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いざ、神聖国へ!
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謁見も無事に終わって、準備はとっくに整ってるからいよいよジュピター神聖国に向かう。
大公城の外に出ると、使節団の人たちもみんな集まってて、私も自分の荷物はまとめて背中に背負ってる。
仮面のシリウス時代からこういったことには慣れてるし、野営道具がなくなったからすごく軽い。
私の場合ドレスとか装飾品とかいらないし、戦闘服とポーションがあればあとはとくに必要ないから。
私の後ろには魔塔からカテリーナ、魔法騎士団からハダルがそれぞれ荷物を背負ってついてきてる。
「シリウス公妃様、よろしくお願いいたしますわ!」
「よ、よ、よろしく、お願い、いたしますっ! シリウス、公妃殿下っ!」
カテリーナはともかく、ハダルはまだ新人だから、かなり緊張してるみたいだね。
あと馬車いっぱいにみんなが用意してくれた荷物があるんだけど、これにはまた別のものが乗ってたりする。
「ではシリウス様、いざジュピター神聖国へ参りましょう」
聖王様がいたのは、大公城の庭園にあるかなり広い場所だった。
いや、参りましょうって、たしかに馬車に乗っての長旅が始まる訳だけど……
これからすぐに神聖国に入る、みたいな言い方に違和感を覚えた。
「馬車に乗ったままで結構です。これからジュピター神聖国の叡智を集結させた魔法をご披露いたしましょう!」
見送りに集まった大公家の魔法使いたちもざわついてる。
「ジュピター神聖国にそのような魔法があるとは、初めて聞きますが……それはどのような魔法で?」
「これは遥か昔、ジュピター神聖国で開発された古代魔法です。この杖に記憶された場所から別の場所へと行き来できる高度な移動魔法なのです」
「い、移動魔法?! そんなものが存在していたのですか?!」
嘘でしょ?! ちょっと待って~!! 移動魔法があったなんて聞いてないよ!
アウリガルで見た召喚魔法にも驚いたけど、まさか移動魔法までこの世に存在してたなんて……!
たしかに魔法文明が衰退する前は、様々な魔法があったのは知ってるけど、まさかここまで色んな魔法が残ってたなんて私も知らなかったよ。
昔、エルナト先生がアンドロメダ神聖国で見た石碑に八大元素以外の魔法が存在するって書いてあったらしいけど、本当に未知の魔法がまだまだあるんだ!
「えぇ。他国にあまり知られたくないのですが、ドラコニス大公国は別です。ここまで多大なる誠意を見せていただいたのですから、こちらも最大限の誠意で返さなければいけませんからね」
にこりと笑った聖王様は私の言ったことをちゃんとわかってくれたのか、こんなすごい魔法を見せてくれるなんて、めちゃくちゃ感動しちゃったよ。
「ひとまず、危険ですので他の方々は離れていてください。これから現れる魔法陣の円陣を跨ぎますと、体が引き裂かれてしまいますので」
それを聞いてた大公国のみんなは慌てて後ろに下がってた。
アルファルドも近くにいたタウリが前に出て守ってくれてて、後ろにサラとメリダも控えててそれ見ただけで私もホッとした。
「では、とくとご覧ください!」
聖王様の背より高い錫杖みたいな杖を大きく振り上げて地面にダンッ! って突き刺さるくらい強く打ち付けた。
『移動型魔法陣』
聖王様が魔法を唱えると、地面に使節団が入るくらい大きな魔法陣が出現した。
「わぁ~! す、すごいっ!!」
「なんだ、これは……こんな魔法は初めて見るぞ! これが魔法陣なのか?!」
「素晴らしいっ! さすが魔法大国! この光り輝く円陣が、ジュピター神聖国の秘められた魔法なのか!?」
もう集まってた大公国のみんなの中には魔法使いも魔法剣士たちもいて、ものすごい騒ぎになってる。
そりゃそうだよね。私だってドキドキわくわくしてるもん!
今じゃ魔法陣の存在自体がなくなって伝説化してるから、それを生で見れるなんてホントすごいっ!
でもこの魔法陣、アウリガルで見た召喚魔法に似てる気がするなぁ……
そんなこと考えてたら、地面に現れた魔法陣がものすごい光を放ち始めた。
「うわぁ~!! 光ったぞ!」
「す、すごい!!」
「アート、気を付けて行ってくるんだよー!!」
「えぇ。アートさん、お気をつけて!」
遠くで見てたリタさんとベッテルさんが声を掛けてくれて、私は笑顔でみんなに向かってブンブン手を振った。
「ありがとうございます! それじゃあ、行ってきまーす!」
最後にアルファルドを見たら、声は聞こえなかったけど、私を見て『ミラ』って言ってるのが口の動きでわかった。
それを見たらすごく切なくなったけど、笑顔で手を振って私たちは光の中に消えてった。
大公城の外に出ると、使節団の人たちもみんな集まってて、私も自分の荷物はまとめて背中に背負ってる。
仮面のシリウス時代からこういったことには慣れてるし、野営道具がなくなったからすごく軽い。
私の場合ドレスとか装飾品とかいらないし、戦闘服とポーションがあればあとはとくに必要ないから。
私の後ろには魔塔からカテリーナ、魔法騎士団からハダルがそれぞれ荷物を背負ってついてきてる。
「シリウス公妃様、よろしくお願いいたしますわ!」
「よ、よ、よろしく、お願い、いたしますっ! シリウス、公妃殿下っ!」
カテリーナはともかく、ハダルはまだ新人だから、かなり緊張してるみたいだね。
あと馬車いっぱいにみんなが用意してくれた荷物があるんだけど、これにはまた別のものが乗ってたりする。
「ではシリウス様、いざジュピター神聖国へ参りましょう」
聖王様がいたのは、大公城の庭園にあるかなり広い場所だった。
いや、参りましょうって、たしかに馬車に乗っての長旅が始まる訳だけど……
これからすぐに神聖国に入る、みたいな言い方に違和感を覚えた。
「馬車に乗ったままで結構です。これからジュピター神聖国の叡智を集結させた魔法をご披露いたしましょう!」
見送りに集まった大公家の魔法使いたちもざわついてる。
「ジュピター神聖国にそのような魔法があるとは、初めて聞きますが……それはどのような魔法で?」
「これは遥か昔、ジュピター神聖国で開発された古代魔法です。この杖に記憶された場所から別の場所へと行き来できる高度な移動魔法なのです」
「い、移動魔法?! そんなものが存在していたのですか?!」
嘘でしょ?! ちょっと待って~!! 移動魔法があったなんて聞いてないよ!
アウリガルで見た召喚魔法にも驚いたけど、まさか移動魔法までこの世に存在してたなんて……!
たしかに魔法文明が衰退する前は、様々な魔法があったのは知ってるけど、まさかここまで色んな魔法が残ってたなんて私も知らなかったよ。
昔、エルナト先生がアンドロメダ神聖国で見た石碑に八大元素以外の魔法が存在するって書いてあったらしいけど、本当に未知の魔法がまだまだあるんだ!
「えぇ。他国にあまり知られたくないのですが、ドラコニス大公国は別です。ここまで多大なる誠意を見せていただいたのですから、こちらも最大限の誠意で返さなければいけませんからね」
にこりと笑った聖王様は私の言ったことをちゃんとわかってくれたのか、こんなすごい魔法を見せてくれるなんて、めちゃくちゃ感動しちゃったよ。
「ひとまず、危険ですので他の方々は離れていてください。これから現れる魔法陣の円陣を跨ぎますと、体が引き裂かれてしまいますので」
それを聞いてた大公国のみんなは慌てて後ろに下がってた。
アルファルドも近くにいたタウリが前に出て守ってくれてて、後ろにサラとメリダも控えててそれ見ただけで私もホッとした。
「では、とくとご覧ください!」
聖王様の背より高い錫杖みたいな杖を大きく振り上げて地面にダンッ! って突き刺さるくらい強く打ち付けた。
『移動型魔法陣』
聖王様が魔法を唱えると、地面に使節団が入るくらい大きな魔法陣が出現した。
「わぁ~! す、すごいっ!!」
「なんだ、これは……こんな魔法は初めて見るぞ! これが魔法陣なのか?!」
「素晴らしいっ! さすが魔法大国! この光り輝く円陣が、ジュピター神聖国の秘められた魔法なのか!?」
もう集まってた大公国のみんなの中には魔法使いも魔法剣士たちもいて、ものすごい騒ぎになってる。
そりゃそうだよね。私だってドキドキわくわくしてるもん!
今じゃ魔法陣の存在自体がなくなって伝説化してるから、それを生で見れるなんてホントすごいっ!
でもこの魔法陣、アウリガルで見た召喚魔法に似てる気がするなぁ……
そんなこと考えてたら、地面に現れた魔法陣がものすごい光を放ち始めた。
「うわぁ~!! 光ったぞ!」
「す、すごい!!」
「アート、気を付けて行ってくるんだよー!!」
「えぇ。アートさん、お気をつけて!」
遠くで見てたリタさんとベッテルさんが声を掛けてくれて、私は笑顔でみんなに向かってブンブン手を振った。
「ありがとうございます! それじゃあ、行ってきまーす!」
最後にアルファルドを見たら、声は聞こえなかったけど、私を見て『ミラ』って言ってるのが口の動きでわかった。
それを見たらすごく切なくなったけど、笑顔で手を振って私たちは光の中に消えてった。
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