドが身に付けてたなんて、誰も想像できないと思うよ。
万が一浮気防止の為に付けといたんだけど、思わぬトコで役に立ったよ。
「そんなこと、可能なわけがない」
「へぇ……? 俺を疑うのか? じゃあ、証拠を見せてやるよ」
私はそう言って映像石を起動させた。
空中に浮かび上がる映像。
「――なっ!!」
それを間近で見上げたレグルス様は、目を見開いて驚いてる。
そこにはポラリスが遠くに映ってる。
もちろん、アルファルドが身に着けてるから、アルファルドの姿は映ってない。でも、声は一番良く聞こえる。
『大公様……』
『…お前に用はない。…俺に、話しかけるな』
『お願いします、私の話を聞いてくださいっ』
『……』
おそらく講堂の中。
周りにはちらほら生徒も映ってる。
うんうん、良く撮れてるね。音質もバッチリ! これならアルファ商会でも高値で売れるね!
これ作るのに本っ当、めちゃくちゃ苦労したからっ。何個も高い宝石ダメにしちゃったし……
『レグルス様は……大公様との修繕を求めておいでです』
『……』
『お二人が力を合わせれば、さらなる帝国の繁栄へと繋がる事でしょう』
『…俺には、関係ない……』
くるっとポラリスに背を向けて歩き出したのか、講堂から廊下に出る景色が映ってる。
『お待ち下さいっ』
『…ついて来るなっ、目障りだ……』
『レグルス様が歩み寄りを見せてくださっているのに、どうして拒絶されるのですか?!』
『…黙れっ!』
そのまま二人は庭園を抜けて、今いる針葉樹のトコまで歩いてる。
『…ついて来るなと言っている……』
『どうして話を聞いてくれないのですか?』
『…しつこいッ!』
で、さっき私が見たポラリスがアルファルドに縋りつこうとして、自分で転んだ場面まで映像を再生させた。
もうここまで見せれば十分でしょ?
そこでとりあえず映像を切った。
「ハァ……、今の発言……お前こそ責任持てよッ! アルファルドを謀り、俺を怒らせた罪はお前が思う以上に重いぞッ!!」
アルファルドから離れて、レグルス様と対峙しながら、殺気を解き放って威嚇してる。
私もいい加減怒ったから! もう容赦しないよっ!!
「――ッ! 私に、脅しは通用しない……。たとえアカデミアであろうとも関係ない。私の婚約者を勝手に呼び出し、泣かせた罪は皇太子である私自身に危害を加える事と同義。そちらこそ責任を取ってもらおうッ」
レグルス様も結構めちゃくちゃ言って来るね。この人って腹黒だと思ってたけど、ここまで馬鹿だとは思わなかったよ。
ゲームだと正義感が強くて理性的で慎重派だったのに。どうしてこんな風に変わっちゃったかなぁ。
「今の言葉、後悔するなよ……」
腕くんだままレグルス様に向かって目を見据えた。
レグルス様は少し怯んだけど、そこはやっぱり皇族なのか冷静に受け止めてた。
「後悔などしない。君こそ自分の発言に気をつけるべきだ!」
結構強気で言ってるね。
その余裕がいつまで持つか見ものだね。
私は振り返ってアルファルドの胸元に付けてあったタイピンに手を伸ばした。
「…アトリクス?」
「ん、ちょっとじっとしてて」
「…本当に、大丈夫なのか…?」
「うんっ」
アルファルドがまだ心配そうにしてたから、笑いながら元気良く返事しといた。
結構小さいやつで、普通に付けてたら装飾品にしか見えないよね。
そのタイピンをアルファルドの胸元から外して、レグルス様の前に見せつけた。
「これが何よりの証拠だ」
「それは……ただの装飾品じゃないかっ」
「いや? これは映像石だ。高純度の宝石に魔力を込めて造り上げた最新鋭の魔道具」
摘んだタイピンには高純度のペリドットが埋め込まれてる。
私の言葉に、レグルス様は驚きを隠せないみたい焦ってる。
「映像石……? まさかッ、そんなもの造れる筈はないっ! 失われた魔道具でも、そのような形の物は存在しないんだ」
「ハハッ、当たり前だろ? これは俺が造ったマジックアイテムだ」
そもそも失われた魔道具の映像石って、占いで使う水晶くらいの大きさでめちゃくちゃデカいから。
「……アトリクス。そんなはったりが信じられるとでも思っているのか?」
「こんなにコンパクトで、しかも身に付けられる映像石なんてある訳ないだろ?」
「いくら窮地に立たされたからと、そのような嘘をつくとは!」
「まぁ、黙れよ皇子様。この映像石は通常の魔力ならば半日分の過去の映像を記録できる。もちろん魔力がなければ使えないが、俺がたっぷり魔力込めといたから丸一日は映像がとれるぜ」
アルファルドが付けてたタイピンが映像石になってるなんて、誰もわからないよね。
これってさ、皇室の諜報機関か有名な情報ギルドくらいしか持ってないから。そのくらい希少で数が少ないんだ。
その超レアなアイテムを私が造ってアルファルドが身に付けてたなんて、誰も想像できないと思うよ。
万が一浮気防止の為に付けといたんだけど、思わぬトコで役に立ったよ。
「そんなこと、可能なわけがない」
「へぇ……? 俺を疑うのか? じゃあ、証拠を見せてやるよ」
私はそう言って映像石を起動させた。
空中に浮かび上がる映像。
「――なっ!!」
それを間近で見上げたレグルス様は、目を見開いて驚いてる。
そこにはポラリスが遠くに映ってる。
もちろん、アルファルドが身に着けてるから、アルファルドの姿は映ってない。でも、声は一番良く聞こえる。
『大公様……』
『…お前に用はない。…俺に、話しかけるな』
『お願いします、私の話を聞いてくださいっ』
『……』
おそらく講堂の中。
周りにはちらほら生徒も映ってる。
うんうん、良く撮れてるね。音質もバッチリ! これならアルファ商会でも高値で売れるね!
これ作るのに本っ当、めちゃくちゃ苦労したからっ。何個も高い宝石ダメにしちゃったし……
『レグルス様は……大公様との修繕を求めておいでです』
『……』
『お二人が力を合わせれば、さらなる帝国の繁栄へと繋がる事でしょう』
『…俺には、関係ない……』
くるっとポラリスに背を向けて歩き出したのか、講堂から廊下に出る景色が映ってる。
『お待ち下さいっ』
『…ついて来るなっ、目障りだ……』
『レグルス様が歩み寄りを見せてくださっているのに、どうして拒絶されるのですか?!』
『…黙れっ!』
そのまま二人は庭園を抜けて、今いる針葉樹のトコまで歩いてる。
『…ついて来るなと言っている……』
『どうして話を聞いてくれないのですか?』
『…しつこいッ!』
で、さっき私が見たポラリスがアルファルドに縋りつこうとして、自分で転んだ場面まで映像を再生させた。
もうここまで見せれば十分でしょ?
そこでとりあえず映像を切った。
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