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ドラコニス公爵家 6
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楽しくて美味しい晩餐も終わって、浴槽を借りてお風呂へ入らせてもらった。
お風呂も質素だったけど、ちゃんと石鹸も置いてあって、これがアルファルドの匂いかと興奮しちゃったよ。
この石鹸てアルファ商会で置いてる一番高級なヤツで、毎回食料と一緒に入れといたヤツだった。
使ってくれてるんだ…嬉しいな。
上機嫌でサッパリして持ってきた寝間着に着替えた。普通のシャツとズボンだけど、一応新品を持ってきたんだ。
何かあるわけでもないけど、アルファルドとの初お泊りなのに、使い古した寝間着で迎えるのは嫌だっていう乙女心だよね。
「アルファルド、先に風呂ありがとうな!次入って来いよ」
タオルで髪を拭きながらアルファルドの私室へ戻った。客人だからとわざわざ一番風呂を頂いてしまった。
お風呂も一箇所しかないからさ。
「…あぁ。暇だろうからこれでも読んでろ」
机に座ってたアルファルドが立ち上がって、私にボロボロの本を渡してくれる。
「ん?ありがとう。え?……コレって!」
「…公爵家に代々伝わる相当古い文献だ。…これしかもう書物も残ってないが、かなり複雑な古代語で書いてある。…俺も少ししか読めないが…」
「“野草で作る回復薬のおすすめ”だって!嘘だろ!?」
「……お前、こんな古代語まで読めるのか」
あれ?そういえば普通に読める。
私も小さい頃から古代語をエルナト先生から習ったけど、その時はチンプンカンプンだったのに。
「あ?…あぁ、そう。たぶん…習ってたんだよ、古代語」
「…よくわからんが、読めるなら話は早い。…これに関して、誰も解読出来なかったみたいだ。…もしかしたら、ポーション作りのヒントが書いてあるかもな…」
「こんな貴重なもの借りていいのか?!」
「…あぁ」
「ありがとうっ!アルファルド!」
渡された本をそっと抱きしめながら、嬉しくて笑顔いっぱいでアルファルドにお礼を言った。
「……行ってくる」
またアルファルドはそっぽを向いたまま部屋を出て行った。
ふふっ、照れ屋さん。
私はベッドに座ってルンルン気分でその文献を開いた。
読んでいく内にルンルン気分はすぐに吹き飛んだ。
そこには驚くことにポーションの作り方が書いてあった。しかもポーションだけじゃなくてハイポーションや毒消し薬や、万能薬の作り方まで全て載ってた。
信じられない思いで夢中になってページを捲って、全て頭に叩き込んでく。
時が経つのもすっかり忘れて、ブツブツ言いながら読み耽ってようやく最後まで読み終えた。
「ハァ……」
この本を読んだ後の達成感。頭がまだ本の世界から帰ってこないみたいな不思議な感覚に浸ってた。
「…ようやく読み終えたか」
「あ…アルファルド?」
ベッドに端に座ってる私の背後から声がして、振り返るとバスローブ一枚のアルファルドが横になって寝てた。
バスローブの胸元が大きく開いてて、肘をついて頭を支えながら私を見てる。
「なっ…おい!ちょっと、誘ってんのかよ!そんな格好してっ!!」
その姿に私は一気にかぁーと赤くなって、ベッドから勢いよく立ち上がった。
「…いつもなら裸で寝てるが、お前がうるさそうだから着た」
ベッドの上でアルファルドが裸で寝てる姿を想像して、顔がさらに真っ赤になる。
「は、裸って!」
「……想像するな。…習慣だから仕方ないだろ」
心の中を読まれたみたいで、熱くなった私は貸してもらった本でパタパタと自分の顔を仰いた。
「そ…そっか」
「…読み終えたなら寝るぞ」
「ね、寝る!?あ、あぁ…そうだな……」
柱時計を見るとすっかり夜も更けてて、自分がどれだけ夢中になって読んでたのかが良くわかる。
「…火を消すぞ、早く来い」
「え?…俺、床で寝るよ?ほら、枕も持ってきてる」
持ってた本を枕元に置いて、荷物入れた袋から持ってきた自分の枕を取り出してアルファルドに見せた。
本気でアルファルドと一緒に寝ようなんて考えてなかったから、ちゃんと自分の枕を持ってきてた。公爵家に何もないのは知ってたしね。
「…床なんて汚いだろ」
「俺は気にしないって。下に敷くものもあるし…」
「…俺が気にするんだ。…客人を床に寝かせられるか」
寝そべってたアルファルドが起き上がって、ベッドのすぐ脇でゴソゴソしてた私の手を引くから、勢い余ってベッドに縺れるみたい倒れ込んだ。
「わっ…!」
うわっ!!うわ…うわぁぁぁああー!!!
倒れ込んだすぐ先にアルファルドの胸元があって、お風呂上がりの石鹸の良い匂いがしてパニック状態。
何とか大声あげて叫びそうな声を、両手で口を抑えて押し殺した。
フッと燭台の火が消えて、辺りが薄暗くなる。
「…ほら、寝るぞ」
「いや、ちょっと近いっ!」
あまりに近い距離に、私の方が顔を真っ赤にしながら慌てて正面を向いて天井を見る。
「…うるさい」
「う……悪い…」
履いてた内履き脱いで、言われるままアルファルドの隣で横になった。
近づくとアルファルドに何を仕出かすかわからないから、近づいてた距離を少し空けた。
薄暗い闇の中。
ベッドで横になったまま、二人で仰向けになって天井を見てる。
夜の静寂が耳に痛いくらい響いてて、でも…お互い口を開かなかった。
私も隣でアルファルドが寝てるって状況に動揺し過ぎて、無心になる為に全然違うこと考えるようにしてた。
しばらくの沈黙の後、アルファルドの方から口を開いた。
「……お前は……」
「ん…?」
「…お前は…なぜ、俺に近づいた?」
静かに語り出したアルファルドはずっと天井を見てて、私は顔だけアルファルドの方に向けた。
「…俺には…何もない、爵位しか残っていない…名ばかりの公爵だ…」
「……」
「…それに…、世間では…いない者として扱われ、存在することすら…拒まれている……」
「……」
「…お前の目的は、わからないが……俺と、関わらない方がいい…」
アルファルドはやっぱり天井見たまま話してて、こっちを向いてくれない。
静かに口に出された言葉が胸に痛い。
こんな悲しいこと、言ってほしいわけじゃないのに…。
この人をここまで追い込んでる周りの人間が許せない!
気持ちとは裏腹に、私はなるべく穏やかな口調で笑顔で…アルファルドに話しかけた。
「俺、さっき言ったよな?お前と友達になりたいんだ…」
「……」
クルッと体を反転してベッドでうつ伏せて肘付いて起きあがった。こうじゃないと顔が良くわからないし。
アルファルドはまだ天井見たまま、何かを考えるみたいにしばらく黙ってた。
私もそれ以上何も言えなくて、その状態のままアルファルドを見てた。
アルファルドはすごく辛そうに話を切り出してる。
「…俺は……誰も、信用しない…」
ポツポツと自分の気持ちを一つずつ確認するみたいに、言葉を絞り出してる。
「…不義も背信も……裏切られるのはもう、たくさんだ。今まで、どれだけ絶望してきたか……」
「……っ」
「……それに…友人なんて…俺には、必要ない…」
布団から上半身だけ起き上がったアルファルドは、顔を片手で覆ってて…すごく辛そうに話してる。
抱きしめて…そんなことないって慰めてあげたいけど…多分、それは違うんだよね。
私も起き上がってベッドの上で正座して、アルファルドに向き合う。
……私の言葉なんて届かないのかもしれないけど。
「いいぜ、別に。信用してくれなくても」
「……」
「イヤなら…今まで通り避けてくれて構わない。話しかけなくても、無視しててもいい」
「……」
「お前が望まないならな」
アルファルドは同じ姿勢で、顔を覆って辛そうにしてる。
それだけ彼にとって傷の深い出来事。いつまで経っても消えないし、無くならないよね。
「でもさ、俺は変わらないよ」
「……」
「今まで通りお前に付き纏うし、嫌がられても無視されても…お前のこと諦めないでずっと追いかけるから!」
ニコッと笑ってアルファルドに話した。
ぽっと出の私が、簡単に踏み込める領域じゃないのはわかってる。
こんなこと言ったらまた振り出しに戻っちゃうかな…それでも、仕方ないか…。
これが本当の気持ちだから嘘はつきたくないし、今更離れることもしたくない。
アルファルドは手を顔から外して、ゆっくりこっちに顔を向けた。
「…お前は…どうして……」
俯き加減で話すアルファルド。表情はわからない。
「アルファルドが好きだから」
私は穏やかに微笑んでアルファルドを見つめた。
「……なぜ…俺なんだ…」
「人を好きになるのに、理由なんて必要か?」
「……」
アルファルドは無言で私を見てて、私もわかってもらいたくて真摯な顔をアルファルドに向ける。
「俺は、お前が好きだ。大好きだ。公爵でも平民でも奴隷でも…お前がなんだろうと構わないっ。俺が求めてるのはアルファルドっていう一人の人間だけだ」
性別も身分も名前も…。
嘘だらけの私だけど、この気持ちだけは信じてほしい。
楽しくて美味しい晩餐も終わって、浴槽を借りてお風呂へ入らせてもらった。
お風呂も質素だったけど、ちゃんと石鹸も置いてあって、これがアルファルドの匂いかと興奮しちゃったよ。
この石鹸てアルファ商会で置いてる一番高級なヤツで、毎回食料と一緒に入れといたヤツだった。
使ってくれてるんだ…嬉しいな。
上機嫌でサッパリして持ってきた寝間着に着替えた。普通のシャツとズボンだけど、一応新品を持ってきたんだ。
何かあるわけでもないけど、アルファルドとの初お泊りなのに、使い古した寝間着で迎えるのは嫌だっていう乙女心だよね。
「アルファルド、先に風呂ありがとうな!次入って来いよ」
タオルで髪を拭きながらアルファルドの私室へ戻った。客人だからとわざわざ一番風呂を頂いてしまった。
お風呂も一箇所しかないからさ。
「…あぁ。暇だろうからこれでも読んでろ」
机に座ってたアルファルドが立ち上がって、私にボロボロの本を渡してくれる。
「ん?ありがとう。え?……コレって!」
「…公爵家に代々伝わる相当古い文献だ。…これしかもう書物も残ってないが、かなり複雑な古代語で書いてある。…俺も少ししか読めないが…」
「“野草で作る回復薬のおすすめ”だって!嘘だろ!?」
「……お前、こんな古代語まで読めるのか」
あれ?そういえば普通に読める。
私も小さい頃から古代語をエルナト先生から習ったけど、その時はチンプンカンプンだったのに。
「あ?…あぁ、そう。たぶん…習ってたんだよ、古代語」
「…よくわからんが、読めるなら話は早い。…これに関して、誰も解読出来なかったみたいだ。…もしかしたら、ポーション作りのヒントが書いてあるかもな…」
「こんな貴重なもの借りていいのか?!」
「…あぁ」
「ありがとうっ!アルファルド!」
渡された本をそっと抱きしめながら、嬉しくて笑顔いっぱいでアルファルドにお礼を言った。
「……行ってくる」
またアルファルドはそっぽを向いたまま部屋を出て行った。
ふふっ、照れ屋さん。
私はベッドに座ってルンルン気分でその文献を開いた。
読んでいく内にルンルン気分はすぐに吹き飛んだ。
そこには驚くことにポーションの作り方が書いてあった。しかもポーションだけじゃなくてハイポーションや毒消し薬や、万能薬の作り方まで全て載ってた。
信じられない思いで夢中になってページを捲って、全て頭に叩き込んでく。
時が経つのもすっかり忘れて、ブツブツ言いながら読み耽ってようやく最後まで読み終えた。
「ハァ……」
この本を読んだ後の達成感。頭がまだ本の世界から帰ってこないみたいな不思議な感覚に浸ってた。
「…ようやく読み終えたか」
「あ…アルファルド?」
ベッドに端に座ってる私の背後から声がして、振り返るとバスローブ一枚のアルファルドが横になって寝てた。
バスローブの胸元が大きく開いてて、肘をついて頭を支えながら私を見てる。
「なっ…おい!ちょっと、誘ってんのかよ!そんな格好してっ!!」
その姿に私は一気にかぁーと赤くなって、ベッドから勢いよく立ち上がった。
「…いつもなら裸で寝てるが、お前がうるさそうだから着た」
ベッドの上でアルファルドが裸で寝てる姿を想像して、顔がさらに真っ赤になる。
「は、裸って!」
「……想像するな。…習慣だから仕方ないだろ」
心の中を読まれたみたいで、熱くなった私は貸してもらった本でパタパタと自分の顔を仰いた。
「そ…そっか」
「…読み終えたなら寝るぞ」
「ね、寝る!?あ、あぁ…そうだな……」
柱時計を見るとすっかり夜も更けてて、自分がどれだけ夢中になって読んでたのかが良くわかる。
「…火を消すぞ、早く来い」
「え?…俺、床で寝るよ?ほら、枕も持ってきてる」
持ってた本を枕元に置いて、荷物入れた袋から持ってきた自分の枕を取り出してアルファルドに見せた。
本気でアルファルドと一緒に寝ようなんて考えてなかったから、ちゃんと自分の枕を持ってきてた。公爵家に何もないのは知ってたしね。
「…床なんて汚いだろ」
「俺は気にしないって。下に敷くものもあるし…」
「…俺が気にするんだ。…客人を床に寝かせられるか」
寝そべってたアルファルドが起き上がって、ベッドのすぐ脇でゴソゴソしてた私の手を引くから、勢い余ってベッドに縺れるみたい倒れ込んだ。
「わっ…!」
うわっ!!うわ…うわぁぁぁああー!!!
倒れ込んだすぐ先にアルファルドの胸元があって、お風呂上がりの石鹸の良い匂いがしてパニック状態。
何とか大声あげて叫びそうな声を、両手で口を抑えて押し殺した。
フッと燭台の火が消えて、辺りが薄暗くなる。
「…ほら、寝るぞ」
「いや、ちょっと近いっ!」
あまりに近い距離に、私の方が顔を真っ赤にしながら慌てて正面を向いて天井を見る。
「…うるさい」
「う……悪い…」
履いてた内履き脱いで、言われるままアルファルドの隣で横になった。
近づくとアルファルドに何を仕出かすかわからないから、近づいてた距離を少し空けた。
薄暗い闇の中。
ベッドで横になったまま、二人で仰向けになって天井を見てる。
夜の静寂が耳に痛いくらい響いてて、でも…お互い口を開かなかった。
私も隣でアルファルドが寝てるって状況に動揺し過ぎて、無心になる為に全然違うこと考えるようにしてた。
しばらくの沈黙の後、アルファルドの方から口を開いた。
「……お前は……」
「ん…?」
「…お前は…なぜ、俺に近づいた?」
静かに語り出したアルファルドはずっと天井を見てて、私は顔だけアルファルドの方に向けた。
「…俺には…何もない、爵位しか残っていない…名ばかりの公爵だ…」
「……」
「…それに…、世間では…いない者として扱われ、存在することすら…拒まれている……」
「……」
「…お前の目的は、わからないが……俺と、関わらない方がいい…」
アルファルドはやっぱり天井見たまま話してて、こっちを向いてくれない。
静かに口に出された言葉が胸に痛い。
こんな悲しいこと、言ってほしいわけじゃないのに…。
この人をここまで追い込んでる周りの人間が許せない!
気持ちとは裏腹に、私はなるべく穏やかな口調で笑顔で…アルファルドに話しかけた。
「俺、さっき言ったよな?お前と友達になりたいんだ…」
「……」
クルッと体を反転してベッドでうつ伏せて肘付いて起きあがった。こうじゃないと顔が良くわからないし。
アルファルドはまだ天井見たまま、何かを考えるみたいにしばらく黙ってた。
私もそれ以上何も言えなくて、その状態のままアルファルドを見てた。
アルファルドはすごく辛そうに話を切り出してる。
「…俺は……誰も、信用しない…」
ポツポツと自分の気持ちを一つずつ確認するみたいに、言葉を絞り出してる。
「…不義も背信も……裏切られるのはもう、たくさんだ。今まで、どれだけ絶望してきたか……」
「……っ」
「……それに…友人なんて…俺には、必要ない…」
布団から上半身だけ起き上がったアルファルドは、顔を片手で覆ってて…すごく辛そうに話してる。
抱きしめて…そんなことないって慰めてあげたいけど…多分、それは違うんだよね。
私も起き上がってベッドの上で正座して、アルファルドに向き合う。
……私の言葉なんて届かないのかもしれないけど。
「いいぜ、別に。信用してくれなくても」
「……」
「イヤなら…今まで通り避けてくれて構わない。話しかけなくても、無視しててもいい」
「……」
「お前が望まないならな」
アルファルドは同じ姿勢で、顔を覆って辛そうにしてる。
それだけ彼にとって傷の深い出来事。いつまで経っても消えないし、無くならないよね。
「でもさ、俺は変わらないよ」
「……」
「今まで通りお前に付き纏うし、嫌がられても無視されても…お前のこと諦めないでずっと追いかけるから!」
ニコッと笑ってアルファルドに話した。
ぽっと出の私が、簡単に踏み込める領域じゃないのはわかってる。
こんなこと言ったらまた振り出しに戻っちゃうかな…それでも、仕方ないか…。
これが本当の気持ちだから嘘はつきたくないし、今更離れることもしたくない。
アルファルドは手を顔から外して、ゆっくりこっちに顔を向けた。
「…お前は…どうして……」
俯き加減で話すアルファルド。表情はわからない。
「アルファルドが好きだから」
私は穏やかに微笑んでアルファルドを見つめた。
「……なぜ…俺なんだ…」
「人を好きになるのに、理由なんて必要か?」
「……」
アルファルドは無言で私を見てて、私もわかってもらいたくて真摯な顔をアルファルドに向ける。
「俺は、お前が好きだ。大好きだ。公爵でも平民でも奴隷でも…お前がなんだろうと構わないっ。俺が求めてるのはアルファルドっていう一人の人間だけだ」
性別も身分も名前も…。
嘘だらけの私だけど、この気持ちだけは信じてほしい。
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