8 / 392
子供編 7
しおりを挟む
‘
あれから急いで荷物をまとめエルナト先生は実家へ帰って行った。
必ず探し出します!と力強い言葉をもらい、絶望と不安に駆られていた私の心を元気づけてくれたよ。
あれだけ楽しみにして騒いでいた実技講習が残念な結果になり、落ち込んで戻ってきた私を父が必死になって慰めてくれてるんだけどさ。
「ミラっ、ま、まあ…残念だったけど父様や母様も魔法なんて使えないしなっ!あんなもの使え無くても、父様みたいに立派に生きていけるさ!」
自分の部屋のベッドで布団を被り泣きながら不貞腐れてた私に、父はドヤーっとばかりに胸をバンッと叩き仁王立ちしてた。
「……」
顔だけ出してその様子を見てた私は、無言でそっぽを向いた。
「ミ、ミラ…?おいっ…なんだ?今の、説得力あっただろっ!?」
後ろに控えていた母に焦りながら同意を求めてるけど、母はふふふっ…と笑うだけで何も言わなかった。
母と一緒に来てたミザルも、とことこ走りながらベッドまで寄ってきてくれる。
「ミラ、こっちへおいで…」
「ねーたま、だいじょうぶ?いたいいたいの~?」
今度は母がベッドの端に座り、頭を撫でてくれる。
私は素直に母の方へ体を寄せた。
「大丈夫よ、きっと上手くいくわ。心配しないで、流れに身を任せるのよ?」
「ねーたま、よしよし」
母は囁くように言いながら、頭を撫で続けてくれてる。
不思議……お母様が言うと、何でもその通りになる気がする。
ミザルも母の真似して被ってた布団を小さな手で撫でてた。
嬉しくて泣きながら頷いた。
お父様が不貞腐れて肩を落としてるのも気にしないで…泣き疲れた私はそのまま眠りについた。
次の日。
エルナト先生もいなくなったし、魔法も使えないし…皆に慰めてもらってもまだまだしょんぼりとしていた私。
目の腫れも治まらなくて、横になりながらララが冷えた布巾を目に当てて心配してくれた。
「お嬢様、大丈夫ですか…?」
「…うん…ありがとう…ララ」
明らかな空元気で、無理に笑顔も作ったけどララを余計に心配させたみたい。
魔法が使えなきゃ魔法アカデミアに入れない。大好きなアルファルドにも会えないし、ミティストのメインキャラ達を見ることもできないよ。
せっかくゲームの世界に転生したのに……。
私の頭の中はそんな思いでいっぱいだったんだ。
ララは温くなったタオルをまた水で絞り、再び目に当てる。
「私のような者がこんな事言うのはおこがましいですが、魔法が使えなくてもお嬢様はお嬢様です。ララは元気で優しいお嬢様が大好きです!」
この時に…自分て馬鹿だなって思った。
まだ子供だからか涙腺が弱くて、また涙が溢れてきた。
「お、お嬢様!?変なこと言って申し訳ありません…!」
「違う…うれしくて…私もララが大好きだよ」
みんなを心配させてどうするんだよ。不純な気持ちで落ち込んだりしてごめんなさい。
へへッと笑って笑顔を見せると、取り乱してたララもホッしたみたいに笑った。
「もう、大丈夫…ありがとう」
「お嬢様…」
2人で笑顔になって笑いあった。
さらに何日か経ち、ようやく気持ちの整理がついてきた私に、筆頭護衛騎士のタウリが意気揚々と剣術と武術を教えてくれた。
「ようやくわしに出番が回ってましたなっ!これで集中してお嬢に手ほどきできますぞ!」
ガッハッハ~と豪快に笑うタウリは50を超えているけど、元冒険者で元傭兵という肩書を持っていて、どうしてこうなったのか今は筆頭護衛騎士として働いている。
出世街道まっしぐらの元気なおっさんだ。
短い白髪を後ろでギュッと一本に縛り、背は高めでガタイはいい、昔の名残で腕や顔にも傷が沢山ある。
山賊みたいな面構えで豪快なんだけど、根は嘘のように繊細で誠実な男なのだ。
「は、ハハッ……タウリ、お手柔らかにね…」
このおっさんは普段繊細なのだが、戦闘や訓練になると見た目通りの熱血系に変身してしまう最悪な特性を持ってる。
「何をおっしゃるか!わしについて来れなければ、立派な騎士にはなれませんぞ!!」
「いやぁ……私、騎士は目指してないよ。てか、その荷物なに?」
野営道具の入った袋を担ぎ、手には木刀をもっている。それを見てとてつもなくイヤな予感が走った。
「余計なお喋りはお終いですぞ!まずは領地一周っ!」
「ギャァァッッーーーー!」
ちなみにうちの領地は山4つほどある。
このおかげで私は数日間地獄を見る羽目に…。
野営までしながら走りきった私は、ズタボロになりながら子爵家まで戻った。
もちろんこのあと、タウリはうちの父にみっちりこってりしこたま怒られることになる。
地獄の訓練が終わったあと、生きた屍となっている私に、タウリはひたすら謝ってる。
「お嬢ぉぉぉ!申し訳、申し訳ありませぬっ!!」
過酷な訓練でまたまたベッドに横たわっている私に、タウリは床に這いつくばり土下座してる。
いちいちうるさくてゆっくり寝れないな…。
「もういいよタウリ。とりあえず疲れたから寝かせて」
「ウウゥゥ…お嬢ぉ…うぐ…、申し訳ない……」
良い年したおっさんが泣くなよ。
床と一体化しようとしているタウリに、私はとりあえず慰めてあげる。
「タウリさぁ、私まだ8歳なの。わかる?まだまだおこちゃまなんだから、しっかりペース配分考えないとダメだよ」
「肝に銘じますぞ…旦那様にも同じ事を言われ、しっかり反省しておりますぞ」
打たれ弱いタウリを見ていると、悪気があってしたことじゃないからとついつい許してちゃうんだよね。
「とりあえず少し休ませてね。筋肉痛が治ったらまたお願いね」
私の一言にパアァァと顔を輝かせ、もの凄い勢いで立ち上がったタウリは、ベッドの横で最敬礼をしてる。
「お嬢ぉ!一生ついていきますぞぉぉ!!」
「ちょっと…チョロすぎだよ、タウリ」
「失礼しましたな!ゆっくり休んで下されっ」
呆れた様子の私など構うふうでもなく、タウリはそのまま出ていってしまった。
呆気に取られ暫らく扉を見つめてから、はあぁぁと長いため息をついた。
しかし、8歳の子供のわりと私って体力っていうか、結構身体能力高いよね。
普通の子供ならとっくに音を上げてるよ。
タウリもいなくなってベッドで横になると疲れのせいかすぐ眠気が襲ってきた。
近くにいたララが布団をかけ直してくれる。
「タウリ卿も反省しているようですし、今はぐっすりお休み下さい…」
ララの声に頷いたあと、すぐ眠りについた。
何日かしてようやく筋肉痛も治り、タウリも良い意味で毒気が抜かれたように、それからはまともな訓練を受けれるようになった。
「お嬢、そこは切り替えしてっ、脇が甘いですぞ!」
「うわぁっ!」
剣と武を交互に教えてもらっているため、習得することは山ほどあるからね。
タウリの傭兵時代や冒険者時代で培った経験は、私の糧となり大いに役立ってくれる。
◇
エルナト先生が去ってから数ヶ月。
暑かった夏が終わり、秋へと季節が変わっていく。
たまに送られていた手紙も、だんだん少なくなっていった。
私はようやく9歳になった。
タウリとの特訓の成果もあり実力もかなりついてきたし。実際私はこっちの方が向いてるみたいだなー。
認めたくないけどタウリってやっぱり強いしすごい。
野営したときも思った。うちの領地はそこまで出没しないけど、たまに出てくる魔物とかも簡単に切って倒してた。
この頃には実戦もふまえ低級のモンスター退治もするようになってた。(両親にはもちろん内緒でね。)
魔法を使う事に関しては相変わらず進んでいない。
とりあえず日々の日課である魔力の循環だけは欠かさず行っている。
この先どうなるかわからない今、できる事をしておきたいから。
あれから急いで荷物をまとめエルナト先生は実家へ帰って行った。
必ず探し出します!と力強い言葉をもらい、絶望と不安に駆られていた私の心を元気づけてくれたよ。
あれだけ楽しみにして騒いでいた実技講習が残念な結果になり、落ち込んで戻ってきた私を父が必死になって慰めてくれてるんだけどさ。
「ミラっ、ま、まあ…残念だったけど父様や母様も魔法なんて使えないしなっ!あんなもの使え無くても、父様みたいに立派に生きていけるさ!」
自分の部屋のベッドで布団を被り泣きながら不貞腐れてた私に、父はドヤーっとばかりに胸をバンッと叩き仁王立ちしてた。
「……」
顔だけ出してその様子を見てた私は、無言でそっぽを向いた。
「ミ、ミラ…?おいっ…なんだ?今の、説得力あっただろっ!?」
後ろに控えていた母に焦りながら同意を求めてるけど、母はふふふっ…と笑うだけで何も言わなかった。
母と一緒に来てたミザルも、とことこ走りながらベッドまで寄ってきてくれる。
「ミラ、こっちへおいで…」
「ねーたま、だいじょうぶ?いたいいたいの~?」
今度は母がベッドの端に座り、頭を撫でてくれる。
私は素直に母の方へ体を寄せた。
「大丈夫よ、きっと上手くいくわ。心配しないで、流れに身を任せるのよ?」
「ねーたま、よしよし」
母は囁くように言いながら、頭を撫で続けてくれてる。
不思議……お母様が言うと、何でもその通りになる気がする。
ミザルも母の真似して被ってた布団を小さな手で撫でてた。
嬉しくて泣きながら頷いた。
お父様が不貞腐れて肩を落としてるのも気にしないで…泣き疲れた私はそのまま眠りについた。
次の日。
エルナト先生もいなくなったし、魔法も使えないし…皆に慰めてもらってもまだまだしょんぼりとしていた私。
目の腫れも治まらなくて、横になりながらララが冷えた布巾を目に当てて心配してくれた。
「お嬢様、大丈夫ですか…?」
「…うん…ありがとう…ララ」
明らかな空元気で、無理に笑顔も作ったけどララを余計に心配させたみたい。
魔法が使えなきゃ魔法アカデミアに入れない。大好きなアルファルドにも会えないし、ミティストのメインキャラ達を見ることもできないよ。
せっかくゲームの世界に転生したのに……。
私の頭の中はそんな思いでいっぱいだったんだ。
ララは温くなったタオルをまた水で絞り、再び目に当てる。
「私のような者がこんな事言うのはおこがましいですが、魔法が使えなくてもお嬢様はお嬢様です。ララは元気で優しいお嬢様が大好きです!」
この時に…自分て馬鹿だなって思った。
まだ子供だからか涙腺が弱くて、また涙が溢れてきた。
「お、お嬢様!?変なこと言って申し訳ありません…!」
「違う…うれしくて…私もララが大好きだよ」
みんなを心配させてどうするんだよ。不純な気持ちで落ち込んだりしてごめんなさい。
へへッと笑って笑顔を見せると、取り乱してたララもホッしたみたいに笑った。
「もう、大丈夫…ありがとう」
「お嬢様…」
2人で笑顔になって笑いあった。
さらに何日か経ち、ようやく気持ちの整理がついてきた私に、筆頭護衛騎士のタウリが意気揚々と剣術と武術を教えてくれた。
「ようやくわしに出番が回ってましたなっ!これで集中してお嬢に手ほどきできますぞ!」
ガッハッハ~と豪快に笑うタウリは50を超えているけど、元冒険者で元傭兵という肩書を持っていて、どうしてこうなったのか今は筆頭護衛騎士として働いている。
出世街道まっしぐらの元気なおっさんだ。
短い白髪を後ろでギュッと一本に縛り、背は高めでガタイはいい、昔の名残で腕や顔にも傷が沢山ある。
山賊みたいな面構えで豪快なんだけど、根は嘘のように繊細で誠実な男なのだ。
「は、ハハッ……タウリ、お手柔らかにね…」
このおっさんは普段繊細なのだが、戦闘や訓練になると見た目通りの熱血系に変身してしまう最悪な特性を持ってる。
「何をおっしゃるか!わしについて来れなければ、立派な騎士にはなれませんぞ!!」
「いやぁ……私、騎士は目指してないよ。てか、その荷物なに?」
野営道具の入った袋を担ぎ、手には木刀をもっている。それを見てとてつもなくイヤな予感が走った。
「余計なお喋りはお終いですぞ!まずは領地一周っ!」
「ギャァァッッーーーー!」
ちなみにうちの領地は山4つほどある。
このおかげで私は数日間地獄を見る羽目に…。
野営までしながら走りきった私は、ズタボロになりながら子爵家まで戻った。
もちろんこのあと、タウリはうちの父にみっちりこってりしこたま怒られることになる。
地獄の訓練が終わったあと、生きた屍となっている私に、タウリはひたすら謝ってる。
「お嬢ぉぉぉ!申し訳、申し訳ありませぬっ!!」
過酷な訓練でまたまたベッドに横たわっている私に、タウリは床に這いつくばり土下座してる。
いちいちうるさくてゆっくり寝れないな…。
「もういいよタウリ。とりあえず疲れたから寝かせて」
「ウウゥゥ…お嬢ぉ…うぐ…、申し訳ない……」
良い年したおっさんが泣くなよ。
床と一体化しようとしているタウリに、私はとりあえず慰めてあげる。
「タウリさぁ、私まだ8歳なの。わかる?まだまだおこちゃまなんだから、しっかりペース配分考えないとダメだよ」
「肝に銘じますぞ…旦那様にも同じ事を言われ、しっかり反省しておりますぞ」
打たれ弱いタウリを見ていると、悪気があってしたことじゃないからとついつい許してちゃうんだよね。
「とりあえず少し休ませてね。筋肉痛が治ったらまたお願いね」
私の一言にパアァァと顔を輝かせ、もの凄い勢いで立ち上がったタウリは、ベッドの横で最敬礼をしてる。
「お嬢ぉ!一生ついていきますぞぉぉ!!」
「ちょっと…チョロすぎだよ、タウリ」
「失礼しましたな!ゆっくり休んで下されっ」
呆れた様子の私など構うふうでもなく、タウリはそのまま出ていってしまった。
呆気に取られ暫らく扉を見つめてから、はあぁぁと長いため息をついた。
しかし、8歳の子供のわりと私って体力っていうか、結構身体能力高いよね。
普通の子供ならとっくに音を上げてるよ。
タウリもいなくなってベッドで横になると疲れのせいかすぐ眠気が襲ってきた。
近くにいたララが布団をかけ直してくれる。
「タウリ卿も反省しているようですし、今はぐっすりお休み下さい…」
ララの声に頷いたあと、すぐ眠りについた。
何日かしてようやく筋肉痛も治り、タウリも良い意味で毒気が抜かれたように、それからはまともな訓練を受けれるようになった。
「お嬢、そこは切り替えしてっ、脇が甘いですぞ!」
「うわぁっ!」
剣と武を交互に教えてもらっているため、習得することは山ほどあるからね。
タウリの傭兵時代や冒険者時代で培った経験は、私の糧となり大いに役立ってくれる。
◇
エルナト先生が去ってから数ヶ月。
暑かった夏が終わり、秋へと季節が変わっていく。
たまに送られていた手紙も、だんだん少なくなっていった。
私はようやく9歳になった。
タウリとの特訓の成果もあり実力もかなりついてきたし。実際私はこっちの方が向いてるみたいだなー。
認めたくないけどタウリってやっぱり強いしすごい。
野営したときも思った。うちの領地はそこまで出没しないけど、たまに出てくる魔物とかも簡単に切って倒してた。
この頃には実戦もふまえ低級のモンスター退治もするようになってた。(両親にはもちろん内緒でね。)
魔法を使う事に関しては相変わらず進んでいない。
とりあえず日々の日課である魔力の循環だけは欠かさず行っている。
この先どうなるかわからない今、できる事をしておきたいから。
12
お気に入りに追加
322
あなたにおすすめの小説
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
【完結】身を引いたつもりが逆効果でした
風見ゆうみ
恋愛
6年前に別れの言葉もなく、あたしの前から姿を消した彼と再会したのは、王子の婚約パレードの時だった。
一緒に遊んでいた頃には知らなかったけれど、彼は実は王子だったらしい。しかもあたしの親友と彼の弟も幼い頃に将来の約束をしていたようで・・・・・。
平民と王族ではつりあわない、そう思い、身を引こうとしたのだけど、なぜか逃してくれません!
というか、婚約者にされそうです!
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
幸せなのでお構いなく!
棗
恋愛
侯爵令嬢ロリーナ=カラーには愛する婚約者グレン=シュタインがいる。だが、彼が愛しているのは天使と呼ばれる儚く美しい王女。
初対面の時からグレンに嫌われているロリーナは、このまま愛の無い結婚をして不幸な生活を送るよりも、最後に思い出を貰って婚約解消をすることにした。
※なろうさんにも公開中
【完結】名ばかりの妻を押しつけられた公女は、人生のやり直しを求めます。2度目は絶対に飼殺し妃ルートの回避に全力をつくします。
yukiwa (旧PN 雪花)
恋愛
*タイトル変更しました。(旧題 黄金竜の花嫁~飼殺し妃は遡る~)
パウラ・ヘルムダールは、竜の血を継ぐ名門大公家の跡継ぎ公女。
この世を支配する黄金竜オーディに望まれて側室にされるが、その実態は正室の仕事を丸投げされてこなすだけの、名のみの妻だった。
しかもその名のみの妻、側室なのに選抜試験などと御大層なものがあって。生真面目パウラは手を抜くことを知らず、ついつい頑張ってなりたくもなかった側室に見事当選。
もう一人の側室候補エリーヌは、イケメン試験官と恋をしてさっさと選抜試験から引き揚げていた。
「やられた!」と後悔しても、後の祭り。仕方ないからパウラは丸投げされた仕事をこなし、こなして一生を終える。そしてご褒美にやり直しの転生を願った。
「二度と絶対、飼殺しの妃はごめんです」
そうして始まった2度目の人生、なんだか周りが騒がしい。
竜の血を継ぐ4人の青年(後に試験官になる)たちは、なぜだかみんなパウラに甘い。
後半、シリアス風味のハピエン。
3章からルート分岐します。
小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。
表紙画像はwaifulabsで作成していただきました。
https://waifulabs.com/
【完結】アラサー喪女が転生したら悪役令嬢だった件。断罪からはじまる悪役令嬢は、回避不能なヤンデレ様に溺愛を確約されても困ります!
美杉。節約令嬢、書籍化進行中
恋愛
『ルド様……あなたが愛した人は私ですか? それともこの体のアーシエなのですか?』
そんな風に簡単に聞くことが出来たら、どれだけ良かっただろう。
目が覚めた瞬間、私は今置かれた現状に絶望した。
なにせ牢屋に繋がれた金髪縦ロールの令嬢になっていたのだから。
元々は社畜で喪女。挙句にオタクで、恋をすることもないままの死亡エンドだったようで、この世界に転生をしてきてしあったらしい。
ただまったく転生前のこの令嬢の記憶がなく、ただ状況から断罪シーンと私は推測した。
いきなり生き返って死亡エンドはないでしょう。さすがにこれは神様恨みますとばかりに、私はその場で断罪を行おうとする王太子ルドと対峙する。
なんとしても回避したい。そう思い行動をした私は、なぜか回避するどころか王太子であるルドとのヤンデレルートに突入してしまう。
このままヤンデレルートでの死亡エンドなんて絶対に嫌だ。なんとしても、ヤンデレルートを溺愛ルートへ移行させようと模索する。
悪役令嬢は誰なのか。私は誰なのか。
ルドの溺愛が加速するごとに、彼の愛する人が本当は誰なのかと、だんだん苦しくなっていく――
ゲームの序盤に殺されるモブに転生してしまった
白雲八鈴
恋愛
「お前の様な奴が俺に近づくな!身の程を知れ!」
な····なんて、推しが尊いのでしょう。ぐふっ。わが人生に悔いなし!
ここは乙女ゲームの世界。学園の七不思議を興味をもった主人公が7人の男子生徒と共に学園の七不思議を調べていたところに学園内で次々と事件が起こっていくのです。
ある女生徒が何者かに襲われることで、本格的に話が始まるゲーム【ラビリンスは人の夢を喰らう】の世界なのです。
その事件の開始の合図かのように襲われる一番目の犠牲者というのが、なんとこの私なのです。
内容的にはホラーゲームなのですが、それよりも私の推しがいる世界で推しを陰ながら愛でることを堪能したいと思います!
*ホラーゲームとありますが、全くホラー要素はありません。
*モブ主人のよくあるお話です。さらりと読んでいただけたらと思っております。
*作者の目は節穴のため、誤字脱字は存在します。
*小説家になろう様にも投稿しております。
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる