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校外実技演習 8
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あの衝撃的な告白をきっかけに、アルファルドの接触がさらに増えた。
もう人前なんて関係なくて、周りの生徒の間で噂になるほどなんだよ。
ただアルファルドは全く気にしてなくて、私の方が狼狽えちゃうくらい積極的で……
この日は郊外実技演習でチーム組んで険しい山の中を歩いてた。ここは中級~上級レベルのモンスターが生息する場所。
「オクタン、アンカ、左右同時に防御魔法を展開。アルファルド、防御魔法解いたらインフェルノを打ってくれ」
「んと、了解」
「了解いたしましたわ」
「…あぁ」
中級防御魔法を左右からオクタンとアンカが展開し、モンスターが中央に集まり、それを解いた瞬間にアルファルドが最上級魔法を放った。
上級クラスになると敵も強力になって数も減る。ここにいるのも上級モンスター3体。
でも数の問題じゃなく、チーム組んでも倒すのは苦労するし結構厳しいんだよね。
インフェルノ放っても全滅しなくて、1体生き残って所々焼け焦げたままこっちに向かって突進してくる。
「…消えろ」
間髪入れずアルファルドから向かってくるモンスターに上級魔法連発して倒した。
目の前で丸焦げになるモンスターに背を向けてると、アルファルドは後方で指示出してた私の方へ真っ直ぐに向かってきた。
「アルファルド! やっぱお前って、――っ!」
すぐ目の前で止まったと思ったらガバッと抱きついてくる。
「…倒したぞ、アトリクス……」
「あ、あぁ……お疲れ、様」
もうそれだけで心臓バクバクもんで、オクタンやアンカが周りで顔赤くして見てるのなんてお構いなし。
「…褒めてくれ」
抱き着いたまま顔だけ離して、あの神秘的なオッドアイを細めて私の顔を覗き込んできてる。
はぁ……、めちゃくちゃイケメンだ。
アルファルドから抱きしめてくれてるなんて、すごく甘くて贅沢な抱擁。
「すげぇ、格好良かった。やっぱアルファルドは強いな」
「…お前は、強い奴の方がいいのか?」
スッと片手が伸びてきて私の頬に手を添える。それだけで心拍数が更に上がってく。
「いや、強くても強くなくても、お前ならなんでもいい……」
私もアルファルドの美貌に魅せられて、何も考えずに口から言葉が勝手に出てきちゃう。
「…そうか」
私の言葉に満足したのかアルファルドはフッと嬉しそうに笑って、綺麗に上がった口角に釘付けになる。
ふわぁ……! なんて綺麗な笑顔ッ。
美人は三日で飽きるって、あれは嘘だよ。
もう何度見ても全然飽きないし、それどころかどんどん惹かれていっちゃう。
頬に手を当てたまま形の良い唇が直ぐ側まで近づいて、私のこめかみ辺りに唇を寄せてる。
「――っ! ちょっ、アルファルド!」
アルファルドに軽くキスされて顔を真っ赤にしながら慌てて止めた。
さすがにそれはやりすぎだよ!!
ハッとして周りを見ると、オクタンとアンカが顔赤くしてバッと視線を反らしてるし。
うぅ……、アルファルドの気持ちが全開になっちゃって、めちゃくちゃ嬉しいのに正直困るんだよ。
「…嫌だったのか……」
手でアルファルドの胸を押して身体を離そうとしたら、眉を少し下げてしゅんとしてる。
あぁ~もうっ、なんでそんな顔するの!?
そんな顔されたらなんでも許しちゃいそうだよ!
「違う! 嫌なわけないだろ!? ただ、人前じゃちょっと……」
「…誰もいなければいいのか?」
「まぁな――え? やっ、そういう訳じゃっ!」
どうしよう……友情の定義が完全に壊れちゃってる!
ていうか、誰もいなければどうするつもりなの?!
誰もいなくったってイチャイチャするのはダメでしょ!?
「と、とりあえず、次の場所に移動するぞ! まだ演習中だっ!」
真っ赤になりながら離れると、背中に籠を背負って歩き出した。
「…んと、アート君…その…だ、大丈夫?」
「あ、あぁ……悪いな、オクタン。次行こうぜ」
「うん。んと、籠…反対だよ……?」
オクタンに指摘されて首を捻ると籠が逆さになって中身が下に落ちちゃってる。
「あ……」
「アート君…んと、本当に…大丈夫?」
「ん、ハァ……、ダメかもな……」
ため息ついて籠を背中から降ろして中身を入れ直した。
こりゃ重症だね。
お互い両想いなのに先に進めないなのがもどかしいよ。
あの衝撃的な告白をきっかけに、アルファルドの接触がさらに増えた。
もう人前なんて関係なくて、周りの生徒の間で噂になるほどなんだよ。
ただアルファルドは全く気にしてなくて、私の方が狼狽えちゃうくらい積極的で……
この日は郊外実技演習でチーム組んで険しい山の中を歩いてた。ここは中級~上級レベルのモンスターが生息する場所。
「オクタン、アンカ、左右同時に防御魔法を展開。アルファルド、防御魔法解いたらインフェルノを打ってくれ」
「んと、了解」
「了解いたしましたわ」
「…あぁ」
中級防御魔法を左右からオクタンとアンカが展開し、モンスターが中央に集まり、それを解いた瞬間にアルファルドが最上級魔法を放った。
上級クラスになると敵も強力になって数も減る。ここにいるのも上級モンスター3体。
でも数の問題じゃなく、チーム組んでも倒すのは苦労するし結構厳しいんだよね。
インフェルノ放っても全滅しなくて、1体生き残って所々焼け焦げたままこっちに向かって突進してくる。
「…消えろ」
間髪入れずアルファルドから向かってくるモンスターに上級魔法連発して倒した。
目の前で丸焦げになるモンスターに背を向けてると、アルファルドは後方で指示出してた私の方へ真っ直ぐに向かってきた。
「アルファルド! やっぱお前って、――っ!」
すぐ目の前で止まったと思ったらガバッと抱きついてくる。
「…倒したぞ、アトリクス……」
「あ、あぁ……お疲れ、様」
もうそれだけで心臓バクバクもんで、オクタンやアンカが周りで顔赤くして見てるのなんてお構いなし。
「…褒めてくれ」
抱き着いたまま顔だけ離して、あの神秘的なオッドアイを細めて私の顔を覗き込んできてる。
はぁ……、めちゃくちゃイケメンだ。
アルファルドから抱きしめてくれてるなんて、すごく甘くて贅沢な抱擁。
「すげぇ、格好良かった。やっぱアルファルドは強いな」
「…お前は、強い奴の方がいいのか?」
スッと片手が伸びてきて私の頬に手を添える。それだけで心拍数が更に上がってく。
「いや、強くても強くなくても、お前ならなんでもいい……」
私もアルファルドの美貌に魅せられて、何も考えずに口から言葉が勝手に出てきちゃう。
「…そうか」
私の言葉に満足したのかアルファルドはフッと嬉しそうに笑って、綺麗に上がった口角に釘付けになる。
ふわぁ……! なんて綺麗な笑顔ッ。
美人は三日で飽きるって、あれは嘘だよ。
もう何度見ても全然飽きないし、それどころかどんどん惹かれていっちゃう。
頬に手を当てたまま形の良い唇が直ぐ側まで近づいて、私のこめかみ辺りに唇を寄せてる。
「――っ! ちょっ、アルファルド!」
アルファルドに軽くキスされて顔を真っ赤にしながら慌てて止めた。
さすがにそれはやりすぎだよ!!
ハッとして周りを見ると、オクタンとアンカが顔赤くしてバッと視線を反らしてるし。
うぅ……、アルファルドの気持ちが全開になっちゃって、めちゃくちゃ嬉しいのに正直困るんだよ。
「…嫌だったのか……」
手でアルファルドの胸を押して身体を離そうとしたら、眉を少し下げてしゅんとしてる。
あぁ~もうっ、なんでそんな顔するの!?
そんな顔されたらなんでも許しちゃいそうだよ!
「違う! 嫌なわけないだろ!? ただ、人前じゃちょっと……」
「…誰もいなければいいのか?」
「まぁな――え? やっ、そういう訳じゃっ!」
どうしよう……友情の定義が完全に壊れちゃってる!
ていうか、誰もいなければどうするつもりなの?!
誰もいなくったってイチャイチャするのはダメでしょ!?
「と、とりあえず、次の場所に移動するぞ! まだ演習中だっ!」
真っ赤になりながら離れると、背中に籠を背負って歩き出した。
「…んと、アート君…その…だ、大丈夫?」
「あ、あぁ……悪いな、オクタン。次行こうぜ」
「うん。んと、籠…反対だよ……?」
オクタンに指摘されて首を捻ると籠が逆さになって中身が下に落ちちゃってる。
「あ……」
「アート君…んと、本当に…大丈夫?」
「ん、ハァ……、ダメかもな……」
ため息ついて籠を背中から降ろして中身を入れ直した。
こりゃ重症だね。
お互い両想いなのに先に進めないなのがもどかしいよ。
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