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二人の想い 9
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そうこうしてる内に休み時間も終わって、とにかく早く収集つけるためにサークル活動はお休みして、アルファルドとリリーと私でドラコニス公爵邸へと向かうことに。
もちろん移動は馬車。
公爵邸の馬車も新調して、家紋のついたかなり大きくて立派なものになってる。
専属の御者もちゃんといて、こうして見るとホンとアルファルドって公爵として返り咲いたんだなって思う。
馬車で公爵邸の入口まで来てすぐ玄関前で降りた。
「お帰りなさいませ。旦那様」
ベッテルさんが出迎えてくれて、その後ろには沢山の使用人達も並んでお辞儀してる。
「…あぁ、今帰った…」
先にアルファルドが降りて次に私が降りて、リリーが降りる時は私が手を出してエスコートした。
「ありがとう、アトリクス」
「いえ、光栄の極みです」
優雅に微笑むリリーに、私も笑顔でエスコートしながら胸に手を当てて会釈する。
先に降りたアルファルドはすっごく不機嫌そうな顔して、腕組みながらその様子を見てた。
出迎えの公爵家の使用人達も驚いた顔してるよね。
この相関図が何なのか。
この前の訪問で私がアルファルドと親密な仲だと思ってるのに、同じアカデミアの制服着たリリーを私がエスコートしてるし。
「旦那様、そちらのお客様は……?」
ベッテルさんも初めて見る顔のリリーに驚いてアルファルドに聞いてる。
「……」
アルファルドはすごく不機嫌そうな顔してて、ベッテルさんの問いかけに無言を貫いてる。
ベッテルさんが困った顔してこっち見てるから私が紹介することに。
「こちらはコバット王国から来られた、リリー王女殿下です。友人関係になったので、俺も一緒に公爵家へ遊びに来ました」
にっこり笑って紹介するとベッテルさんがかなり驚いた顔してこっち見てる。
「お、王女殿下であられましたか! これは大変失礼致しました。ようこそ公爵家へお越し下さいました」
深々頭を下げて挨拶してる。
そりゃあ驚くよね。いきなり連れて来たのが王女様だし…。
しかもアルファルドが物凄く機嫌悪そうだし、ベッテルさんも意味がわからないよね。
「えぇ、よろしくね。お邪魔するわ」
リリーはリリーでずっとアルファルドに無視されてたみたいだから、特に気にしてないみたいだけど…どうしたもんかなー…。
「…行くぞ、アトリクス」
「え? あぁ…」
さっさと中に入って行っちゃうし。
ハァ……、大丈夫かな……
リリーと二人でアルファルドの案内で中に入っていくけど、本当に公爵家の内部が様変わりしてる。
この前も思ったけどめちゃくちゃ綺麗で華やかでゴージャスな感じになってる。
元々のガランとした屋敷を知ってるだけに、余計その変化を感じるよ。
そしてなぜか案内されたのはアルファルドの部屋じゃなくて、豪華な応接室だった。
あれ? なんで??
いつもならアルファルドの私室なのに、こんな場所に案内されて拍子抜けた。
ひとまずリリーが一人掛けソファーに座って、私とアルファルドが大きめの硬めのソファーに腰掛けた。
「それでアトリクス。貴方は一体どうするつもりなの?」
直ぐにお茶やお菓子も運ばれてきて、アルファルドは使用人達をみんな下げて、私達3人だけになった。
「うん。まず、リリーの目的であるポーションを王国へ流通させるっていう問題からだな」
「…どうするつもりだ? あれに関しては魔法誓約書で固く縛られている。それを覆すには双方の合意が必要だ」
ソファーに座って腕組んでるアルファルドが、まだ不機嫌そうに話し出してる。
「ハハッ、そんなの簡単さ。一旦白紙に戻してから、また魔法誓約し直せばいい。アルファ商会側は全く問題ないから、お前さえ合意してくれれば解決する」
隣で座った私が笑いながら話してる。
アルファ商会側なんて、私がケイドに手紙書いて印を押してもらえばそれでオッケーだし。
幸いな事にコバットはアルファ商会の商品を取り扱ってるお店があるから、流通に関してはそのままそこに卸せばいいだけだしね。
「…商会側の回答は気にしなくていいのか? 向こう側の意見を何も聞いていないんだぞ」
「んー……、ポーションてドラコニス公爵家の専売商品だから、それを決めるのは公爵であるお前だし。商会側はお前がそうするって言えば頷かざるを得ない。だからその辺の細かい事は気にしなくて良いってこと! アルファルドの一存で全てが決まるんだからさっ」
ニコッと笑って隣に座るアルファルドを見てる。
「…俺が拒否したら?」
「え……?」
「…俺の一存で決まるなら、俺が拒否すれば流通できないってことだろ……」
「アルファルド……、なんでだ?」
不機嫌そうに話すアルファルド。
一体どうしちゃったの?
そうこうしてる内に休み時間も終わって、とにかく早く収集つけるためにサークル活動はお休みして、アルファルドとリリーと私でドラコニス公爵邸へと向かうことに。
もちろん移動は馬車。
公爵邸の馬車も新調して、家紋のついたかなり大きくて立派なものになってる。
専属の御者もちゃんといて、こうして見るとホンとアルファルドって公爵として返り咲いたんだなって思う。
馬車で公爵邸の入口まで来てすぐ玄関前で降りた。
「お帰りなさいませ。旦那様」
ベッテルさんが出迎えてくれて、その後ろには沢山の使用人達も並んでお辞儀してる。
「…あぁ、今帰った…」
先にアルファルドが降りて次に私が降りて、リリーが降りる時は私が手を出してエスコートした。
「ありがとう、アトリクス」
「いえ、光栄の極みです」
優雅に微笑むリリーに、私も笑顔でエスコートしながら胸に手を当てて会釈する。
先に降りたアルファルドはすっごく不機嫌そうな顔して、腕組みながらその様子を見てた。
出迎えの公爵家の使用人達も驚いた顔してるよね。
この相関図が何なのか。
この前の訪問で私がアルファルドと親密な仲だと思ってるのに、同じアカデミアの制服着たリリーを私がエスコートしてるし。
「旦那様、そちらのお客様は……?」
ベッテルさんも初めて見る顔のリリーに驚いてアルファルドに聞いてる。
「……」
アルファルドはすごく不機嫌そうな顔してて、ベッテルさんの問いかけに無言を貫いてる。
ベッテルさんが困った顔してこっち見てるから私が紹介することに。
「こちらはコバット王国から来られた、リリー王女殿下です。友人関係になったので、俺も一緒に公爵家へ遊びに来ました」
にっこり笑って紹介するとベッテルさんがかなり驚いた顔してこっち見てる。
「お、王女殿下であられましたか! これは大変失礼致しました。ようこそ公爵家へお越し下さいました」
深々頭を下げて挨拶してる。
そりゃあ驚くよね。いきなり連れて来たのが王女様だし…。
しかもアルファルドが物凄く機嫌悪そうだし、ベッテルさんも意味がわからないよね。
「えぇ、よろしくね。お邪魔するわ」
リリーはリリーでずっとアルファルドに無視されてたみたいだから、特に気にしてないみたいだけど…どうしたもんかなー…。
「…行くぞ、アトリクス」
「え? あぁ…」
さっさと中に入って行っちゃうし。
ハァ……、大丈夫かな……
リリーと二人でアルファルドの案内で中に入っていくけど、本当に公爵家の内部が様変わりしてる。
この前も思ったけどめちゃくちゃ綺麗で華やかでゴージャスな感じになってる。
元々のガランとした屋敷を知ってるだけに、余計その変化を感じるよ。
そしてなぜか案内されたのはアルファルドの部屋じゃなくて、豪華な応接室だった。
あれ? なんで??
いつもならアルファルドの私室なのに、こんな場所に案内されて拍子抜けた。
ひとまずリリーが一人掛けソファーに座って、私とアルファルドが大きめの硬めのソファーに腰掛けた。
「それでアトリクス。貴方は一体どうするつもりなの?」
直ぐにお茶やお菓子も運ばれてきて、アルファルドは使用人達をみんな下げて、私達3人だけになった。
「うん。まず、リリーの目的であるポーションを王国へ流通させるっていう問題からだな」
「…どうするつもりだ? あれに関しては魔法誓約書で固く縛られている。それを覆すには双方の合意が必要だ」
ソファーに座って腕組んでるアルファルドが、まだ不機嫌そうに話し出してる。
「ハハッ、そんなの簡単さ。一旦白紙に戻してから、また魔法誓約し直せばいい。アルファ商会側は全く問題ないから、お前さえ合意してくれれば解決する」
隣で座った私が笑いながら話してる。
アルファ商会側なんて、私がケイドに手紙書いて印を押してもらえばそれでオッケーだし。
幸いな事にコバットはアルファ商会の商品を取り扱ってるお店があるから、流通に関してはそのままそこに卸せばいいだけだしね。
「…商会側の回答は気にしなくていいのか? 向こう側の意見を何も聞いていないんだぞ」
「んー……、ポーションてドラコニス公爵家の専売商品だから、それを決めるのは公爵であるお前だし。商会側はお前がそうするって言えば頷かざるを得ない。だからその辺の細かい事は気にしなくて良いってこと! アルファルドの一存で全てが決まるんだからさっ」
ニコッと笑って隣に座るアルファルドを見てる。
「…俺が拒否したら?」
「え……?」
「…俺の一存で決まるなら、俺が拒否すれば流通できないってことだろ……」
「アルファルド……、なんでだ?」
不機嫌そうに話すアルファルド。
一体どうしちゃったの?
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