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星たちの行方 6
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「では、本題に入らせて頂きます。この度のシリウス准伯爵の功績に対する、新たな爵位の贈与と領地配分についてのお話です…」
全員が席に着いたのを確認して、宰相さんが改めて説明してる。
それはもちろん、新しい身分を賜る私の了承に関してなんだけど…。
「待たれよっ!シリウス准伯爵が女性という事ならば、爵位を賜る事自体、不可能な筈だっ!」
「その通りです!女性の爵位継承や譲渡、譲与に関しても承認出来ないと帝国法で定められております!」
「えぇ、確かに…。これまで前例もございませんしな。シリウスが男だったのならまだしも、女性であれば話は別ですな」
この辺で声を上げたのは、戦いにも参加してない辺境伯以上の人間達。
この辺境伯以上の人間達は10人もいない。加えてこの人達ってほぼ私と関わりもないから、好き放題言ってくれてる。
うんうん、いい感じ…狙い通りだね。その調子でもっともっと反対してっ!
あまりにも皆んなに賛成されちゃうと、私もそんなのいらないって断りにくくなっちゃう。
でもこうやって反対多数になれば、私も仕方なく容認せざるを得ないから。
「その方等は先の戦いにも参戦せず、よくぞそこまで好きなように言える。あの戦いでシリウス卿がどれほど多くの命を救ったか…帝国内では子供ですら知っておるわっ!」
黙って座って聞いてたアンキロス公爵が、腕組みながらギャーギャー言ってた人達に一喝してる。
「…ぐっ」
「それは…」
「し、しかし…」
いや、ちょっと!せっかく騒ぎ立ててくれてたのに、大人しくなっちゃったじゃん!
正直…アンキロス公爵って私の事どう思ってるのか謎なんだよね。ポルックス公爵と仲良いから、私に対して否定的ではない感じ…だからって受け入れてる訳でもないし、不思議な感じの人。
ルリオン様に似てるから私は好きになれないんだけどさ。でも、この帝国内じゃかなりの発言権を持ってるのは確か。そんなプライドの高い人が、自分よりも高い地位を容認するとも思えないんだけど。
「某は大賛成だ!」
ここで突然大きな声を上げて割って入ってきたのは、ベクルックス辺境伯だった。
「シリウス卿が何者であろうが、帝国を救った事は事実だ!卿ほど帝国に貢献した人間を、女性だからという理由だけで報奨を退けるなどっ!それこそ愚行の極みだッ!!」
この人って相変わらず迫力あるし、会議場の外まで聞こえそうなくらい声もデカい。
お願いだから黙っててー!!
いや、嬉しいよ?嬉しいんだけど、今はそういうのいらないからっ!
黙って聞いてたけど、顔がヒクヒク引き攣ってきそう。
「我らも報奨を取り下げろとは言っておらん!ただ、女性に大公などと高すぎる地位を与えるのは帝国法に触れると言っておるだけだ!女性なら女性らしく帝国での最高位なら、皇太子殿下と婚約を結んで貰い、皇后もしくは后妃として納まるだけでも十分な報奨といえようっ!」
やっぱり来たね。この案件。爵位が無理なら皇太子の婚約者ってやつ。
一斉に視線がレグルス様の方へと向いてる。
「わ、私と、アトリクスが…?」
レグルス様は困惑気味に私の方を見てるけど、私は一切視線を合わせなかった。
「しかし、レグルス殿下は聖女であるポラリス様とご婚約されたばかりっ!それをこのタイミングで破棄させるおつもりかっ!?」
レグルス様の後ろに控えてたいたルリオン様が、その意見に間髪入れず反論してた。
おぉ、ルリオン様もたまにはいい事言ってくれるね。
「誰も破棄させろなどと申しておらん。お二方とご婚約されて、どちらかを皇后と后妃に迎えいれればいい」
さっきから無茶苦茶言ってるおっさんは、結構権力のある候爵だったような。
興味のない人間は覚えてないからあやふやだけどさ。こんな奴、覚える価値もないし。
「それは素晴らしいご意見ですな!聖女と英雄っ!このお二人が揃い、皇太子殿下を…ひいては国政を支えて下されば、さらなる帝国の繁栄へと繋がる事でしょうなっ!!」
「私も賛成だっ!」
「私もですっ!」
この場にいる半数は立ち上がって、この意見に賛成してる。
私の隣で黙って座ってるアルファルドの殺気がかなりすごい事になってる…。
もう、漏れ出すなんてのじゃなくて、明らかな殺意も含まれてて…これ以上ほっとくとここにいる人達に危害を加えちゃいそう。
「では、本題に入らせて頂きます。この度のシリウス准伯爵の功績に対する、新たな爵位の贈与と領地配分についてのお話です…」
全員が席に着いたのを確認して、宰相さんが改めて説明してる。
それはもちろん、新しい身分を賜る私の了承に関してなんだけど…。
「待たれよっ!シリウス准伯爵が女性という事ならば、爵位を賜る事自体、不可能な筈だっ!」
「その通りです!女性の爵位継承や譲渡、譲与に関しても承認出来ないと帝国法で定められております!」
「えぇ、確かに…。これまで前例もございませんしな。シリウスが男だったのならまだしも、女性であれば話は別ですな」
この辺で声を上げたのは、戦いにも参加してない辺境伯以上の人間達。
この辺境伯以上の人間達は10人もいない。加えてこの人達ってほぼ私と関わりもないから、好き放題言ってくれてる。
うんうん、いい感じ…狙い通りだね。その調子でもっともっと反対してっ!
あまりにも皆んなに賛成されちゃうと、私もそんなのいらないって断りにくくなっちゃう。
でもこうやって反対多数になれば、私も仕方なく容認せざるを得ないから。
「その方等は先の戦いにも参戦せず、よくぞそこまで好きなように言える。あの戦いでシリウス卿がどれほど多くの命を救ったか…帝国内では子供ですら知っておるわっ!」
黙って座って聞いてたアンキロス公爵が、腕組みながらギャーギャー言ってた人達に一喝してる。
「…ぐっ」
「それは…」
「し、しかし…」
いや、ちょっと!せっかく騒ぎ立ててくれてたのに、大人しくなっちゃったじゃん!
正直…アンキロス公爵って私の事どう思ってるのか謎なんだよね。ポルックス公爵と仲良いから、私に対して否定的ではない感じ…だからって受け入れてる訳でもないし、不思議な感じの人。
ルリオン様に似てるから私は好きになれないんだけどさ。でも、この帝国内じゃかなりの発言権を持ってるのは確か。そんなプライドの高い人が、自分よりも高い地位を容認するとも思えないんだけど。
「某は大賛成だ!」
ここで突然大きな声を上げて割って入ってきたのは、ベクルックス辺境伯だった。
「シリウス卿が何者であろうが、帝国を救った事は事実だ!卿ほど帝国に貢献した人間を、女性だからという理由だけで報奨を退けるなどっ!それこそ愚行の極みだッ!!」
この人って相変わらず迫力あるし、会議場の外まで聞こえそうなくらい声もデカい。
お願いだから黙っててー!!
いや、嬉しいよ?嬉しいんだけど、今はそういうのいらないからっ!
黙って聞いてたけど、顔がヒクヒク引き攣ってきそう。
「我らも報奨を取り下げろとは言っておらん!ただ、女性に大公などと高すぎる地位を与えるのは帝国法に触れると言っておるだけだ!女性なら女性らしく帝国での最高位なら、皇太子殿下と婚約を結んで貰い、皇后もしくは后妃として納まるだけでも十分な報奨といえようっ!」
やっぱり来たね。この案件。爵位が無理なら皇太子の婚約者ってやつ。
一斉に視線がレグルス様の方へと向いてる。
「わ、私と、アトリクスが…?」
レグルス様は困惑気味に私の方を見てるけど、私は一切視線を合わせなかった。
「しかし、レグルス殿下は聖女であるポラリス様とご婚約されたばかりっ!それをこのタイミングで破棄させるおつもりかっ!?」
レグルス様の後ろに控えてたいたルリオン様が、その意見に間髪入れず反論してた。
おぉ、ルリオン様もたまにはいい事言ってくれるね。
「誰も破棄させろなどと申しておらん。お二方とご婚約されて、どちらかを皇后と后妃に迎えいれればいい」
さっきから無茶苦茶言ってるおっさんは、結構権力のある候爵だったような。
興味のない人間は覚えてないからあやふやだけどさ。こんな奴、覚える価値もないし。
「それは素晴らしいご意見ですな!聖女と英雄っ!このお二人が揃い、皇太子殿下を…ひいては国政を支えて下されば、さらなる帝国の繁栄へと繋がる事でしょうなっ!!」
「私も賛成だっ!」
「私もですっ!」
この場にいる半数は立ち上がって、この意見に賛成してる。
私の隣で黙って座ってるアルファルドの殺気がかなりすごい事になってる…。
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