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スタンピード編 9
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それからは不思議な感覚だった。
私の中から私を見ているような…なのに思うように身体が動いてるみたいな…。
先に進むと他の冒険者達も戦ってて、城の入口付近ではゴブリンジェネラルが暴れてた。
こうなる前ならさぞ美しかっただろう庭園がめちゃくちゃで、咲き誇っていた花々は蹂躙されて倒された冒険者の亡骸も周りに何体か横たわってた。
A級冒険者がこうも無惨に倒されてるなら、その上のオークロードやゴブリンキングの強さは想像に固くないな。
確かにゲーム上でもボス面なんかにはこの2体が出てきていたけど、そんなのはほとんど終盤辺りだった記憶がある。
「ヤツは魔法が効かない!魔法使いは下がるんだー!」
「な、なんて桁違いな強さなの!?」
「もう二人も殺られたぞ……」
門番のように行く手を遮るゴブリンジェネラル。
固い深紅の鎧に身を包んで、甲冑で顔はわからないけど所々出ている手足は青黒い皮膚をしてる。
見上げる程の4、5メートルくらいはある大柄の体格に、広範囲まで届く重そうな長い斧を持ってる。
この鎧は魔法耐性があって、ほとんどの魔法を弾いてしまう。しかもこのジェネラルは魔法も使える。
確か火魔法だったと思うが厄介な事この上ない。
「あの鎧さえ無ければ…もっと攻撃出来るのに!!」
「マズイっ!魔法を打ってくるぞぉぉー!!」
口元から炎が揺らめいて、火柱のような炎が降り注いでる。
《ヘル・ファイアー》
「熱っ!わぁぁぁー!!」
「水魔法急げぇぇーー!!」
「キャアー!うぉっ!」『ウォーターシールド』
一面に水の膜が出来上がり防御するけど、それも一瞬ですぐ炎の渦に飲み込まれてる。
「ぎぃあぁぁ!!」
「熱いっ!熱いよぉ!!」
冒険者達は炎の渦の中にもだえ苦しんでる。
背後からその様子を見ているんだけど、何故か身体がうまく動かない。
何かが体の動きを阻害してる感じ。
そのもどかしい何かを吐き出したくて、炎の渦巻いてる冒険者たちの前に着地した。
手を前に翳し身体に滞っているモノを吐き出しすように魔力を放出した。
《€£¢£》
自分で唱えた言葉もわからないのに、身体から魔力が減って掌を伝って魔法が発動された。
その瞬間、目の前で燃え盛ってた炎が一瞬で消え去った。
魔力を放出したら体がスゥーと軽くなって、目が醒めたように身体が何かから解放された。
「……何…だ?炎が、消えた…??」
突然炎が消えた冒険者も重症を負いながらも驚愕を隠せないでいる。
あれ?……あれれ??何だろう…今の?
自分で無意識にやったことなのに疑問を抱く。
今…私は確かに魔法を使ったよね?その感覚はわかる。自分の手を見ながら自分で驚いた。
「お…まえ…は…、シリ…ウス…」
「うぅ……痛い……」
自分の後ろにいた冒険者達は助かったけど、重度の火傷を負ったようで瀕死の状態だった。
常備してたポーションを後ろの3人に向かってポンッと投げる。これでポーションは最後の一本だった。
「す…まない……」
戦士の男が一口ポーションを飲んでる。次に女の魔法使い、最後にもう一人の戦士が飲み干した。
量が少ないから全回復とまではいかないけど、3人とも負っていた火傷が消えて、体力がわずかに回復したと思う。
「ふぃ……助かっ…た………」
「信じられない…うぅ…生きてるわっ……」
「火傷が消えた。良かった……」
3人は口々に感謝と、今生きている実感を味わってる。
でもこっちはまだオークジェネラルを倒したわけじゃない。
ただ自分の放った魔法が消えて困惑している様子だった。
首を横に捻って自分の手を見てた。随分人間らしい表現をするモンスターだな…ってちょっと感心してた。
<オマエ……ナゼ、ツカ…エル?>
「!!?」
えぇっ!モンスターが人間の言葉を喋った!?
私は唖然としてゴブリンジェネラルを凝視した。
それからは不思議な感覚だった。
私の中から私を見ているような…なのに思うように身体が動いてるみたいな…。
先に進むと他の冒険者達も戦ってて、城の入口付近ではゴブリンジェネラルが暴れてた。
こうなる前ならさぞ美しかっただろう庭園がめちゃくちゃで、咲き誇っていた花々は蹂躙されて倒された冒険者の亡骸も周りに何体か横たわってた。
A級冒険者がこうも無惨に倒されてるなら、その上のオークロードやゴブリンキングの強さは想像に固くないな。
確かにゲーム上でもボス面なんかにはこの2体が出てきていたけど、そんなのはほとんど終盤辺りだった記憶がある。
「ヤツは魔法が効かない!魔法使いは下がるんだー!」
「な、なんて桁違いな強さなの!?」
「もう二人も殺られたぞ……」
門番のように行く手を遮るゴブリンジェネラル。
固い深紅の鎧に身を包んで、甲冑で顔はわからないけど所々出ている手足は青黒い皮膚をしてる。
見上げる程の4、5メートルくらいはある大柄の体格に、広範囲まで届く重そうな長い斧を持ってる。
この鎧は魔法耐性があって、ほとんどの魔法を弾いてしまう。しかもこのジェネラルは魔法も使える。
確か火魔法だったと思うが厄介な事この上ない。
「あの鎧さえ無ければ…もっと攻撃出来るのに!!」
「マズイっ!魔法を打ってくるぞぉぉー!!」
口元から炎が揺らめいて、火柱のような炎が降り注いでる。
《ヘル・ファイアー》
「熱っ!わぁぁぁー!!」
「水魔法急げぇぇーー!!」
「キャアー!うぉっ!」『ウォーターシールド』
一面に水の膜が出来上がり防御するけど、それも一瞬ですぐ炎の渦に飲み込まれてる。
「ぎぃあぁぁ!!」
「熱いっ!熱いよぉ!!」
冒険者達は炎の渦の中にもだえ苦しんでる。
背後からその様子を見ているんだけど、何故か身体がうまく動かない。
何かが体の動きを阻害してる感じ。
そのもどかしい何かを吐き出したくて、炎の渦巻いてる冒険者たちの前に着地した。
手を前に翳し身体に滞っているモノを吐き出しすように魔力を放出した。
《€£¢£》
自分で唱えた言葉もわからないのに、身体から魔力が減って掌を伝って魔法が発動された。
その瞬間、目の前で燃え盛ってた炎が一瞬で消え去った。
魔力を放出したら体がスゥーと軽くなって、目が醒めたように身体が何かから解放された。
「……何…だ?炎が、消えた…??」
突然炎が消えた冒険者も重症を負いながらも驚愕を隠せないでいる。
あれ?……あれれ??何だろう…今の?
自分で無意識にやったことなのに疑問を抱く。
今…私は確かに魔法を使ったよね?その感覚はわかる。自分の手を見ながら自分で驚いた。
「お…まえ…は…、シリ…ウス…」
「うぅ……痛い……」
自分の後ろにいた冒険者達は助かったけど、重度の火傷を負ったようで瀕死の状態だった。
常備してたポーションを後ろの3人に向かってポンッと投げる。これでポーションは最後の一本だった。
「す…まない……」
戦士の男が一口ポーションを飲んでる。次に女の魔法使い、最後にもう一人の戦士が飲み干した。
量が少ないから全回復とまではいかないけど、3人とも負っていた火傷が消えて、体力がわずかに回復したと思う。
「ふぃ……助かっ…た………」
「信じられない…うぅ…生きてるわっ……」
「火傷が消えた。良かった……」
3人は口々に感謝と、今生きている実感を味わってる。
でもこっちはまだオークジェネラルを倒したわけじゃない。
ただ自分の放った魔法が消えて困惑している様子だった。
首を横に捻って自分の手を見てた。随分人間らしい表現をするモンスターだな…ってちょっと感心してた。
<オマエ……ナゼ、ツカ…エル?>
「!!?」
えぇっ!モンスターが人間の言葉を喋った!?
私は唖然としてゴブリンジェネラルを凝視した。
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