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新サークル編 4
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気持ち良い春が過ぎて、季節は夏。と言ってもそこまで気温は変わらないけど、製作者は何のために四季を作ったのか謎だね。
「よし、やるぞー!!」
「んと…頑張ろう、ね…」
「……」
午前の講義を終えて、今日は帝国図書館へ来てる。
何が目的かって?もちろんポーション作りの為の史料を集めに来てるからっ!
しかもしかもッ!意外な事にアルファルドもついてきてくれた~!!
それだけでめちゃくちゃ嬉しくて、テンション上がりまくってる。
アルファルド的には図書館だから着いてきただけかもしれないけど、理由なんてこの際何でもいいや!
だいぶ前に来た時は不思議な記録書を見つけた。
そういえばアレって何だったんだろう?ここに来るまですっかり忘れてたし。
広大な帝国図書館の薬学コーナーを3人で手当り次第探す。
相変わらず棚が高くて、何列にもなってるしオクタンなんかは併設してあるハシゴを使って、上の段の本を一生懸命取ってた。
男の私は割と背が高いからよっぽど高い位置じゃなきゃ手が届くんだけど。
「なぁ、アルファルド。あれ取ってくれないか?」
「……」
たまたま近くで立ちながら、本を手にとって読んでたアルファルドに、私が声をかけてお願いする。
アルファルドは無言で私の指さした方を見てたけど、読んでた本をパタンと閉じてこっちまで寄って来てくれた。
うそっ!?…本当に取ってくれるの?!
冗談半分で絶対無視されると思って言ってみたのに!
めちゃくちゃ嬉しいーっ!!
私のすぐ隣までやってきて、指さした本に手を伸ばしてスッと抜いて、私のすぐ前に差し出して渡してくれた。
それだけでじ~んと感動する。しかも隣に立ってくれてるし…。
何か特別なことされたわけでもないのにこんなに心が満たされるなんて、やっぱりアルファルドって偉大だ!
「ありがとなッ!」
本を受け取って笑顔全開でお礼を言った。アルファルドは立って上を見ながら珍しく口を開いた。
「……他はないのか」
「え?───あ、…そ、うだな。そこの赤い背表紙もいいか?」
ど、ど、どうしちゃったの!?予想外の行動に、一瞬私の思考回路が停止しちゃったよ!
だってアルファルドが、自分から聞いてわざわざ本を取ってくれるなんて信じられない!
アルファルドは背が高いからこういう時にすごく頼りになるな。
ハシゴとかも置いてあるけど、いちいち取るたびに持って移動するのも面倒だし、こうして取ってもらえるならその方が断然早い。
「あと…あっちのと…隣の緑と青の背表紙のそれも頼むっ」
返事とかはないのに言われた本はちゃんと取ってくれて、それだけでもう嬉しくて大満足だった。
帝国図書館は窓際に何カ所も机と椅子が置いてあって、なるべく人の少ない隅の席を選んで移動した。
沢山のポーションに関連する本を机の上に積み重ねて、いざ3人で机に座って読破していく。
ポーションの効能、これまでの研究成果、旧世界でのポーションの仮説……いっぱい史料はあるのに、作り方の本なんてのは全く無い。
半分程調べた所で窓の外を見ると、もう結構陽が暮れてた。
帝国図書館からアカデミアまでは少し距離があって寮の門限もあるし、私だけならともかくオクタンもいるから早めに帰らないといけない。
「ハァ…やっぱりないな…」
「ん…うん。んと…疲れた、ね」
「今日はもう帰ろうぜ。まだまだサークルも始まったばっかだしな」
「……」
机に座って読んでた本をパタンと閉じて、積み重なった本達の上に重ねた。
「アルファルドもお疲れっ!付き合ってくれてありがとな!また明日来ようぜ!」
「…………あぁ」
だいぶ間が空いたけど、私の正面で本を読んでたアルファルドが返事してくれた。
「「──!!」」
え?!今、…あぁ、って言った?肯定した??
隣の席のオクタンと顔を見合わせてから、正面の椅子に座ってるアルファルドをまじまじと見た。
ただ返事を返してくれただけなんだけど…すっごく嬉しい~!!
本を戻すとアルファルドはそのまま挨拶もなしに、図書館を後にして帰っていった。
アルファルドの背中を見送りながら、帝国図書館を出てオクタンと二人でアカデミアへと続く道を歩いて帰る。
「よしっ!この調子でガンガン行こうぜ!」
「アート君…元気、だね?」
帰り道、夕暮れ時の空に私の声が響いてる。
隣を歩いてたオクタンが不思議そうにこっち見てた。
これまでの経験上、調子に乗るとロクな事がないから頑張って少しずつ進めていこう。
◇
前期の定期試験も終わって、相変わらず私の筆記成績は首位。実技は最下位。
もう、これは変わらないのかもしれない。
廊下の張り出し見ながらモブオ達がかなり悔しそうに私を睨んでた。
ちなみに奴らはオクタンより順位が更に低い50番台。
アルファルドの筆記は5位だった!やっぱり本読んでるだけあって頭も良いんだな。まともに勉強なんてできてないはずなのに。
レグルス様ともあれから特に接触もないし、ただルリオン様が色んな意味で私を目の敵にしてる節はある。
口にこそ出して来ないけど、あの雰囲気じゃバレバレってくらい殺伐としたオーラを出してる。
マイアはルリオン様に近づくのか近づかないのかヤキモキしてる感じだし…。
主人公とレグルス様は一緒に行動してる分なかなか親しげになってきてる。
最近あったイベントは見逃したけど、隣にいてお互い笑いながら話してるのはよく見るようになった。
結構校外実技演習とか、ペアで実戦形式とかになったほうが距離も縮まりやすいしね。
講義しかしてない一学年の前半は、イベントも少ないから面白みに欠けるんだよなぁ。
これからは訓練場での実技も入るようになるし、あと属性ごとの選択科目も増えて、火、水、風、土属性に分かれての講義が多くなってくるんだ。
気持ち良い春が過ぎて、季節は夏。と言ってもそこまで気温は変わらないけど、製作者は何のために四季を作ったのか謎だね。
「よし、やるぞー!!」
「んと…頑張ろう、ね…」
「……」
午前の講義を終えて、今日は帝国図書館へ来てる。
何が目的かって?もちろんポーション作りの為の史料を集めに来てるからっ!
しかもしかもッ!意外な事にアルファルドもついてきてくれた~!!
それだけでめちゃくちゃ嬉しくて、テンション上がりまくってる。
アルファルド的には図書館だから着いてきただけかもしれないけど、理由なんてこの際何でもいいや!
だいぶ前に来た時は不思議な記録書を見つけた。
そういえばアレって何だったんだろう?ここに来るまですっかり忘れてたし。
広大な帝国図書館の薬学コーナーを3人で手当り次第探す。
相変わらず棚が高くて、何列にもなってるしオクタンなんかは併設してあるハシゴを使って、上の段の本を一生懸命取ってた。
男の私は割と背が高いからよっぽど高い位置じゃなきゃ手が届くんだけど。
「なぁ、アルファルド。あれ取ってくれないか?」
「……」
たまたま近くで立ちながら、本を手にとって読んでたアルファルドに、私が声をかけてお願いする。
アルファルドは無言で私の指さした方を見てたけど、読んでた本をパタンと閉じてこっちまで寄って来てくれた。
うそっ!?…本当に取ってくれるの?!
冗談半分で絶対無視されると思って言ってみたのに!
めちゃくちゃ嬉しいーっ!!
私のすぐ隣までやってきて、指さした本に手を伸ばしてスッと抜いて、私のすぐ前に差し出して渡してくれた。
それだけでじ~んと感動する。しかも隣に立ってくれてるし…。
何か特別なことされたわけでもないのにこんなに心が満たされるなんて、やっぱりアルファルドって偉大だ!
「ありがとなッ!」
本を受け取って笑顔全開でお礼を言った。アルファルドは立って上を見ながら珍しく口を開いた。
「……他はないのか」
「え?───あ、…そ、うだな。そこの赤い背表紙もいいか?」
ど、ど、どうしちゃったの!?予想外の行動に、一瞬私の思考回路が停止しちゃったよ!
だってアルファルドが、自分から聞いてわざわざ本を取ってくれるなんて信じられない!
アルファルドは背が高いからこういう時にすごく頼りになるな。
ハシゴとかも置いてあるけど、いちいち取るたびに持って移動するのも面倒だし、こうして取ってもらえるならその方が断然早い。
「あと…あっちのと…隣の緑と青の背表紙のそれも頼むっ」
返事とかはないのに言われた本はちゃんと取ってくれて、それだけでもう嬉しくて大満足だった。
帝国図書館は窓際に何カ所も机と椅子が置いてあって、なるべく人の少ない隅の席を選んで移動した。
沢山のポーションに関連する本を机の上に積み重ねて、いざ3人で机に座って読破していく。
ポーションの効能、これまでの研究成果、旧世界でのポーションの仮説……いっぱい史料はあるのに、作り方の本なんてのは全く無い。
半分程調べた所で窓の外を見ると、もう結構陽が暮れてた。
帝国図書館からアカデミアまでは少し距離があって寮の門限もあるし、私だけならともかくオクタンもいるから早めに帰らないといけない。
「ハァ…やっぱりないな…」
「ん…うん。んと…疲れた、ね」
「今日はもう帰ろうぜ。まだまだサークルも始まったばっかだしな」
「……」
机に座って読んでた本をパタンと閉じて、積み重なった本達の上に重ねた。
「アルファルドもお疲れっ!付き合ってくれてありがとな!また明日来ようぜ!」
「…………あぁ」
だいぶ間が空いたけど、私の正面で本を読んでたアルファルドが返事してくれた。
「「──!!」」
え?!今、…あぁ、って言った?肯定した??
隣の席のオクタンと顔を見合わせてから、正面の椅子に座ってるアルファルドをまじまじと見た。
ただ返事を返してくれただけなんだけど…すっごく嬉しい~!!
本を戻すとアルファルドはそのまま挨拶もなしに、図書館を後にして帰っていった。
アルファルドの背中を見送りながら、帝国図書館を出てオクタンと二人でアカデミアへと続く道を歩いて帰る。
「よしっ!この調子でガンガン行こうぜ!」
「アート君…元気、だね?」
帰り道、夕暮れ時の空に私の声が響いてる。
隣を歩いてたオクタンが不思議そうにこっち見てた。
これまでの経験上、調子に乗るとロクな事がないから頑張って少しずつ進めていこう。
◇
前期の定期試験も終わって、相変わらず私の筆記成績は首位。実技は最下位。
もう、これは変わらないのかもしれない。
廊下の張り出し見ながらモブオ達がかなり悔しそうに私を睨んでた。
ちなみに奴らはオクタンより順位が更に低い50番台。
アルファルドの筆記は5位だった!やっぱり本読んでるだけあって頭も良いんだな。まともに勉強なんてできてないはずなのに。
レグルス様ともあれから特に接触もないし、ただルリオン様が色んな意味で私を目の敵にしてる節はある。
口にこそ出して来ないけど、あの雰囲気じゃバレバレってくらい殺伐としたオーラを出してる。
マイアはルリオン様に近づくのか近づかないのかヤキモキしてる感じだし…。
主人公とレグルス様は一緒に行動してる分なかなか親しげになってきてる。
最近あったイベントは見逃したけど、隣にいてお互い笑いながら話してるのはよく見るようになった。
結構校外実技演習とか、ペアで実戦形式とかになったほうが距離も縮まりやすいしね。
講義しかしてない一学年の前半は、イベントも少ないから面白みに欠けるんだよなぁ。
これからは訓練場での実技も入るようになるし、あと属性ごとの選択科目も増えて、火、水、風、土属性に分かれての講義が多くなってくるんだ。
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