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新サークル編 1
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「本日よりアカデミアへと編入したポラリス君だ。彼女はこの世界で初めて確認されたロストマジックである光属性の持ち主となる。皆、仲良くしてほしい」
「ポラリス・シータ・ヴィルギニスと申します。皆様、宜しくお願い致します」
スカートの裾を少し持って、礼をすると周りが一気に騒がしくなった。
「ひ、光属性…初めて聞いた…」
「凄いですわ…ロストマジックの使い手をこの目で拝見できるなんて…」
「あの方がお噂の…」
ついにポラリス登場だねー。
超稀少な光属性。しかも容姿端麗。侯爵家のご令嬢。亡国の姫君。もう完璧だよ。
いよいよポラリスが途中編入してきて、しかも光属性だからと騒がしくなった。
やっぱり注目の的だな。
しかも光属性は稀少だからって、ポラリスの側にはレグルス様とルリオン様が常に側にいて、入って早々周りのご令嬢から結構な反感を持たれてるみたい。
この辺はゲームと一緒だよね。
教師に案内されたポラリスはレグルス様と隣で座ってる。その後ろの席にいるマイアは意外とポラリスと仲良さそうに話してるし、近くのスピカは敵意むき出しでポラリスを睨んでる。
うんうん、いい感じ。これこそ恋愛ゲームだよねー。
隣で座ってるアルファルドを見るけど、相変わらず頬杖ついて窓の外見てる。
特にポラリスには興味無さそうだけど…。
まだまだ油断は禁物。とにかくアルファルドにくっついてポラリスとの接触を邪魔しないと!
◇
ストーリーと関係ない私は次の日も、その次の日も…アルファルドと隣の席に座って一方的に会話して、反対隣のオクタンがアワアワしてるみたいなことを続けてた。
月日は変わらずに過ぎてて、夏が近くなってきたせいもあって、アカデミア内もかなり温かくなってきてた。
講義が終わってからの休み時間。
隣にいたアルファルドもいつもなら裏庭に行くのに、最近は面倒なのかそのまま残って本を読んだりしてた。
「アルファルド、今日も良い天気だな」
「……」
「あ、その本俺も最近読んだぞ!ハダルの初回版だよな」
「……」
席に座ったまま本読んでるアルファルド。
私は横向きながら色々話してるのに、本に視線を落としてて全くこっちを見てくれない。
相変わらず返事もなくて進展もほぼないんだけど、この場に残ってくれてるのが嬉しくて、とにかく思ったことを全部口に出して話しかけてた。
今までの成果がようやく少~し出てきたかな?
ポラリスとスピカは思った通りの展開で、レグルス様と一緒にいるポラリスをスピカが悔しそうに見てる感じかな。
レグルス様とポラリスは初めこそ、そこまで話してなかったけど、今は普通に会話してる。やっぱりいつも一緒にいるとそうなるよね。
マイアはすっかりポラリスと仲良くなってて、ルリオン様、レグルス様、ポラリス、マイアって感じでいつも前列に座ってる。
たまにマイアとルリオン様も話してるのを見かける。
平然と話してるのにルリオン様を見てる瞳が明らかに他の人と違ってて、もっと自分を出せばいいのにってヤキモキしちゃうんだよね。
アケルナーとリゲルも相変わらず。アケルナーがポラリスに惹かれるのは二学年になってから、いや…一学年の終わりくらいかな?
怪我したアケルナーを治癒したのがキッカケだったような…。興味なかったからあんま覚えてないや。
まだ一学年の前半だし、このくらいの進み具合だよね。
サークル活動もやってはいるけど…ただ闇雲に始めただけに、1ミリも進展はない。
アルファルドも名前があるだけで、サークル活動には全く参加してない。
何度か呼び止めたけど、結局午後には帰っちゃうからな。ホント手強いよ。
色々うまくいかなくて、メインキャラ達はそれなりに進んでるのに、私だけ取り残されてる。
私の予定だともう少しアルファルドと仲良くなってるはずだったんだけどな…。
もう講義が始まってて、隣の席のアルファルドは相変わらず頬杖ついてやる気無さそうに講義を聞いてる。
その姿を横から見てて、まぁいいかと考え直した。
ま、私には私のペースがあるし。
ジーッと見てたから気づいたのか、元々気づいてるのかわからない。
でもアルファルドが私の方をほんの少しだけ顔向けて見てくれた。
「─!」
もうそれだけで嬉しくて、アルファルドに向けてニコッと笑った。
そしたらまたすぐに前を向いちゃった。
え~!?めちゃくちゃ嬉しい!!
アルファルドが、アルファルドが…私を見てくれたよぉ~!!
これだけでこんなに幸せな気分になれるなんて。
もっともっと仲良くなれるといいなッ!
「本日よりアカデミアへと編入したポラリス君だ。彼女はこの世界で初めて確認されたロストマジックである光属性の持ち主となる。皆、仲良くしてほしい」
「ポラリス・シータ・ヴィルギニスと申します。皆様、宜しくお願い致します」
スカートの裾を少し持って、礼をすると周りが一気に騒がしくなった。
「ひ、光属性…初めて聞いた…」
「凄いですわ…ロストマジックの使い手をこの目で拝見できるなんて…」
「あの方がお噂の…」
ついにポラリス登場だねー。
超稀少な光属性。しかも容姿端麗。侯爵家のご令嬢。亡国の姫君。もう完璧だよ。
いよいよポラリスが途中編入してきて、しかも光属性だからと騒がしくなった。
やっぱり注目の的だな。
しかも光属性は稀少だからって、ポラリスの側にはレグルス様とルリオン様が常に側にいて、入って早々周りのご令嬢から結構な反感を持たれてるみたい。
この辺はゲームと一緒だよね。
教師に案内されたポラリスはレグルス様と隣で座ってる。その後ろの席にいるマイアは意外とポラリスと仲良さそうに話してるし、近くのスピカは敵意むき出しでポラリスを睨んでる。
うんうん、いい感じ。これこそ恋愛ゲームだよねー。
隣で座ってるアルファルドを見るけど、相変わらず頬杖ついて窓の外見てる。
特にポラリスには興味無さそうだけど…。
まだまだ油断は禁物。とにかくアルファルドにくっついてポラリスとの接触を邪魔しないと!
◇
ストーリーと関係ない私は次の日も、その次の日も…アルファルドと隣の席に座って一方的に会話して、反対隣のオクタンがアワアワしてるみたいなことを続けてた。
月日は変わらずに過ぎてて、夏が近くなってきたせいもあって、アカデミア内もかなり温かくなってきてた。
講義が終わってからの休み時間。
隣にいたアルファルドもいつもなら裏庭に行くのに、最近は面倒なのかそのまま残って本を読んだりしてた。
「アルファルド、今日も良い天気だな」
「……」
「あ、その本俺も最近読んだぞ!ハダルの初回版だよな」
「……」
席に座ったまま本読んでるアルファルド。
私は横向きながら色々話してるのに、本に視線を落としてて全くこっちを見てくれない。
相変わらず返事もなくて進展もほぼないんだけど、この場に残ってくれてるのが嬉しくて、とにかく思ったことを全部口に出して話しかけてた。
今までの成果がようやく少~し出てきたかな?
ポラリスとスピカは思った通りの展開で、レグルス様と一緒にいるポラリスをスピカが悔しそうに見てる感じかな。
レグルス様とポラリスは初めこそ、そこまで話してなかったけど、今は普通に会話してる。やっぱりいつも一緒にいるとそうなるよね。
マイアはすっかりポラリスと仲良くなってて、ルリオン様、レグルス様、ポラリス、マイアって感じでいつも前列に座ってる。
たまにマイアとルリオン様も話してるのを見かける。
平然と話してるのにルリオン様を見てる瞳が明らかに他の人と違ってて、もっと自分を出せばいいのにってヤキモキしちゃうんだよね。
アケルナーとリゲルも相変わらず。アケルナーがポラリスに惹かれるのは二学年になってから、いや…一学年の終わりくらいかな?
怪我したアケルナーを治癒したのがキッカケだったような…。興味なかったからあんま覚えてないや。
まだ一学年の前半だし、このくらいの進み具合だよね。
サークル活動もやってはいるけど…ただ闇雲に始めただけに、1ミリも進展はない。
アルファルドも名前があるだけで、サークル活動には全く参加してない。
何度か呼び止めたけど、結局午後には帰っちゃうからな。ホント手強いよ。
色々うまくいかなくて、メインキャラ達はそれなりに進んでるのに、私だけ取り残されてる。
私の予定だともう少しアルファルドと仲良くなってるはずだったんだけどな…。
もう講義が始まってて、隣の席のアルファルドは相変わらず頬杖ついてやる気無さそうに講義を聞いてる。
その姿を横から見てて、まぁいいかと考え直した。
ま、私には私のペースがあるし。
ジーッと見てたから気づいたのか、元々気づいてるのかわからない。
でもアルファルドが私の方をほんの少しだけ顔向けて見てくれた。
「─!」
もうそれだけで嬉しくて、アルファルドに向けてニコッと笑った。
そしたらまたすぐに前を向いちゃった。
え~!?めちゃくちゃ嬉しい!!
アルファルドが、アルファルドが…私を見てくれたよぉ~!!
これだけでこんなに幸せな気分になれるなんて。
もっともっと仲良くなれるといいなッ!
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