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最終決戦 4
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レグルス様達を後目に、私はまたデネボラの前へと戻ってきた。
この最終魔法を撃って来たって事は、もうデネボラも最終局面を迎えてる。
私が離れてる間にも、代わる代わる魔法師団や魔法騎士団、魔法アカデミアの教授達が攻撃魔法を放ち続けてるからダメージをずっと負ってる状態だよね。
こんなに早い段階でデネボラが倒されるなんて思っても見なかったけど…。
考えてみればゲームだと5人でしか戦ってなかったから。いくらステータスがカンストしてる状態の5人でも、この大人数には勝てないよ。
これだけ多くの魔法使いが総力を上げて攻撃してるんだもん。
そりゃあ早く倒される筈だよ。
遠目からデネボラに総攻撃掛けてる光景を見てると、自分のやったことが無駄じゃなかったんだって思えてくる。
後は、私が締めをするのが妥当かな。
ゲームだとレグルス様のメテオ系最上級魔法と剣技で倒してたけど…、現実だと無理そうだしね。
またデネボラに闇属性の攻撃魔法放たれても、被害が更に甚大になっちゃう。
身体強化を足にかけ、風魔法で一気に跳躍して時計台の前へと立った。
みんなが攻撃してくれてる内に、自分の中で攻撃系の魔力を体内に循環させた。
あのアウリガルの時を思い出して。
必死だったあのときと違って、今は集中して魔力を練る事ができる。
スー…、ハー…、と深呼吸を繰り返して、目の前に迫るデネボラへと手を前に翳した。
「撃ち方止めえぇぇ!!シリウス卿が攻撃を仕掛けるぞぉぉ!!」
「皆、防御魔法を展開しろっ!!」
「フォフォフォッ!アカデミアの教授達よ。よく見ておるのじゃ!!アレはこの世の魔法とは逸脱する未知の魔法だのぉ!!」
アンキロス公爵、アケルナー父、アヴィオール学長……諸々みんなが口々に何か言ってるけど、私は時計台の上に立って自分の攻撃に集中してた。
『暗黒異次元!!』
デネボラのすぐ目の前に巨大なブラックホールが現れる。
漆黒の深い洞穴の中にデネボラの身体が渦を巻くように吸い込まれていく。
《グッ、グォオオオオォッッッ!!!》
あの巨大な身体がふわりと空に舞い上がってブラックホールに半分身体を突っ込んでる。
デネボラも最後の足掻きか、耳に響く不快な声で絶叫をあげて、悲鳴を出しながら藻掻いてる。
「し…信じられんっ…。何と言う…、恐ろしい魔法だ…」
「あの、巨大な怪物が…呑み込まれていく…」
「お…おぉ…、これは…、なんと素晴らしいの……」
周りの騎士団の面々やアカデミアの教授達も、みんな呆然としてその光景を眺めてた。
悲鳴を上げてた人や逃げ惑ってた人も目を開いて注目してる。
く…ぅっ!…やっぱり、重い…!
中々全ては吸収させてくれないなっ!
もう限界ってくらい攻撃系の魔力を高めて、更に吸い込む力を強めた。
額からどんどん汗が流れて、魔力が急激に減っていくのが分かる。
《グオオォッ、ウシナワレタ…マホウ……チョウエツシャメッ…!!》
デネボラの頭まで吸い込まれた所で、この言葉が聞こえた。
超越者。
またこの台詞。
もういい加減っ!終わりにしてよおぉ!!
後はもう意地で攻撃魔法を放ち続けた。
他の人々はただこの光景を見守ってる。
そして遂に嵐のような風が収まって、デネボラの身体の全てが吸い込まれて消えて無くなった。
「はぁ、はぁ、はぁっ!」
その場に倒れ込んで膝を着いた。
魔力がほとんど残ってなくて頭痛と倦怠感が襲ってくる。
「「「「うわああぁぁぁぁッッーー!!!!」」」」
もうビックリするくらい、まるで世界が揺れてるくらいの絶叫が沸き起こった。
「凄いっ!すごいぞ!!素晴らしいっ!!」
「お見事だ、シリウス卿ッ!!貴方は最強だっ!!」
「フォフォフォッ!!これは今までの魔法学を覆す珍事じゃっ!!」
「ミラさん、良くやりましたね…」
全ての声は歓声で掻き消されて聞こえなかった。
街中の人々も手を取り合って喜んだり、抱き合ったり…泣きながらその場で蹲ってたり…。
反応は様々だった。
「シリウスぅーー!!我らの英雄よ!!」
「貴方こそこの世界の救世主だわっ!!」
「すげえぇぇ!!何だ今のはっ!!」
「あの巨大な悪魔をやっつけるなんて!ありがとう、シリウス!!」
魔力枯渇が襲って来てて、震える手で腰からハイポーション取り出して仮面ずらして飲み干した。
ふぅ…。
何とか…倒した…。
もちろん、私一人の力じゃないけどさ。
でも、釈然としないな…どうにも呆気なさ過ぎる。
私が知ってるデネボラってもっともっと強大な存在だったのに…。
一抹の不安が拭えなくて、念の為もう一本ハイポーション飲んで魔力も体力も全回復させた。
レグルス様達を後目に、私はまたデネボラの前へと戻ってきた。
この最終魔法を撃って来たって事は、もうデネボラも最終局面を迎えてる。
私が離れてる間にも、代わる代わる魔法師団や魔法騎士団、魔法アカデミアの教授達が攻撃魔法を放ち続けてるからダメージをずっと負ってる状態だよね。
こんなに早い段階でデネボラが倒されるなんて思っても見なかったけど…。
考えてみればゲームだと5人でしか戦ってなかったから。いくらステータスがカンストしてる状態の5人でも、この大人数には勝てないよ。
これだけ多くの魔法使いが総力を上げて攻撃してるんだもん。
そりゃあ早く倒される筈だよ。
遠目からデネボラに総攻撃掛けてる光景を見てると、自分のやったことが無駄じゃなかったんだって思えてくる。
後は、私が締めをするのが妥当かな。
ゲームだとレグルス様のメテオ系最上級魔法と剣技で倒してたけど…、現実だと無理そうだしね。
またデネボラに闇属性の攻撃魔法放たれても、被害が更に甚大になっちゃう。
身体強化を足にかけ、風魔法で一気に跳躍して時計台の前へと立った。
みんなが攻撃してくれてる内に、自分の中で攻撃系の魔力を体内に循環させた。
あのアウリガルの時を思い出して。
必死だったあのときと違って、今は集中して魔力を練る事ができる。
スー…、ハー…、と深呼吸を繰り返して、目の前に迫るデネボラへと手を前に翳した。
「撃ち方止めえぇぇ!!シリウス卿が攻撃を仕掛けるぞぉぉ!!」
「皆、防御魔法を展開しろっ!!」
「フォフォフォッ!アカデミアの教授達よ。よく見ておるのじゃ!!アレはこの世の魔法とは逸脱する未知の魔法だのぉ!!」
アンキロス公爵、アケルナー父、アヴィオール学長……諸々みんなが口々に何か言ってるけど、私は時計台の上に立って自分の攻撃に集中してた。
『暗黒異次元!!』
デネボラのすぐ目の前に巨大なブラックホールが現れる。
漆黒の深い洞穴の中にデネボラの身体が渦を巻くように吸い込まれていく。
《グッ、グォオオオオォッッッ!!!》
あの巨大な身体がふわりと空に舞い上がってブラックホールに半分身体を突っ込んでる。
デネボラも最後の足掻きか、耳に響く不快な声で絶叫をあげて、悲鳴を出しながら藻掻いてる。
「し…信じられんっ…。何と言う…、恐ろしい魔法だ…」
「あの、巨大な怪物が…呑み込まれていく…」
「お…おぉ…、これは…、なんと素晴らしいの……」
周りの騎士団の面々やアカデミアの教授達も、みんな呆然としてその光景を眺めてた。
悲鳴を上げてた人や逃げ惑ってた人も目を開いて注目してる。
く…ぅっ!…やっぱり、重い…!
中々全ては吸収させてくれないなっ!
もう限界ってくらい攻撃系の魔力を高めて、更に吸い込む力を強めた。
額からどんどん汗が流れて、魔力が急激に減っていくのが分かる。
《グオオォッ、ウシナワレタ…マホウ……チョウエツシャメッ…!!》
デネボラの頭まで吸い込まれた所で、この言葉が聞こえた。
超越者。
またこの台詞。
もういい加減っ!終わりにしてよおぉ!!
後はもう意地で攻撃魔法を放ち続けた。
他の人々はただこの光景を見守ってる。
そして遂に嵐のような風が収まって、デネボラの身体の全てが吸い込まれて消えて無くなった。
「はぁ、はぁ、はぁっ!」
その場に倒れ込んで膝を着いた。
魔力がほとんど残ってなくて頭痛と倦怠感が襲ってくる。
「「「「うわああぁぁぁぁッッーー!!!!」」」」
もうビックリするくらい、まるで世界が揺れてるくらいの絶叫が沸き起こった。
「凄いっ!すごいぞ!!素晴らしいっ!!」
「お見事だ、シリウス卿ッ!!貴方は最強だっ!!」
「フォフォフォッ!!これは今までの魔法学を覆す珍事じゃっ!!」
「ミラさん、良くやりましたね…」
全ての声は歓声で掻き消されて聞こえなかった。
街中の人々も手を取り合って喜んだり、抱き合ったり…泣きながらその場で蹲ってたり…。
反応は様々だった。
「シリウスぅーー!!我らの英雄よ!!」
「貴方こそこの世界の救世主だわっ!!」
「すげえぇぇ!!何だ今のはっ!!」
「あの巨大な悪魔をやっつけるなんて!ありがとう、シリウス!!」
魔力枯渇が襲って来てて、震える手で腰からハイポーション取り出して仮面ずらして飲み干した。
ふぅ…。
何とか…倒した…。
もちろん、私一人の力じゃないけどさ。
でも、釈然としないな…どうにも呆気なさ過ぎる。
私が知ってるデネボラってもっともっと強大な存在だったのに…。
一抹の不安が拭えなくて、念の為もう一本ハイポーション飲んで魔力も体力も全回復させた。
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