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二人の想い 1
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暗黒竜の一件からすぐ、私はアカデミアを休学した。
もちろんエルナト先生に裏工作してもらって、一月の期間を確保した。
アルファルドにもオクタンにも、誰にも告げずに休学したから心配してるかな。
とにかく今はシリウスの姿になって、帝国で起きてる異変を調査中。
軍資金と回復薬は常備して、各地のギルドを回りながらおかしな事件が起きてないか自分の目で確かめてる。
この日は帝都の南部にある隣国との境目まで来てるけど……特にこれといった変化はなかった。
休学してから2週間が経った。
古びた宿屋で借りた部屋に荷物を置いて、シリウスの姿のまま一人用の狭い木のベッドに座って考える。
やっぱり、帝国っていうよりも帝都の方に異変が集中してる……
ミティストの舞台だから?
ゲームと違って、暗黒竜はレグルス様じゃなくてアルファルドが倒した。
本来からあの実技演習ではワイバーンが現れる予定だった。
しかも暗黒竜って最終戦目前のイベントで、その場にはもちろんポラリスもいて……、光属性の魔法で倒すんだけど。
アルファルドは今回の件で公爵なのに、〈竜殺し〉の二つ名も付いちゃったから、きっともう縁談とかも凄いんだろうなぁ……
ゲーム内容がめちゃくちゃだな……。全く違う話になっちゃってる。
その度に犠牲者も出てるし、ラムもそのせいで――
「ハァ……」
座ったままベッドに後ろ向きで倒れた。
未来を知ってるからって、全てを変えられるわけじゃない。でも今の段階で、私の一番の目的だった、アルファルドを救うってことは達成できた。
一応たまにアルファルドの様子は見に行ってるけど、遠くから見てるだけで会ってはないんだよね。
こうして少しずつ距離を空けていこうと思ってるんだ。どのみちもう長くはいられないし……
酷いし卑怯だし……、自分がどうしようもなく最低な奴だと思う。
あんなに私を好きでいてくれる人を、無情に突き放すなんてさ。
ベッドで横になって、ギリッと歯軋りした。
私が地位と名声を取り戻した今のアルファルドの側にずっといるには、これまで隠してきた様々な事を公にしていかなきゃ釣り合わない。
好きだからじゃあ結婚しましょう、なんて簡単にいくほど貴族の結婚は甘くないし。
でもそれは余りにリスクが多すぎるし、常に危険と隣合わせで生きていかなきゃいけない。
――私には、その覚悟がない。
今までアルファルドを救い出す為だけに、自分に関する色んなことを犠牲にして生きてきた。
でもそれができたのは、ここまでだってゴールが見えてたから……
もしこの先も、ってなった時に、私の気持ちが中途半端過ぎて踏み切れない。
本来の私を受け入れてもらえるかも分からない。
アルファルドをずっと騙してることも話してない。
そんな状態で、自分の人生を決断することなんてできないよ。
それに、このままデネボラが復活したらどうなるかもわからないのに。
何もかもが中途半端過ぎて、結局行き着く考えはアルファルドとの離別なんだよね。
ただ、この気持ちを抱えたままずっと暮らしていく事を考えると……
「ハァ……………」
思わず長いため息が出ちゃうよ。
もうすっぱりと切り離せばいいのに……、こんな状態が一番良くないのはわかってる。
わかってるのに、アルファルドが好きで好きで好き過ぎちゃって離れたくない。
でも色んなこと考えると、いつまでも踏ん切りがつかない。
優柔不断な自分がホント嫌になる。
暗黒竜の一件からすぐ、私はアカデミアを休学した。
もちろんエルナト先生に裏工作してもらって、一月の期間を確保した。
アルファルドにもオクタンにも、誰にも告げずに休学したから心配してるかな。
とにかく今はシリウスの姿になって、帝国で起きてる異変を調査中。
軍資金と回復薬は常備して、各地のギルドを回りながらおかしな事件が起きてないか自分の目で確かめてる。
この日は帝都の南部にある隣国との境目まで来てるけど……特にこれといった変化はなかった。
休学してから2週間が経った。
古びた宿屋で借りた部屋に荷物を置いて、シリウスの姿のまま一人用の狭い木のベッドに座って考える。
やっぱり、帝国っていうよりも帝都の方に異変が集中してる……
ミティストの舞台だから?
ゲームと違って、暗黒竜はレグルス様じゃなくてアルファルドが倒した。
本来からあの実技演習ではワイバーンが現れる予定だった。
しかも暗黒竜って最終戦目前のイベントで、その場にはもちろんポラリスもいて……、光属性の魔法で倒すんだけど。
アルファルドは今回の件で公爵なのに、〈竜殺し〉の二つ名も付いちゃったから、きっともう縁談とかも凄いんだろうなぁ……
ゲーム内容がめちゃくちゃだな……。全く違う話になっちゃってる。
その度に犠牲者も出てるし、ラムもそのせいで――
「ハァ……」
座ったままベッドに後ろ向きで倒れた。
未来を知ってるからって、全てを変えられるわけじゃない。でも今の段階で、私の一番の目的だった、アルファルドを救うってことは達成できた。
一応たまにアルファルドの様子は見に行ってるけど、遠くから見てるだけで会ってはないんだよね。
こうして少しずつ距離を空けていこうと思ってるんだ。どのみちもう長くはいられないし……
酷いし卑怯だし……、自分がどうしようもなく最低な奴だと思う。
あんなに私を好きでいてくれる人を、無情に突き放すなんてさ。
ベッドで横になって、ギリッと歯軋りした。
私が地位と名声を取り戻した今のアルファルドの側にずっといるには、これまで隠してきた様々な事を公にしていかなきゃ釣り合わない。
好きだからじゃあ結婚しましょう、なんて簡単にいくほど貴族の結婚は甘くないし。
でもそれは余りにリスクが多すぎるし、常に危険と隣合わせで生きていかなきゃいけない。
――私には、その覚悟がない。
今までアルファルドを救い出す為だけに、自分に関する色んなことを犠牲にして生きてきた。
でもそれができたのは、ここまでだってゴールが見えてたから……
もしこの先も、ってなった時に、私の気持ちが中途半端過ぎて踏み切れない。
本来の私を受け入れてもらえるかも分からない。
アルファルドをずっと騙してることも話してない。
そんな状態で、自分の人生を決断することなんてできないよ。
それに、このままデネボラが復活したらどうなるかもわからないのに。
何もかもが中途半端過ぎて、結局行き着く考えはアルファルドとの離別なんだよね。
ただ、この気持ちを抱えたままずっと暮らしていく事を考えると……
「ハァ……………」
思わず長いため息が出ちゃうよ。
もうすっぱりと切り離せばいいのに……、こんな状態が一番良くないのはわかってる。
わかってるのに、アルファルドが好きで好きで好き過ぎちゃって離れたくない。
でも色んなこと考えると、いつまでも踏ん切りがつかない。
優柔不断な自分がホント嫌になる。
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