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ペア演習後編 1
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やっぱりペアでの演習なんてやるんじゃなかった。
◇
ペアでの実戦形式で野外訓練をするんだけど……
アルファルドと組んだ私は、見事にお荷物と化していた。
始めのペアで私は見てるだけで何もせず、アルファルドがどんどんモンスター倒していくのを傍観してるだけ。
それ以降もチーム戦じゃないから指示とかもいらないし、アルファルドって基礎的な戦闘力や魔法レベルが高いから、本当にペア組んでる意味がなかった。
「なぁ、俺っていらなくないか?」
今日やってきたのはラダ山脈にあるラダーム平原。
「…お前がいると、調子がいい」
この日はアルファルドにしては珍しく剣を片手にモンスターを倒してた。
冒険者の時とかはこうやって戦ってるらしいよ。今まではチーム戦だったから持って来てなかったんだって。
今いるのは平原の中腹に位置する岩山の上。
大きな岩石がゴロゴロある場所で、ここではリザードマンとかミノタウルスとかここのモンスターは結構レベルが高い。
上級レベルのモンスターがわんさかいるのに、大きな岩の影に隠れてアルファルドから守ってもらってる。
こんなこと言いたくないけど、なんかもう気分はお姫様。
今まで自分は守る側で、かなり無茶して色々な敵と戦ってきたのに、こんな風に誰かに守って貰いながら戦ってる姿をただ後ろから見てるなんてすごく変な気分。
アルファルドがロングソード片手に火属性攻撃魔法連発してて、取りこぼしはロングソードで倒してて……
アルファルドの戦ってる姿って、すごく格好良くて思わず見惚れちゃうんだ。
アカデミアの制服にローブを翻しながら大剣持って魔法使ってる姿なんて…もう惚れるしかないよね。
ある意味アルファルドが女子と組まなくて良かったかも……こんなの見せつけられたら普通の女の子なんてイチコロだよ。
じゃなくても今だに髪切ってめちゃくちゃイケメンになったアルファルドに、陰ながら熱い視線送ってる子もかなりいるし。
ポーションの販売も順調で、残ってた借金を全額返済出来たし、後は売れれば売れるほどドラコニス公爵家の財源が潤沢に潤っていくことになるから金銭面は全く問題ない。
後はアルファルドが優しいお嫁さんでも貰って幸せになれば万々歳。そうなればラスボスの復活も阻止できて、アルファルドも幸せな家庭を築ける。
そう思ってたのに、アルファルドの告白を受けてどうしたらいいのか模索中。贅沢な悩みだってわかってるけど、アルファルドがまだ自分の恋心に気付いていない内にどうにかゲームのエンディングまで持っていかないといけない。
一番早い解決策は自分が女だってバラすことなんだけど……それだけはどうしても出来なくて、本当に困ってる。
このままじゃ男色の疑いも晴れないし、アルファルドが真っ当な道から逸れちゃうよ……
ごちゃごちゃと色々考えているうちに、アルファルドも集まっていた敵をあらかた倒し終えて私の方を振り返った。
「…アトリクス、終わったぞ」
目にぎりぎりかかるくらいの濡羽色の短い黒髪、ロイヤルパープルと黄金色の神秘的でキリッとしたオッドアイ。
スッと通った綺麗な鼻梁に薄く引かれた形な良い唇。スッキリとした顎のラインもそれらを収めてる小さな顔も…全部が完璧に輝いてる。
流れる汗も一つ一つの動作も、見るもの全てを惹きつけるくらい綺麗で麗しい。
レグルス様がミティストで一番のイケメンだと思ってたのに、髪切った時点でアルファルドが断トツの一番に変わってしまった。
「お疲れ様! アルファルド。相変わらずお前は強いな!」
岩陰から出てきてアルファルドの方まで駆け寄った。ついでに持ってた手拭いを笑顔で渡した。
アルファルドもそれを受け取って私に微笑んでる。
「…そうか」
その笑顔が尊すぎて胸がきゅんとトキめく。
はぁ……やっぱり、めちゃくちゃ格好良い……
アルファルドがイケメン過ぎてその場で赤い顔してポーッと見てると、アルファルドがスッと私の目の前に立ってる。
「…どうした?」
剣を持ってない反対側の手を伸ばして、私の頬にそっと添えた。
アルファルドの綺麗な顔もゆっくり近づいてきてる。
いや、ちょっと待って!!
まるでキスでもされそうな体勢で、思わず目を瞑って両手をアルファルドの顔の前に出した。
「だ、ダメだっ!」
言った言葉の後にコツっとオデコに微かな衝撃が当たってる。
ぎゅっと瞑った目をそーっと開けると、超間近にアルファルドの綺麗な顔が見えて、カァーと顔が赤くなって羞恥が走った。
「…熱はないな」
当たってたのはアルファルドのオデコで、紛らわしい熱の計り方に恥ずかしくて仕方ないよ。
やっぱりペアでの演習なんてやるんじゃなかった。
◇
ペアでの実戦形式で野外訓練をするんだけど……
アルファルドと組んだ私は、見事にお荷物と化していた。
始めのペアで私は見てるだけで何もせず、アルファルドがどんどんモンスター倒していくのを傍観してるだけ。
それ以降もチーム戦じゃないから指示とかもいらないし、アルファルドって基礎的な戦闘力や魔法レベルが高いから、本当にペア組んでる意味がなかった。
「なぁ、俺っていらなくないか?」
今日やってきたのはラダ山脈にあるラダーム平原。
「…お前がいると、調子がいい」
この日はアルファルドにしては珍しく剣を片手にモンスターを倒してた。
冒険者の時とかはこうやって戦ってるらしいよ。今まではチーム戦だったから持って来てなかったんだって。
今いるのは平原の中腹に位置する岩山の上。
大きな岩石がゴロゴロある場所で、ここではリザードマンとかミノタウルスとかここのモンスターは結構レベルが高い。
上級レベルのモンスターがわんさかいるのに、大きな岩の影に隠れてアルファルドから守ってもらってる。
こんなこと言いたくないけど、なんかもう気分はお姫様。
今まで自分は守る側で、かなり無茶して色々な敵と戦ってきたのに、こんな風に誰かに守って貰いながら戦ってる姿をただ後ろから見てるなんてすごく変な気分。
アルファルドがロングソード片手に火属性攻撃魔法連発してて、取りこぼしはロングソードで倒してて……
アルファルドの戦ってる姿って、すごく格好良くて思わず見惚れちゃうんだ。
アカデミアの制服にローブを翻しながら大剣持って魔法使ってる姿なんて…もう惚れるしかないよね。
ある意味アルファルドが女子と組まなくて良かったかも……こんなの見せつけられたら普通の女の子なんてイチコロだよ。
じゃなくても今だに髪切ってめちゃくちゃイケメンになったアルファルドに、陰ながら熱い視線送ってる子もかなりいるし。
ポーションの販売も順調で、残ってた借金を全額返済出来たし、後は売れれば売れるほどドラコニス公爵家の財源が潤沢に潤っていくことになるから金銭面は全く問題ない。
後はアルファルドが優しいお嫁さんでも貰って幸せになれば万々歳。そうなればラスボスの復活も阻止できて、アルファルドも幸せな家庭を築ける。
そう思ってたのに、アルファルドの告白を受けてどうしたらいいのか模索中。贅沢な悩みだってわかってるけど、アルファルドがまだ自分の恋心に気付いていない内にどうにかゲームのエンディングまで持っていかないといけない。
一番早い解決策は自分が女だってバラすことなんだけど……それだけはどうしても出来なくて、本当に困ってる。
このままじゃ男色の疑いも晴れないし、アルファルドが真っ当な道から逸れちゃうよ……
ごちゃごちゃと色々考えているうちに、アルファルドも集まっていた敵をあらかた倒し終えて私の方を振り返った。
「…アトリクス、終わったぞ」
目にぎりぎりかかるくらいの濡羽色の短い黒髪、ロイヤルパープルと黄金色の神秘的でキリッとしたオッドアイ。
スッと通った綺麗な鼻梁に薄く引かれた形な良い唇。スッキリとした顎のラインもそれらを収めてる小さな顔も…全部が完璧に輝いてる。
流れる汗も一つ一つの動作も、見るもの全てを惹きつけるくらい綺麗で麗しい。
レグルス様がミティストで一番のイケメンだと思ってたのに、髪切った時点でアルファルドが断トツの一番に変わってしまった。
「お疲れ様! アルファルド。相変わらずお前は強いな!」
岩陰から出てきてアルファルドの方まで駆け寄った。ついでに持ってた手拭いを笑顔で渡した。
アルファルドもそれを受け取って私に微笑んでる。
「…そうか」
その笑顔が尊すぎて胸がきゅんとトキめく。
はぁ……やっぱり、めちゃくちゃ格好良い……
アルファルドがイケメン過ぎてその場で赤い顔してポーッと見てると、アルファルドがスッと私の目の前に立ってる。
「…どうした?」
剣を持ってない反対側の手を伸ばして、私の頬にそっと添えた。
アルファルドの綺麗な顔もゆっくり近づいてきてる。
いや、ちょっと待って!!
まるでキスでもされそうな体勢で、思わず目を瞑って両手をアルファルドの顔の前に出した。
「だ、ダメだっ!」
言った言葉の後にコツっとオデコに微かな衝撃が当たってる。
ぎゅっと瞑った目をそーっと開けると、超間近にアルファルドの綺麗な顔が見えて、カァーと顔が赤くなって羞恥が走った。
「…熱はないな」
当たってたのはアルファルドのオデコで、紛らわしい熱の計り方に恥ずかしくて仕方ないよ。
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