286 / 392
ラストステージ 5
しおりを挟む
‘
デネボラ戦と違って、アヌとの戦いは更に厳しいものになってた。
まず、前線で皇宮を守ってたアンキロス公爵、ポルックス公爵が前に出て剣片手に魔法と併用で戦ってた。
この二人は会議の時も思ってたけど、幼馴染なのかライバルなのか…結構話してる事が多い。
『メテオストライク』
特殊火属性攻撃をポルックス公爵が撃って、アヌに当たるけどそこはアヌの光属性魔法で打ち消してしまってる。
その隙にアンキロス公爵が剣を使って攻撃してる。でもすぐに弾かれて物凄い勢いで皇宮の外壁に激突してる。
「ぐぁッ!!!」
これは体中の骨がいっちゃったと思うよ。そのまま壁から地面に倒れ込んでた。
「サルガスっ!!くぅ…、さすがに強いな…」
ポルックス公爵がまた特殊火属性魔法放ってるけど、さすがに何発も撃つには限度があるよね。この魔法ってすごく魔力を消費するから。
『メテオインパルス!』
やっぱりポルックス公爵って魔法でも剣技でも凄いと思う。でもさ、相手が悪過ぎるよ。特殊火属性の最上級魔法のメテオインパルスでさえ大してダメージは与えられてないんだもん。
ちなみにサルガスってアンキロス公爵の名前でもある。
アンキロス公爵ってルリオン様にやっぱり似てて、面影がめちゃくちゃある。だから渋めのいい男なんだけど、私好みではない。
どっちかって言うとポルックス公爵の方が黒髪で、少しだけアルファルドを思わせるからそっちの方が私好みだね。
時計台の上に登って、悪いけど見学させてもらってる。少しでも体力温存しとかないと、ポーションやハイポーション飲みまくってて効果が薄まりそうだし。
アヌは羽根があるから接近戦で戦うには分が悪すぎ。
攻撃しても素早く飛んで空に逃げられたらどうにもならない。
しかも魔法攻撃もアヌの方が強いから攻撃自体が打ち消されちゃうか、相殺されちゃってて全く効いてない。
あの羽根はかなり厄介だね。
デネボラとはまた違う強さ。
魔法自体特別スゴいわけじゃないのに、単体でじわじわとやられたらいずれ全滅しちゃうよ…。
「魔法騎士団、魔法師団、魔法アカデミアの教授達っ!全員一斉に攻撃開始だっ!!」
ここではレグルス様が広場の前に出て指揮を取ってる。
一斉に空中にいるアヌに攻撃してるけど、笑いながら飛び回っててまるで相手にされてない。
《ふはははっ!何とひ弱な攻撃だ、かすりもせんぞ!》
言葉は通じなくてもあの態度で大体何言ってるかわかるよね~。
『ウォーターランス』
『フレイム!』
『エアロエッジ』
『アースソード』
様々な攻撃が飛び交ってるけど、さっきのデネボラ戦で既にみんな殆ど魔力を使ってるから、魔法攻撃も総攻撃ではなくなってる。
念の為、エルナト先生にはハイポーションを何本か渡して置いた。
タウリも前線にはいなくてタラゼドの手伝いしてる。だからタウリにもポーションとハイポーションを多めに渡した。
「今が踏ん張り時だ!!一つでも多くの攻撃を命中させるんだっ!!」
レグルス様が聖剣片手に指示を出してる。
「殿下っ、もう魔力が尽きそうです…」
「はぁ、はぁ…くそ…」
「うぅ…頭が割れそうだ…」
前線にいる魔法騎士団や魔法師団の先鋭達も、魔力枯渇になり始めてる。
そりゃそうだよね。
皇室の意向とドラコニス公爵家との確執のせいで結局回復薬は行き渡ってない。
皇帝はもう仕方ないにしても、レグルス様がアルファルドに頭でも下げてれば違ったのかもしれないけど…そんな事するわけがない。
そのせいで沢山の人がこうして命の危険に晒されてる。
周りで倒れ込んでる人が増え始めて、攻撃もどんどん弱く分散されてきてて、無駄に魔力だけが減って枯渇状態の人が増えてきてる。
「くっ…、こんな事態が…」
広場に立って指示出してたレグルス様が周りを見渡して、その表情もかなり険しくなってる。
「レグルス殿下っ!ここは一旦引きましょう!」
隣にいたルリオン様が周りの状況を見て、焦ったように撤退を勧めてる。
いやぁ、撤退なんてしたってどうにもならないよ。こうなっちゃったら皆の魔力と体力が尽きるまで戦い続けないと。
撤退したからってアヌが待ってたり、何処かに行ってくれる訳ないじゃん!
あまりに無謀な提案に辟易しちゃうよ。普通の戦場ならそれもアリだけど、この戦いに撤退なんて考えられないんだよ!
そんな事したら、このまま破滅は免れないよ?
「ルリオン様!撤退などしても意味はありませんわ!ただ闇雲に犠牲者が増えるだけです!わたくし達だけでも退かずに前線を守るべきですわっ!」
ここで果敢にも進言したのはルリオン様のチームに合流してた我が友マイア。アカデミアの制服に増幅効果のある杖を地面に刺して、勇敢にルリオン様を説得してる。
さっすがマイアっ!!もう、めちゃくちゃカッコイイ!!
その辺の男より肝っ玉の座ってるマイアの発言に、ルリオン様も焦りながら話してる。
「しかしマイア嬢、これ以上魔法攻撃を連発していては、前線部隊の方が先に多数の犠牲者が増えて来てしまう」
前線部隊と一緒にいたマイア同様に、アケルナーとリゲルも合流してて、珍しくアケルナーが発言してた。
「僕もエウロパ嬢の意見に賛成です。ここは帝国防衛の要です。撤退してしまえば今までの全ての攻撃と戦力が無駄になってしまいます」
実戦経験の多さから来る冷静な判断力に、認めたくないけどアケルナーの意見はもっともだと思うよ。
「確かにな。ここにいる全員の回復なんて待ってたら、あの凶悪な天使に帝国ごと滅ぼされそうだしな」
あのリゲルまでまともな事言っちゃってるし。
アカデミアのリゲルチームは常に上位にいるから、特別枠でこの戦いに参加してて、この三人は特に戦闘面で特化してるからまだ余裕がある。
デネボラ戦と違って、アヌとの戦いは更に厳しいものになってた。
まず、前線で皇宮を守ってたアンキロス公爵、ポルックス公爵が前に出て剣片手に魔法と併用で戦ってた。
この二人は会議の時も思ってたけど、幼馴染なのかライバルなのか…結構話してる事が多い。
『メテオストライク』
特殊火属性攻撃をポルックス公爵が撃って、アヌに当たるけどそこはアヌの光属性魔法で打ち消してしまってる。
その隙にアンキロス公爵が剣を使って攻撃してる。でもすぐに弾かれて物凄い勢いで皇宮の外壁に激突してる。
「ぐぁッ!!!」
これは体中の骨がいっちゃったと思うよ。そのまま壁から地面に倒れ込んでた。
「サルガスっ!!くぅ…、さすがに強いな…」
ポルックス公爵がまた特殊火属性魔法放ってるけど、さすがに何発も撃つには限度があるよね。この魔法ってすごく魔力を消費するから。
『メテオインパルス!』
やっぱりポルックス公爵って魔法でも剣技でも凄いと思う。でもさ、相手が悪過ぎるよ。特殊火属性の最上級魔法のメテオインパルスでさえ大してダメージは与えられてないんだもん。
ちなみにサルガスってアンキロス公爵の名前でもある。
アンキロス公爵ってルリオン様にやっぱり似てて、面影がめちゃくちゃある。だから渋めのいい男なんだけど、私好みではない。
どっちかって言うとポルックス公爵の方が黒髪で、少しだけアルファルドを思わせるからそっちの方が私好みだね。
時計台の上に登って、悪いけど見学させてもらってる。少しでも体力温存しとかないと、ポーションやハイポーション飲みまくってて効果が薄まりそうだし。
アヌは羽根があるから接近戦で戦うには分が悪すぎ。
攻撃しても素早く飛んで空に逃げられたらどうにもならない。
しかも魔法攻撃もアヌの方が強いから攻撃自体が打ち消されちゃうか、相殺されちゃってて全く効いてない。
あの羽根はかなり厄介だね。
デネボラとはまた違う強さ。
魔法自体特別スゴいわけじゃないのに、単体でじわじわとやられたらいずれ全滅しちゃうよ…。
「魔法騎士団、魔法師団、魔法アカデミアの教授達っ!全員一斉に攻撃開始だっ!!」
ここではレグルス様が広場の前に出て指揮を取ってる。
一斉に空中にいるアヌに攻撃してるけど、笑いながら飛び回っててまるで相手にされてない。
《ふはははっ!何とひ弱な攻撃だ、かすりもせんぞ!》
言葉は通じなくてもあの態度で大体何言ってるかわかるよね~。
『ウォーターランス』
『フレイム!』
『エアロエッジ』
『アースソード』
様々な攻撃が飛び交ってるけど、さっきのデネボラ戦で既にみんな殆ど魔力を使ってるから、魔法攻撃も総攻撃ではなくなってる。
念の為、エルナト先生にはハイポーションを何本か渡して置いた。
タウリも前線にはいなくてタラゼドの手伝いしてる。だからタウリにもポーションとハイポーションを多めに渡した。
「今が踏ん張り時だ!!一つでも多くの攻撃を命中させるんだっ!!」
レグルス様が聖剣片手に指示を出してる。
「殿下っ、もう魔力が尽きそうです…」
「はぁ、はぁ…くそ…」
「うぅ…頭が割れそうだ…」
前線にいる魔法騎士団や魔法師団の先鋭達も、魔力枯渇になり始めてる。
そりゃそうだよね。
皇室の意向とドラコニス公爵家との確執のせいで結局回復薬は行き渡ってない。
皇帝はもう仕方ないにしても、レグルス様がアルファルドに頭でも下げてれば違ったのかもしれないけど…そんな事するわけがない。
そのせいで沢山の人がこうして命の危険に晒されてる。
周りで倒れ込んでる人が増え始めて、攻撃もどんどん弱く分散されてきてて、無駄に魔力だけが減って枯渇状態の人が増えてきてる。
「くっ…、こんな事態が…」
広場に立って指示出してたレグルス様が周りを見渡して、その表情もかなり険しくなってる。
「レグルス殿下っ!ここは一旦引きましょう!」
隣にいたルリオン様が周りの状況を見て、焦ったように撤退を勧めてる。
いやぁ、撤退なんてしたってどうにもならないよ。こうなっちゃったら皆の魔力と体力が尽きるまで戦い続けないと。
撤退したからってアヌが待ってたり、何処かに行ってくれる訳ないじゃん!
あまりに無謀な提案に辟易しちゃうよ。普通の戦場ならそれもアリだけど、この戦いに撤退なんて考えられないんだよ!
そんな事したら、このまま破滅は免れないよ?
「ルリオン様!撤退などしても意味はありませんわ!ただ闇雲に犠牲者が増えるだけです!わたくし達だけでも退かずに前線を守るべきですわっ!」
ここで果敢にも進言したのはルリオン様のチームに合流してた我が友マイア。アカデミアの制服に増幅効果のある杖を地面に刺して、勇敢にルリオン様を説得してる。
さっすがマイアっ!!もう、めちゃくちゃカッコイイ!!
その辺の男より肝っ玉の座ってるマイアの発言に、ルリオン様も焦りながら話してる。
「しかしマイア嬢、これ以上魔法攻撃を連発していては、前線部隊の方が先に多数の犠牲者が増えて来てしまう」
前線部隊と一緒にいたマイア同様に、アケルナーとリゲルも合流してて、珍しくアケルナーが発言してた。
「僕もエウロパ嬢の意見に賛成です。ここは帝国防衛の要です。撤退してしまえば今までの全ての攻撃と戦力が無駄になってしまいます」
実戦経験の多さから来る冷静な判断力に、認めたくないけどアケルナーの意見はもっともだと思うよ。
「確かにな。ここにいる全員の回復なんて待ってたら、あの凶悪な天使に帝国ごと滅ぼされそうだしな」
あのリゲルまでまともな事言っちゃってるし。
アカデミアのリゲルチームは常に上位にいるから、特別枠でこの戦いに参加してて、この三人は特に戦闘面で特化してるからまだ余裕がある。
2
お気に入りに追加
323
あなたにおすすめの小説
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
身分差婚~あなたの妻になれないはずだった~
椿蛍
恋愛
「息子と別れていただけないかしら?」
私を脅して、別れを決断させた彼の両親。
彼は高級住宅地『都久山』で王子様と呼ばれる存在。
私とは住む世界が違った……
別れを命じられ、私の恋が終わった。
叶わない身分差の恋だったはずが――
※R-15くらいなので※マークはありません。
※視点切り替えあり。
※2日間は1日3回更新、3日目から1日2回更新となります。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
悪役令嬢を拾ったら、可愛すぎたので妹として溺愛します!
平山和人
恋愛
転生者のクロエは諸国を巡りながら冒険者として自由気ままな一人旅を楽しんでいた。 そんなある日、クエストの途中で、トラブルに巻き込まれた一行を発見。助けに入ったクロエが目にしたのは――驚くほど美しい少女だった。
「わたくし、婚約破棄された上に、身に覚えのない罪で王都を追放されたのです」
その言葉に驚くクロエ。しかし、さらに驚いたのは、その少女が前世の記憶に見覚えのある存在だったこと。しかも、話してみるととても良い子で……?
「そういえば、私……前世でこんな妹が欲しかったって思ってたっけ」
美少女との出会いが、クロエの旅と人生を大きく変えることに!?
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
婚約者から婚約破棄をされて喜んだのに、どうも様子がおかしい
棗
恋愛
婚約者には初恋の人がいる。
王太子リエトの婚約者ベルティーナ=アンナローロ公爵令嬢は、呼び出された先で婚約破棄を告げられた。婚約者の隣には、家族や婚約者が常に可愛いと口にする従妹がいて。次の婚約者は従妹になると。
待ちに待った婚約破棄を喜んでいると思われる訳にもいかず、冷静に、でも笑顔は忘れずに二人の幸せを願ってあっさりと従者と部屋を出た。
婚約破棄をされた件で父に勘当されるか、何処かの貴族の後妻にされるか待っていても一向に婚約破棄の話をされない。また、婚約破棄をしたのに何故か王太子から呼び出しの声が掛かる。
従者を連れてさっさと家を出たいべルティーナと従者のせいで拗らせまくったリエトの話。
※なろうさんにも公開しています。
※短編→長編に変更しました(2023.7.19)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる