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二人の想い 8
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「多分、王国貴族の誰かだろ? よっぽど身分差がない限りイケると思う」
「お待ちになって、アトリクス! 一体どうするつもりなの?」
「んー? 要するにポーションさえ王国に流通できればいいんだろ? そんな事でお前が犠牲になる必要は無いってことさ。逆に言えば、それを口実にお前は好きな奴と結婚できるかもしれないしな!」
リリーに向かってパチッとウインクする。リリーはまだ訳がわからないみたいに瞬きして私を見てる。
「アトリクス……。なぜ、そこまでしてくれるの?」
信じれない様子でリリーは口元に手を当てながら私を凝視してる。
「言っとくが、お前の為じゃないぞ! 全てはアルファルドの幸せの為だ。俺はコイツに幸せになって欲しいし、どうせならみんなに幸せになって欲しいんだ! その為に出来る限り努力するのは当然だろ?」
私の言葉にリリーの瞳にまた涙が溜まっていく。
「ふっ……うぅ……、アトリクス……。やはり、貴方には敵わないわっ。先程のわたくしの言葉は訂正しますわ……貴方の言葉は正しいもの……」
涙目で笑うリリーは、年相応の女の子の顔だった。
「ハハッ、そんな風に言われると照れるな……」
ベンチに座りながらなんだか気恥ずかしくて頭を掻いてると、アルファルドがムスッとした形相でまた私の顔を強引に自分の方へと向かせた。
「――なっ!?」
「…アトリクス、俺はお前さえいれば幸せだ。だから俺だけを見てくれ……」
ちょっとアルファルドぉ!!
もう言ってることが全部口説き文句になっちゃってるよ!?
そんな風に言われたら赤面するしかないじゃん!!
しかもなんでリリーに対抗してるの!?
むしろアルファルド狙いなんだから、私が嫉妬する立場なのに!
こんなんじゃ友達だって強く言えないし、否定することもできないよ。
そう言いたいのにアルファルドの表情が必死すぎて、端正な顔を不安そうに歪めてる。
心配する必要なんて一つもないのに。
こんな国宝級のイケメンが、私の事で嫉妬してくれるなんて。
「安心しろって、俺は元々アルファルドしか見えてないからさ。出会った時からずっとそうだろ? 俺が信用できないのか?」
「…いや、そうじゃないが……」
嫉妬されることがこんなに嬉しく感じるなんて!
でも不安にさせたい訳じゃないから。
座りながらアルファルドの方を向いて、両手を伸ばして頬に添えた。
サラリとした肌が手に心地良い。
「アルファルド……お前ほど、俺を夢中にさせる奴はいない。俺の全てがアルファルド一色に染まってるんだ……」
アルファルドを見つめながら、安心させるように微笑んだ。
「…っ、…アト……リクス」
「お前以外、他の奴が入る隙なんてどこにも存在しないから、何も心配するな」
不安そうに揺れてた瞳が一瞬で払拭されて、パッと明るく色づいたのがわかった。
「…そうか……」
アルファルドの頬を包んでた私の手に、大きな手が重なった。
すごく嬉しそうに口角を上げて、見惚れるくらい綺麗に微笑んでるアルファルド。
はぁ……、めちゃくちゃかっこいい……
なんでこんなにイケメンなの?
ぽーっとしながらアルファルドに魅せられてると、後ろからまたリリーの声が聞こえてる。
「やはり貴方は魔性よ。アルファルド様がここまで骨抜きにされたのも納得ね。こんなふうに言い寄られたら陥落するしかないもの。聞いてただけのわたくしまでドキドキしてしまったわ……。これは見習わなければ……」
話してるのか独り言なのか、またブツブツ言ってるリリー。
どうしても私を魔性の男にしたいみたいだね。とりあえず聞かなかったフリしとこ。
そして頬に添えてた私の手を取って、自分の指を絡めて愛しそうに唇を押し当ててるアルファルド。
うぅ…やっぱり、物事が上手く進んでいかないなぁ……
「多分、王国貴族の誰かだろ? よっぽど身分差がない限りイケると思う」
「お待ちになって、アトリクス! 一体どうするつもりなの?」
「んー? 要するにポーションさえ王国に流通できればいいんだろ? そんな事でお前が犠牲になる必要は無いってことさ。逆に言えば、それを口実にお前は好きな奴と結婚できるかもしれないしな!」
リリーに向かってパチッとウインクする。リリーはまだ訳がわからないみたいに瞬きして私を見てる。
「アトリクス……。なぜ、そこまでしてくれるの?」
信じれない様子でリリーは口元に手を当てながら私を凝視してる。
「言っとくが、お前の為じゃないぞ! 全てはアルファルドの幸せの為だ。俺はコイツに幸せになって欲しいし、どうせならみんなに幸せになって欲しいんだ! その為に出来る限り努力するのは当然だろ?」
私の言葉にリリーの瞳にまた涙が溜まっていく。
「ふっ……うぅ……、アトリクス……。やはり、貴方には敵わないわっ。先程のわたくしの言葉は訂正しますわ……貴方の言葉は正しいもの……」
涙目で笑うリリーは、年相応の女の子の顔だった。
「ハハッ、そんな風に言われると照れるな……」
ベンチに座りながらなんだか気恥ずかしくて頭を掻いてると、アルファルドがムスッとした形相でまた私の顔を強引に自分の方へと向かせた。
「――なっ!?」
「…アトリクス、俺はお前さえいれば幸せだ。だから俺だけを見てくれ……」
ちょっとアルファルドぉ!!
もう言ってることが全部口説き文句になっちゃってるよ!?
そんな風に言われたら赤面するしかないじゃん!!
しかもなんでリリーに対抗してるの!?
むしろアルファルド狙いなんだから、私が嫉妬する立場なのに!
こんなんじゃ友達だって強く言えないし、否定することもできないよ。
そう言いたいのにアルファルドの表情が必死すぎて、端正な顔を不安そうに歪めてる。
心配する必要なんて一つもないのに。
こんな国宝級のイケメンが、私の事で嫉妬してくれるなんて。
「安心しろって、俺は元々アルファルドしか見えてないからさ。出会った時からずっとそうだろ? 俺が信用できないのか?」
「…いや、そうじゃないが……」
嫉妬されることがこんなに嬉しく感じるなんて!
でも不安にさせたい訳じゃないから。
座りながらアルファルドの方を向いて、両手を伸ばして頬に添えた。
サラリとした肌が手に心地良い。
「アルファルド……お前ほど、俺を夢中にさせる奴はいない。俺の全てがアルファルド一色に染まってるんだ……」
アルファルドを見つめながら、安心させるように微笑んだ。
「…っ、…アト……リクス」
「お前以外、他の奴が入る隙なんてどこにも存在しないから、何も心配するな」
不安そうに揺れてた瞳が一瞬で払拭されて、パッと明るく色づいたのがわかった。
「…そうか……」
アルファルドの頬を包んでた私の手に、大きな手が重なった。
すごく嬉しそうに口角を上げて、見惚れるくらい綺麗に微笑んでるアルファルド。
はぁ……、めちゃくちゃかっこいい……
なんでこんなにイケメンなの?
ぽーっとしながらアルファルドに魅せられてると、後ろからまたリリーの声が聞こえてる。
「やはり貴方は魔性よ。アルファルド様がここまで骨抜きにされたのも納得ね。こんなふうに言い寄られたら陥落するしかないもの。聞いてただけのわたくしまでドキドキしてしまったわ……。これは見習わなければ……」
話してるのか独り言なのか、またブツブツ言ってるリリー。
どうしても私を魔性の男にしたいみたいだね。とりあえず聞かなかったフリしとこ。
そして頬に添えてた私の手を取って、自分の指を絡めて愛しそうに唇を押し当ててるアルファルド。
うぅ…やっぱり、物事が上手く進んでいかないなぁ……
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