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大体、朝はこんな感じ
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「ん……」
目が覚めてしばらくボーッとしてた。
横向いたまま寝てたけど、手の自由が効かなくて、両手を上げるとまだ拘束されたままだった。
アルファルドは後ろから私を抱きしめながら寝てて、後ろから回した手がちょうど胸にあって無意識に揉んでるし。
あー……、そっか。
あのまま気を失っちゃって……そのまま寝た感じかな?
この私を失神させられるのなんて、アルファルドくらいだよね。……冗談抜きで。
SSS級冒険者の私をこんな風にできるアルファルドって、ある意味スゴい。
もうベッドの上じゃ、アルファルドに勝てる気がしないなー。
正面向いて顔だけアルファルドのほう見てるけど、やっぱりアルファルドは見惚れるくらい綺麗な顔してる。
瞳は閉じてるけど、シャープな顎のラインも、光沢のある濡羽色の黒髪も、スッと通った鼻梁に形の良い薄い唇も……
全部が私好みで、いつでも私を魅了してやまないんだ。
このまま見てると、また良からぬ欲が湧いてきちゃう。
でも今日は大公国内の視察に行かなきゃいけないから、そろそろ起きないとダメなんだ。
……の前に、とりあえずアルファルドにこの手枷を取って貰わないと。無理やり壊すこともできるけど、そうするとアルファルドが不安がっちゃうからやらないようにしてる。
領地の各所の建物建設もほぼ終わって、今は人材確保を急いでる。
採用するにも人選をちゃんとしたいからある程度信用できる責任者を決めて、後で視察する時に抜き打ちで検査してる。たまに私の目を掻い潜って、横領だ収賄だって、悪いことしようとする奴らもいるから。
現地の人たちが困らないように、そこら辺もきちんとしなきゃいけないんだ。
私が行けば一気に問題も解決するし、見せしめにもなるから滅多なことじゃなければ、バカなことしようとする奴らも減るしね!
「…ん、ミ……ラ……」
そんなこと考えてたらアルファルドも起きたみたいで、私をぎゅうっと抱き寄せて目元にキスしてる。
それだけで愛しさで胸がいっぱいになって、このままずっと二人でイチャイチャしてたいんだけど、そういうわけにもいかないんだよ。
「ねぇ、アルファルド。そろそろ視察の準備しなきゃだから、この手枷外してくれる?」
ジャラジャラした鎖を引きずりながら、アルファルドの目の前に拘束されてた手枷を出した。
「……し、さつ?」
「もうっ! 忘れてるだろ。今日は地方の視察に行くって前から言ってたよね?」
まだ寝ぼけてる感じのアルファルドはめちゃくちゃ可愛いけど、大公国の公妃になってからやることは多い。
財政管理の頂点も結局私が担っているし、アルファルドはそのへん私に任せてくれてるから、私も好きなように国を動かしてる。
大変なんだけど、コレがまだ楽しくて……
国作りって面倒だと思ってたのに、ハマっちゃうくらい面白い。私の性分に合ってるんだろうね。
「…あぁ、そうだったな……。…悪い」
「まだ時間あるから大丈夫。でもこれ外してくれないと、動けないからさ」
「……」
さらに急かすように前へ出した手を、アルファルドが無言でジッと見てる。
「ん? アルファルド?」
変に無言なのもなんだか怖い。
いい加減、この中途半端に脱いでる下着姿も恥ずかしいし、着替えたいんだけどな。
首を傾げてアルファルド見てると、いきなり布団を剥いで私をベッドに組み敷いてる。
「――なっ?!」
「…お前は、俺より視察のほうが大事なのか?」
「へ?」
ちょっと言われてる意味がわからなくて、アルファルドに見下されたまま、疑問符を浮かべてる。
「…最近、視察が多すぎる。…お前は不在が多いし、すぐオクタンス達を護衛に付けるだろっ!」
「いや、ちょっと待てよ。俺だって遊びで行ってるわけじゃないし! オクタンとアンカはただ単に気心が知れてるから行動しやすいってだけで、護衛なんて本当はいらな――」
「…だったら、俺も連れて行け!」
ここでなぜかアルファルドがご立腹になっちゃってる。
「え? で、でも私たちが二人で行動してると目立ちすぎちゃって……」
「…視察なんだから関係ないだろ。俺たちが共に行動していたほうが、より説得力がある」
え……っと? 一体どうしちゃったんだろう??
なんだかアルファルドのスイッチが入って、怒ってる……みたいな?
もしかしてアルファルドの書類仕事が溜まってて、ストレス溜まってるとか?
「私は別に構わないよ? だったら今回オクタンとアンカは置いといて、私がアルファルドの護衛兼、視察官に回るし……それでいいかな?」
未だに怖い顔して見下ろしてるアルファルドを見上げながら、妥協案を話してると次第にアルファルドの表情も和らいできた。
「…それで、構わない」
「は、はあ? そ……っか」
なんだか納得してくれたみたいで良かったけど……結局なんだったんだろう? 一緒に行きたかっただけかな?
私とアルファルドが国の管理を分担してやってるから、視察もアルファルドが行くことって少なかったから。
私が身体強化使って一瞬で地方まで飛んじゃったほうが早いし、最短で終わっちゃうからね。
目が覚めてしばらくボーッとしてた。
横向いたまま寝てたけど、手の自由が効かなくて、両手を上げるとまだ拘束されたままだった。
アルファルドは後ろから私を抱きしめながら寝てて、後ろから回した手がちょうど胸にあって無意識に揉んでるし。
あー……、そっか。
あのまま気を失っちゃって……そのまま寝た感じかな?
この私を失神させられるのなんて、アルファルドくらいだよね。……冗談抜きで。
SSS級冒険者の私をこんな風にできるアルファルドって、ある意味スゴい。
もうベッドの上じゃ、アルファルドに勝てる気がしないなー。
正面向いて顔だけアルファルドのほう見てるけど、やっぱりアルファルドは見惚れるくらい綺麗な顔してる。
瞳は閉じてるけど、シャープな顎のラインも、光沢のある濡羽色の黒髪も、スッと通った鼻梁に形の良い薄い唇も……
全部が私好みで、いつでも私を魅了してやまないんだ。
このまま見てると、また良からぬ欲が湧いてきちゃう。
でも今日は大公国内の視察に行かなきゃいけないから、そろそろ起きないとダメなんだ。
……の前に、とりあえずアルファルドにこの手枷を取って貰わないと。無理やり壊すこともできるけど、そうするとアルファルドが不安がっちゃうからやらないようにしてる。
領地の各所の建物建設もほぼ終わって、今は人材確保を急いでる。
採用するにも人選をちゃんとしたいからある程度信用できる責任者を決めて、後で視察する時に抜き打ちで検査してる。たまに私の目を掻い潜って、横領だ収賄だって、悪いことしようとする奴らもいるから。
現地の人たちが困らないように、そこら辺もきちんとしなきゃいけないんだ。
私が行けば一気に問題も解決するし、見せしめにもなるから滅多なことじゃなければ、バカなことしようとする奴らも減るしね!
「…ん、ミ……ラ……」
そんなこと考えてたらアルファルドも起きたみたいで、私をぎゅうっと抱き寄せて目元にキスしてる。
それだけで愛しさで胸がいっぱいになって、このままずっと二人でイチャイチャしてたいんだけど、そういうわけにもいかないんだよ。
「ねぇ、アルファルド。そろそろ視察の準備しなきゃだから、この手枷外してくれる?」
ジャラジャラした鎖を引きずりながら、アルファルドの目の前に拘束されてた手枷を出した。
「……し、さつ?」
「もうっ! 忘れてるだろ。今日は地方の視察に行くって前から言ってたよね?」
まだ寝ぼけてる感じのアルファルドはめちゃくちゃ可愛いけど、大公国の公妃になってからやることは多い。
財政管理の頂点も結局私が担っているし、アルファルドはそのへん私に任せてくれてるから、私も好きなように国を動かしてる。
大変なんだけど、コレがまだ楽しくて……
国作りって面倒だと思ってたのに、ハマっちゃうくらい面白い。私の性分に合ってるんだろうね。
「…あぁ、そうだったな……。…悪い」
「まだ時間あるから大丈夫。でもこれ外してくれないと、動けないからさ」
「……」
さらに急かすように前へ出した手を、アルファルドが無言でジッと見てる。
「ん? アルファルド?」
変に無言なのもなんだか怖い。
いい加減、この中途半端に脱いでる下着姿も恥ずかしいし、着替えたいんだけどな。
首を傾げてアルファルド見てると、いきなり布団を剥いで私をベッドに組み敷いてる。
「――なっ?!」
「…お前は、俺より視察のほうが大事なのか?」
「へ?」
ちょっと言われてる意味がわからなくて、アルファルドに見下されたまま、疑問符を浮かべてる。
「…最近、視察が多すぎる。…お前は不在が多いし、すぐオクタンス達を護衛に付けるだろっ!」
「いや、ちょっと待てよ。俺だって遊びで行ってるわけじゃないし! オクタンとアンカはただ単に気心が知れてるから行動しやすいってだけで、護衛なんて本当はいらな――」
「…だったら、俺も連れて行け!」
ここでなぜかアルファルドがご立腹になっちゃってる。
「え? で、でも私たちが二人で行動してると目立ちすぎちゃって……」
「…視察なんだから関係ないだろ。俺たちが共に行動していたほうが、より説得力がある」
え……っと? 一体どうしちゃったんだろう??
なんだかアルファルドのスイッチが入って、怒ってる……みたいな?
もしかしてアルファルドの書類仕事が溜まってて、ストレス溜まってるとか?
「私は別に構わないよ? だったら今回オクタンとアンカは置いといて、私がアルファルドの護衛兼、視察官に回るし……それでいいかな?」
未だに怖い顔して見下ろしてるアルファルドを見上げながら、妥協案を話してると次第にアルファルドの表情も和らいできた。
「…それで、構わない」
「は、はあ? そ……っか」
なんだか納得してくれたみたいで良かったけど……結局なんだったんだろう? 一緒に行きたかっただけかな?
私とアルファルドが国の管理を分担してやってるから、視察もアルファルドが行くことって少なかったから。
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