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リブラ星夜祭 5
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即席でアルファルドにアリス呼びを定着させて、私がいなくならないことに安心したアルファルドは公爵邸へと戻って行った。
私はそのまま湖の周辺を散策。何もなかったけどゆっくりできて気分転換になったよ。
休日だとどうしても冒険者ギルドに足を運んだり、商品開発で寮に籠もり切りとかになっちゃうからな……
よくよく考えると休んでないよね。
それが当たり前みたいになってたからなぁ……完全に前世の感覚だよね。
「アー……おっと、アリス。そろそろ都市部まで移動するよ」
外の空気を堪能してた私をリタさんが呼びに来た。もう夕暮れ近くになってきてる。
「はい。あ……私、この格好で大丈夫ですか? ドレスみたいなのは用意してなくて……」
ロングコートの下は結構薄着だから、行くならこの格好のままになっちゃうな。特別な服って何も用意してない。
「そのままでも大丈夫だけど、いいのがあるよ。公爵領の民族衣装さ」
「民族衣装?」
「その服の上に羽織るだけで結構見栄えがいいよ!」
「ん??」
リタさんが私に向かってパチッとウインクしてた。
◇
馬車で移動した場所はドラコニス公爵領の都市リブラの中心部。
と言っても寂れた感じの物悲しい場所。夕日が写ってオレンジ色で……よけいに寂しく見える。
馬車の窓から外の景色を見てた。
広場みたいな場所にランタンが沢山街を彩るように飾ってあって、領地が書いた木版がすでに中央に飾られてた。
老人も多いけど若者の姿もわりとあって、手を繋いでる恋人同士もいた。
いいなぁ……羨ましい……
幸せそうに寄り添って手も繋いで、笑いながら見つめ合って…心から愛し合ってる感じで幸せに溢れてるよね……
窓の外を眺めながら、なぜだか悲しい気分。
女になってもアルファルドの反応もいまいちだったし、虫除けみたいな役割じゃなきゃ私に触れようともしてこなかった…。
なんか落ち込む……そんなに魅力ないかな?
段々薄暗くなる夜空のせいか、考えも暗くなる。
「…アト……アリス、どうした?」
よっぽどダーリンとハニー呼びが嫌なのか、アルファルドは頑張ってアリスって言ってくれてる。
ずっと窓の外ばっかり見てたからか、不思議そうに問いかけてきた。
「んー……別に……」
視線も合わせないで、外見ながら適当に答える。
言っても仕方ないことまで言うほどバカじゃない。
男になってから、女でいることの喜びなんて捨ててたし。こうして元に戻ると考えまで女になって嫌だな。
「…疲れたか?」
反対側の席に座って私を見てたアルファルドが、心配そうに話しかけてくる。
「ううん、大丈夫! 久しぶりのお祭りだから見てただけ」
アルファルドの方を向いて、ニコッと笑う。そしてまたすぐ外に視線を移した。
これからそのバカ女の相手もしなくちゃいけないってなると……げんなりしちゃうな……
まぁアルファルドの為だから仕方ない。一肌脱ぐか。
「アリス、もう会場に着くよ。これ羽織りなよ」
リタさんが荷物の袋の中から出してくれたのは、色鮮やかな羽織りだった。
形が着物の上掛けみたいで着るとすごく軽い。
「わぁー……、すごく綺麗……」
「いいね~、アリスが着るととっても映えるね。今じゃ着る人もいなくなったからねぇ」
リタさんが私を見ながらしみじみ呟いてる。
「お借りして大丈夫なんですか? 汚しちゃいそう」
「気にしなくていいよ。それはね、先代の奥様が着てらしたのさ……」
「えぇ!? そんな貴重なもの私なんかが……やっぱり脱ぎますよ!」
「いや、着ておくれ。たまには人が着ないと駄目になるからね。アリスに着てもらえると嬉しいよ」
「でも……」
チラリとアルファルドを見た。
大丈夫かな?
お母さんの話し出してるけど……しかも忘れ形見を着るなんて怒ってない?
アルファルドもこっちを見てるけど、なに考えてるかわからない。
「ねっ、旦那様! 今日は見せつける為にも良いだろう?」
「…あぁ、そうだな」
普通に返事返してるけど複雑だよ。
馬車も止まっていよいよ会場に着く。
沢山の人が集まってて、その真ん中の広場には木版が空高くキャンプファイアみたいに組まれてる。
その周りには松明も何箇所か炊かれてかなり明るい。
ベッテルさんが馬車の扉を開けて、アルファルドが先に降りる。
「公爵様! ようこそおいで下さいました!」
「しばらく見ない間に随分と立派になられた……先代を見てるようですぞ……」
「ささっ、こちらへどうぞ!」
重役なのか家臣なのかわからないけど、アルファルドを席に誘導してる。
リタさんも降りて、私も馬車から降りる。
「…アリス」
自分だけ席に移動しないで、ちゃんと待って手を出してエスコートしてくれた。
嬉しい……! 嫌がられても頑張って指導した甲斐があったよ。
にこやかに微笑んでアルファルドの手に自分の手を重ねる。
「こ、公爵様っ……そちらの……じょ、女性は……」
「しかもその衣装!」
「つ、ついにご婚約なされたのですか!?」
手を取って降りてきた私を見て、ご老人達が偉い形相で捲し立ててくる。
外へと降りると、アルファルドにすかさず肩に手を回されて抱き寄せられる。
えっ……!! なに? 何が起きたの!?
「…あぁ、そうだ」
「――!!」
横に立ったままアルファルドを驚きの表情で見上げる。
いや、待って!?
恋人設定が、なぜか婚約者に変わってるんだけど?!
それって同じようで全く違うからね!!
「あ、アルファルド……婚約者って……」
小声でボソッと呟くけど、正面向いててまるで聞いてない。
「なんとなんとっ!! これはめでたい!!」
「星夜祭に相応しい慶事ですな~!」
「今夜は宴だー!! 盛大に催すぞー!!」
周りにいた領民達も騒ぎ始めて、もう収集がつかない感じになってる。
「さっ、こちらへどうぞ領主様! ご婚約者様も、只今席を用意致します!」
「あ……、いえ。お構いなく……」
近くにいたリタさんとベッテルさんに助けを求めるけど、親指上に立ててウインクしてるし……良くやった! みたいなのやめてほしい……どうするんだよ、これ。
肩を抱かれて移動してる私達を嬉しそうに眺めてる領民達。
会場は本当にこじんまりしてて、大きな広場のど真ん中に木版が沢山積み重ねられてて、そこまで肩を抱かれながら移動してる。
えーっと、知らないよ? 後でどうなっても……
広場の真ん中に席が急いで用意されて、しかもアルファルドの隣の席で……今さら嘘でしたー、な~んて言える雰囲気じゃないよね。
アルファルドに促されるまま席に付くけど、めちゃくちゃ皆から注目されてて、見世物みたいになってる。
ベッテルさんとリタさんは脇の少し離れた席に案内されてた。
「では公爵様、こちらの木版に願いを書き、皆のものと共に星へと届けて下され……」
渡された短冊くらいの大きさの木版に、アルファルドが筆でさらさらと書いていく。
「宜しかったらご婚約者様もどうぞ! 是非互いの真名を書いて星へと届けて下さい!」
結構若めの男の人が私にも木版と筆を渡してくれた。
名前か……、どの名前を書けばいいのか悩むところだね……
「ありがとうございます」
渡してくれた男性にニコッと微笑むと、赤い顔して照れたような仕草をしてる。
「い、いえ……とんでも、ございません」
なかなか良い反応してくれるね。落ち込んでた気分がちょっとは上がったよ。
受け取った木版にアルファルドと自分の名前を書いていく。もちろん私の名前は偽名だけど。
即席でアルファルドにアリス呼びを定着させて、私がいなくならないことに安心したアルファルドは公爵邸へと戻って行った。
私はそのまま湖の周辺を散策。何もなかったけどゆっくりできて気分転換になったよ。
休日だとどうしても冒険者ギルドに足を運んだり、商品開発で寮に籠もり切りとかになっちゃうからな……
よくよく考えると休んでないよね。
それが当たり前みたいになってたからなぁ……完全に前世の感覚だよね。
「アー……おっと、アリス。そろそろ都市部まで移動するよ」
外の空気を堪能してた私をリタさんが呼びに来た。もう夕暮れ近くになってきてる。
「はい。あ……私、この格好で大丈夫ですか? ドレスみたいなのは用意してなくて……」
ロングコートの下は結構薄着だから、行くならこの格好のままになっちゃうな。特別な服って何も用意してない。
「そのままでも大丈夫だけど、いいのがあるよ。公爵領の民族衣装さ」
「民族衣装?」
「その服の上に羽織るだけで結構見栄えがいいよ!」
「ん??」
リタさんが私に向かってパチッとウインクしてた。
◇
馬車で移動した場所はドラコニス公爵領の都市リブラの中心部。
と言っても寂れた感じの物悲しい場所。夕日が写ってオレンジ色で……よけいに寂しく見える。
馬車の窓から外の景色を見てた。
広場みたいな場所にランタンが沢山街を彩るように飾ってあって、領地が書いた木版がすでに中央に飾られてた。
老人も多いけど若者の姿もわりとあって、手を繋いでる恋人同士もいた。
いいなぁ……羨ましい……
幸せそうに寄り添って手も繋いで、笑いながら見つめ合って…心から愛し合ってる感じで幸せに溢れてるよね……
窓の外を眺めながら、なぜだか悲しい気分。
女になってもアルファルドの反応もいまいちだったし、虫除けみたいな役割じゃなきゃ私に触れようともしてこなかった…。
なんか落ち込む……そんなに魅力ないかな?
段々薄暗くなる夜空のせいか、考えも暗くなる。
「…アト……アリス、どうした?」
よっぽどダーリンとハニー呼びが嫌なのか、アルファルドは頑張ってアリスって言ってくれてる。
ずっと窓の外ばっかり見てたからか、不思議そうに問いかけてきた。
「んー……別に……」
視線も合わせないで、外見ながら適当に答える。
言っても仕方ないことまで言うほどバカじゃない。
男になってから、女でいることの喜びなんて捨ててたし。こうして元に戻ると考えまで女になって嫌だな。
「…疲れたか?」
反対側の席に座って私を見てたアルファルドが、心配そうに話しかけてくる。
「ううん、大丈夫! 久しぶりのお祭りだから見てただけ」
アルファルドの方を向いて、ニコッと笑う。そしてまたすぐ外に視線を移した。
これからそのバカ女の相手もしなくちゃいけないってなると……げんなりしちゃうな……
まぁアルファルドの為だから仕方ない。一肌脱ぐか。
「アリス、もう会場に着くよ。これ羽織りなよ」
リタさんが荷物の袋の中から出してくれたのは、色鮮やかな羽織りだった。
形が着物の上掛けみたいで着るとすごく軽い。
「わぁー……、すごく綺麗……」
「いいね~、アリスが着るととっても映えるね。今じゃ着る人もいなくなったからねぇ」
リタさんが私を見ながらしみじみ呟いてる。
「お借りして大丈夫なんですか? 汚しちゃいそう」
「気にしなくていいよ。それはね、先代の奥様が着てらしたのさ……」
「えぇ!? そんな貴重なもの私なんかが……やっぱり脱ぎますよ!」
「いや、着ておくれ。たまには人が着ないと駄目になるからね。アリスに着てもらえると嬉しいよ」
「でも……」
チラリとアルファルドを見た。
大丈夫かな?
お母さんの話し出してるけど……しかも忘れ形見を着るなんて怒ってない?
アルファルドもこっちを見てるけど、なに考えてるかわからない。
「ねっ、旦那様! 今日は見せつける為にも良いだろう?」
「…あぁ、そうだな」
普通に返事返してるけど複雑だよ。
馬車も止まっていよいよ会場に着く。
沢山の人が集まってて、その真ん中の広場には木版が空高くキャンプファイアみたいに組まれてる。
その周りには松明も何箇所か炊かれてかなり明るい。
ベッテルさんが馬車の扉を開けて、アルファルドが先に降りる。
「公爵様! ようこそおいで下さいました!」
「しばらく見ない間に随分と立派になられた……先代を見てるようですぞ……」
「ささっ、こちらへどうぞ!」
重役なのか家臣なのかわからないけど、アルファルドを席に誘導してる。
リタさんも降りて、私も馬車から降りる。
「…アリス」
自分だけ席に移動しないで、ちゃんと待って手を出してエスコートしてくれた。
嬉しい……! 嫌がられても頑張って指導した甲斐があったよ。
にこやかに微笑んでアルファルドの手に自分の手を重ねる。
「こ、公爵様っ……そちらの……じょ、女性は……」
「しかもその衣装!」
「つ、ついにご婚約なされたのですか!?」
手を取って降りてきた私を見て、ご老人達が偉い形相で捲し立ててくる。
外へと降りると、アルファルドにすかさず肩に手を回されて抱き寄せられる。
えっ……!! なに? 何が起きたの!?
「…あぁ、そうだ」
「――!!」
横に立ったままアルファルドを驚きの表情で見上げる。
いや、待って!?
恋人設定が、なぜか婚約者に変わってるんだけど?!
それって同じようで全く違うからね!!
「あ、アルファルド……婚約者って……」
小声でボソッと呟くけど、正面向いててまるで聞いてない。
「なんとなんとっ!! これはめでたい!!」
「星夜祭に相応しい慶事ですな~!」
「今夜は宴だー!! 盛大に催すぞー!!」
周りにいた領民達も騒ぎ始めて、もう収集がつかない感じになってる。
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アルファルドに促されるまま席に付くけど、めちゃくちゃ皆から注目されてて、見世物みたいになってる。
ベッテルさんとリタさんは脇の少し離れた席に案内されてた。
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渡された短冊くらいの大きさの木版に、アルファルドが筆でさらさらと書いていく。
「宜しかったらご婚約者様もどうぞ! 是非互いの真名を書いて星へと届けて下さい!」
結構若めの男の人が私にも木版と筆を渡してくれた。
名前か……、どの名前を書けばいいのか悩むところだね……
「ありがとうございます」
渡してくれた男性にニコッと微笑むと、赤い顔して照れたような仕草をしてる。
「い、いえ……とんでも、ございません」
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