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番外編
新学園生活 1
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「よっ、オクタン! 久々だなっ!」
「えっ!? あ、んと、んと……う、うん……」
休み時間に立ち上がって、少し離れた席にいたオクタンのとこまで歩いて話しかけた。
けどオクタンは、なんだか戸惑ってる感じる?
「どーした? オクタン」
「えと、んと……あ、アート、君……?」
「そうだけど??」
「んと、でも、シリウス……名誉教授……って、呼んだ方が……」
オクタンは机に座って、もじもじし始めてる。隣に座ってるアンカも何だか緊張気味で、真っ赤になって震えてた。
「ん? ……あぁっ、今までみたいにアートでいいって! 俺が女になったからって、俺とお前の友情は変わらないぞ? オクタンはいつまでも俺の友達だっ!」
椅子に座ってたオクタンのふわふわの髪を、いつも通り手を伸ばしてワシャワシャって撫でた。
う~ん、ふわふわで気持ちいい~。久々の感覚。
「わっ! あっ! んと、んと!」
「ハハッ、またお前に会えて、すっげぇ嬉しいっ!」
私にとってアカデミアでの唯一の友達だからさ。
オクタンは真っ赤になって、面白いくらいめちゃくちゃ動揺している。
「…アトリクスっ、…やめろッ!」
にこにこしながらオクタン撫でてたのに、背後から現れたアルファルドに身体ごと引き寄せられた。しかもものすごく不機嫌そうに……
「わっ、アルファルド!?」
そのまま強引に顎を上げられて、屈みながら間近に迫る美貌に睨まれた。アルファルドってすごく綺麗な顔してるから、やっぱり怒ってると迫力あるなぁ。
「っ、なんだよ……、再会を喜んでただけだろ…」
「いいか、お前はもう男じゃないんだっ。…行動を慎めッ」
「でもっ、オクタンは友達で…!」
「…俺にも、同じことを言ってただろう……」
「っ!」
それ言われちゃうと、何も反論できないんだよね……
本当はアカデミアに通うこともアルファルドは反対してた。でも、私がどうしてもアルファルドと一緒に通いたいってお願いして、ようやく折れてくれたんだ。
「わかったよ……、でも、話すくらいはいいだろ?」
「……」
「ねぇ、お願い……アルファルド」
アルファルドは私が特定の誰かと仲良いのが嫌なんだよね。嫉妬してくれてるのは嬉しいけど、誰とも話せないなんて嫌だよ。
うるうるした目で見上げてたら、アルファルドがうっ……て怯んでて、もう一押しとばかりにアルファルドの頬に両手を添えた。
「私にはアルファルドしか目に入らないから、心配しなくても大丈夫! 私の身も心も……、ぜ~んぶアルファルドのだからっ」
そのまま、すぐ近くのアルファルドの頬にちゅって軽くキスした。
休み時間の講堂内が、途端にザワッと騒がしくなった。
遠くからキャーキャー言ってる声も聞こえてたけど、気にしないでアルファルドに向かってニコッと笑った。
「っ……、話す、だけだぞ……」
「ありがとうアルファルドっ! 大好きっ!」
ぎゅうってアルファルドの腰に抱きついた。
「ふふ……相変わらずね、アトリクス。女になった方が、魔性度が上がったわね」
「おっ、リリー! 久しぶりだなっ!」
「えぇ、お久しぶりね。シリウス名誉教授様」
席から立ち上がってにっこり微笑みながら、アルファルドに抱きついてる私の方へと向かってきた。
「おい、他人行儀はやめてくれよっ。俺は今までと変わらないぞ?」
「あら……? それはさすがに、難しいんじゃなくって?」
「いや、変わるわけないだろ? 俺が女になったってこと以外は、ここでは関係ないからな」
私がアルファルドに抱きつきながら言った言葉に、リリーが不思議そうに反応してくれてる。
「どういう事かしら?」
「アカデミアでは身分や地位は関係ないんだ……だから俺も、これまでとなんら変わりはない。俺がこれ以上誰かと親しくすることも……、他の奴と話すこともしないってことだ」
それまで騒がしかった周りのざわめきが、一気にシーンとなった。
「ふふふっ……。あなたって、本当に相変わらずねっ!」
「ハハッ、……まぁなっ! 俺って融通が利かないから、自分の意志を簡単に変えることはしないんだ……」
にっこり笑いながら対面で話してるリリーを利用して、周りに向かって牽制してる。
周りが物珍しく私を見てるのはわかってたし、なんとなくみんなソワソワしてて、私と話す機会を伺ってる感じがしてたからね。
お互い笑い合ってるけど……話してる言葉の意味は、周りに対して馴れ馴れしくして来るなって言ってる。
「よっ、オクタン! 久々だなっ!」
「えっ!? あ、んと、んと……う、うん……」
休み時間に立ち上がって、少し離れた席にいたオクタンのとこまで歩いて話しかけた。
けどオクタンは、なんだか戸惑ってる感じる?
「どーした? オクタン」
「えと、んと……あ、アート、君……?」
「そうだけど??」
「んと、でも、シリウス……名誉教授……って、呼んだ方が……」
オクタンは机に座って、もじもじし始めてる。隣に座ってるアンカも何だか緊張気味で、真っ赤になって震えてた。
「ん? ……あぁっ、今までみたいにアートでいいって! 俺が女になったからって、俺とお前の友情は変わらないぞ? オクタンはいつまでも俺の友達だっ!」
椅子に座ってたオクタンのふわふわの髪を、いつも通り手を伸ばしてワシャワシャって撫でた。
う~ん、ふわふわで気持ちいい~。久々の感覚。
「わっ! あっ! んと、んと!」
「ハハッ、またお前に会えて、すっげぇ嬉しいっ!」
私にとってアカデミアでの唯一の友達だからさ。
オクタンは真っ赤になって、面白いくらいめちゃくちゃ動揺している。
「…アトリクスっ、…やめろッ!」
にこにこしながらオクタン撫でてたのに、背後から現れたアルファルドに身体ごと引き寄せられた。しかもものすごく不機嫌そうに……
「わっ、アルファルド!?」
そのまま強引に顎を上げられて、屈みながら間近に迫る美貌に睨まれた。アルファルドってすごく綺麗な顔してるから、やっぱり怒ってると迫力あるなぁ。
「っ、なんだよ……、再会を喜んでただけだろ…」
「いいか、お前はもう男じゃないんだっ。…行動を慎めッ」
「でもっ、オクタンは友達で…!」
「…俺にも、同じことを言ってただろう……」
「っ!」
それ言われちゃうと、何も反論できないんだよね……
本当はアカデミアに通うこともアルファルドは反対してた。でも、私がどうしてもアルファルドと一緒に通いたいってお願いして、ようやく折れてくれたんだ。
「わかったよ……、でも、話すくらいはいいだろ?」
「……」
「ねぇ、お願い……アルファルド」
アルファルドは私が特定の誰かと仲良いのが嫌なんだよね。嫉妬してくれてるのは嬉しいけど、誰とも話せないなんて嫌だよ。
うるうるした目で見上げてたら、アルファルドがうっ……て怯んでて、もう一押しとばかりにアルファルドの頬に両手を添えた。
「私にはアルファルドしか目に入らないから、心配しなくても大丈夫! 私の身も心も……、ぜ~んぶアルファルドのだからっ」
そのまま、すぐ近くのアルファルドの頬にちゅって軽くキスした。
休み時間の講堂内が、途端にザワッと騒がしくなった。
遠くからキャーキャー言ってる声も聞こえてたけど、気にしないでアルファルドに向かってニコッと笑った。
「っ……、話す、だけだぞ……」
「ありがとうアルファルドっ! 大好きっ!」
ぎゅうってアルファルドの腰に抱きついた。
「ふふ……相変わらずね、アトリクス。女になった方が、魔性度が上がったわね」
「おっ、リリー! 久しぶりだなっ!」
「えぇ、お久しぶりね。シリウス名誉教授様」
席から立ち上がってにっこり微笑みながら、アルファルドに抱きついてる私の方へと向かってきた。
「おい、他人行儀はやめてくれよっ。俺は今までと変わらないぞ?」
「あら……? それはさすがに、難しいんじゃなくって?」
「いや、変わるわけないだろ? 俺が女になったってこと以外は、ここでは関係ないからな」
私がアルファルドに抱きつきながら言った言葉に、リリーが不思議そうに反応してくれてる。
「どういう事かしら?」
「アカデミアでは身分や地位は関係ないんだ……だから俺も、これまでとなんら変わりはない。俺がこれ以上誰かと親しくすることも……、他の奴と話すこともしないってことだ」
それまで騒がしかった周りのざわめきが、一気にシーンとなった。
「ふふふっ……。あなたって、本当に相変わらずねっ!」
「ハハッ、……まぁなっ! 俺って融通が利かないから、自分の意志を簡単に変えることはしないんだ……」
にっこり笑いながら対面で話してるリリーを利用して、周りに向かって牽制してる。
周りが物珍しく私を見てるのはわかってたし、なんとなくみんなソワソワしてて、私と話す機会を伺ってる感じがしてたからね。
お互い笑い合ってるけど……話してる言葉の意味は、周りに対して馴れ馴れしくして来るなって言ってる。
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