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スタンピード編 15
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休む間もなくゴブリンキングが幾つも輪のついた錫杖をシャンッと天にかざして、魔法を唱えると殿下に向かって振り下ろしてる。
《ヘルズ・スネイク》
錫杖から放たれた漆黒の炎が、数十メートルはある城の天辺まで一瞬で燃え上がる。
再び木の上で傍観してた私もその禍々しい黒い炎に、先ほどジェネラルにやられた炎の龍を思い出す。
だけど、大きさも火力もまるで比較にならない。
アレが放たれたらもう終わりだ。
生け贄にすると言ってたから、殺しはしないんだろうけど…殿下が連れて行かれたら、とてつもなく嫌なことが起こる予感がする。
ちょっと!帝国騎士団はまだ到着しないの!!?
掴んでた木を握り締めバキバキと破壊しながら焦る私を他所に、魔物達は待つことなんてしてくれない。
<ヤレ…>
静かに放たれる言葉。
ゴブリンキングが放つ黒い炎の数メートル先では、殿下が剣に炎をまとわせて魔法剣をかまえて迎え撃つつもり。
この魔法剣自体も普通の人間には出来ない、ソードマスター級の相当レベルが高い技術なんだよね。
果たしてこの技であの禍々しい黒い炎を相殺することができるのか…。
緊迫した状況のなか申し訳ないけど、私はハイレベルの死闘に胸を高鳴らせてた。
こんなの、中々見れるもんじゃない……。
ゴクリと唾を飲み込み手に汗握りながら、一分一秒がとても長いものに感じられた。
暗黒竜のようにぐるぐると円を描きながら殿下に向かい延びていく炎。
殿下は燃えさかる魔法剣を天に向けて振り上げると、自分に向かって突進してくる黒い炎を前に大きく振り下ろして迎撃する。
ザンッッ!!
時が止まったように黒い炎は殿下の手間でピタリと静止して、パカリと2つに分かれて通り過ぎてく。
うわ…すごっ!……思わず魅入っちゃったよ!なんて素晴らしい技!!
傍観者に成り果ててた私は、殿下の素晴らしい剣技に心の中で称賛と拍手を送る。
だけど通りすぎた黒い炎は今度は双頭の蛇になって殿下に襲いかかってきた。
「なにっ!?」
左右二手に分かれた黒い炎は蛇行しながら殿下を翻弄してる。
魔法剣で迫りくる炎の牙を退いてるけど、次第に疲れが見え始めてる。
近くで見ていたオークロードも大剣を片手に加勢して、一気に形勢逆転してしまった。
「ぐぅ!……ぬぅっ」
黒い炎を寸でで躱しながら大剣を振り回してるオークロードを魔法剣で防いでる。
1対多数でのお手本のような見事な戦い。
こういう時は攻撃じゃなくて、防御に徹することこそが正解なんだよね。
息を飲むようなギリギリの戦い。
出しゃばっちゃいけないと思いながら、心がウズウズとざわついてくる。
休む間もなくゴブリンキングが幾つも輪のついた錫杖をシャンッと天にかざして、魔法を唱えると殿下に向かって振り下ろしてる。
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再び木の上で傍観してた私もその禍々しい黒い炎に、先ほどジェネラルにやられた炎の龍を思い出す。
だけど、大きさも火力もまるで比較にならない。
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ちょっと!帝国騎士団はまだ到着しないの!!?
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<ヤレ…>
静かに放たれる言葉。
ゴブリンキングが放つ黒い炎の数メートル先では、殿下が剣に炎をまとわせて魔法剣をかまえて迎え撃つつもり。
この魔法剣自体も普通の人間には出来ない、ソードマスター級の相当レベルが高い技術なんだよね。
果たしてこの技であの禍々しい黒い炎を相殺することができるのか…。
緊迫した状況のなか申し訳ないけど、私はハイレベルの死闘に胸を高鳴らせてた。
こんなの、中々見れるもんじゃない……。
ゴクリと唾を飲み込み手に汗握りながら、一分一秒がとても長いものに感じられた。
暗黒竜のようにぐるぐると円を描きながら殿下に向かい延びていく炎。
殿下は燃えさかる魔法剣を天に向けて振り上げると、自分に向かって突進してくる黒い炎を前に大きく振り下ろして迎撃する。
ザンッッ!!
時が止まったように黒い炎は殿下の手間でピタリと静止して、パカリと2つに分かれて通り過ぎてく。
うわ…すごっ!……思わず魅入っちゃったよ!なんて素晴らしい技!!
傍観者に成り果ててた私は、殿下の素晴らしい剣技に心の中で称賛と拍手を送る。
だけど通りすぎた黒い炎は今度は双頭の蛇になって殿下に襲いかかってきた。
「なにっ!?」
左右二手に分かれた黒い炎は蛇行しながら殿下を翻弄してる。
魔法剣で迫りくる炎の牙を退いてるけど、次第に疲れが見え始めてる。
近くで見ていたオークロードも大剣を片手に加勢して、一気に形勢逆転してしまった。
「ぐぅ!……ぬぅっ」
黒い炎を寸でで躱しながら大剣を振り回してるオークロードを魔法剣で防いでる。
1対多数でのお手本のような見事な戦い。
こういう時は攻撃じゃなくて、防御に徹することこそが正解なんだよね。
息を飲むようなギリギリの戦い。
出しゃばっちゃいけないと思いながら、心がウズウズとざわついてくる。
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