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二人の想い 21
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「なぁ、アルファルド……いい加減、機嫌直してくれよ」
ようやく結ばれた私達なのに、アルファルドが不貞腐れたみたいに布団に潜り込んでる。
その上から私がアルファルドを揺さぶってて、なんとか出て来てもらおうと説得中。
「……」
「ごめんてば……俺、めちゃくちゃ嬉しくて、歯止めが利かなかったんだよ」
「……」
「もしかして、お前は良くなかったか?」
「――――良かった……」
潜り込んでた布団からポソッとした呟きが聞こえた。
他のは無視されてたのに、そこだけはちゃんと返してくれた。
小声だったけどしっかり聞こえてきて、その呟きに私は思わずニヤッと笑みが出た。
「感じてるアルファルドがすっげぇ色っぽくて、俺が攻めるたびに良い反応してくれるからさ、思わず張り切っちゃったんだ!」
「っ!」
「お前が俺をガンガン攻めてくれるのにもすげぇ興奮しちゃって、もうっ――わッ!」
突然布団を被せられて、言葉が途中で遮られた。
「アトリクスっ! お前は一応貴族の子女なんだろ?! もう少し慎みを持てっ。お前の言葉は卑猥過ぎるっ!」
私のあけすけな言い方にアルファルドが怒っちゃった。
「ハハッ、しょうがないだろ? 俺が今までどれだけ我慢してきたと思ってるんだよ。ずっとお前を襲いたくて仕方なかったんだからな……。でも、お前がそれを望むなら、努力はするぞ?」
布団から出ると真っ赤な顔して私を睨んでるアルファルドに、ニッコリと笑顔を向ける。
「…はぁ……、とりあえず服を着ろ……」
アルファルドは口元に手を当てて、赤い顔と一緒に視線も私から逸した。
まだ女の姿でしかも全裸でやり取りしてて、さすがにちょっと寒さを感じる。
「ん? ……なぁ、着せてくれるか?」
「…は?」
「だから……服」
ようやく視線を私へと戻してくれたアルファルドに笑みを浮かべて、ベッドの上で座って解いた亜麻色の長い髪ごと自分の裸の身体を抱きしめた。
「…っ、な、何故だ……自分で着替えれば、いいだろ……」
アルファルドはまだ赤い顔してる。
もう、アルファルドって可愛なぁ~。こんな反応するから、からかいたくなっちゃうんだよね。
「んー……まだ身体が怠くて歩けないんだ。俺も初めてだったからさ」
ホントは全然動けるけど、アルファルドに甘えたくて嘘ついてる。
「………お前は、初めてのわりと……ずいぶん手慣れてた…ろ」
ポソッと呟いたアルファルドの言葉に、ギクッとしたけど態度には出さなかった。
まさか前世で経験があるなんて言えないしね。
「ひどいよ、アルファルド! もしかして私を疑ってるの? キスだってアルファルドが初めてだったのに…」
うるうると悲しい顔してアルファルドを見ると、慌てたようにアルファルドが寄ってきた。
「…いや、違うっ! 疑ってるわけじゃないっ……」
「私が初めてだって、アルファルドが一番良くわかってるでしょ?」
痛いって泣いてたら、何を思ったのか最中にポーション口移しで飲ませてきたのには驚いたよ。
おかげで痛みもなくなって、難なく回数こなせた訳だけど……
ベッドの上で寄ってきたアルファルドももちろん裸で、素肌のまま不貞腐れてる私を両手を伸ばして抱き寄せてくれる。
「…そうだな。……すまないアトリクス。俺が悪かった……」
ま、アルファルドが疑うのもムリはないと思うよ。ほぼ8割以上私がリードしたから……
前世ならともかく、この世界の貞操観念てやっぱり堅くて、特に貴族の子女なんて閨教育も親から聞く程度だし。
そういった話自体も、相当親しい間柄じゃないとしない。
ロマンス小説だっておとぎ話のお姫様と王子様くらいのほんわかものがほとんどなんだよね。
本当なら婚前交渉した時点で即責任取って婚姻なんだよね。
アルファルドはそんなこと知らないだろうけど。
全然怒ってないけど、怒ったフリしてアルファルドからふいっと顔を逸した。
「ホントに悪いと思ってる?」
「…あぁ」
アルファルドが私の身体を抱き寄せて、触れ合ってる肌の感触がめちゃくちゃ気持ち良い。
それがたまらなくてアルファルドの靭やかな身体に抱きついた。
「次、そんなこと言ったら許さないからねっ」
「…あぁ、わかった」
ぷんすか怒っててもアルファルドに触れてたくて、思いのまま胸板に頬擦りしてたら頭の上から笑い声が聞こえた。
「ふっ……そんなに俺が好きか?」
「ッ! な、なんで?」
「…お前の顔に書いてある」
抱き寄せてたアルファルドが私の頬に手を添えて、嬉しそうに優艶と微笑んでる。
その顔がめちゃくちゃ魅惑的過ぎて、また良からぬ欲がむくむくと湧いて来ちゃうよ。
「~っ……、当たり前だろっ!? 俺が欲しいのはこの世でアルファルドだけなんだ! 今さらお前のこと、誰にも譲るつもりはないからなっ!」
男生活が長すぎて口調が安定しないや。
でも、男でも女でもアルファルドはいいって言ってくれてるから、特に直すこともしてないんだよね。
「……わかっている」
更に笑みを濃くして添えた手で頬を撫でてくれて、それだけでドキドキが止まらないよ……
もうっ、このイケメンがぁぁっ~!!
ここまで私好みじゃなかったら、捕まらずに友達として離れることができたのにぃ!
この罪作りな美貌がイケナイんだ!!
さっきまで攻め過ぎて不貞腐れてたのが嘘みたいに、砂糖でも吐きそうなくらい甘々な雰囲気が溢れてる。
これまでの私の努力も実ってか、アルファルドは私に対して絶対の信頼を寄せてくれてる。
今までのアルファルドを知ってるだけに、これはもう言葉にできないくらいめちゃくちゃ嬉しいっ!
他人を信用することが出来ないアルファルドの信頼を、ここまで獲得してるってことだからさ。
ヤバい……こんなことされたら、またムラムラして襲いたくなっちゃうよ!
抱きしめられてるアルファルドの下半身を目視して、またイケるか確認した。
「ねぇ……アルファルド、服は着なくていいからさ……もう一回しよ?」
とりあえずアルファルドもオッケーそうだから、抱きついて頬擦りしてた胸元に唇を寄せる。
前世とかだとこういったことには淡白な方だったんだけど、相手がアルファルドだと話は別なんだよね。
今まで我慢し過ぎたせいか、欠乏状態になってて欲しくてたまらなくなっちゃってる。
「――また……、やるのか?」
上目遣いで見上げてた私を見下ろして、アルファルドがまた頬を染めて照れくさそうに視線を逸してる。
「んー……アルファルドが嫌なら、無理強いはしないよ? でも、アルファルドも嫌じゃないよね?」
ニコッと笑ってアルファルドの胸板の筋肉の線に沿って人差し指で、ツゥー……と撫でてく。
「…っ、……まぁ……な……」
ピクッと反応してから、素直な返事を返してくれるアルファルドがめちゃくちゃ嬉しい!
アルファルドに抱きついたまま、また二人でベッドに倒れ込んだ。
「なぁ、アルファルド……いい加減、機嫌直してくれよ」
ようやく結ばれた私達なのに、アルファルドが不貞腐れたみたいに布団に潜り込んでる。
その上から私がアルファルドを揺さぶってて、なんとか出て来てもらおうと説得中。
「……」
「ごめんてば……俺、めちゃくちゃ嬉しくて、歯止めが利かなかったんだよ」
「……」
「もしかして、お前は良くなかったか?」
「――――良かった……」
潜り込んでた布団からポソッとした呟きが聞こえた。
他のは無視されてたのに、そこだけはちゃんと返してくれた。
小声だったけどしっかり聞こえてきて、その呟きに私は思わずニヤッと笑みが出た。
「感じてるアルファルドがすっげぇ色っぽくて、俺が攻めるたびに良い反応してくれるからさ、思わず張り切っちゃったんだ!」
「っ!」
「お前が俺をガンガン攻めてくれるのにもすげぇ興奮しちゃって、もうっ――わッ!」
突然布団を被せられて、言葉が途中で遮られた。
「アトリクスっ! お前は一応貴族の子女なんだろ?! もう少し慎みを持てっ。お前の言葉は卑猥過ぎるっ!」
私のあけすけな言い方にアルファルドが怒っちゃった。
「ハハッ、しょうがないだろ? 俺が今までどれだけ我慢してきたと思ってるんだよ。ずっとお前を襲いたくて仕方なかったんだからな……。でも、お前がそれを望むなら、努力はするぞ?」
布団から出ると真っ赤な顔して私を睨んでるアルファルドに、ニッコリと笑顔を向ける。
「…はぁ……、とりあえず服を着ろ……」
アルファルドは口元に手を当てて、赤い顔と一緒に視線も私から逸した。
まだ女の姿でしかも全裸でやり取りしてて、さすがにちょっと寒さを感じる。
「ん? ……なぁ、着せてくれるか?」
「…は?」
「だから……服」
ようやく視線を私へと戻してくれたアルファルドに笑みを浮かべて、ベッドの上で座って解いた亜麻色の長い髪ごと自分の裸の身体を抱きしめた。
「…っ、な、何故だ……自分で着替えれば、いいだろ……」
アルファルドはまだ赤い顔してる。
もう、アルファルドって可愛なぁ~。こんな反応するから、からかいたくなっちゃうんだよね。
「んー……まだ身体が怠くて歩けないんだ。俺も初めてだったからさ」
ホントは全然動けるけど、アルファルドに甘えたくて嘘ついてる。
「………お前は、初めてのわりと……ずいぶん手慣れてた…ろ」
ポソッと呟いたアルファルドの言葉に、ギクッとしたけど態度には出さなかった。
まさか前世で経験があるなんて言えないしね。
「ひどいよ、アルファルド! もしかして私を疑ってるの? キスだってアルファルドが初めてだったのに…」
うるうると悲しい顔してアルファルドを見ると、慌てたようにアルファルドが寄ってきた。
「…いや、違うっ! 疑ってるわけじゃないっ……」
「私が初めてだって、アルファルドが一番良くわかってるでしょ?」
痛いって泣いてたら、何を思ったのか最中にポーション口移しで飲ませてきたのには驚いたよ。
おかげで痛みもなくなって、難なく回数こなせた訳だけど……
ベッドの上で寄ってきたアルファルドももちろん裸で、素肌のまま不貞腐れてる私を両手を伸ばして抱き寄せてくれる。
「…そうだな。……すまないアトリクス。俺が悪かった……」
ま、アルファルドが疑うのもムリはないと思うよ。ほぼ8割以上私がリードしたから……
前世ならともかく、この世界の貞操観念てやっぱり堅くて、特に貴族の子女なんて閨教育も親から聞く程度だし。
そういった話自体も、相当親しい間柄じゃないとしない。
ロマンス小説だっておとぎ話のお姫様と王子様くらいのほんわかものがほとんどなんだよね。
本当なら婚前交渉した時点で即責任取って婚姻なんだよね。
アルファルドはそんなこと知らないだろうけど。
全然怒ってないけど、怒ったフリしてアルファルドからふいっと顔を逸した。
「ホントに悪いと思ってる?」
「…あぁ」
アルファルドが私の身体を抱き寄せて、触れ合ってる肌の感触がめちゃくちゃ気持ち良い。
それがたまらなくてアルファルドの靭やかな身体に抱きついた。
「次、そんなこと言ったら許さないからねっ」
「…あぁ、わかった」
ぷんすか怒っててもアルファルドに触れてたくて、思いのまま胸板に頬擦りしてたら頭の上から笑い声が聞こえた。
「ふっ……そんなに俺が好きか?」
「ッ! な、なんで?」
「…お前の顔に書いてある」
抱き寄せてたアルファルドが私の頬に手を添えて、嬉しそうに優艶と微笑んでる。
その顔がめちゃくちゃ魅惑的過ぎて、また良からぬ欲がむくむくと湧いて来ちゃうよ。
「~っ……、当たり前だろっ!? 俺が欲しいのはこの世でアルファルドだけなんだ! 今さらお前のこと、誰にも譲るつもりはないからなっ!」
男生活が長すぎて口調が安定しないや。
でも、男でも女でもアルファルドはいいって言ってくれてるから、特に直すこともしてないんだよね。
「……わかっている」
更に笑みを濃くして添えた手で頬を撫でてくれて、それだけでドキドキが止まらないよ……
もうっ、このイケメンがぁぁっ~!!
ここまで私好みじゃなかったら、捕まらずに友達として離れることができたのにぃ!
この罪作りな美貌がイケナイんだ!!
さっきまで攻め過ぎて不貞腐れてたのが嘘みたいに、砂糖でも吐きそうなくらい甘々な雰囲気が溢れてる。
これまでの私の努力も実ってか、アルファルドは私に対して絶対の信頼を寄せてくれてる。
今までのアルファルドを知ってるだけに、これはもう言葉にできないくらいめちゃくちゃ嬉しいっ!
他人を信用することが出来ないアルファルドの信頼を、ここまで獲得してるってことだからさ。
ヤバい……こんなことされたら、またムラムラして襲いたくなっちゃうよ!
抱きしめられてるアルファルドの下半身を目視して、またイケるか確認した。
「ねぇ……アルファルド、服は着なくていいからさ……もう一回しよ?」
とりあえずアルファルドもオッケーそうだから、抱きついて頬擦りしてた胸元に唇を寄せる。
前世とかだとこういったことには淡白な方だったんだけど、相手がアルファルドだと話は別なんだよね。
今まで我慢し過ぎたせいか、欠乏状態になってて欲しくてたまらなくなっちゃってる。
「――また……、やるのか?」
上目遣いで見上げてた私を見下ろして、アルファルドがまた頬を染めて照れくさそうに視線を逸してる。
「んー……アルファルドが嫌なら、無理強いはしないよ? でも、アルファルドも嫌じゃないよね?」
ニコッと笑ってアルファルドの胸板の筋肉の線に沿って人差し指で、ツゥー……と撫でてく。
「…っ、……まぁ……な……」
ピクッと反応してから、素直な返事を返してくれるアルファルドがめちゃくちゃ嬉しい!
アルファルドに抱きついたまま、また二人でベッドに倒れ込んだ。
応援ありがとうございます!
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