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エルナト先生との旅路 12
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長い長い謁見が終わってようやくご馳走が食べられるよ!
もうお腹ペコペコで話しの間もお腹が鳴っててずっと抑えてたからさ。
沢山動いたし魔力もまだ全回復してないから、とにかく目の前に並べられたご馳走を片っ端から平らげていく。
「アトリクス君。良く食べますね…」
反対側で食事をしてたエルナト先生も呆れ顔で私が食べる姿を見てる。
「いや~、沢山動きましたから物凄くお腹が空いてて…待ちきれませんでしたよ!」
話し終わった後もまた口の中にお肉を突っ込んでいく。
「そうですか…では好きなだけ召し上がって下さい」
「はい!そのつもりです」
あれだけ頑張ったんだから、いくら食べても文句は言わせないよ!
食後のデザートもきっちり食べて、大満足で自分の部屋まで戻った。
◇
次の日は前の日の疲れもあって、魔力もまだ全回復してなくてベッドの上でダラダラして寝たり休んだり…。
エルナト先生は遺跡の資料をまとめるからってずっと部屋に閉じ籠もってた。
王様もお城に帰ったみたいで、豪華な馬車で引き上げて行くのを見送った。
もうやることも終わったし、後は帰るだけ。
結局一週間くらいの滞在で終わったね。
明日、頼んでた商品を取りに行ったら私はそのまま帰る予定。
本来なら往復の移動だけで2週間ほどかかるところを、かなり短縮して来たから余計に日程が早まった。
大変だったし危ないこともあったけど、いい気分転換にはなったかな…。
少しの間アルファルドとも離れて、気持ちも落ち着いたのかと思ったのに、思い出した途端ものすごく会いたい気持ちが膨らんでくる。
一週間か。アルファルドは私の事、ちょっとは思ってくれたかな?
ダラダラとベッドの上でクッションに抱き着きながら考えてる。
好きだって自覚するようになってから、さらにヒドくなってる気がする。
はぁ……会いたいな…。
会って思いっきりギュ~って抱きしめられたい。それで抱きしめられながら、「…お前に会いたかった」なんて言われたらもう最高なんだけどなぁ…。
色々妄想したけど、さすがにそれはないな…。
確かに最近のアルファルドはすごく距離も近くなったし、人前でも割と触れてくれるようになったけど、そこまではしないね。
どっちかっていうとアルファルドは受け身タイプだから、自分から積極的にグイグイ来るタイプじゃないんだよね。
ゴロゴロっとベッドで仰向けになって、歴史的価値でもありそうな天井に描かれてる絵をボケ~っと眺めてた。
「ハァ……」
結局離れて気持ちを落ち着かせたいなんて思ってても、少し離れてただけで会いたくなる。
こんな気持ちになってるのもきっと私だけなのに。
目を閉じて色々考えてたら、知らない間にまた寝ちゃってたみたい。
そしたら今度は夜中に全然寝れなくなって、また悶々と考えるだけの長い夜が更けていった。
最終日。
エルナト先生とまた市場へと来てる。
目立たないように深緑色のローブを貸してもらって、フードも被って前に頼んだお店を訪れた。
私とエルナト先生が一緒にいるとすごく目立つみたいで、周りの視線とか鬱陶しいからフードは必需品なんだ。
「ありがとう御座いました!」
お店の人が出来たアクセサリーを出してくれて、確認したあと包装までしてくれた。
受け取ると上機嫌で荷物の袋に仕舞う。
「お望み通りに仕上がってましたか?」
「はい!とっても気に入りました!」
予想以上に良く出来てて、ニコニコしながらお店を後にしてまた馬車へと乗り込む。
「エルナト先生は馬車で帰られるんですね?」
「えぇ、その予定です。あまり早く帰っても怪しまれますからね」
「え?じゃあ俺も合わせたほうがいいですか?」
「その必要はありません。あなたが先に帰った事にすればいいだけですから」
馬車に揺られながらそうか、と思う。
私の役目だと二日目くらいで解読も終わってたからなぁ。それにしたって着くのが早すぎだけど、気にする人なんて誰もいないだろうし…関係ないか。
「わかりました。じゃあ俺このまま荷物取ったら帰ります。エルナト先生も気を付けて帰って下さい」
「ありがとうございます。あなたこそ道中お気を付けて。恐らく今日中には着くことでしょうね」
「んー、そうですね。俺一人だけなら半日程度で着くと思いますよ?」
「…あなたと話していると、自分の感覚がおかしくなりそうです」
呆れたように言われながら、先生は馬車の座席でため息ついてる。
「それと、私との事お忘れではありませんよね?急ぎませんが、きちんと考えて下さいね」
「…っ」
気を取り直したかのように釘を刺される。
うっ…忘れてた訳じゃないけど…考えないようにしてたのに…。
「…はい。…もちろんです…」
「よろしくお願い致します」
またにっこりと笑顔で返されて、返答に困っちゃう。
また一つ難題が増えたな…。とりあえず今、このことは保留だね。
誤魔化すように窓の外に視線を移して旅を振り返る。
色々あった旅路だったな。
危険な目にあったし、未知の生物にも会った…。
でも、久々のんびりもできたから良かったのかな?
ガタゴトと馬車に揺られて、外の景色を眺める。
とりあえず家に着くまでが遠足だからね。油断しないで帰ろうっと!
長い長い謁見が終わってようやくご馳走が食べられるよ!
もうお腹ペコペコで話しの間もお腹が鳴っててずっと抑えてたからさ。
沢山動いたし魔力もまだ全回復してないから、とにかく目の前に並べられたご馳走を片っ端から平らげていく。
「アトリクス君。良く食べますね…」
反対側で食事をしてたエルナト先生も呆れ顔で私が食べる姿を見てる。
「いや~、沢山動きましたから物凄くお腹が空いてて…待ちきれませんでしたよ!」
話し終わった後もまた口の中にお肉を突っ込んでいく。
「そうですか…では好きなだけ召し上がって下さい」
「はい!そのつもりです」
あれだけ頑張ったんだから、いくら食べても文句は言わせないよ!
食後のデザートもきっちり食べて、大満足で自分の部屋まで戻った。
◇
次の日は前の日の疲れもあって、魔力もまだ全回復してなくてベッドの上でダラダラして寝たり休んだり…。
エルナト先生は遺跡の資料をまとめるからってずっと部屋に閉じ籠もってた。
王様もお城に帰ったみたいで、豪華な馬車で引き上げて行くのを見送った。
もうやることも終わったし、後は帰るだけ。
結局一週間くらいの滞在で終わったね。
明日、頼んでた商品を取りに行ったら私はそのまま帰る予定。
本来なら往復の移動だけで2週間ほどかかるところを、かなり短縮して来たから余計に日程が早まった。
大変だったし危ないこともあったけど、いい気分転換にはなったかな…。
少しの間アルファルドとも離れて、気持ちも落ち着いたのかと思ったのに、思い出した途端ものすごく会いたい気持ちが膨らんでくる。
一週間か。アルファルドは私の事、ちょっとは思ってくれたかな?
ダラダラとベッドの上でクッションに抱き着きながら考えてる。
好きだって自覚するようになってから、さらにヒドくなってる気がする。
はぁ……会いたいな…。
会って思いっきりギュ~って抱きしめられたい。それで抱きしめられながら、「…お前に会いたかった」なんて言われたらもう最高なんだけどなぁ…。
色々妄想したけど、さすがにそれはないな…。
確かに最近のアルファルドはすごく距離も近くなったし、人前でも割と触れてくれるようになったけど、そこまではしないね。
どっちかっていうとアルファルドは受け身タイプだから、自分から積極的にグイグイ来るタイプじゃないんだよね。
ゴロゴロっとベッドで仰向けになって、歴史的価値でもありそうな天井に描かれてる絵をボケ~っと眺めてた。
「ハァ……」
結局離れて気持ちを落ち着かせたいなんて思ってても、少し離れてただけで会いたくなる。
こんな気持ちになってるのもきっと私だけなのに。
目を閉じて色々考えてたら、知らない間にまた寝ちゃってたみたい。
そしたら今度は夜中に全然寝れなくなって、また悶々と考えるだけの長い夜が更けていった。
最終日。
エルナト先生とまた市場へと来てる。
目立たないように深緑色のローブを貸してもらって、フードも被って前に頼んだお店を訪れた。
私とエルナト先生が一緒にいるとすごく目立つみたいで、周りの視線とか鬱陶しいからフードは必需品なんだ。
「ありがとう御座いました!」
お店の人が出来たアクセサリーを出してくれて、確認したあと包装までしてくれた。
受け取ると上機嫌で荷物の袋に仕舞う。
「お望み通りに仕上がってましたか?」
「はい!とっても気に入りました!」
予想以上に良く出来てて、ニコニコしながらお店を後にしてまた馬車へと乗り込む。
「エルナト先生は馬車で帰られるんですね?」
「えぇ、その予定です。あまり早く帰っても怪しまれますからね」
「え?じゃあ俺も合わせたほうがいいですか?」
「その必要はありません。あなたが先に帰った事にすればいいだけですから」
馬車に揺られながらそうか、と思う。
私の役目だと二日目くらいで解読も終わってたからなぁ。それにしたって着くのが早すぎだけど、気にする人なんて誰もいないだろうし…関係ないか。
「わかりました。じゃあ俺このまま荷物取ったら帰ります。エルナト先生も気を付けて帰って下さい」
「ありがとうございます。あなたこそ道中お気を付けて。恐らく今日中には着くことでしょうね」
「んー、そうですね。俺一人だけなら半日程度で着くと思いますよ?」
「…あなたと話していると、自分の感覚がおかしくなりそうです」
呆れたように言われながら、先生は馬車の座席でため息ついてる。
「それと、私との事お忘れではありませんよね?急ぎませんが、きちんと考えて下さいね」
「…っ」
気を取り直したかのように釘を刺される。
うっ…忘れてた訳じゃないけど…考えないようにしてたのに…。
「…はい。…もちろんです…」
「よろしくお願い致します」
またにっこりと笑顔で返されて、返答に困っちゃう。
また一つ難題が増えたな…。とりあえず今、このことは保留だね。
誤魔化すように窓の外に視線を移して旅を振り返る。
色々あった旅路だったな。
危険な目にあったし、未知の生物にも会った…。
でも、久々のんびりもできたから良かったのかな?
ガタゴトと馬車に揺られて、外の景色を眺める。
とりあえず家に着くまでが遠足だからね。油断しないで帰ろうっと!
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