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スタンピード編 17
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そんなのやだ!!
両手で防いでいた筈の手は黒い炎に向けて伸ばして、覚えたばかりの魔法を再び唱えた。
『魔法無力化!』
熱気で空気が歪むような空間の歪みが起きて、目の前で爆発した炎は跡形もなく消えた。
身体から魔力がごっそり抜けた感覚がわかる。
力が抜き取られるようなそんな脱力するような感覚だった。
たぶん無力化する相手の魔法が強すぎるせいなのか、その分余計に魔力の消費量が大きくなるみたい。
着地と同時に膝を地についてしまう。
正直…魔力がそろそろマズいと思う。
ステータスが見れないから断言できないけど、感覚的に魔法が発現してからかなりの魔力を使った。
頭が少しずつ痛み出している。
魔力枯渇状態になったことはないけど、エルナト先生から教えもらった症状に似たものが身体に出始めている。
<ニンゲン…キケン…コロス……>
オークロードがまた地を這うようなおぞましい言葉をこっちに向けてる。
さっきの一撃で庭園の地面に刺さった大剣を抜くと、殺気全開でしゃがんでる私に突進してくる。
「グオォォォオオオ!!」
凄まじい雄叫びと共に突っ込んでくるオークロード。
呼吸を大きく吸ってゆっくりと吐き出して、立ち上がってから背中にある剣の柄を手に取って剣を収めた。
勝負は一瞬で決まる。
横で剣を構え目を閉じて視覚じゃなく、五感で感じるよう全ての神経を張り巡らせる。
左足を踏み込み、柄を持つ手に力を込める。
迫りくる足音、空気の振動、相手の息遣い、全てに集中し一気に剣を引き抜いた!
シュンッッ!!
互いに交差して、反対方向で静止する。
一瞬時間が止まったように一切の音が消えた。
引き抜いた剣を柄に戻すと、反対側でオークロードの首が飛ぶ。
ブシャァァッッ!と切り口から血が飛び散って、止まっていた巨体が地面に音を立て倒れた。
そこでようやく息を吸い込んだ。
汗がどっと溢れ出して、心臓がバクバクと脈打ちながら今にも倒れてしまいそう。
剣を地面に刺して、支え替わりにしてどうにかやり過ごした。
あと…一匹……。
魔力もだけど、体力的にももう限界だ。
残っていた回復薬はほとんどあげてしまったから、どうすることもできない。
オークロードが倒れた事で、信じられない表情をしてるゴブリンキングに焦りが見えはじめてる。
離れた場所で錫杖を構えてるけど、ゴブリンキングは魔法系が得意な反面、物理攻撃はそれほどではないのが特徴。
ここは畳み掛けよう!
一度大きく深呼吸をして、気合を入れ直した。
剣を再び握って、錫杖を構えていたゴブリンキングの懐へと一蹴りで移動した。
臆したゴブリンキングを怒涛の勢いで攻撃する。
『インフェルノ!』
突然ゴブリンキングの背中に火属性の最上級魔法が放たれた。
「ギィアア!!」
背後から攻撃されて、まともに喰らってダメージを受けてる。
見るとポルックス公爵が何とか立ち上がってボロボロになりながらも、手をかざして援護してくれてる。
「誰かは知らんが、頼む…倒してくれ!!」
攻撃のおかげで相手に隙ができて、風魔法を使いトップスピードで地面を蹴って錫杖を持っていた腕を切り落とした。
「ガァグアア!!」
腕から青い血が吹き出す。
腕を押さえ悶え苦しむゴブリンキングに今度は反対側から風属性最上級攻撃魔法が襲う。
『エアロエッジ!』
鎌鼬のような、目に見えない鋭い真空の風がゴブリンキングの残った腕を切り落とした。
「シリウス…やるでござる!最後は、任せたでござるっ!!」
うつ伏せて倒れてたベガはその状態のまま腕だけ伸ばして、口から血を流しながら風魔法を唱えて必死に叫んでる。
みんな、ありがとう…。
この絶望的な状況の中でも、信じて託された気持ちがすごく嬉しくて…込み上げてくる想いを必死に押し込めて、攻撃手段を失ったゴブリンキングに最後の一撃をお見舞いする。
ドスッッッ!!
魔物の核と呼ばれる心臓に近い部分は胸の右側にある。
その部分を剣で一突きして核ごと貫いた。
「ガアァッ!!」
核を破壊されたゴブリンキングは石化していき、砂となった足の部分からサラサラと崩れ落ちていく。
<…アルジ…ヨ……スマ………>
ゴブリンキングは最後まで言葉を紡げないまま、砂になって消えていった。
そんなのやだ!!
両手で防いでいた筈の手は黒い炎に向けて伸ばして、覚えたばかりの魔法を再び唱えた。
『魔法無力化!』
熱気で空気が歪むような空間の歪みが起きて、目の前で爆発した炎は跡形もなく消えた。
身体から魔力がごっそり抜けた感覚がわかる。
力が抜き取られるようなそんな脱力するような感覚だった。
たぶん無力化する相手の魔法が強すぎるせいなのか、その分余計に魔力の消費量が大きくなるみたい。
着地と同時に膝を地についてしまう。
正直…魔力がそろそろマズいと思う。
ステータスが見れないから断言できないけど、感覚的に魔法が発現してからかなりの魔力を使った。
頭が少しずつ痛み出している。
魔力枯渇状態になったことはないけど、エルナト先生から教えもらった症状に似たものが身体に出始めている。
<ニンゲン…キケン…コロス……>
オークロードがまた地を這うようなおぞましい言葉をこっちに向けてる。
さっきの一撃で庭園の地面に刺さった大剣を抜くと、殺気全開でしゃがんでる私に突進してくる。
「グオォォォオオオ!!」
凄まじい雄叫びと共に突っ込んでくるオークロード。
呼吸を大きく吸ってゆっくりと吐き出して、立ち上がってから背中にある剣の柄を手に取って剣を収めた。
勝負は一瞬で決まる。
横で剣を構え目を閉じて視覚じゃなく、五感で感じるよう全ての神経を張り巡らせる。
左足を踏み込み、柄を持つ手に力を込める。
迫りくる足音、空気の振動、相手の息遣い、全てに集中し一気に剣を引き抜いた!
シュンッッ!!
互いに交差して、反対方向で静止する。
一瞬時間が止まったように一切の音が消えた。
引き抜いた剣を柄に戻すと、反対側でオークロードの首が飛ぶ。
ブシャァァッッ!と切り口から血が飛び散って、止まっていた巨体が地面に音を立て倒れた。
そこでようやく息を吸い込んだ。
汗がどっと溢れ出して、心臓がバクバクと脈打ちながら今にも倒れてしまいそう。
剣を地面に刺して、支え替わりにしてどうにかやり過ごした。
あと…一匹……。
魔力もだけど、体力的にももう限界だ。
残っていた回復薬はほとんどあげてしまったから、どうすることもできない。
オークロードが倒れた事で、信じられない表情をしてるゴブリンキングに焦りが見えはじめてる。
離れた場所で錫杖を構えてるけど、ゴブリンキングは魔法系が得意な反面、物理攻撃はそれほどではないのが特徴。
ここは畳み掛けよう!
一度大きく深呼吸をして、気合を入れ直した。
剣を再び握って、錫杖を構えていたゴブリンキングの懐へと一蹴りで移動した。
臆したゴブリンキングを怒涛の勢いで攻撃する。
『インフェルノ!』
突然ゴブリンキングの背中に火属性の最上級魔法が放たれた。
「ギィアア!!」
背後から攻撃されて、まともに喰らってダメージを受けてる。
見るとポルックス公爵が何とか立ち上がってボロボロになりながらも、手をかざして援護してくれてる。
「誰かは知らんが、頼む…倒してくれ!!」
攻撃のおかげで相手に隙ができて、風魔法を使いトップスピードで地面を蹴って錫杖を持っていた腕を切り落とした。
「ガァグアア!!」
腕から青い血が吹き出す。
腕を押さえ悶え苦しむゴブリンキングに今度は反対側から風属性最上級攻撃魔法が襲う。
『エアロエッジ!』
鎌鼬のような、目に見えない鋭い真空の風がゴブリンキングの残った腕を切り落とした。
「シリウス…やるでござる!最後は、任せたでござるっ!!」
うつ伏せて倒れてたベガはその状態のまま腕だけ伸ばして、口から血を流しながら風魔法を唱えて必死に叫んでる。
みんな、ありがとう…。
この絶望的な状況の中でも、信じて託された気持ちがすごく嬉しくて…込み上げてくる想いを必死に押し込めて、攻撃手段を失ったゴブリンキングに最後の一撃をお見舞いする。
ドスッッッ!!
魔物の核と呼ばれる心臓に近い部分は胸の右側にある。
その部分を剣で一突きして核ごと貫いた。
「ガアァッ!!」
核を破壊されたゴブリンキングは石化していき、砂となった足の部分からサラサラと崩れ落ちていく。
<…アルジ…ヨ……スマ………>
ゴブリンキングは最後まで言葉を紡げないまま、砂になって消えていった。
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