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終末…その後 1
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パチッと目を醒ました。
ものすごく長い長い夢を見てた感じ。
頭がぼー…として、何も考えられない。
ただ天井をボケッと見てた。
辺りは薄暗くて…でも周りの景色はわりとはっきり見えてる。
掛け布団から自分の右手を出して、ゆっくり寝てる自分のすぐ目の前に上げた。
──生きてる?
スタンピードの時より身体がずっと楽。
全魔力を注いで最終究極魔法使ったのに……。
上げた腕を布団の上に戻して、また目を閉じた…。
この身体の感じだと…魔力も完全に戻ってる。
しかも…、女にも戻ってるし。
意識を失う直前に、愚者の輪が割れる音が聞こえた。
これでもう完全に男にはなれないな…。
目を開けて肘をつきながら、今度はゆっくり上半身を起こした。
ベッドに座りながら自分の身体を触って、やっぱり女になってることを確認した。
しかも服も大きな男物のシャツだけ着てて、元々着てたシリウスの黒装束じゃなくなってる。
腰辺りまで伸びた亜麻色の髪も纏めてたのが解けて、サラリと肩から落ちてくる。
ベッドで起き上がったまま、自分が寝てた部屋を見渡した。
ここ…アルファルドの部屋の隣にある、私の為の部屋だ。 あの後、アルファルドが私をこの部屋まで運んでくれたんだ…。
物凄い勢いで魔力枯渇が襲ってきて、直ぐに意識を失って……、その後の記憶が全くないや。
薄がけの布団を取って、ベッドから足を床に降ろした。裸足で絨毯を踏みしめた足がひんやりしてる。
カーテンが開いてて、窓の外が月明かりで明るく照らされてた。
その光に導かれるみたいに、ゆっくり足を踏みしめながら窓の外へと歩いた。
広いベランダの窓を開けて、外に出る。
サァー…と風が私の身体を通り過ぎてく。
夜風が涼しいくらい気持ち良くて、風を受けて髪がサラサラと靡いてた。
夜空を見上げると、キラキラと煌めく星空と、真ん丸くて大きな満月が当たりを照らしてる。
ベランダの手摺まで歩みを進めて、夜空を見上げながら手で掴んで瞳を閉じた。
あぁ……、終わったなぁ……。
何もかも。
良くやったよね、…私。
もう…自分の好きに生きても、いいかな。
バッドエンドも回避した。
ラスボスも…裏ボスも、全部倒した。
アルファルドの闇堕ちも防いだ。
ドラコニス公爵家も復興させた…。
髪をサラサラと靡いてる風を感じながら、手摺の上に乗ってまたゆっくりと瞳を開けて空を仰いだ。
はぁー、……気持ちいい……。
初めの計画通り、このまま…ここから飛び出して、どこか遠くへ行こうかな。
誰も、私を知らない場所。
そこで、また一からやり直そうかな。新しい人生を送るのも悪くないよね。
全ての事柄から解放されて、外の世界も気持ち良くて、すごく清々しい気分。
月を見上げて、風に靡く髪を耳にかけた。
パチッと目を醒ました。
ものすごく長い長い夢を見てた感じ。
頭がぼー…として、何も考えられない。
ただ天井をボケッと見てた。
辺りは薄暗くて…でも周りの景色はわりとはっきり見えてる。
掛け布団から自分の右手を出して、ゆっくり寝てる自分のすぐ目の前に上げた。
──生きてる?
スタンピードの時より身体がずっと楽。
全魔力を注いで最終究極魔法使ったのに……。
上げた腕を布団の上に戻して、また目を閉じた…。
この身体の感じだと…魔力も完全に戻ってる。
しかも…、女にも戻ってるし。
意識を失う直前に、愚者の輪が割れる音が聞こえた。
これでもう完全に男にはなれないな…。
目を開けて肘をつきながら、今度はゆっくり上半身を起こした。
ベッドに座りながら自分の身体を触って、やっぱり女になってることを確認した。
しかも服も大きな男物のシャツだけ着てて、元々着てたシリウスの黒装束じゃなくなってる。
腰辺りまで伸びた亜麻色の髪も纏めてたのが解けて、サラリと肩から落ちてくる。
ベッドで起き上がったまま、自分が寝てた部屋を見渡した。
ここ…アルファルドの部屋の隣にある、私の為の部屋だ。 あの後、アルファルドが私をこの部屋まで運んでくれたんだ…。
物凄い勢いで魔力枯渇が襲ってきて、直ぐに意識を失って……、その後の記憶が全くないや。
薄がけの布団を取って、ベッドから足を床に降ろした。裸足で絨毯を踏みしめた足がひんやりしてる。
カーテンが開いてて、窓の外が月明かりで明るく照らされてた。
その光に導かれるみたいに、ゆっくり足を踏みしめながら窓の外へと歩いた。
広いベランダの窓を開けて、外に出る。
サァー…と風が私の身体を通り過ぎてく。
夜風が涼しいくらい気持ち良くて、風を受けて髪がサラサラと靡いてた。
夜空を見上げると、キラキラと煌めく星空と、真ん丸くて大きな満月が当たりを照らしてる。
ベランダの手摺まで歩みを進めて、夜空を見上げながら手で掴んで瞳を閉じた。
あぁ……、終わったなぁ……。
何もかも。
良くやったよね、…私。
もう…自分の好きに生きても、いいかな。
バッドエンドも回避した。
ラスボスも…裏ボスも、全部倒した。
アルファルドの闇堕ちも防いだ。
ドラコニス公爵家も復興させた…。
髪をサラサラと靡いてる風を感じながら、手摺の上に乗ってまたゆっくりと瞳を開けて空を仰いだ。
はぁー、……気持ちいい……。
初めの計画通り、このまま…ここから飛び出して、どこか遠くへ行こうかな。
誰も、私を知らない場所。
そこで、また一からやり直そうかな。新しい人生を送るのも悪くないよね。
全ての事柄から解放されて、外の世界も気持ち良くて、すごく清々しい気分。
月を見上げて、風に靡く髪を耳にかけた。
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