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ドラコニス公爵家救済計画 15
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結局また二度寝して、目を覚ますとまた二人して寄り添うように寝てて……
公爵家の食卓でまたリタさんにからかわれることになる。
「だからさ、アートはもううちの子になんなっ!」
4人で食事を囲んで食べながら、リタさんはまた昨日と同じ過激な発言を淡々と言って退けてる。
美味しい朝ごはんを食べてて返答に困っちゃう。
「俺もそうしたいし、リタさんのご飯毎日食べたいけど……一応規則だから難しいんだよね」
そう、アカデミアは原則寮暮らし。
なぜかは判らないけどそう決まってる。
ま、近いし待遇もいいからありがたい限りだけど。
「あ、そういえば……結局なんでアルファルドは自宅通いなんだ?」
「…アカデミア側に、拒否されたからだ」
普通に平然と話してるアルファルドだけど、私はショックを隠しきれなかった。
「――…なんだ、それ……」
「…俺も通う気はなかったが、アカデミア側から寮生活は出来ないと言われた。理由は言わなくてもわかると思うが……」
食事の手も止まってアルファルドの方をジッと見てた。
「アルファルド……」
「…俺としてはその方が良かった。まさかお前が、俺と同室になりたいと思ってたとは思わなかったがな」
アルファルドはそれでいいの?
アカデミア側が拒否するって、やっぱり皇帝が裏から手を回してるのかな……。レグルス様もいるし。
どこまでアルファルドを除け者にすれば気が済むんだろう……許せない。
「…お前が気に病むな。俺は好都合だった……」
「でも、俺……そのために頑張ったのに!」
「…お前が首位になると、なぜ俺と同室になれるんだ?」
「だから裏から手を回してっ……」
ダメダメっ!!
最近気が緩んでるのか、失言が多くて困るなぁ……危うく全部バラすとこだったよ。
「…裏?」
「あ……っと、まぁそれは過ぎたことだからいいや。それよりアルファルド、今日って時間空いてるか?」
冷や汗掻きながら話題を急いですり替える。
こっちを見てたアルファルドも不思議そうにしてたけど、聞かれた質問に気を取られて何とか誤魔化した。
「…今日か? …いつも通り、ギルドに行こうとしてただけだから、問題ないが」
「本当か? じゃあ今日俺とデートしようぜ!」
「…でーと?」
アルファルドは初めて聞いた言葉みたいに首を傾けて、はてなマークをたくさん出してるように見える。
ん? もしかしてアルファルドはデートがわからないのかな?
「俺に休日一日くれって、お願いしてただろ?」
「………あぁ、それか」
うーん、本格的に女慣れさせないとダメかな?
でも私はもう女にならないし、どうしたもんかな。
「とりあえず準備はできてるから、あとはお前次第なんだ」
「…お前の用事とは、そのことだったのか?」
「え?」
「…昨日朝一で用事があると言ってたが……」
あー……、そんなこと言ってたね。
あれはお泊りしたくなかったから、適当に出した言い訳だってんだけど。
「うん! そうなんだ。アルファルドが無理そうなら、違う日にしようと思ってけどさ」
「……」
「アルファルド?」
なぜか無言になったアルファルド。
あれ?今度は何だろう??
「…アトリクス。今度から休日は泊まりに来ればいい」
「へ……?? な、なんで急にそうなるんだ!?」
「…俺に遠慮してるだろ? お前1人増えたくらいで、特に問題はない」
「え? ……いや、ちょっと待て!」
どうしたらそうなるの??
アルファルドってどういう解釈してるの!? 逆なんだよ、逆!
泊まりたいんだけど、泊まりたくないの! 襲っちゃうんだよ貴方を!!
いくら親友でも我慢の限界はあるからね!
しかも休日って私もシリウスとして冒険者活動してるし、商品開発とかタウリと合流して小瓶回収したり、アルファ商会の書類業務とかもこなしてるから結構多忙なんだよ。
コホン、と咳払いして、アルファルドを見つめた。
「ありがとなアルファルド! すげぇ嬉しいんだけど、平民の俺が毎回外泊届け出してるとアカデミア側から煩くて……だからたまにしか泊まれないんだ……。俺はお前と一緒にいたいんだけどさ……」
上座に座ってるアルファルドに向けてうるうるとした目で見て、本当は泊まりたいって気持ちを全面に出してみる。
「……そうか」
アルファルドが落胆してるのがよく分かるよ。
もうそれだけで嬉しいし! 昨日の虚しさが解消されるよ。アルファルドも私といたいって思ってくれてるんだよね。もちろん親友としてだけどさ。
「ホントごめんな。だから今日は思いっきり遊ぼうぜ? 用事が済んでからだけどな!」
「…遊ぶ……?」
「うん! 俺がプラン考えるから、お前は俺と一緒についてきてくれ!」
「……」
「俺と一緒じゃ嫌か?」
また切なげな目で見ると、うっとアルファルドは考えてからまた私を見てる。
「…わかった……」
了承してくれたのが嬉しくて、アルファルドにニコニコと笑顔を向けた。
「めちゃくちゃ嬉しいっ!! ありがとな、アルファルド!」
アルファルドはプイッとそっぽ向いてて、でも髪から出てる耳は赤くなってた。
やっぱりアルファルドって可愛いな~。
「アート、いいよ! もっとぐいぐい攻めなっ」
反対側で座って、ニッと笑って親指を上に立ててるリタさん。
えーっと、私とアルファルドにどうなってほしいんだろう……
私って今は男なんだけど――
ニカッと笑ってるリタさんに、控えめな笑顔を向ける。
ごめんなさいリタさん。たぶん望んでる通りにはできないと思いますよ。
ドラコニス公爵家の食卓は今日も波瀾万丈だった。
結局また二度寝して、目を覚ますとまた二人して寄り添うように寝てて……
公爵家の食卓でまたリタさんにからかわれることになる。
「だからさ、アートはもううちの子になんなっ!」
4人で食事を囲んで食べながら、リタさんはまた昨日と同じ過激な発言を淡々と言って退けてる。
美味しい朝ごはんを食べてて返答に困っちゃう。
「俺もそうしたいし、リタさんのご飯毎日食べたいけど……一応規則だから難しいんだよね」
そう、アカデミアは原則寮暮らし。
なぜかは判らないけどそう決まってる。
ま、近いし待遇もいいからありがたい限りだけど。
「あ、そういえば……結局なんでアルファルドは自宅通いなんだ?」
「…アカデミア側に、拒否されたからだ」
普通に平然と話してるアルファルドだけど、私はショックを隠しきれなかった。
「――…なんだ、それ……」
「…俺も通う気はなかったが、アカデミア側から寮生活は出来ないと言われた。理由は言わなくてもわかると思うが……」
食事の手も止まってアルファルドの方をジッと見てた。
「アルファルド……」
「…俺としてはその方が良かった。まさかお前が、俺と同室になりたいと思ってたとは思わなかったがな」
アルファルドはそれでいいの?
アカデミア側が拒否するって、やっぱり皇帝が裏から手を回してるのかな……。レグルス様もいるし。
どこまでアルファルドを除け者にすれば気が済むんだろう……許せない。
「…お前が気に病むな。俺は好都合だった……」
「でも、俺……そのために頑張ったのに!」
「…お前が首位になると、なぜ俺と同室になれるんだ?」
「だから裏から手を回してっ……」
ダメダメっ!!
最近気が緩んでるのか、失言が多くて困るなぁ……危うく全部バラすとこだったよ。
「…裏?」
「あ……っと、まぁそれは過ぎたことだからいいや。それよりアルファルド、今日って時間空いてるか?」
冷や汗掻きながら話題を急いですり替える。
こっちを見てたアルファルドも不思議そうにしてたけど、聞かれた質問に気を取られて何とか誤魔化した。
「…今日か? …いつも通り、ギルドに行こうとしてただけだから、問題ないが」
「本当か? じゃあ今日俺とデートしようぜ!」
「…でーと?」
アルファルドは初めて聞いた言葉みたいに首を傾けて、はてなマークをたくさん出してるように見える。
ん? もしかしてアルファルドはデートがわからないのかな?
「俺に休日一日くれって、お願いしてただろ?」
「………あぁ、それか」
うーん、本格的に女慣れさせないとダメかな?
でも私はもう女にならないし、どうしたもんかな。
「とりあえず準備はできてるから、あとはお前次第なんだ」
「…お前の用事とは、そのことだったのか?」
「え?」
「…昨日朝一で用事があると言ってたが……」
あー……、そんなこと言ってたね。
あれはお泊りしたくなかったから、適当に出した言い訳だってんだけど。
「うん! そうなんだ。アルファルドが無理そうなら、違う日にしようと思ってけどさ」
「……」
「アルファルド?」
なぜか無言になったアルファルド。
あれ?今度は何だろう??
「…アトリクス。今度から休日は泊まりに来ればいい」
「へ……?? な、なんで急にそうなるんだ!?」
「…俺に遠慮してるだろ? お前1人増えたくらいで、特に問題はない」
「え? ……いや、ちょっと待て!」
どうしたらそうなるの??
アルファルドってどういう解釈してるの!? 逆なんだよ、逆!
泊まりたいんだけど、泊まりたくないの! 襲っちゃうんだよ貴方を!!
いくら親友でも我慢の限界はあるからね!
しかも休日って私もシリウスとして冒険者活動してるし、商品開発とかタウリと合流して小瓶回収したり、アルファ商会の書類業務とかもこなしてるから結構多忙なんだよ。
コホン、と咳払いして、アルファルドを見つめた。
「ありがとなアルファルド! すげぇ嬉しいんだけど、平民の俺が毎回外泊届け出してるとアカデミア側から煩くて……だからたまにしか泊まれないんだ……。俺はお前と一緒にいたいんだけどさ……」
上座に座ってるアルファルドに向けてうるうるとした目で見て、本当は泊まりたいって気持ちを全面に出してみる。
「……そうか」
アルファルドが落胆してるのがよく分かるよ。
もうそれだけで嬉しいし! 昨日の虚しさが解消されるよ。アルファルドも私といたいって思ってくれてるんだよね。もちろん親友としてだけどさ。
「ホントごめんな。だから今日は思いっきり遊ぼうぜ? 用事が済んでからだけどな!」
「…遊ぶ……?」
「うん! 俺がプラン考えるから、お前は俺と一緒についてきてくれ!」
「……」
「俺と一緒じゃ嫌か?」
また切なげな目で見ると、うっとアルファルドは考えてからまた私を見てる。
「…わかった……」
了承してくれたのが嬉しくて、アルファルドにニコニコと笑顔を向けた。
「めちゃくちゃ嬉しいっ!! ありがとな、アルファルド!」
アルファルドはプイッとそっぽ向いてて、でも髪から出てる耳は赤くなってた。
やっぱりアルファルドって可愛いな~。
「アート、いいよ! もっとぐいぐい攻めなっ」
反対側で座って、ニッと笑って親指を上に立ててるリタさん。
えーっと、私とアルファルドにどうなってほしいんだろう……
私って今は男なんだけど――
ニカッと笑ってるリタさんに、控えめな笑顔を向ける。
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