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終末…その後 6
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腕組んでかなり機嫌が悪そうなアルファルド。
「どーした?」
窓枠に寄りかかってたアルファルドを隣で見上げて、何で不機嫌なのか尋ねるけど…。
「……」
アルファルドはぶすっとしたまま無言だった。
んー??なんだろう??何に対して怒ってるのか、全く分からないなぁ。
無言てことはアルファルドもその件については話したくない意志の表れであって、とりあえずアルファルドの言う通りほっとくことにした。
どの道、この姿で出る訳にもいかないからね。
「あ、そうだ!アルファルド、タウリが訪ねて来なかったか?あと、エルナト先生とかさ…」
タウリに関してはアルファルドも同じ冒険者だったから知ってるだろうし、皇宮で私と一緒に行動してたからわかってると思う。
でもこの質問のあと、アルファルドは更に不機嫌になった。
「……」
まだ無言で、何だかこの話題自体を拒絶してるみたいな感じ。
「え…っと?私もいい加減、外部と連絡取らないといけないからさ。特にタウリとタラゼドには報告上げないといけないし、ギルドにも──んッ!?」
話しの途中で遮るように身体を引かれて唇を塞がれた。
「んっ…、んっ!…んん~!!」
苛立ちのまま深くキスされて、アルファルドに抗議の意味も込めて胸を軽く押すけど…、私がアルファルドに本気で抵抗なんて出来るわけない。
身体ごとアルファルドの腕の中にすっぽり包まれて、逃げ出せないように頭をがっちり大きな手で固定されて、アルファルドの舌が私の口の中を貪るように蹂躙してる。
「ハッ…、ぁ……、……ん」
飲み切れないだ液が口の端を伝って、顎の方まで垂れてる。
ようやく唇を離されて身体が熱くて、はぁ、はぁ…って息切れするように呼吸を整えてから、とろんとした目でアルファルドを見つめた。
「ッ…、…今のお前を…誰にも見せたくないっ」
今度は苛立つように言われて、何となくアルファルドの気持ちを察した。
もしかして…、女の私を見られたくない?もしくは、シリウスが女だったって知られたくない…って事??
目の前の紫と黄金色の瞳が鋭く私を見てて、嫉妬なのか憤りなのか判別は難しいんだけど、ただ、アルファルドが私を公衆に晒したくないってのは分かった。
「アルファルド。でも…」
さすがに、このままアルファルドの側にだけ居るのはちょっと…いや、かなり無理がある。
もちろん私もそうしたいけど…、現実問題そうはいかないんだよ。
アルファルドはいつもみたいに私の頬に片手を添えて屈みながら、でもまだ瞳は鋭く私を見てる。
「……お前が、シリウス卿だったとは、今でも信じ難い…。だが…お前の戦いを間近で見て、認めざるを得ない…」
アルファルドが私の頬に手を添えながら、歯痒そうにギリッと歯ぎしりしてる。
「…帝国の英雄が…いや、この世界を救った救世主が…、実は女だと分かったら、どうなると思うッ!」
「──!」
私の大好きな綺麗な顔が、哀しみに歪んでる。私はアルファルドを見上げたままハッとして瞳を大きく開いた。
あ……、そっか……。
それもそうだよね。
ここまでの力を持った英雄を、帝国が簡単に手放す訳ない。
しかもその人物が女だったって分かったら、普通に考えて…この帝国の皇太子と婚姻を結ばされる…。
この帝国で爵位の継承や授与で、女性が認められた事例は今までない。
てなると、帝国で女性の最高位は皇后。
ただレグルス様はすでにポラリスと婚約してるし、聖女として認知されたポラリスが本来なら、将来的に皇后として即位するけど…。
ここで私が現れたら、きっと話は変わる。
******************************
いつも読んで頂き、ありがとうございます!!
貴重なエールを送って下さっている読者様っ!大変ありがとうございますっ!!一言お礼を申し上げたくて、こちらに書かせて頂きました。応援してもらってると実感でき、とても嬉しいです!!読んで頂いてる読者様も同様に、大変感謝しております!!
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腕組んでかなり機嫌が悪そうなアルファルド。
「どーした?」
窓枠に寄りかかってたアルファルドを隣で見上げて、何で不機嫌なのか尋ねるけど…。
「……」
アルファルドはぶすっとしたまま無言だった。
んー??なんだろう??何に対して怒ってるのか、全く分からないなぁ。
無言てことはアルファルドもその件については話したくない意志の表れであって、とりあえずアルファルドの言う通りほっとくことにした。
どの道、この姿で出る訳にもいかないからね。
「あ、そうだ!アルファルド、タウリが訪ねて来なかったか?あと、エルナト先生とかさ…」
タウリに関してはアルファルドも同じ冒険者だったから知ってるだろうし、皇宮で私と一緒に行動してたからわかってると思う。
でもこの質問のあと、アルファルドは更に不機嫌になった。
「……」
まだ無言で、何だかこの話題自体を拒絶してるみたいな感じ。
「え…っと?私もいい加減、外部と連絡取らないといけないからさ。特にタウリとタラゼドには報告上げないといけないし、ギルドにも──んッ!?」
話しの途中で遮るように身体を引かれて唇を塞がれた。
「んっ…、んっ!…んん~!!」
苛立ちのまま深くキスされて、アルファルドに抗議の意味も込めて胸を軽く押すけど…、私がアルファルドに本気で抵抗なんて出来るわけない。
身体ごとアルファルドの腕の中にすっぽり包まれて、逃げ出せないように頭をがっちり大きな手で固定されて、アルファルドの舌が私の口の中を貪るように蹂躙してる。
「ハッ…、ぁ……、……ん」
飲み切れないだ液が口の端を伝って、顎の方まで垂れてる。
ようやく唇を離されて身体が熱くて、はぁ、はぁ…って息切れするように呼吸を整えてから、とろんとした目でアルファルドを見つめた。
「ッ…、…今のお前を…誰にも見せたくないっ」
今度は苛立つように言われて、何となくアルファルドの気持ちを察した。
もしかして…、女の私を見られたくない?もしくは、シリウスが女だったって知られたくない…って事??
目の前の紫と黄金色の瞳が鋭く私を見てて、嫉妬なのか憤りなのか判別は難しいんだけど、ただ、アルファルドが私を公衆に晒したくないってのは分かった。
「アルファルド。でも…」
さすがに、このままアルファルドの側にだけ居るのはちょっと…いや、かなり無理がある。
もちろん私もそうしたいけど…、現実問題そうはいかないんだよ。
アルファルドはいつもみたいに私の頬に片手を添えて屈みながら、でもまだ瞳は鋭く私を見てる。
「……お前が、シリウス卿だったとは、今でも信じ難い…。だが…お前の戦いを間近で見て、認めざるを得ない…」
アルファルドが私の頬に手を添えながら、歯痒そうにギリッと歯ぎしりしてる。
「…帝国の英雄が…いや、この世界を救った救世主が…、実は女だと分かったら、どうなると思うッ!」
「──!」
私の大好きな綺麗な顔が、哀しみに歪んでる。私はアルファルドを見上げたままハッとして瞳を大きく開いた。
あ……、そっか……。
それもそうだよね。
ここまでの力を持った英雄を、帝国が簡単に手放す訳ない。
しかもその人物が女だったって分かったら、普通に考えて…この帝国の皇太子と婚姻を結ばされる…。
この帝国で爵位の継承や授与で、女性が認められた事例は今までない。
てなると、帝国で女性の最高位は皇后。
ただレグルス様はすでにポラリスと婚約してるし、聖女として認知されたポラリスが本来なら、将来的に皇后として即位するけど…。
ここで私が現れたら、きっと話は変わる。
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