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スタンピード編 11
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(※途中、少し視点が変わります)
チリチリと炎の龍に囲まれて締め上げられてく。
魔力を循環させてるのに、何の変化も起こらない。
さっき起きた事はただの奇跡だったの?
迫りくる灼熱の熱さに焦りを感じる。
や…、イヤだ……こんな所で死にたくない!
*
「シリウスー!!逃げろぉ!」
「こんな凄まじい火力じゃ無理よ!逃れられないわ!」
「ちくしょう…近づけない…」
公爵邸の入口付近で仁王立ちしているゴブリンジェネラルが勝利を確信したように咆哮を上げる。
見ていた冒険者達はあまりの火力に近づくことすらできない。魔法使いも水魔法を繰り出すのに何の効果も得られなかった。成す術もなく、悔しそうに燃えさかる炎を見ているしかできなかった。
ゴオォォォウゥゥゥ!!
<シネ…ニンゲン……>
再び斧を構えたジェネラルに冒険者達は突然向けられた刃物のような鋭利な殺気に、この世の終わりを感じさせる凄まじい戦慄を味わう。
「アイツ…今なにか言ったぞ…」
「魔物の言葉なんてわかるわけないでしょ!」
「わからんが、今度はこっちの番てかぁ!?」
ジェネラルは斧を頭の上まで振り上げ、3人に向かい真っ直ぐ突進していく。
空を切るほどの素早い動きに、大股で地面を削りながらドスンドスン!と迫りくる。
「盾をっ!!」
「ダメっ、間に合わな─!!」
「クソがぁぁー!!」
盾を構えたが間に合わない。巨体がひときわ大きく地面を蹴ると、空高くジャンプしその勢いのまま斧を振り下ろす。
「うわあぁぁぁ!!」
「きゃあああ!!」
「ぐぅぅ!」
だだっ広い庭園一面に、3人の絶叫が重なり合って響き渡る。
目をキツくつむり、次の衝撃を待つがなかなか訪れない。
ただ何が重いものが落ちた時の とした音が聞こえた。
「あ…ああ…、あ」
恐る恐る目を開けると戦士の一人が震えた声を出している。他の2人も目を開くと信じられない光景が広がっていた。
地に膝を付き、首を切り落とされたゴブリンジェネラル。
そのすぐ側にシリウスが剣をたずさえ立っていた。
首から青い血が吹き出している様をジッと見ている。
「ヒッ!」
「シリ…ウス……」
花が乱雑に荒らされた庭園に座り込みながら茫然と3人は今見ている光景を理解しようと努めた。
*
危なかった…今回はさすがに命の危険を感じたよ。
剣を地面に突き立ててそれを支えにして呼吸を整えた。
魔物の血に染まった自分の黒い手袋を見つめて、確かめるように何度か力を入れて握るを繰り返した。
まだ、震えが止まらないよ…。
自分の魔法が発動しなければ焼け死んでた。
そしてこの危機的状況じゃなかったら、きっと発現しなかったんだろうな。
今ならハッキリわかる。
私の持つ魔法は、魔法を打ち消す魔法。
魔法の無力化だ。
チリチリと炎の龍に囲まれて締め上げられてく。
魔力を循環させてるのに、何の変化も起こらない。
さっき起きた事はただの奇跡だったの?
迫りくる灼熱の熱さに焦りを感じる。
や…、イヤだ……こんな所で死にたくない!
*
「シリウスー!!逃げろぉ!」
「こんな凄まじい火力じゃ無理よ!逃れられないわ!」
「ちくしょう…近づけない…」
公爵邸の入口付近で仁王立ちしているゴブリンジェネラルが勝利を確信したように咆哮を上げる。
見ていた冒険者達はあまりの火力に近づくことすらできない。魔法使いも水魔法を繰り出すのに何の効果も得られなかった。成す術もなく、悔しそうに燃えさかる炎を見ているしかできなかった。
ゴオォォォウゥゥゥ!!
<シネ…ニンゲン……>
再び斧を構えたジェネラルに冒険者達は突然向けられた刃物のような鋭利な殺気に、この世の終わりを感じさせる凄まじい戦慄を味わう。
「アイツ…今なにか言ったぞ…」
「魔物の言葉なんてわかるわけないでしょ!」
「わからんが、今度はこっちの番てかぁ!?」
ジェネラルは斧を頭の上まで振り上げ、3人に向かい真っ直ぐ突進していく。
空を切るほどの素早い動きに、大股で地面を削りながらドスンドスン!と迫りくる。
「盾をっ!!」
「ダメっ、間に合わな─!!」
「クソがぁぁー!!」
盾を構えたが間に合わない。巨体がひときわ大きく地面を蹴ると、空高くジャンプしその勢いのまま斧を振り下ろす。
「うわあぁぁぁ!!」
「きゃあああ!!」
「ぐぅぅ!」
だだっ広い庭園一面に、3人の絶叫が重なり合って響き渡る。
目をキツくつむり、次の衝撃を待つがなかなか訪れない。
ただ何が重いものが落ちた時の とした音が聞こえた。
「あ…ああ…、あ」
恐る恐る目を開けると戦士の一人が震えた声を出している。他の2人も目を開くと信じられない光景が広がっていた。
地に膝を付き、首を切り落とされたゴブリンジェネラル。
そのすぐ側にシリウスが剣をたずさえ立っていた。
首から青い血が吹き出している様をジッと見ている。
「ヒッ!」
「シリ…ウス……」
花が乱雑に荒らされた庭園に座り込みながら茫然と3人は今見ている光景を理解しようと努めた。
*
危なかった…今回はさすがに命の危険を感じたよ。
剣を地面に突き立ててそれを支えにして呼吸を整えた。
魔物の血に染まった自分の黒い手袋を見つめて、確かめるように何度か力を入れて握るを繰り返した。
まだ、震えが止まらないよ…。
自分の魔法が発動しなければ焼け死んでた。
そしてこの危機的状況じゃなかったら、きっと発現しなかったんだろうな。
今ならハッキリわかる。
私の持つ魔法は、魔法を打ち消す魔法。
魔法の無力化だ。
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