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未来への計画 3

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「…お前は、何でも…許し過ぎだ…。…あまり許容していると、ロクな事にならないぞ…」

「えー?そんなのアルファルドだけだよ?他のヤツにそんな事言われたら、速攻で張り倒してるから」

「……そう…か…」

 アルファルドが腕に力を入れて更に強く抱きしめて、そのままくるっと仰向けになった。

「ねぇ、何かあったんでしょ?」

 今度はアルファルドの上に乗って、胸にぺったり顔をくっつけて質問するけど…。

「……」

 やっぱりアルファルドは無言で、何となく察してその状態のまま二人で抱き合ってた。

 どのくらいそうしてたかわからないけど、とにかくアルファルドの気が済むまで私も何も言わなかった。

 だいぶ経ってから、ようやくアルファルドが口を開いた。

「…お前の、予想通りだ…」

「ん?」

「………皇帝が…、崩御した……」

 アルファルドはその言葉を言ったっきり、また無言になった。

 そうだよね…。
 アルファルドにとって、あの皇帝は人生を狂わせた張本人だし…。でも、自分の伯父でもある。
 
「そっか…」

 私も深くは掘り下げなかった。

 て、なるとこの混乱の中、皇帝不在には出来ないから、恐らくだけどレグルス様より先に、ポルックス公爵が臨時の皇帝として即位する形になるとふんでる。
 落ち着くまではレグルス様じゃ経験が浅すぎるし、年齢的にも人柄的にも一先ずポルックス公爵がこの混乱を収める筈なんだよ。

「……カストル叔父上が一先ず政権を掌握する形で、議会は合意した。…皇帝の国葬は8日後…、状況が落ち着き次第…凱旋式と、皇太子の戴冠式を行う事で決まった…」

「やっぱりね」

 うん、こっちも概ね予想通りだね。
 話した後またシーンとなって、顔を上げて様子を見るけどアルファルドはまだ駄目そう。

「……叔父上に…、お前を連れて来いと、言われた……」

 まだアルファルドの顔が曇ってる。

「うん」

「……まだシリウス卿は、療養中だと言ったが…、叔父上は納得していなかった。…あの人は、シリウス卿を…絶大的に支持している…」

 上半身だけ起き上がったアルファルドに連れて、私もアルファルドに乗ったまま身体を起こした。

 ポルックス公爵は割りと実力主義だからねー。スタンピードの時も、助けたせいなのか私に好意的だったし…。実は私を准伯爵にって皇帝に推薦したのもポルックス公爵だったりするんだ。

「…シリウス卿に、2つ目の勲章と…さらに上の爵位と、領地を与えるらしい…」
  
「………………はあっ~??」

 今度は私が眉を顰めて不機嫌になった。

「…これを機に、シリウス卿を本格的に、皇室へと介入させ…帝国が誇る脅威や戦力として、他国に知らしめるつもりだ…」

 勲章はまぁ、仕方ないにしても…何で爵位に領地??名誉爵位は領地とか与えられない筈なのに。
 
「やっ、ちょっと待てっ!異議ありっ!!」

「…?…い、異議?…何故だ…」

 私の剣幕にアルファルドの方が驚いてる。てか、アルファルドは私がそんなもんで喜ぶとでも思ってたの?!見当違いもいいトコだよ!!

「爵位も領地も勲章も、何もいらねぇーんだよッ!!前の准伯爵ってのもいらなかったのに無理やり押し付けてくるしッ!その上、金だ名誉だってホントに勘弁してくれよっ!!」

 アルファルドの上に乗りながら、苛立つように両手で頭を掻き乱した。

「………ミ…ラ?」

 アルファルドが私の様子を見て混乱してる。
 ひとしきり怒って、はぁはぁ乱れた呼吸を整えた。

「…不服なのか?」

「当たり前だろ!あッ、もしかしてギルドも階級上げるとか言ってないよなぁ!?」

「…よく、わかったな…。…協議の結果、ギルドもシリウス卿を剣帝として讃え、冒険者としては最高位のSSS級トリプルスターに…」

「あぁ、くっそ!やっぱりかよっ!だから人の許可もなく勝手に上げるなってのっ!!」

「………」
 
 またまた頭を掻き乱してる私に、アルファルドが本格的に混乱してる。


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