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星たちの行方 1
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「よしっ、準備オッケー!」
ドラコニス公爵家の自分の部屋の中で着替え終えた私は、鏡に映る姿を見て声を上げた。
軍服を思わせる真っ黒な上下服の胸元には鎖を緩く垂らして、無理やり受け取らされたスタンピードで貰った英雄の証、双龍宝華勲章も取り付けた。付けたくないけど、もう仮面もないからこれがないとシリウスだって判らない。
中も黒めのシャツにネクタイを首元で締めてピシッとキメてる。
下もスカートなんか履かないでピッタリとしたズボンスタイルにブーツ。腰にはベルトを付けて身体の線を強調してる。とりあえず女だって一発で分かるようにね。
肩から胸半分くらいにドラコニス公爵家の家紋が金色で刺繍された黒いマントを取り付けて、これも特別に誂えてもらった黒帽子被って、腰まで伸びた亜麻色の髪は気合入れてポニーテールにした。
耳には紫色と黄金色のピアスを付けて、自分がアルファルドのモノだってアピールして、ついでにアルファルドがくれた首輪もそのまま着けてる。
姿見の前でくるくる回って不備がないか確認してるけど、ちょっとアカデミアの制服を思わせるなぁ。アカデミアの制服も黒基調だから。
全体を黒で纏めたのはもちろん、アルファルドの髪色に合わせてるってのと、シリウスは黒装束だったからそれを分かりやすくしてる狙いがある。
この世界でこんな格好は男性でも珍しいんだよね。ネクタイってのも存在しないし、あっても騎士服くらいしか着ないからさ。
前世で言うところの、軍の上級司令官みたいな格好してるのにも理由がある。
この姿で人前に出るのは今回が初めてになるから、色んな牽制の意味も込めて女だからって侮られないように、服にもかなり気合を入れた。
姿見の前で止まって、鏡を手で触れながら映ってる自分の姿に惚れ惚れしちゃう。
女性でもこういう格好ってやっぱりカッコイイよね。黒軍服って憧れだったんだ。これで鞭とかあったらちょっと監獄の看守っぽい感じだよね。
シリウスの時だったら背中に背負ってた愛刀のデュランダルも今回は腰に帯剣してるし、気合十分!
これからアルファルドと一緒に皇宮に向かう。
この日の為にアルファルドには無理言って療養中で通してもらったし、色んな事態を想定して準備してきたから。
コンコンって扉の外から音がした。返事をする前にアルファルドが部屋の中に入ってきた。
「…準備は出来た…か……」
部屋の扉を開けたまま、アルファルドが私を見て固まってる。
「うんっ、準備できたよ!」
鏡の前から振り返って、アルファルドに駆け寄った。
近づいたけどアルファルドはまだ固まってて、その状態のまま私を見下ろしてる。
「ん…?どうしたの?」
「………お前、その格好で行くのか?」
「うん。変かな?」
「…いや、…驚くほど…よく似合っている」
「本当?嬉しいッ!」
アルファルドは貴公子が着るみたいな黒のフロックコートっぽい服装で全体を纏めてる。やっぱりお金の力って偉大だよね…。ただの白シャツと黒ズボンだけでも全然似合ってるけど、アルファルドってめちゃくちゃイケメンだからちゃんとした服着ると本当に皇子様みたい。
濡羽色の黒髪を後ろに撫で付けてあってすごくカッコイイ!惚れ惚れしちゃう…シャツの袖には私があげたカフスボタン付けてくれてるのがすごく嬉しい!
「…似合っているが…、何というか…、威圧感が凄いな…」
「ん?あぁ、お前がそう感じるくらいなら、狙い通りだなっ!」
「…はっ…?」
私をまじまじ見ながらアルファルドが口元に手を当てる。あの鈍感なアルファルドでも判るなら大丈夫だね。
これから私の報告を込めて皇宮に挨拶に行く。即席の皇帝である、ポルックス公爵含む高位貴族達と対面する。
その時に私の功績に対する処遇とか言われると思うんだけど、ただの話し合いで終わるとは思ってないからさ。
「時間だろ?そろそろ行こうぜ?」
アルファルドに向かってニコッと笑って促した。でもアルファルドはまだ私をじっと見てる。
「……その首輪も、付けていくのか?」
じっと見てたのは私の首元で、少し困惑気味に喋ってる。
「もっちろん!これって、アルファルドから初めて貰った物だしッ」
「…そう…だったか?」
「そうだよ。綺麗だし気に入ってるんだっ…それに、俺とお前がどんな関係か匂わせるには抜群のアイテムだろ?」
ニッと笑ってアルファルド見てたら、まだ口元押さえてたアルファルドの頬が赤くなってる。
「……」
ふふっ、アルファルドってやっぱり可愛いなぁ。こんな事で照れてるし。
アルファルドの腕を取って部屋の外へと促した。
「さぁ…、いざ出陣だッ」
「よしっ、準備オッケー!」
ドラコニス公爵家の自分の部屋の中で着替え終えた私は、鏡に映る姿を見て声を上げた。
軍服を思わせる真っ黒な上下服の胸元には鎖を緩く垂らして、無理やり受け取らされたスタンピードで貰った英雄の証、双龍宝華勲章も取り付けた。付けたくないけど、もう仮面もないからこれがないとシリウスだって判らない。
中も黒めのシャツにネクタイを首元で締めてピシッとキメてる。
下もスカートなんか履かないでピッタリとしたズボンスタイルにブーツ。腰にはベルトを付けて身体の線を強調してる。とりあえず女だって一発で分かるようにね。
肩から胸半分くらいにドラコニス公爵家の家紋が金色で刺繍された黒いマントを取り付けて、これも特別に誂えてもらった黒帽子被って、腰まで伸びた亜麻色の髪は気合入れてポニーテールにした。
耳には紫色と黄金色のピアスを付けて、自分がアルファルドのモノだってアピールして、ついでにアルファルドがくれた首輪もそのまま着けてる。
姿見の前でくるくる回って不備がないか確認してるけど、ちょっとアカデミアの制服を思わせるなぁ。アカデミアの制服も黒基調だから。
全体を黒で纏めたのはもちろん、アルファルドの髪色に合わせてるってのと、シリウスは黒装束だったからそれを分かりやすくしてる狙いがある。
この世界でこんな格好は男性でも珍しいんだよね。ネクタイってのも存在しないし、あっても騎士服くらいしか着ないからさ。
前世で言うところの、軍の上級司令官みたいな格好してるのにも理由がある。
この姿で人前に出るのは今回が初めてになるから、色んな牽制の意味も込めて女だからって侮られないように、服にもかなり気合を入れた。
姿見の前で止まって、鏡を手で触れながら映ってる自分の姿に惚れ惚れしちゃう。
女性でもこういう格好ってやっぱりカッコイイよね。黒軍服って憧れだったんだ。これで鞭とかあったらちょっと監獄の看守っぽい感じだよね。
シリウスの時だったら背中に背負ってた愛刀のデュランダルも今回は腰に帯剣してるし、気合十分!
これからアルファルドと一緒に皇宮に向かう。
この日の為にアルファルドには無理言って療養中で通してもらったし、色んな事態を想定して準備してきたから。
コンコンって扉の外から音がした。返事をする前にアルファルドが部屋の中に入ってきた。
「…準備は出来た…か……」
部屋の扉を開けたまま、アルファルドが私を見て固まってる。
「うんっ、準備できたよ!」
鏡の前から振り返って、アルファルドに駆け寄った。
近づいたけどアルファルドはまだ固まってて、その状態のまま私を見下ろしてる。
「ん…?どうしたの?」
「………お前、その格好で行くのか?」
「うん。変かな?」
「…いや、…驚くほど…よく似合っている」
「本当?嬉しいッ!」
アルファルドは貴公子が着るみたいな黒のフロックコートっぽい服装で全体を纏めてる。やっぱりお金の力って偉大だよね…。ただの白シャツと黒ズボンだけでも全然似合ってるけど、アルファルドってめちゃくちゃイケメンだからちゃんとした服着ると本当に皇子様みたい。
濡羽色の黒髪を後ろに撫で付けてあってすごくカッコイイ!惚れ惚れしちゃう…シャツの袖には私があげたカフスボタン付けてくれてるのがすごく嬉しい!
「…似合っているが…、何というか…、威圧感が凄いな…」
「ん?あぁ、お前がそう感じるくらいなら、狙い通りだなっ!」
「…はっ…?」
私をまじまじ見ながらアルファルドが口元に手を当てる。あの鈍感なアルファルドでも判るなら大丈夫だね。
これから私の報告を込めて皇宮に挨拶に行く。即席の皇帝である、ポルックス公爵含む高位貴族達と対面する。
その時に私の功績に対する処遇とか言われると思うんだけど、ただの話し合いで終わるとは思ってないからさ。
「時間だろ?そろそろ行こうぜ?」
アルファルドに向かってニコッと笑って促した。でもアルファルドはまだ私をじっと見てる。
「……その首輪も、付けていくのか?」
じっと見てたのは私の首元で、少し困惑気味に喋ってる。
「もっちろん!これって、アルファルドから初めて貰った物だしッ」
「…そう…だったか?」
「そうだよ。綺麗だし気に入ってるんだっ…それに、俺とお前がどんな関係か匂わせるには抜群のアイテムだろ?」
ニッと笑ってアルファルド見てたら、まだ口元押さえてたアルファルドの頬が赤くなってる。
「……」
ふふっ、アルファルドってやっぱり可愛いなぁ。こんな事で照れてるし。
アルファルドの腕を取って部屋の外へと促した。
「さぁ…、いざ出陣だッ」
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