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みんなの気持ちがありがたいや

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 翌日。

 柔らかなベッドでパチッと目覚めたら、見惚れるくらい綺麗な寝顔がまず目に入った。

 昨日も……っていうかほとんど今日まで、アルファルドと朝までイチャイチャしてた。
 珍しくアルファルドから激しく求めてくれて、例のごとく途中から記憶がない。
 しばらく会えなくなるかもしれないから、私もアルファルドの感触を忘れたくなくて、求められるまま何度も体を重ねた。
 どんな状況になるかもわからないしね。

 ベッドから起きる前に移動して、サイドテーブルの引き出しに入ってるポーションを取り出した。
 そのまま口に当ててぐいっと一本飲み干す。
 さすがに体がガタガタだし、これからジュピターに向かうなら体調も整えておかないと。

 ポーション飲んだら体が楽になって、とりあえず起き上がって準備を始める。

 私がいない間、サラとメリダはアルファルドの侍女兼護衛に付かせるつもりだから、その辺りは心配してないし。

 裸足で床を歩きながら、床に落ちてたセクシーランジェリーを拾ってどんどん着ていく。
 最後にガウンを羽織って落ち着いたけど……首輪はつけたままでいっか。
 黒いベルトで中央に宝石が嵌め込まれてる、わりとシンプルなやつ。
 アルファルドが新しく首輪買ってくれたから、このままつけていこう。
 
「…ミラ」
「っ、アルファルド」

 振り返ったらベッドから起き上がったアルファルドが、着替え終わった私を見てた。
 アルファルドのところまで歩いて進んで、またベッドに乗り上げて寝起きのアルファルドに抱きついた。

「おはよっ、アルファルド!」
「…あぁ。…もう、起きたのか?」
「うん。色々準備しなきゃだし! アルファルドも一緒に準備しよ?」

 チュッて薄い唇に軽くキスしたら、アルファルドも私の腰に手を回してさらに深く重ねてきた。

「んッ」

 唇が離れて、アルファルドは名残惜しそうにしてたけど、ぎゅって一回強く抱きしめて私から離れてた。

「…そうだな。そろそろ行くか。…神聖国に、返事を返さないとな」
「うん! さっさと終わらせてすぐ帰ってくるからさっ」
「…あぁ」

 少し口角を上げて笑ったアルファルドに、私もニコッと笑って二人で準備に取り掛かった。



 そこからの準備はものすごく早かった。
 昨日のうちからみんなに話してあったから、いつでも出発できるくらい、指示してた色んなものを用意してくれてあった。
 私もたまに遠出したり他国に出向くことも結構あるから、大体何が必要なのかわかってるしね。というより、私の荷物ってかなり少ないんだけど……

「みんな、朝早くから準備してくれてありがとうっ。さっすが我が大公国の臣下たちだね!」
 
 大公国城の広間で準備してくれてるから、みんなの前でお礼を言ったら、その場で手を止めていきなり涙ぐんでる。

「うぅ……、シリウス様に褒められるなんて……!」
「こんな当たり前のことでお礼までっ……! 私たちは果報者です!」
「本当に行ってしまわれるのですね……お早い帰還をお祈りしています」

 軽い気持ちでお礼を言ったのに、まさか泣かれるとは思ってなかったからちょっとびっくり。
 まぁ……、そうだよね。
 普通に馬車でジュピター神聖国まで行くってなると、片道で一ヶ月くらい、往復だと3ヶ月以上かかるんだ。
 それがさらに問題解決してからいざ大公国へ戻ろう、な~んてのになったら、最低でも合わせて半年はかかる。
 アルファルドがなかなか踏み切れなかったのも、そのせいだよね。遠すぎるんだよ、ジュピターって。

「大丈夫だって。俺を誰だと思ってるんだ? すぐに戻ってくるから安心してくれっ」

 ドンッと胸を叩いてみんなを元気づけると、みんなも私の前に集まって涙を拭いて笑顔を見せてくれた。

「はい。シリウス様がそう仰るなら、我らも安心してお待ちしています」
「公妃様、お気をつけて!」
「いってらっしゃいませ!」

 こうやって送り出されることも、結構多くなってきたなぁ。
 私がシリウスだってバレる前は一人で行動してたから、こんなふうに心配されるのってまだ少し擽ったく感じる。
 
「みんな、ありがとう! 行ってくるよ」

 私も笑顔を見せて、ジュピター神聖国との謁見に向かった。

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